耐震支持のSA種・A種・B種の違い|組み方・地震力・どこに使うかを図解で
耐震支持の図面や仕様書に出てくる「SA種」「A種」「B種」。耐震クラスS・A・Bと名前が似ていて、混ざってしまいがちです。この記事では、配管やケーブルラックを支える耐震支持の種別だけにしぼって、何が違うのか、どこに使うのかを説明します。
結論
SA種・A種・B種は、耐震支持の組み方と強さの違いです。A種とSA種は部材で枠を組み、選ぶときの地震力がA種は重量×0.6、SA種は×1.0。B種は斜材で振れ止めする簡単な組み方です。
SA種・A種・B種は「組み方」が違う
天井から吊ったケーブルラックや配管は、地震のときに横へ大きく揺れます。揺れを止めるために付けるのが耐震支持で、その組み方と強さでSA種・A種・B種に分かれます。
| 種別 | 組み方 | 支持材を選ぶ地震力 |
|---|---|---|
| SA種 | 引張り・圧縮・曲げに耐える部材で組む | 配管等の重量 × 1.0 |
| A種 | SA種と同じ組み方 | 配管等の重量 × 0.6 |
| B種 | 引張りに効く振止めの斜材だけで組む。吊り材と同じくらいの材料 | ― |
たとえば、支持1か所が受け持つ配管等の重さが100kgなら、A種は100kg×9.8×0.6≒590N、SA種は100kg×9.8×1.0≒980Nの横向きの力に耐える支持材を選びます。SA種はA種の約1.7倍の力を見込むので、部材が太くなります。
- A種・SA種は部材で枠を組む。B種は斜材で振れ止め
- A種は重量×0.6、SA種は重量×1.0の地震力で選ぶ
- SA種がいちばん強い
どこにどの種別を使う? ― 施設区分と設置階で決まる
どの種別を何mごとに付けるかは、特記仕様書の施設区分(特定の施設/一般の施設)と、設置する階で決まります。ケーブルラック(横引き)の場合は次のとおりです。
| 設置場所 | 特定の施設 | 一般の施設 |
|---|---|---|
| 上層階・屋上・塔屋 | 6m以内ごとにSA種 | 8m以内ごとにA種又はB種 |
| 中間階 | 8m以内ごとにA種 | 8m以内ごとにA種又はB種 |
| 1階・地下階 | 8m以内ごとにA種 | 12m以内ごとにA種又はB種 |
表の詳しい読み方と積算での拾い方はケーブルラックの耐震クラスはどう決める?、立上りの耐震支持はケーブルラックの耐震支持方法『立ち上げ編』で説明しています。
- 施設区分と設置階で、種別と間隔が決まる
- 特記がなければ一般の施設
- 立上りにはB種を使えない
耐震クラスS・A・Bとの違い
名前が似ていますが、耐震クラスS・A・Bは、盤や変圧器などの機器を固定するときの強さの区分です。一方、耐震支持のSA種・A種・B種は、配管やケーブルラックを吊って支える金物の組み方の区分です。
| 耐震クラス S・A・B | 耐震支持 SA種・A種・B種 | |
|---|---|---|
| 対象 | 盤・変圧器などの機器 | 配管・ダクト・ケーブルラック |
| 決めるもの | 機器を固定する設計用震度 | 支持金物の組み方と間隔 |
| 決め方 | 機器の区分(重要/一般)と設置階など | 施設区分(特定/一般)と設置階 |
耐震クラスの決め方は耐震クラスS・A・Bの決め方、機器の区分は重要機器と一般機器の違いで説明しています。
- 耐震クラスは機器の区分、耐震支持の種別は支持金物の区分
- 配管・ラックは施設区分と設置階で種別を決める
- 名前は似ていても、使う表が違う
まとめ|結論
結論
SA種・A種・B種は、耐震支持の組み方と強さの違いです。A種・SA種は部材で枠を組み、地震力を重量×0.6(A種)・×1.0(SA種)で見込みます。B種は斜材で振れ止めします。どれを使うかは、施設区分と設置階で決まり、立上りにB種は使えません。
迷ったら、この順で確かめます。
- 特記仕様書で施設区分(特定/一般)を確かめる。書いてなければ一般の施設
- 設置階(上層階・中間階・1階と地下)を確かめる。天井から吊るなら直上階
- 表2.1.2で種別と間隔を読む
- 立上りならSA種かA種で、各階の構造体に固定する
よくある質問
A種とB種の違いは何ですか?
A種は引張り・圧縮・曲げに耐える部材で枠を組む支持で、配管等の重量×0.6の水平地震力で支持材を選びます。B種は引張りに効く振止めの斜材だけで組む支持で、材料が少なくて済みます。
SA種とA種の違いは何ですか?
組み方は同じで、支持材を選ぶときの地震力が違います。A種は重量×0.6、SA種は重量×1.0です。SA種のほうが強い支持になります。
一般の施設の「A種又はB種」はどちらを使えばよいですか?
表ではどちらでもよいとされているので、設計図・施工図の指定に従います。指定がなければ質疑で確かめます。
ケーブルラックの立上りにB種は使えますか?
使えません。B種は吊り材を使って振れ止めする形なので、立上りはSA種かA種で各階の構造体に固定します。
耐震クラスSAというのはありますか?
耐震クラスはS・A・Bの3つです。SA種は耐震支持の種別の名前で、耐震クラスとは別のものです。
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