【ロックアウト・タグアウト】LOTOとは?停電作業で錠と札を付ける理由・手順・安衛則339条
停電作業の手順書や、工場・受変電設備の保守の現場で聞く「ロックアウト・タグアウト(LOTO)」。用語集では一言で説明されますが、錠と札はそれぞれ何のためか、停電作業のどの順番で付けるのか、何人もいるときはどうするのかまでは分かりにくい言葉です。この記事は、この3つだけにしぼって説明します。
ペン太
ハリタ- ひとことで言うと
- 「ロックアウト・タグアウト」は、停電作業で切った開閉器に錠と札をつけて、作業中にだれかが誤って電気を入れないようにする安全の方法です。
- 読み方
- ロックアウト・タグアウト(ロト)
- どこで出てくる?
- 停電作業・点検の作業手順書、KY(危険予知)活動、工場や受変電設備の保守、労働安全衛生規則(第339条)。
結論
ロックアウト・タグアウトは、切った開閉器に錠(ロックアウト)と札(タグアウト)を付けて、作業中にだれも電気を入れられないようにする方法です。労働安全衛生規則 第339条にもとづき、開閉器を切ったらすぐ付け、そのあと放電・検電・短絡接地へ進みます。何人いても、1人1つの錠を、本人だけが外します。
- 錠は物理的に入れられなくし、札はだれがなぜ止めたかを知らせる
- 安衛則339条:施錠・通電禁止の表示・監視人のどれか+放電+検電・短絡接地
- 順番は、切る→錠と札→放電→検電→短絡接地→作業
- 複数人ならハスプで1人1つの錠。鍵は本人が持つ
この記事に出てくる言葉
読む前に、意味をざっと押さえておくと分かりやすくなります。
| 言葉 | 読み方 | やさしい説明 |
|---|---|---|
| 停電作業 | ていでんさぎょう | 電気を止めてから行う作業。 |
| 開路 | かいろ | 開閉器を切って、電気の通り道を開くこと。 |
| 開閉器 | かいへいき | ブレーカーやスイッチなど、電路を入れたり切ったりする機器。 |
| 施錠 | せじょう | 錠(南京錠など)をかけて、操作できないようにすること。 |
| ハスプ | ― | 1つの開閉器に、何人もの錠をかけられるようにする器具。 |
| 残留電荷 | ざんりゅうでんか | 電気を切ったあとも、ケーブルやコンデンサに残っている電気。 |
| 検電 | けんでん | 検電器で、電気が来ていないかを確かめること。 |
| 短絡接地器具 | たんらくせっちきぐ | 電線どうしと大地をまとめてつなぎ、急に電気が来ても安全にする道具。 |
「ロックアウト・タグアウト」を理解するために、土台になる考え方を3つだけ押さえておきましょう。
電気を止めても、だれかが入れてしまうことがある
停電作業の事故で多いのは、作業中にほかの人が「電気がないと困る」「止まっているのはおかしい」と思って、開閉器を入れてしまうことです。
声かけや貼り紙だけでは、伝わらないことがある
交代した人、別の会社の人、急いでいる人には、口で伝えたことや小さな貼り紙は届かないことがあります。だれが見ても分かり、物理的に入れられない方法が必要です。
法律でも、やり方が決まっている
労働安全衛生規則 第339条で、停電作業では開閉器に施錠・表示・監視人のどれかを行い、残留電荷を放電し、高圧なら検電と短絡接地をすることが求められています。
錠と札の役目 ― 入れられなくし、理由を知らせる
ペン太
ハリタ停電作業では、まず開閉器を切って電路を開路します。そのままでは、作業を知らない人が開閉器を入れてしまうかもしれません。そこで、切った開閉器に錠をかけ(ロックアウト)、「作業中・入れるな」の札を付けます(タグアウト)。
錠は、物理的に入れられないようにするためのもの。札は、だれが・なぜ・いつまで止めているのかを知らせるためのものです。労働安全衛生規則 第339条では、開路に用いた開閉器に、作業中、施錠する・通電禁止に関する所要事項を表示する・監視人を置くのどれかを行うことが求められています。
- 錠で、物理的に入れられないようにする
- 札で、だれが・なぜ止めているかを知らせる
- 安衛則339条:施錠・表示・監視人のどれか
停電作業の手順 ― 切ったらすぐ、錠と札
ペン太
ハリタ錠と札は、停電作業の手順のなかの1つです。開閉器を切ったらすぐに付けて、作業が終わるまで付けたままにします。そのあとで、残った電気を逃がし、電気が来ていないことを確かめ、高圧なら短絡接地をします。
| 手順 | やること | 安衛則339条 |
|---|---|---|
| 1 | 関係者に、止める範囲と時間を知らせる | ― |
| 2 | 開閉器を切る(開路) | ― |
| 3 | 錠と札をつける | 第1項第1号 |
| 4 | ケーブルやコンデンサの残留電荷を放電する | 第1項第2号 |
| 5 | 検電器で停電を確かめる(高圧・特高) | 第1項第3号 |
| 6 | 短絡接地器具で短絡接地する(高圧・特高) | 第1項第3号 |
| 7 | 作業後、全員の無事と短絡接地器具の取り外しを確かめて送電 | 第2項 |
検電の注意点は検電器の使い方、停電作業と活線作業の違いや近づいてよい距離は【接触防護措置】で説明しています。
- 切ったらすぐ錠と札。作業が終わるまで付けたまま
- そのあと放電・検電・短絡接地
- 送電の前に、全員の無事と器具の取り外しを確かめる
何人もいるとき ― 1人1つの錠を、本人だけが外す
ペン太
ハリタ作業者が何人もいるときは、1つの開閉器に何人もの錠をかけられるハスプという器具を使います。作業者1人ずつが、自分の錠をかけ、自分の鍵を持ちます。
作業が終わった人から自分の錠を外し、全員が外してはじめて開閉器を入れられます。こうすれば、まだ作業している人がいるのに電気が入ることはありません。札には、名前・連絡先・日時を書いておきます。
- ハスプで、1人1つの錠をかける
- 鍵は本人が持ち、本人だけが外す
- 全員が外してから送電
まとめ|結論
結論
ロックアウト・タグアウトは、切った開閉器に錠と札を付けて、作業中にだれも電気を入れられないようにする方法です。安衛則339条にもとづき、切ったらすぐ付け、放電・検電・短絡接地へ進みます。何人いても1人1つの錠をかけ、本人だけが外します。
停電作業の前に、この順で確かめます。
- 止める範囲(どの開閉器を切るか)と、ほかからの回り込みがないか
- 錠・札・ハスプが、作業者の人数分そろっているか
- 放電・検電・短絡接地の道具がそろっているか
- 送電前に、全員の錠が外れ、器具が外れていることを確かめる段取り
よくある質問
ロックアウト・タグアウト(LOTO)とは何ですか?
停電作業などで切った開閉器に、錠をかけ(ロックアウト)、作業中で入れてはいけないことを示す札を付けて(タグアウト)、作業中にだれかが誤って電気を入れないようにする安全の方法です。
法律で決まっているのですか?
労働安全衛生規則 第339条で、停電作業では、開路に用いた開閉器に、作業中、施錠するか、通電禁止に関する所要事項を表示するか、監視人を置くことが求められています。あわせて、残留電荷の放電や、高圧・特別高圧での検電と短絡接地も決められています。
札(タグ)だけでもよいですか?
法律上は、施錠・表示・監視人のどれかを行うことになっています。ただし、札は見落とされたり無視されたりすることがあるので、錠で物理的に入れられないようにし、札で理由を知らせる組み合わせが確実です。
作業者が何人もいるときは、どうしますか?
複数の錠をかけられる器具(ハスプ)を使い、作業者1人ずつが自分の錠をかけます。全員が自分の錠を外すまで、開閉器は入れられません。鍵は本人が持ち、他人の錠を外してはいけません。
錠と札は、どのタイミングで付けますか?
開閉器を切ったら、すぐに付けます。そのあとで残留電荷の放電、検電、短絡接地を行い、作業が終わって全員の無事を確かめてから、本人が外します。
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