内線規程の解釈と解説【075】|粉じん危険場所
粉じん危険場所における電気設備の施設方法を内線規程(JEAC8001-2022)に基づき解説。爆燃性・可燃性粉じんと易燃性繊維の区分、合成樹脂管配線(2mm未満・CD管不可、差込深さ外径1.2倍/接着剤0.8倍以上)、防爆防じん構造の機器、C種接地工事と接地抵抗100Ω以下までを図解とFAQで整理します。
出典:電気設備の技術基準の解釈 第175条・
粉じん爆発とは、可燃性の粉じんが空気中に浮遊し、そこに点火源が加わって発生する爆発現象です。粉じん危険場所では、粉じんの種類に応じた区分と、配線・機器・接地それぞれの防爆対策が欠かせません。本記事では、電気設備の技術基準の解釈の決まりにもとづいて図解で整理します。
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ハリタこの記事で押さえる3つのこと
- 粉じんの区分は、爆燃性・可燃性・その他の3つ(第175条)。
- 合成樹脂管は可燃性の場所で。差込みは外径の1.2倍以上。
- 機器は爆燃性で特殊防じん、可燃性で普通防じんの構造。
1. 粉じんの区分
- 解釈第175条では、粉じんの多い場所を3つに分けて、それぞれの施設のしかたを決めています
- 爆燃性粉じん(第一号):マグネシウム、アルミニウムなどの粉じんで、空気中に浮遊しても集積しても、着火すると爆発するおそれがあるもの。火薬類の粉末もここで扱います
- 可燃性粉じん(第二号):小麦粉、でん粉などの粉じんで、空中に浮遊した状態で着火すると爆発するおそれがあるもの(爆燃性粉じんを除く)
- その他の粉じんの多い場所(第三号):綿・麻・絹などの燃えやすい繊維の粉じんがある場所では、粉じんに着火しないように施設します。有効な除じん装置があれば、第三号の決まりによらなくてもかまいません
- 特別高圧の電気設備は、粉じんの多い場所に施設しません(第2項)。IEC 60079-14(2013)によって施設する方法もあります(第四号)
- 区分の名前(易燃性繊維など)や物質の例の一覧は、内線規程で確かめます
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ハリタ| 区分 | 決まり(解釈第175条) |
|---|---|
| 爆燃性粉じん | Mg・Alなど(第一号) |
| 可燃性粉じん | 小麦粉・でん粉など(第二号) |
| その他の場所 | 繊維にも着火させない |
| 特別高圧 | 施設しない(第2項) |
| 物質の例の一覧 | 内線規程で確認 |
- 粉じんの多い場所は、爆燃性・可燃性・その他の3つに分ける
- 爆燃性粉じんは、マグネシウム・アルミニウムなど(火薬類の粉末も)
- 可燃性粉じんは、小麦粉・でん粉など(浮遊で爆発するおそれ)
- 燃えやすい繊維はその他の場所で扱う。特別高圧は施設しない
2. 配線の工事
- 爆燃性粉じんの場所(第一号)は、金属管工事かケーブル工事です。合成樹脂管工事は使えません
- 金属管は薄鋼電線管以上の強さのものとし、管とボックス・器具は5山以上ねじ合わせて堅ろうに、粉じんが入らないように接続します。ボックスはパッキンで粉じんを入れません
- ケーブルはキャブタイヤケーブル以外とし、がい装ケーブルやMIケーブルを除いて、管などの防護装置に収めます。器具への引込口はパッキンや充てん剤で粉じんを入れません
- 電動機に接続する部分で可とう性が要るところは、粉じん防爆型フレキシブルフィッチング(第159条第4項第一号)を使います
- 可燃性粉じんの場所(第二号)は、合成樹脂管工事・金属管工事・ケーブル工事のどれかです
- 合成樹脂管は、厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管とCD管以外を使い、損傷を受けないように施設します
- 管と電気機械器具は、差込み深さを管の外径の1.2倍(接着剤を使うときは0.8倍)以上にして接続します(第158条第3項第二号に準じる)
- ボックスは、パッキンやすきまの奥行きを長くする方法などで、粉じんが入り難いようにします
- その他の粉じんの多い場所(第三号)は、がいし引き・合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属ダクト・バスダクト(換気型を除く)・ケーブルの各工事です
| 配線 | 決まり(解釈第175条) |
|---|---|
| 爆燃性の場所 | 金属管かケーブル |
| 金属管の接続 | 5山以上ねじ合わせ |
| 爆燃性のケーブル | キャブタイヤ以外 |
| 可燃性の合成樹脂管 | 2mm未満・CD管以外 |
| 差込み深さ | 外径の1.2倍以上 |
| 接着剤を使うとき | 外径の0.8倍以上 |
| 可とう部分 | 粉じん防爆型 |
- 爆燃性の場所は金属管工事かケーブル工事(合成樹脂管は不可)
- 金属管は薄鋼電線管以上、5山以上ねじ合わせて接続する
- 可燃性の場所の合成樹脂管は、厚さ2mm未満の電線管とCD管以外
- 差込み深さは管の外径の1.2倍(接着剤を使うときは0.8倍)以上
- 電動機の可とう性が必要な部分には、粉じん防爆型フレキシブルフィッチング(解釈第159条第4項適合品)を使用する
3. 機器・移動電線・接地
- 電気機械器具は、爆燃性粉じんの場所では粉じん防爆特殊防じん構造、可燃性粉じんの場所では粉じん防爆普通防じん構造のものです(第一号ニ・第二号ニ)
- その他の粉じんの多い場所では、粉じんが付いて温度が異常に上がるおそれや、絶縁・開閉の性能が損なわれるおそれがある器具に、防じん装置を施します
- 移動電線は、爆燃性では3種・4種のキャブタイヤケーブル、可燃性では1種以外のキャブタイヤケーブルとし、接続点のないものを損傷を受けないように施設します
- 電線と器具は、震動でゆるまないように堅ろうに接続します。電灯器具は造営材に直接か、電灯つり管などで堅ろうに取り付け、電動機は過電流で粉じんに着火しないように施設します
- 解釈第175条に接地の決まりはありません。金属製外箱は解釈第29条により、300V以下はD種、300Vを超えるとC種の接地工事です
- 移動灯・可搬形機器を原則使わないこと、露出金属部を原則C種にすること、接地抵抗値、地絡の警報と遮断は、内線規程で確かめます
| 思いこみ | 正しくは |
|---|---|
| 合成樹脂管はどこでも | 可燃性の場所で |
| 差込みは0.8倍 | 1.2倍(接着剤0.8倍) |
| 可燃性も特殊防じん | 普通防じん構造 |
| 移動電線は何でも | 区分で種類が決まる |
| 接地はC種が解釈 | 第29条で電圧による |
| 特別高圧も可 | 施設しない |
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ハリタ- 機器は、爆燃性の場所では粉じん防爆特殊防じん構造
- 可燃性の場所では、粉じん防爆普通防じん構造
- 移動電線は、爆燃性で3種・4種、可燃性で1種以外のキャブタイヤ。接続点なし
- 金属製外箱の接地は第29条(300V以下D種、超えるとC種)
- 原則C種・接地抵抗値・地絡の警報と遮断は、内線規程で確かめる
よくある質問(FAQ)
まとめ|粉じんの区分が、機器の構造を決める
粉じん危険場所では、まず粉じんの区分(爆燃性・可燃性・その他)を確定させることが出発点です。その区分によって、使える配線の工事と、機器に求められる防じん構造が変わります。合成樹脂管工事は、可燃性粉じんの場所なら使えます。
| 確認する項目 | 決まり |
|---|---|
| 粉じんの区分 | 爆燃性・可燃性・その他 |
| 爆燃性の配線 | 金属管かケーブル |
| 可燃性の配線 | 合成樹脂管も可 |
| 差込み深さ | 外径の1.2倍以上 |
| 爆燃性の機器 | 特殊防じん構造 |
| 可燃性の機器 | 普通防じん構造 |
| 接地 | 第29条(D種・C種) |
| 例の一覧・C種原則 | 内線規程で確認 |
同じ「粉じん」でも、小麦粉とアルミ粉では求められる構造が変わります。取り扱う物質が決まった時点で区分を確定させておけば、機器の型式選定でつまずくことがありません。
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内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。



