自動火災報知設備の図面で手が止まるのは、たいてい同じ4か所です。警戒区域をどこで切るかはりで区切られた部屋の感知器を何個にするか熱にするか煙にするかこの場所には付けてよいのか。どれも根拠は消防法施行令第21条と消防法施行規則第23条・第24条にあります。

この記事は、その条文を通しで整理したものです。あわせて、令和6年4月1日から「主要構造部を耐火構造」が「特定主要構造部を耐火構造」に変わった点など、2024年前半までの資料では追いきれない改正も反映しています。

設備そのものの全体像は別記事にまとめています。→ 建築消防|自動火災報知設備(自火報)の設置基準をわかりやすく解説

警戒区域と感知区域は別物。混ぜると図面が崩れる

自火報の設計でいちばん最初に決めるのが警戒区域です。令第21条第2項第1号はこう定義しています。

消防法施行令第21条第2項第1号

自動火災報知設備の警戒区域(火災の発生した区域を他の区域と区別して識別することができる最小単位の区域をいう。以下この項において同じ。)は、防火対象物二以上の階にわたらないものとすること。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。

一方、感知区域は感知器の個数を数えるための単位で、規則第23条第4項第3号ロの括弧書きに定義があります。

警戒区域と感知区域の違い警戒区域(令第21条第2項第1号・第2号)火災の発生した区域を他の区域と区別して識別することができる最小単位の区域・面積 600㎡以下、一辺の長さ 50m以下・主要な出入口から内部を見通せる場合は1,000㎡以下・光​電式分離型感知器を設ける場合は一辺100m以下・原則として防​火対象物の2以上の階にわたらない感知区域(規則第23条第4項第3号ロ)壁又は取付け面から一定以上突出したはり等によって区画された部分・0.4m以上突出したはり等・差​動式分布型感知器・煙​感知器を設ける場合は 0.6m以上突出したはり等・感知面積は感知区域ごとに数える2の階にわたることができる場合(規則第23条第1項)①一の警戒区域の面積が500㎡以下であり、かつ、その警戒区域が防​火対象物の2の階にわたる場合②規則第23条第5項第1号(階段及び傾斜路)・第3号(エレベーターの昇降路等)により煙​感知器を設ける場合※根拠は令ではなく規則。令第21条第2項第1号ただし書が「総務省令で定める場合」に委任している令和6年4月1日から「主要構造部」→「特定主要構造部」令和6年1月17日政令第7号・消防予第158号により、令第11条・第21条・第25条と規則の関係条文で「主要構造部を耐火構造とした防​火対象物」が「特定主要構造部を耐火構造とした防​火対象物」に改められた→ 感知面積・空気管の相互間隔・定温式感知線型の水平距離の「耐火構造」判定が変わっているHARITA
図1 警戒区域(令21条2項)と感知区域(規則23条4項3号ロ)の違い

面積600㎡・一辺50m、見通せれば1,000㎡

令第21条第2項第2号は、一の警戒区域の面積を600㎡以下、一辺の長さを50m以下と定めています。ただし主要な出入口からその内部を見通すことができる場合は1,000㎡以下まで拡げられます。体育館や工場のワンフロアがこれに当たります。また光電式分離型感知器を設ける場合は一辺100m以下まで認められます。

2の階にまたがれる条件は「令」ではなく「規則」にある

「上下階の合計500㎡以下なら2の階にわたってよい」という有名なルールですが、この500㎡は令の条文には書かれていません。令第21条第2項第1号のただし書が「総務省令で定める場合」に委任していて、その中身が規則第23条第1項です。

消防法施行規則第23条第1項

令第二十一条第二項第一号ただし書の総務省令で定める場合は、自動火災報知設備の一の警戒区域の面積が五百平方メートル以下であり、かつ、当該警戒区域が防火対象物の二の階にわたる場合又は第五項(第一号及び第三号に限る。)の規定により煙感知器を設ける場合とする。

読み方の要点は2つあります。1つめは、条文が言っているのは「一の警戒区域の面積が500㎡以下」であって、「小規模な建築物であること」という条件は付いていないこと。2つめは、階段・傾斜路(第5項第1号)とエレベーターの昇降路・リネンシュート・パイプダクト等(第5項第3号)に煙感知器を設ける場合は、面積にかかわらず階をまたげること。たて穴区画を1警戒区域にまとめられるのはこの後段が根拠です。

感知区域は「はりの出寸法」で決まる

感知区域の定義は、規則第23条第4項第3号ロの括弧書きです。

感知区域(規則第23条第4項第3号ロ)

感知区域(それぞれ壁又は取付け面から〇・四メートル差動式分布型感知器又は煙感知器を設ける場合にあつては〇・六メートル以上突出したはり等によつて区画された部分をいう。以下同じ。)ごとに、感知器の種別及び取付け面の高さに応じて次の表で定める床面積につき一個以上の個数を、火災を有効に感知するように設けること。

同じ部屋でも、熱感知器なら0.4m、煙感知器なら0.6mという違うものさしではりを見ることになります。天井面から400mmの下がり壁がある会議室は、熱式では2つの感知区域、煙式では1つの感知区域です。梁伏図を先に見ずに感知器を並べると、この段階で個数が合わなくなります。


感知面積の表は「特定主要構造部」に変わっている

感知器1個がカバーできる床面積は、感知器の種別・取付け面の高さ・構造の3つで決まります。

感知器1個あたりの感知面積熱式スポット型(規則第23条第4項第3号ロの表) 単位:㎡/1個感知器の種別取付け面の高さ 4m未満4m以上8m未満特定主要構造部が耐火その他の構造特定主要構造部が耐火その他の構造差動式スポット型 1種90504530差動式スポット型 2種70403525補償式スポット型 1種90504530補償式スポット型 2種70403525定温式スポット型 特種70403525定温式スポット型 1種60303015定温式スポット型 2種2015煙​感知器(規則第23条第4項第7号ホ・ヘ)・4m未満   1種・2種 150㎡/3種 50㎡・4m以上20m未満 1種・2種 75㎡(3種は不可)・廊下及び通路 歩行距離30m(3種は20m)につき1個・階段及び傾斜路 垂直距離15m(3種は10m)につき1個・下端は取付け面の下方0.6m以内、壁・はりから0.6m以上差動式分布型・空気管式(第4号)・露出部分は感知区域ごとに20m以上・取付け面の下方0.3m以内・感知区域の取付け面の各辺から1.5m以内・相互間隔 耐火9m以下/その他6m以下・1検出部あたりの空気管100m以下、検出部5度以内HARITA
図2 感知器1個あたりの感知面積(規則23条4項3号ロ・7号ホ)と空気管式の基準

令和6年4月1日の改正で判定基準が変わった

この表の左右を分ける「耐火構造か、その他の構造か」の判定基準が、令和6年4月1日から変わりました

令和6年1月17日 政令第7号/消防予第158号

令和4年の建築基準法改正に伴い、消防用設備等の技術基準における「主要構造部を耐火構造とした防火対象物」という用語が「特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物」に改められた。令第11条・第21条・第25条ほか関係規定。施行日は令和6年4月1日

現行の規則第23条第4項第3号・第4号ハ・第5号ロは、いずれも「特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物」となっています。2024年前半までに書かれた解説書・参考書は旧表記のままのものが多いので、感知面積の表を引くときは注意してください。影響するのは感知面積だけでなく、空気管式の相互間隔(9m/6m)、定温式感知線型の水平距離(4.5m/3m)も同じです。

4m以上8m未満で使えなくなる感知器がある

表を見ると、定温式スポット型2種は4m以上の欄が空欄です。これは面積がゼロという意味ではなく、規則第23条第4項第2号の「取付け面の高さに応じた感知器の種別」の表で、4m以上8m未満には定温式は特種又は1種しか掲げられていないためです。天井高が4mを超えた瞬間に、定温式2種は選択肢から外れます。

同様に、煙感知器の3種は4m以上では使えません(規則第23条第4項第7号ホの表で4m以上20m未満は1種・2種のみ)。天井高15m以上20m未満になると煙感知器はイオン化式1種・光電式1種に絞られ、20m以上では炎感知器以外は設置できません(第4項第1号イ)。

煙感知器は面積ではなく距離で数える場所がある

煙感知器の個数は、居室では床面積(1種・2種で4m未満150㎡、4m以上20m未満75㎡)ですが、廊下・通路と階段・傾斜路は距離で数えます。

規則第23条第4項第7号ヘ

感知器は、廊下及び通路にあつては歩行距離三十メートル(三種の感知器にあつては二十メートル)につき一個以上の個数を、階段及び傾斜路にあつては垂直距離十五メートル(三種の感知器にあつては十メートル)につき一個以上(略)の個数を、火災を有効に感知するように設けること。

あわせて第7号は、下端を取付け面の下方0.6m以内、壁又ははりから0.6m以上離すこと、天井が低い居室・狭い居室は入口付近、天井付近に吸気口のある居室はその吸気口付近に設けることを求めています。空調の吸込口は煙が集まる場所なので、そこに寄せるという趣旨です。


煙にしなければならない場所は「第5項」に書いてある

熱か煙かを決めるとき、まず当たるべきは規則第23条第5項です。第4項ではありません。ここを取り違えている解説をよく見かけます。

規則第23条第5項 柱書

令第二十一条第一項(第十二号を除く。)に掲げる防火対象物又はその部分のうち、第一号及び第三号に掲げる場所にあつては煙感知器を、第二号及び第三号の二に掲げる場所にあつては煙感知器又は熱煙複合式スポット型感知器を、第四号に掲げる場所にあつては煙感知器又は炎感知器を、第五号に掲げる場所にあつては炎感知器を、第六号に掲げる場所にあつては煙感知器、熱煙複合式スポット型感知器又は炎感知器を設けなければならない。

煙​感知器等を設けなければならない場所消防法施行規則 第23条 第5項(第4項ではない)場 所設ける感知器用途の限定(令別表第一)階段及び傾斜路限定なし廊下及び通路煙/熱煙複合式(一)〜(六)項、(九)項、(十二)項、(十五)項 ほかエレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクト等限定なし三の二遊興のための設備・物品を客に利用させる個室煙/熱煙複合式(二)項ニ、(十六)項イ、(十六の二)項、(十六の三)項天井等の高さが15m以上20m未満の場所煙/炎限定なし天井等の高さが20m以上の場所限定なし一〜五以外の地階、無窓階及び11階以上の部分煙/熱煙複合式/炎(一)〜(四)項、(五)項イ、(六)項、(九)項イ ほか条ズレに注意・「どこに煙​感知器を設けなければならないか」=規則第23条 第5項。第4項第7号ではない・第4項第7号は、煙​感知器を「どう設けるか」(下端0.6m以内・壁やはりから0.6m・歩行距離30m 等)の基準・第5項の柱書は令第21条第1項(第12号=道路部分を除く)に掲げる防​火対象物を対象としている・第6項は、第5項以外の場所に何の感知器を設けるかを定める(地階・無窓階・11階以上/その他の場所)HARITA
図3 煙感知器等を設けなければならない場所(規則23条5項)

整理すると、第4項が「感知器をどう設けるか」(下端の位置、はりからの距離、面積・距離あたりの個数、設けてはならない場所)、第5項が「どこに何式を設けなければならないか」、第6項が「第5項以外の場所に何を設けるか」という役割分担です。

用途の限定に注意

第5項のうち、階段・傾斜路(第1号)、たて穴(第3号)、天井等15m以上(第4号・第5号)は用途の限定がありません。令第21条第1項の対象になっている建物なら、事務所でも共同住宅でも階段には煙感知器が必要です。

一方、廊下及び通路(第2号)は(一)項から(六)項まで、(九)項、(十二)項、(十五)項、(十六)項イなどに限られ、地階・無窓階・11階以上(第6号)は(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イなどに限られます。共同住宅((五)項ロ)の共用廊下に煙感知器の義務がないのはこのためです。

また第3号の2は「遊興のための設備又は物品を客に利用させる役務の用に供する個室」——カラオケボックス・個室ビデオ等——を対象に、平成24年頃に追加された規定です。(二)項ニとその用途がある複合用途が対象になります。


設けなくてよい場所・設けてはならない場所

感知器を「付けない」判断の根拠は規則第23条第4項第1号に集まっています。柱書は「感知器は、次に掲げる部分以外の部分で、点検その他の維持管理ができる場所に設けること」という書き方です。

感知器を設けなくてよい場所・設けてはならない場所消防法施行規則 第23条 第4項 第1号(イ〜ホ)イ〜ハ 全感知器に共通イ 感知器(炎感知器を除く)の  取付け面の高さが20m以上  → 炎感知器で対応するロ 上屋その他外部の気流が  流通する場所で、有効に  感知できないものハ 天井裏で、天井と上階の床  との間の距離が0.5m未満※点検その他の維持管理が できる場所に設けることニ 煙・熱煙複合式は不可(イ)じんあい、微粉、水蒸気が  多量に滞留する場所(ロ)腐食性ガスが発生するおそれ(ハ)厨房その他正常時に煙が滞留(ニ)著しく高温となる場所(ホ)排気ガスが多量に滞留(ヘ)煙が多量に流入するおそれ(ト)結露が発生する場所(チ)その他機能に支障を及ぼす  おそれのある場所ホ 炎感知器は不可(イ)ニの(ロ)〜(ニ)、(ヘ)、(ト)  に掲げる場所(ロ)水蒸気が多量に滞留する場所(ハ)火を使用する設備で火炎が  露出するものが設けられて  いる場所(ニ)その他機能に支障を及ぼす  おそれのある場所※ハ(天井裏0.5m未満)も適用種別を横断して適用される2つの号(熱感知器だけの基準ではない)第4項第8号 感知器は、差動式分布型・光電式分離型・炎感知器を除き、換気口等の空気吹出し口から1.5m以上離す第4項第9号 スポット型の感知器(炎感知器を除く)は、45度以上傾斜させない第4項第6号 定温式の性能をもつ感知器は、最高周囲温度が公称作動温度より20度以上低い場所に設ける      ただし補償式スポット型は「公称作動温度」ではなく「公称定温点」より20度以上低い場所HARITA
図4 感知器を設けなくてよい場所(イ〜ハ)と、煙式・炎式が設けられない場所(ニ・ホ)

イ〜ハは全感知器共通で、①炎感知器を除く感知器は取付け面の高さ20m以上の場所には設けられない、②上屋その他外部の気流が流通する場所で有効に感知できないもの、③天井裏で天井と上階の床との間の距離が0.5m未満の場所、です。③はいわゆる「天井裏0.5m未満なら感知器不要」の根拠です。

ニは煙感知器・熱煙複合式スポット型感知器を設けてはならない場所を(イ)から(チ)まで8つ挙げています。じんあい・微粉・水蒸気、腐食性ガス、厨房、著しく高温、排気ガス、煙の流入、結露、そして「その他機能に支障を及ぼすおそれのある場所」。厨房と機械式駐車場と乾燥室は、この号で自動的に熱式になります。

ホは炎感知器を設けてはならない場所で、水蒸気が多量に滞留する場所と、火を使用する設備で火炎が露出するものが設けられている場所が独自に加わります。ボイラー室に炎感知器を提案するときに引っかかるのがここです。

45度と1.5mは熱感知器だけの話ではない

「取付け面に対して45度以上傾斜させない」「換気口等の空気吹出し口から1.5m以上離す」は熱感知器の基準として説明されがちですが、条文上は感知器の種別を横断する独立した号です。

規則第23条第4項 第8号・第9号

第八号 感知器は、差動式分布型及び光電式分離型のもの並びに炎感知器を除き、換気口等の空気吹出し口から一・五メートル以上離れた位置に設けること。

第九号 スポット型の感知器(炎感知器を除く。)は、四十五度以上傾斜させないように設けること。

つまり煙感知器にも1.5mと45度は適用されます。空調の吹出口の直下に光電式スポット型を置いた図面は、この第8号違反です。第7号ロが「吸気口付近に設ける」と言っているのと混同しないでください。吸込みには寄せる、吹出しからは離す——向きが逆です。

補償式スポット型は「公称定温点」で判断する

定温式の性能をもつ感知器は、正常時の最高周囲温度が公称作動温度より20度以上低い場所に設ける必要があります(第4項第6号)。ただし条文は補償式スポット型だけ別扱いです。

規則第23条第4項第6号

定温式感知器の性能を有する感知器は、正常時における最高周囲温度が、補償式スポット型感知器にあつては公称定温点より、その他の定温式感知器の性能を有する感知器にあつては公称作動温度(二以上の公称作動温度を有するものにあつては、最も低い公称作動温度)より二十度以上低い場所に設けること。

補償式スポット型は差動式と定温式の両方の性能をもつ感知器で、定温部分の作動点を「公称定温点」と呼びます。「補償式は公称作動温度より20度低い場所に」と書かれた解説は、用語が正確ではありません。


感度と作動温度は規格省令で決まっている

「1種と2種は何が違うのか」は消防法施行規則ではなく、火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第17号)に書かれています。

差動式スポット型感知器の感度(規格省令第12条)

作動試験は「室温よりK度高い風速Vセンチメートル毎秒の垂直気流に投入したとき、N秒以内で火災信号を発信すること」。表の値は1種:K=20度・V=70cm/s・N=30秒2種:K=30度・V=85cm/s・N=30秒

あわせて「室温からT度毎分の割合で直線的に上昇する水平気流を加えたとき、M分以内で火災信号を発信すること」。1種はT=10度/分・M=4.5分、2種はT=15度/分・M=15分。

よく「1種は20℃高い気流で30秒以内」とだけ説明されますが、条文は風速まで特定しています(1種70cm/s、2種85cm/s)。また差動式スポット型に3種はありません。

定温式の公称作動温度は同省令第14条第1項です。

規格省令第14条第1項

定温式感知器の公称作動温度は、六十度以上百五十度以下とし、六十度以上八十度以下のものは五度刻み、八十度を超えるものは十度刻みとする。

刻みまで決まっているので、「85℃の定温式」という製品は存在しません(80℃の次は90℃)。

配線・電源・音響・発信機——数値は規則第24条に集中している

感知器を並べ終えたあとの配線と機器まわりの数値は、規則第24条にまとまっています。電気設備設計で図面に直接効いてくるのはこの条です。

配線・電源・地​区音響装置・発信機の数値配線(第24条第1号)・感知器の信号回路は送り配線 末端に発信機・押しボタン・ 終​端器を設ける・共通線は1本につき7警戒区域以下・P型・GP型の感知器回路の 電路の抵​抗は50Ω以下・絶縁抵​抗は250V絶縁抵​抗計で 警戒区域ごとに0.1MΩ以上・60V以下の弱​電​流回路以外は 同一管・ダクトに入れない地​区音響装置(第5号)・各階の各部分から水平距離25m以下・音圧90dB以上(中心から1m) 音声によるものは92dB以上・区分鳴動の対象は、地階を除く 階数5以上かつ延べ面積3,000㎡超・出火階が2階以上:出火階+直上階 1階:出火階+直上階+地階 地階:出火階+直上階+他の地階・一定時間経過又は新たな火災信号で 全区域に自動的に警報(条文の義務)発信機・電源(第8号の2 ほか)・各階の各部分から発信機まで 歩行距離50m以下・床面から0.8m以上1.5m以下・表​示灯は取付け面と15度以上の 角度の方向に沿って10m離れた 位置から容易に識別できること・電源は蓄電池又は交流低圧屋内 幹​線から他の配線を分岐させず・非常電源の容量は10分間ス​プリンクラー設備等による設置免除(令第21条第3項)ス​プリンクラー設備・水​噴霧消火設備・泡​消火設備を基準どおり設けたときは、その有効範囲内の部分について免除・ただし備えているヘッドは「標示温度75度以下・種別1種の閉鎖型スプリンクラーヘッド」に限る(規則23条3項)・(一)〜(四)項、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項、(十六の三)項は免除できない・規則23条第5項各号・第6項第2号の場所(階段・廊下・たて穴・地階・無窓階・11階以上 等)も免除できない 根拠は令ではなく規則第23条第2項。令第21条第3項の「総務省令で定めるもの」がこれに当たるHARITA
図5 配線・地区音響装置・発信機・電源の数値(規則24条)と、スプリンクラー等による免除

共通線7警戒区域と電路抵抗50Ω

規則第24条第1号 ヘ・ト

 感知器回路の配線について共通線を設ける場合の共通線は、一本につき七警戒区域以下とすること。ただし、R型受信機及びGR型受信機に接続される固有の信号を有する感知器又は中継器が接続される感知器回路にあつては、この限りでない。

 P型受信機及びGP型受信機の感知器回路の電路の抵抗は、五十オーム以下となるように設けること。

P型で警戒区域が15なら共通線は最低3本。R型なら固有信号なので制限がありません。電路抵抗50Ωは配線長とサイズを決める条件で、1.2mm(IV/HIV)で往復の抵抗を見て決めます。同じく第1号イは送り配線末端の終端器を求めており、これは導通試験ができるようにするための規定です。

絶縁抵抗は第1号ロで、電源回路が対地電圧150V以下なら0.1MΩ以上、150V超なら0.2MΩ以上、感知器回路は一の警戒区域ごとに0.1MΩ以上(いずれも直流250Vの絶縁抵抗計)。第1号ニは、60V以下の弱電流回路を除き、他の電線と同一の管・ダクト・線ぴ・プルボックスに入れてはならないとしています。

地区音響装置は25m・90dB、音声は92dB

地区音響装置は第5号です。水平距離25m以下(ニ)、音圧は取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で90dB以上(イ)。音声により警報を発するものは第5号の2で92dB以上になります。

なお、受信機に内蔵される主音響装置の85dBは別の規定(受信機に係る技術上の規格を定める省令第4条)で、測定条件も「無響室で音響装置の中心から前方1m」と異なります。90dBと85dBを同じ土俵で比べないでください。

区分鳴動は「そのあと全区域鳴動」まで条文

規則第24条第5号ハ

地階を除く階数が五以上で延べ面積が三千平方メートルを超える防火対象物又はその部分にあつては、出火階が、二階以上の階の場合にあつては出火階及びその直上階一階の場合にあつては出火階、その直上階及び地階地階の場合にあつては出火階、その直上階及びその他の地階に限つて警報を発することができるものであること。この場合において、一定の時間が経過した場合又は新たな火災信号を受信した場合には、(略)全区域に自動的に警報を発するように措置されていること

後段が重要です。区分鳴動は「一部だけ鳴らして終わり」ではなく、一定時間の経過または新たな火災信号で全区域鳴動へ自動的に移行することまでが条文の要求です。受信機のカタログで「逐次鳴動機能」「地区音響鳴動一時停止」と呼ばれる機能は、この後段を満たすためのものです。設計時は受信機側にこの機能があるかを確認します。

もう1つ、第5号イ(ロ)に「ダンスホール、カラオケボックスその他これらに類するもので、室内又は室外の音響が聞き取りにくい場所に設ける場合は、当該場所において他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができるように措置されていること」という規定があります。音量を上げるか、BGMを自動停止させるかの設計判断が必要になる条文です。放送設備で代替する場合は→ 建築消防|非常警報設備|非常ベル・自動式サイレン・放送設備の設置基準

発信機は歩行距離50m、表示灯は15度・10m

第8号の2で、各階の各部分から一の発信機までの歩行距離50m以下、床面から0.8m以上1.5m以下、表示灯は取付け面と15度以上の角度となる方向に沿って10m離れたところから点灯していることが容易に識別できること。屋内消火栓の位置表示灯と兼用する設計が多いので、消火栓の水平距離25mと発信機の歩行距離50mを混同しないよう注意します。

電源は分岐させない、非常電源は10分

第3号は「電源は、蓄電池又は交流低圧屋内幹線から他の配線を分岐させずにとること」。第4号の非常電源は有効に10分間作動できる容量以上です。誘導灯の20分・非常照明の30分とは別の数字なので、盤の中に複数の蓄電池を持つ設計では取り違えに注意してください。→ 建築消防|消防用設備の非常電源|4種類の違いと選定

蓄積時間は合計60秒(発信機からの信号は20秒)

第7号は、感知器の公称蓄積時間と中継器・受信機に設定された蓄積時間の最大時間の合計が60秒を超えないこと、発信機からの信号を受信したときなどは20秒を超えないことを求めています。蓄積型は非火災報を減らすための機能ですが、報知の遅れとのバランスを条文が上限で押さえている形です。

また第8号で、一の警戒区域に蓄積型の感知器又は蓄積式中継器を設ける場合、受信機はその警戒区域において二信号式の機能を有しないものとされています。蓄積と二信号を重ねてはいけない、という規定です。

スプリンクラー設備等による免除——ヘッドの条件まで条文

令第21条第3項は、スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消火設備を基準どおり設けた場合に、その有効範囲内の部分について自火報を免除できるとしています。ただし条件が2段構えです。

規則第23条 第2項・第3項

第2項 令第二十一条第三項の総務省令で定めるものは、令別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物又はその部分並びに第五項各号及び第六項第二号に掲げる場所とする。

第3項 令第二十一条第三項の総務省令で定める閉鎖型スプリンクラーヘッドは、標示温度が七十五度以下で種別が一種のものとする。

つまり①特定用途を中心とした用途は丸ごと免除の対象外、②階段・廊下・たて穴・地階・無窓階・11階以上といった第5項各号の場所も対象外、③使えるヘッドは標示温度75℃以下・1種に限られる、ということです。「スプリンクラーがあるから自火報は不要」と単純化できるケースは、実務ではかなり限られます。

免除の考え方そのものは設置単位の整理と合わせて読むと理解しやすくなります。→ 建築消防|消防用設備等の設置単位|令8区画・令9のみなし・棟単位の例外

解説書で確認しておきたい点

確認ポイント

①感知面積の表の「耐火構造」 令和6年4月1日から「特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物」です。2024年前半までの資料は旧表記のままのものが多く、空気管の相互間隔・定温式感知線型の水平距離にも同じ改正が及んでいます。

②2の階にまたがれる根拠 500㎡は令ではなく規則第23条第1項です。条文は「一の警戒区域の面積が500㎡以下」であり、「小規模な建築物であること」という条件は付いていません。たて穴に煙感知器を設ける場合は面積を問わない点もセットで押さえます。

③煙にしなければならない場所の条番号 規則第23条第5項です。第4項第7号は煙感知器の設置方法の基準で、別物です。

④45度・1.5mの適用範囲 第4項第8号・第9号は感知器の種別を横断する独立した号で、煙感知器にも適用されます。熱感知器だけの基準として整理すると誤ります。

⑤補償式スポット型の温度条件 「公称作動温度」ではなく「公称定温点」より20度以上低い場所です(第4項第6号)。

⑥スプリンクラー等による免除 閉鎖型スプリンクラーヘッドは「標示温度75℃以下・種別1種」に限られます(規則第23条第3項)。この数値まで書いている解説書は多くありません。

⑦区分鳴動 「一定時間の経過又は新たな火災信号で全区域鳴動」までが規則第24条第5号ハの要求です。受信機の付加機能の説明としてではなく、条文上の義務として押さえます。

まとめ

自火報の感知器設計は、①令第21条第1項で設置対象を確定 → ②令第21条第2項+規則第23条第1項で警戒区域を切る → ③規則第23条第5項で熱/煙/炎を決める → ④規則第23条第4項第1号で「付けられない場所」を外す → ⑤同第3号〜第7号で感知区域ごとの個数を出す → ⑥規則第24条で配線・音響・発信機・電源を詰める、という順序で進めるのが条文の並びに沿っています。

とくに感知区域(はり0.4m/0.6m)特定主要構造部への改正の2つは、個数を直接動かします。梁伏図と構造図を先に押さえてから感知器を並べる——それだけで手戻りはかなり減ります。

誘導灯・非常照明との関係は別記事にまとめています。→ 建築消防|誘導灯・誘導標識の設置基準|A/B/C級の有効範囲と免除・非常電源60分

参考にした条文・告示

  • 消防法施行令 第21条(自動火災報知設備に関する基準)
  • 消防法施行規則 第23条(自動火災報知設備の感知器等)、第24条(自動火災報知設備に関する基準の細目)、第24条の2
  • 火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年 自治省令第17号)第12条・第14条
  • 受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年 自治省令第19号)第4条
  • 消防法施行令の一部を改正する政令(令和6年1月17日 政令第7号)、消防予第158号(令和6年3月29日)
  • 地区音響装置の基準(平成9年 消防庁告示第9号)

感知器の個数は「面積÷感知面積」では出ません。感知区域で割り、種別の制限を掛け、設けられない場所を外して、はじめて数が決まります。条文の順番どおりに手を動かすのがいちばん速い道です。

📖次に読むならこれ建築消防|住宅用火災警報器と特定小規模施設用自動火災報知設備|令和6年7月の緩和と条例で決まる範囲建築消防の設計
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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。