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プロット図の見方 第1回連載の一覧 ›

プロット図の壁ぎわに、小さな黒丸と「3」「イ」の文字。配線の線は描かれていないのに、どのスイッチでどの照明が点くのかは、図面から読み取れます。この連載は、プロット図に出てくる器具を1種類ずつ取り上げて、記号の横の文字まで読めるようにする回です。第1回はスイッチ。黒丸●・横の数字や文字・点滅区分(イ・ロ・ハ)の3つを順に読みます。

結論

プロット図のスイッチは黒丸●=スイッチ、横の数字・文字=種類、イ・ロ・ハ=どの照明かの3点で読みます。線は引かれていないので、同じ区分の照明をたどるのが読み方の中心です。

  • 「3」は3路。必ず同じ区分で2つある。間に「4」があれば3か所
  • 縦に並んだ黒丸は連用スイッチ。1枚のプレートに3個まで
  • 位置はドアノブ側か、高さは特記(FL+1,200など)と「H=」の傍記で読む
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
プロット図のスイッチを、黒丸・横の数字・点滅区分の3要素、同じ区分の照明をたどる読み方、3路と4路の相方の探し方、取付位置と高さの順に示す動く図解
約50秒でくり返します。黒丸・横の文字・区分の3つを読み、同じ区分の照明をたどるのが基本の流れです。

スイッチは「黒丸・横の文字・点滅区分」の3つを読む

プロット図(器具の位置を記号で並べた平面図)では、スイッチは小さな黒丸●で描かれます。ただし黒丸だけでは、どんなスイッチで、どの照明を点け消しするのかが分かりません。そこで黒丸のまわりに2種類の文字が付きます。横の数字・文字がスイッチの種類、カタカナ(イ・ロ・ハ)が点け消しする照明のグループです。

見る場所 書いてあること 例
黒丸● スイッチ(点滅器)があること・付ける位置 壁ぎわの小さな黒い点
横の数字・文字 スイッチの種類 3=3路、4=4路、H=ほたる、L=パイロット、2P=両切、A=自動点滅器
点滅区分(イ・ロ・ハ) どの照明を点け消しするか 同じ文字の照明がそのスイッチで点く
高さの傍記 特記と違う取付高さ H=1,000
点滅区分の文字は事務所で違います(イ・ロ・ハ/a・b・c/1・2・3)。凡例か特記で確認します。

横の数字・文字は、スイッチの図記号一覧で1つずつ解説しています。この記事は、その記号がプロット図の中でどう並び、照明とどうつながるかを読む回です。

ここまでのポイント
  • 黒丸●はスイッチ。種類は横の数字・文字で決まる
  • イ・ロ・ハは点滅区分。点け消しする照明のグループ
  • 文字の付け方は凡例・特記で確認する

点滅区分「イ・ロ・ハ」で、スイッチと照明をつなぐ

プロット図には、スイッチから照明までの配線は描かれないことがほとんどです。代わりに、スイッチと照明に同じ文字を付けます。「イ」のスイッチを押すと「イ」の照明が点く、というルールで、図面を見る人は文字をたどって結びつけます。

玄関のように、1か所に黒丸が縦に2〜3個並んでいるのは連用スイッチです。1枚のプレートに並べて付けるもので、それぞれに区分の文字が付きます。上から「イ・ロ・ハ」なら、玄関の天井灯・ポーチ灯・ホールの照明、のように1つずつ読み分けます。

プロット図の記号 読み方 点く照明
●(イ) 片切スイッチ・区分イ 区分イの照明(1台でも複数台でも)
● ● ●(縦に3つ) 連用スイッチ3個 上から区分イ・ロ・ハの照明をそれぞれ
●(イ)が2か所 同じ区分のスイッチが2つ 3路かどうかを横の「3」で確認
照明に文字がない 区分の描き忘れの可能性 凡例・設計者に確認
1つの区分に照明が何台あっても、スイッチを押すと全部いっしょに点きます。
読み方のコツ:区分を1つ決めて、図面の上を色ペンでなぞるつもりで同じ文字の照明をすべて探します。部屋の外(廊下・ポーチ・外壁)にある照明を見落としやすいので、部屋の境を越えて探します。
ここまでのポイント
  • 配線の線はなく、同じ文字でスイッチと照明を結ぶ
  • 縦に並んだ黒丸は連用スイッチ。上から1つずつ読む
  • 部屋の外の照明を見落とさない


3路・4路は「相方」を探す

黒丸の横に「3」があれば3路スイッチです。3路は2か所から同じ照明を点け消しするためのスイッチなので、同じ区分の「3」が必ずもう1つあります。階段なら1階と2階、長い廊下なら両端に描かれています。

3か所以上から点け消しするときは、2つの「3」の間に「4」(4路スイッチ)が入ります。場所が1つ増えるごとに「4」が1つ増えます。しくみは点滅回路の解説と、配線は3路スイッチの結線手順で詳しく扱っています。

見つかった記号(同じ区分) 点け消しできる場所 判断
3 が1つだけ ― 相方の描き忘れ・区分の書き間違い。別の階・部屋も探す
3 が2つ 2か所 正しい3路の組
3・4・3 3か所 正しい。両端が3、間が4
3・3・3 ― 3路が3つは組めない。4の書き間違いの可能性
数字は「場所の数」ではありません。3路=2か所用、4路=3か所以上にするときの間の1つ、です。
ここまでのポイント
  • 「3」は同じ区分でもう1つ探す。階段は上の階も見る
  • 間に「4」があれば3か所から点け消し
  • 3が1つだけ・3が3つは図面の確認ポイント

取付位置と高さ ― 「ドアノブ側」と「特記・H=」

黒丸の位置は、実際にスイッチを付ける壁の位置です。ふつうは扉を開けてすぐ手が届くドアノブ側に描きます。扉の吊元側(開けた扉の陰になる側)に描いてあったら、建具の開き勝手と合っているか確認します。

高さは、記号ごとには書かないのが一般的です。図面のすみの特記に「スイッチ取付高さ FL+1,200(特記なき限り)」のようにまとめて書き、違う高さの所だけ記号の横に「H=1,000」のように傍記します。住宅での決め方はスイッチ計画の記事にまとめています。

書き方 意味 よくある値
特記「FL+1,200」 特にことわりがなければこの高さ FL+1,100〜1,300
傍記「H=1,000」 この1か所だけ高さが違う 車いす対応・子ども部屋など FL+900〜1,000
FL は床仕上げ面(Floor Level)。天井高さの基準(CH)と混同しないように読みます。
ここまでのポイント
  • 位置はドアノブ側が基本。吊元側なら開き勝手を確認
  • 高さは特記でまとめて書き、違う所だけ「H=」
  • FL は床仕上げ面からの高さ


読み違えやすいところ

⚠️ よくある読み違い

  1. H と L を逆に読む:H(ほたる)は切のときに光る、L(パイロット)は入のときに光る。
  2. 高さの「H=」とほたるの「H」を混同する:数字が付いていれば高さ、単独の H ならほたる。
  3. 3路の相方を1つ見落とす:階段の上の階、廊下の反対側を必ず探す。
  4. 連用の順番を取り違える:縦に並んだ黒丸は、それぞれの区分文字で読む。並び順を思い込まない。
  5. 部屋の外の照明を数え忘れる:ポーチ・外壁・廊下の照明も同じ区分なら同じスイッチ。
ここまでのポイント
  • H=ほたる/L=パイロット、H=1,000は高さ
  • 3路の相方・部屋の外の照明を見落とさない
  • 連用は区分文字で1つずつ読む

よくある質問

プロット図のスイッチの「イ」「ロ」は何ですか?

点滅区分(スイッチ記号)です。同じ文字が付いた照明を、その文字のスイッチで点け消しします。配線の線は引かれていないことが多いので、この文字でスイッチと照明を結びつけて読みます。事務所によっては a・b・c や 1・2・3 を使います。

黒丸の横の「3」は3か所から点け消しできるという意味ですか?

いいえ。「3」は3路スイッチで、2か所から点け消しするためのスイッチです。必ず同じ点滅区分で2つあります。3か所以上から点け消しするときは、3路2つの間に「4」(4路スイッチ)が入ります。

スイッチの取付高さはどこに書いてありますか?

多くの図面では、図面のすみの特記に「スイッチ取付高さ FL+1,200(特記なき限り)」のようにまとめて書き、違う高さの所だけ記号の横に「H=1,000」のように傍記します。高さの傍記がなければ特記の高さで読みます。

縦に並んだ黒丸は何ですか?

連用スイッチです。1枚のプレートに2〜3個のスイッチを並べて付けます。それぞれに点滅区分が付くので、上から順に、どの照明を点け消しするのかを読み分けます。

3路スイッチが1つしか見つからないときは?

同じ点滅区分の相方が別の部屋や別の階に描かれていることがあります。階段なら上階の図面、廊下なら反対側の端を探します。それでも見つからなければ、図面の描き忘れか区分の書き間違いなので、設計者に確認します。

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ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。