この記事は、連載「照明設備の設計マニュアル」第4回 点滅回路とスイッチ計画 の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
全体像:内線規程【056】電柱外灯
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

電柱外灯は、電柱や配電線路の支持物に取り付ける街路照明・防犯灯です。対地電圧150V以下の白熱電灯・けい光灯・LED照明器具・水銀灯などが対象で、器具の構造、取付金具の強度、他の施設物との離隔距離、点滅器の高さなどが細かく定められています。要点を3つに整理します。

電柱外灯の施設ルール(適用範囲・器具と取付金具・離隔距離と点滅器)の3つのポイントを示した図解
結論
対地電圧150V以下の白熱電灯・けい光灯・LED・水銀灯などを電柱(支持物)に施設。電気事業者など他人の支持物に取り付ける場合は所有者の承認が必要。②器具はセード/グローブ付き・口出し線0.75mm²以上・質量100kg以下で、取付面から10cm突出した点に70kgの荷重に耐える堅牢さが必要。③低圧電線・機器・裸の通信設備とは0.6m以上、絶縁の通信設備とは0.3m以上などの離隔を確保し、引ひも式点滅器は地表上1.8m以上に施設。
この記事でわかること
✔ 1. 適用範囲・対地電圧と施設承認
✔ 2. 照明器具・取付金具の要件
✔ 3. 最小離隔距離と点滅器(3215-1表)
ペン太ペン太
防犯灯って、電力会社の電柱に勝手に付けていいんですか?
ハリタハリタ
他人の支持物への設置は所有者の承認が必要です。対地電圧150V以下の照明が対象ですよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 電力会社などの電柱に外灯を取り付けるとき、まず必要な手続きは何ですか。
  • 器具の質量は、何を含めて何kg以下ですか。
  • 引ひも式の点滅器は、地表上何m以上の位置に取り付けますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、電柱外灯の施設ルールを4つの視点で整理します。

1. 適用範囲・対地電圧と施設承認

トピック1:適用範囲・対地電圧と施設承認
電柱外灯 最小離隔距離・要件 早見図
低圧電線・機器・裸の通信設備
0.6m以上
絶縁の通信設備
0.3m以上
端子箱・引留金具/足場釘
0.1m以上/0.15m以上
器具要件 → 対地電圧150V以下・質量100kg以下・10cm突出点に70kgの荷重に耐える・口出し線0.75mm²以上。引ひも式点滅器は地表上1.8m以上。他人の支持物は所有者の承認が必要
  • 対地電圧150V以下の白熱電灯・けい光灯・LED照明器具・水銀灯などを、配電線路の支持物などに施設する場合に適用される
  • 電気事業者の支持物や、配電線と通信線を共架した電気通信事業者等が所有する支持物に施設する場合は、所有者の承認を得る必要がある
  • 所有者の保守管理上、支障がある場合は変更を求められることがある
ペン太ペン太
質量100kg以下って、器具本体だけの重さだと思ってました…
ハリタハリタ
附属金具を含めた総質量です。取付面から10cm突出した点で70kgの荷重にも耐える必要があります。
ここまでのポイント
  • 対地電圧150V以下の白熱電灯・けい光灯・LED照明器具・水銀灯などを、配電線路の支持物などに施設する場合に適用される。
  • 電気事業者の支持物や、配電線と通信線を共架した電気通信事業者等が所有する支持物に施設する場合は、所有者の承認を得る必要がある。
  • 所有者の保守管理上、支障がある場合は変更を求められることがある。

2. 照明器具・取付金具の要件

トピック2:照明器具・取付金具の要件
  • 看板や商店装飾などを目的とする附属品を設けないこと
  • 堅ろうで耐久性に富み、電柱に堅固に取り付けられること
  • 光源の損傷を防止するため、セード又はグローブを有すること
  • 取付状態で鉛直線より45度までの斜上方からの降雨を受けても支障が生じないこと
  • 電球などの取替えが容易な構造で、口出し線は導体断面積0.75mm²以上であること
  • 取付けバンド・附属金具は亜鉛めっき鋼板製又はステンレス製とすること
  • 質量は附属金具を含めて100kg以下、取付面より10cm突出した場所に70kgの荷重がかかっても耐えること
取り違えやすいところ正しくは
自社の電柱でなければ届出だけでよい電気事業者の支持物や、共架した電気通信事業者等が所有する支持物では、所有者の承認を得る必要がある
一度承認されれば以後は変わらない所有者の保守管理上、支障がある場合は変更を求められることがある
外灯に看板を付けてもよい看板や商店装飾などを目的とする附属品は設けない
光源がむき出しでも防水されていればよい光源の損傷を防止するため、セード又はグローブを有すること
真上からの雨を防げれば足りる取付状態で鉛直線より45度までの斜上方からの降雨を受けても支障が生じないこと
質量は器具本体だけで判断する附属金具を含めた質量で判断し、取付面より10cm突出した場所に70kgの荷重がかかっても耐えること
取付けバンドは強度があれば材質は自由亜鉛めっき鋼板製又はステンレス製とする
ここまでのポイント
  • 看板や商店装飾などを目的とする附属品を設けないこと。
  • 堅ろうで耐久性に富み、電柱に堅固に取り付けられること。
  • 光源の損傷を防止するため、セード又はグローブを有すること。
  • 取付状態で鉛直線より45度までの斜上方からの降雨を受けても支障が生じないこと。
  • 電球などの取替えが容易な構造で、口出し線は導体断面積0.75mm²以上であること。
  • 取付けバンド・附属金具は亜鉛めっき鋼板製又はステンレス製とすること。
  • 質量は附属金具を含めて100kg以下、取付面より10cm突出した場所に70kgの荷重がかかっても耐えること。

3. 最小離隔距離と点滅器(3215-1表)

トピック3:最小離隔距離と点滅器
  • 低圧電線・機器・裸電線の通信設備とは0.6m以上
  • 絶縁電線の通信設備とは0.3m以上
  • 端子箱・引留金具とは0.1m以上、足場釘とは0.15m以上
  • 点滅器は外傷を受けるおそれが少なく、操作容易な箇所に堅固に取り付ける
  • 点滅器は防湿形・防雨形・防まつ形・防浸形より選定する
  • 引ひも式の点滅器は地表上1.8m以上の位置に取り付ける
たとえ話
電柱外灯は、いわば「道路を見守る街の灯台」。高い場所に重い器具を取り付けるので、台風の雨風や経年でも落ちないだけの強度(質量・荷重の規定)と、近くを通る電線や通信線との距離のマナー(離隔距離)が欠かせません。
見習いペン太
見習いペン太
電柱の上っていろんな線や機器がごちゃごちゃしてるけど、外灯はどこに付ければいいの?
はりた
はりた
だから最小離隔距離が決まっているんだ。低圧電線や機器、裸の通信線とは0.6m以上離すんだよ。
見習いペン太
見習いペン太
重さもけっこうありそう…落ちてこない?
はりた
はりた
質量は金具込みで100kg以下、しかも10cm突き出した点に70kgの荷重がかかっても耐える構造が条件。だから簡単には壊れないんだ。
電柱外灯と他の施設物との最小離隔距離を示した施設イメージ図
図|他の施設物との最小離隔距離(3215-1表)。器具は質量が附属金具を含めて100kg以下、取付面より10cm突出した場所に70kgの荷重がかかっても耐える構造とし、引ひも式点滅器は地表上1.8m以上に取り付ける。
ここまでのポイント
  • 低圧電線・機器・裸電線の通信設備とは0.6m以上、絶縁電線の通信設備とは0.3m以上離す。
  • 端子箱・引留金具とは0.1m以上、足場釘とは0.15m以上離す。
  • 点滅器は外傷を受けるおそれが少なく、操作容易な箇所に堅固に取り付ける。
  • 点滅器は防湿形・防雨形・防まつ形・防浸形より選定する。
  • 引ひも式の点滅器は地表上1.8m以上の位置に取り付ける。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. 電柱外灯に使える光源は?
A. 対地電圧150V以下の白熱電灯・けい光灯・LED照明器具・水銀灯などです。
Q. 電力会社など他人の電柱に外灯を付けてもよいですか?
A. 所有者の承認が必要です。保守管理上支障がある場合は変更を求められることがあります。
Q. 外灯器具の重さや強度の規定は?
A. 質量は附属金具を含めて100kg以下で、取付面より10cm突出した場所に70kgの荷重がかかっても耐えるものとします。
Q. 他の施設物との離隔距離は?
A. 低圧電線・機器・裸の通信設備とは0.6m以上、絶縁の通信設備とは0.3m以上、端子箱・引留金具とは0.1m以上、足場釘とは0.15m以上です。
Q. 点滅器の取付け高さは?
A. 引ひも式の点滅器は地表上1.8m以上の位置に取り付けます。

まとめ|承認・強度・離隔の3点で電柱外灯を押さえる

電柱外灯は、他人の支持物なら所有者の承認を得たうえで、落下しない強度と、他の施設物との離隔を確保することが基本です。

進める場面確認すること判断の目安
計画するとき取り付ける支持物の所有者は誰か電気事業者・電気通信事業者等の所有なら承認を得る
計画するとき光源と電圧が対象に入るか対地電圧150V以下の白熱電灯・けい光灯・LED照明器具・水銀灯など
器具を選ぶとき装飾を目的とする附属品がないか看板や商店装飾などを目的とする附属品は設けない
器具を選ぶとき光源が保護されているかセード又はグローブを有すること
器具を選ぶとき雨に対して支障がないか鉛直線より45度までの斜上方からの降雨
器具を選ぶとき保守がしやすい構造か電球などの取替えが容易、口出し線は0.75mm²以上
金具を選ぶとき材質は規定どおりか亜鉛めっき鋼板製又はステンレス製
金具を選ぶとき重さと荷重に耐えるか附属金具を含めて100kg以下、10cm突出点で70kgの荷重
取り付けるとき周囲の施設物と離れているか3215-1表の最小離隔距離による
取り付けるとき点滅器の位置と形式は適切か操作容易な箇所に堅固に、防湿形・防雨形・防まつ形・防浸形より選定
取り付けるとき引ひも式の高さは足りるか地表上1.8m以上
引き渡し後所有者から変更を求められていないか保守管理上の支障があれば変更が必要になる

計画の段階で押さえること

  • 支持物の所有者と、必要な承認。
  • 対象となる光源と対地電圧。
  • 保守管理上の支障がないか。

器具と金具で押さえること

  • 附属品・セード又はグローブ・降雨に対する性能。
  • 取替えの容易さと口出し線の断面積。
  • 金具の材質と、質量・荷重の条件。

取付けで押さえること

  • 他の施設物との最小離隔距離。
  • 点滅器の取付場所と保護構造。
  • 引ひも式点滅器の高さ。

電柱外灯は、自社の敷地ではなく他人の支持物に載せることが多い設備です。技術基準を満たしていても承認が下りなければ施工できないため、計画の初期に所有者との調整を済ませておくと、後からの手戻りを防げます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
離隔距離はどこから確認すればいいですか?
ハリタハリタ
低圧電線などとは0.6m以上、絶縁通信設備とは0.3m以上です。3215-1表で整理しましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。