この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
LED照明器具の施設ルールを図解で解説。対地電圧150V以下(条件付き300V以下)、分岐回路、連結配線(直径1.6mm以上)、LED制御装置を外部に施設する条件、D種接地工事と省略条件をまとめました。
技術図書館LED照明の施設ルール|制御装置をどこに置くかが要点対地電圧150V以下が原則、300Vにできる3条件。連結配線1.6mm以上、外部施設は耐火性外箱と1cm以上の離隔を全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
全体像:内線規程【057】LED照明
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

LED照明器具は、省エネで長寿命なため家庭から商業施設まで広く普及しています。屋内施設を基本に、対地電圧150V以下を原則とし、LED制御装置を外部に施設する場合の条件や配線方法、接地のルールが定められています。要点を3つに整理します。

LED照明器具の施設ルール(対地電圧と適用範囲・配線と連結・接地)の3つのポイントを示した図解
結論
①原則として屋内に施設し、電路の対地電圧は150V以下(住宅以外で接触防護措置+直接接続なら300V以下も可)。3605節の分岐回路で使用。②連結配線の電線は直径1.6mm以上のIV電線又はケーブル、送り配線は1分岐以内。LED制御装置を外部に施設する場合は造営材から1cm以上離し、定格二次電圧300V以下。③金属製部分には原則D種接地工事。対地電圧150V以下・乾燥した場所など一定の条件で省略可。
この記事でわかること
✔ 1. 適用範囲・対地電圧・分岐回路
✔ 2. 配線・連結とLED制御装置の外部施設
✔ 3. 接地と屋外施設
ペン太ペン太
LED照明の対地電圧って、条件次第で300Vまでいけるんですよね?
ハリタハリタ
原則は150V以下です。住宅以外・接触防護措置・直接接続の3条件をすべて満たして初めて300V以下です。

この3つ、すぐ答えられますか

  • LED照明器具の電路の対地電圧は、原則として何V以下ですか。
  • LED制御装置を器具の外に施設するとき、造営材から何cm以上離しますか。
  • 連結配線には、どの電線を使いますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、LED照明の施設ルールを4つの視点で整理します。

1. 適用範囲・対地電圧・分岐回路

トピック1:適用範囲・対地電圧・分岐回路
  • LED照明器具を屋内に施設する場合に適用。LED制御装置を外部に施設する場合は制御装置も含めて適用
  • 屋側又は屋外に施設する場合も本節の規定を準用する
  • 電路の対地電圧は150V以下とする
  • ただし住宅以外の場所で、LED照明器具に接触防護措置を施し、屋内配線と直接接続して施設する場合は300V以下とできる
  • 3605節(配線設計)に規定する分岐回路により使用する
ペン太ペン太
連結配線の電線は、細いものでもいいんですか?
ハリタハリタ
直径1.6mm以上のIV電線かケーブルです。制御装置の外部施設は耐火性外箱で造営材から1cm以上離します。
ここまでのポイント
  • LED照明器具を屋内に施設する場合に適用(LED制御装置を外部に施設する場合は制御装置も含めて適用)。
  • 屋側又は屋外に施設する場合も本節の規定を準用する。
  • 電路の対地電圧は150V以下(住宅以外でLED照明器具に接触防護措置を施し、屋内配線と直接接続する場合は300V以下)。
  • 3605節(配線設計)に規定する分岐回路により使用する。

2. 配線・連結とLED制御装置の外部施設

トピック2:配線・連結とLED制御装置の外部施設
  • 送り配線は照明器具内に十分なスペースがある場合に限り1分岐以内とし、それ以上はジョイントボックス又はアウトレットボックスを使用
  • 連結配線の電線は直径1.6mm以上のIV電線又はケーブルとし、LED制御装置と直接接触しないよう施設
  • 1個の点滅器で点滅する器具数は、点滅時の突入電流を考慮して選定
  • LED制御装置を外部に施設する場合は、耐火性の外箱に収め造営材から1cm以上離して取り付け、容易に点検できるようにする
  • 雨線外では屋外用を使用し、口出し線が下向きとなるよう取り付ける。定格二次電圧は300V以下
  • 制御装置と器具間の配線にはけい光灯電線又は直径1.6mmの軟銅線と同等以上の絶縁電線(DV・DE電線を除く)を使用
配線の区間使用する電線
連結配線直径1.6mm以上のIV電線又はケーブル(LED制御装置と直接接触しないように施設)
LED制御装置と器具の間けい光灯電線、又は直径1.6mmの軟銅線と同等以上の絶縁電線(DV電線・DE電線を除く)
ここまでのポイント
  • 送り配線は照明器具内に十分なスペースがある場合に限り1分岐以内とし、それ以上はジョイントボックス又はアウトレットボックスを使用する。
  • 連結配線の電線は直径1.6mm以上のIV電線又はケーブルとし、LED制御装置と直接接触しないよう施設する。
  • 1個の点滅器で点滅する器具数は、点滅時の突入電流を考慮して選定する。
  • LED制御装置を外部に施設する場合は、耐火性の外箱に収め造営材から1cm以上離して取り付け、容易に点検できるようにする。
  • 雨線外では屋外用を使用し、口出し線が下向きとなるよう取り付ける。定格二次電圧は300V以下。
  • 制御装置と器具間の配線には、けい光灯電線又は直径1.6mmの軟銅線と同等以上の絶縁電線(DV電線・DE電線を除く)を使用する。

3. 接地と屋外施設

トピック3:接地と屋外施設
  • LED照明器具の金属製部分には、機械器具の金属製外箱などの接地により接地工事を施す
  • LED制御装置を外部に施設する場合は原則D種接地工事が必要
  • 回路の対地電圧150V以下で乾燥した場所など、3つのケースで接地工事を省略できる
  • 可搬型で移動電線を用いる場合は3心コード又は3心キャブタイヤケーブルの1心を接地用とし、接地極コンセント・プラグで接地
  • 屋側・屋外に施設する場合は屋外形を使用(雨線内や適切な防水箱内を除く)
たとえ話
LED照明は「燃費のいい省エネ電球」。本体だけでなく、電気を整えるLED制御装置(電源)をどこに置くかが要点です。外に出すなら耐火の箱に入れて壁から1cm離す——電源を熱や水から守る“置き場所のルール”だと考えると分かりやすいです。
見習いペン太
見習いペン太
LEDって省エネだよね。対地電圧は普通の照明と同じでいいの?
はりた
はりた
原則150V以下だよ。ただし住宅以外で接触防護措置を施し直接接続すれば300V以下まで上げられるんだ。
見習いペン太
見習いペン太
制御装置を器具の外に出してもいいの?
はりた
はりた
いいよ。でも耐火の外箱に収めて造営材から1cm以上離し、点検できるように付けるのが条件。雨のかかる所では屋外用で口出し線を下向きにね。
取り違えやすいところ正しくは
LED照明は屋内だけの規定屋側又は屋外に施設する場合も本節の規定を準用する
対地電圧はどこでも300Vまで使える原則150V以下。300V以下にできるのは住宅以外で接触防護措置を施し、屋内配線と直接接続する場合
送り配線は器具内で自由につなげる照明器具内に十分なスペースがある場合に限り1分岐以内。それ以上はジョイントボックス又はアウトレットボックスを使う
点滅器につなぐ器具数は容量だけで決めてよい点滅時の突入電流を考慮して選定する
制御装置は外に出せば点検しやすい場所ならよい耐火性の外箱に収め、造営材から1cm以上離し、容易に点検できるようにする
雨線外でも取付けの向きは問わない屋外用を使用し、口出し線が下向きとなるよう取り付ける
ここまでのポイント
  • LED照明器具の金属製部分には、機械器具の金属製外箱などの接地により接地工事を施す。
  • LED制御装置を外部に施設する場合は原則D種接地工事が必要。
  • 回路の対地電圧150V以下で乾燥した場所など、3つのケースで接地工事を省略できる。
  • 可搬型で移動電線を用いる場合は、3心コード又は3心キャブタイヤケーブルの1心を接地用とし、接地極付コンセント・プラグで接地する。
  • 屋側・屋外に施設する場合は屋外形を使用する(雨線内や適切な防水箱内を除く)。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. LED照明器具の対地電圧の上限は?
A. 原則150V以下です。住宅以外の場所で接触防護措置を施し、屋内配線と直接接続して施設する場合は300V以下とできます。
Q. LED制御装置は器具の外に設置できますか?
A. できます。耐火性の外箱に収め、造営材から1cm以上離して容易に点検できるように施設し、定格二次電圧は300V以下とします。
Q. 連結配線に使う電線は?
A. 直径1.6mm以上のIV電線又はケーブルを用い、LED制御装置と直接接触しないように施設します。
Q. LED照明器具の接地はどうする?
A. 金属製部分には原則接地工事(外部制御装置の場合はD種接地工事)を施します。対地電圧150V以下で乾燥した場所など一定の条件で省略できます。
Q. 屋外に施設するときの注意点は?
A. 屋外形のものを使用します。雨線内で使う場合や適切な防水箱に収める場合はこの限りではありません。

まとめ|器具本体より「制御装置をどこに置くか」が要点

LED照明の施設は、対地電圧を原則150V以下に抑え、連結配線の電線を選び、制御装置を外に出すなら耐火性外箱と1cm以上の離隔をとることが基本です。

確認する項目規程が示す内容
適用範囲LED照明器具の屋内施設(制御装置を外部に施設する場合は制御装置も含む)。屋側・屋外も準用
電路の対地電圧150V以下
300V以下とできる条件住宅以外の場所、LED照明器具に接触防護措置、屋内配線と直接接続
分岐回路3605節(配線設計)に規定する分岐回路
送り配線器具内に十分なスペースがある場合に限り1分岐以内
1分岐を超える場合ジョイントボックス又はアウトレットボックスを使用
連結配線の電線直径1.6mm以上のIV電線又はケーブル
1個の点滅器で点滅する器具数点滅時の突入電流を考慮して選定
制御装置を外部に施設する場合耐火性の外箱に収め、造営材から1cm以上離し、容易に点検できるように
雨線外の制御装置屋外用を使用し、口出し線が下向きとなるよう取り付け
制御装置の定格二次電圧300V以下
制御装置と器具間の配線けい光灯電線、又は直径1.6mmの軟銅線と同等以上の絶縁電線(DV電線・DE電線を除く)
器具の金属製部分機械器具の金属製外箱などの接地により接地工事
外部の制御装置の接地原則D種接地工事(対地電圧150V以下で乾燥した場所など3つのケースで省略可)
可搬型で移動電線を用いる場合3心コード又は3心キャブタイヤケーブルの1心を接地用とし、接地極付コンセント・プラグで接地
屋側・屋外屋外形を使用(雨線内や適切な防水箱内を除く)

回路で押さえること

  • 対地電圧150V以下、又は300V以下にできる条件。
  • 配線設計の規定による分岐回路であること。
  • 点滅器につなぐ器具数と突入電流。

配線で押さえること

  • 送り配線は1分岐以内か、ボックスを使うか。
  • 連結配線と制御装置まわりの電線の種類。
  • 電線が制御装置に直接接触していないか。

制御装置と接地で押さえること

  • 耐火性外箱、造営材から1cm以上、点検のしやすさ。
  • 雨線外での屋外用と口出し線の向き。
  • 器具の金属製部分と外部制御装置の接地工事。

LED照明は器具そのものが軽く小さいぶん、制御装置(電源)の置き場所が図面に描かれないまま現場任せになりがちです。上の表の制御装置の欄を、器具の選定と同じタイミングで確認しておくと、施工後に点検できない位置に収まってしまう事態を避けられます。

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ペン太ペン太
接地は必ずD種が要るんでしょうか?
ハリタハリタ
原則D種ですが、対地電圧150V以下で乾燥した場所など省略できる条件もあります。確認して仕上げましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。