この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

放電灯はガス放電で発光する照明の総称で、蛍光灯・水銀灯・ナトリウム灯などが該当します。ここでは管灯回路の使用電圧が1,000V以下の放電灯を屋内に施設する場合のルールを、対地電圧・がいし引き配線・接地の3点に整理します。

管灯回路1,000V以下の放電灯の施設ルール(適用と対地電圧・がいし引き配線・接地工事)の3つのポイントを示した図解
結論
①管灯回路1,000V以下の放電灯を屋内に施設。電路の対地電圧は150V以下(住宅以外で接触防護措置+直接接続なら300V以下も可)。1組の合計容量はスイッチ定格電流80%以下。②がいし引き配線では電線相互6cm以下、電線と造営材2.5cm以上(湿気の多い場所4.5cm以上)、支持点間は300V超600V以下で2m以下・600V超1,000V以下で1m以下。③接地は電圧と動作電流でA種/C種/D種を使い分ける。
この記事でわかること
✔ 1. 適用範囲・対地電圧・分岐回路
✔ 2. がいし引き配線(3220-2表)
✔ 3. 安定器・灯具の接地
ペン太ペン太
蛍光灯や水銀灯の回路って、分岐回路いっぱいまで器具をつなげますよね?
ハリタハリタ
合計容量はスイッチ定格電流の80%以下に抑えます。対地電圧も原則150V以下です。

1. 適用範囲・対地電圧・分岐回路

  • 管灯回路の使用電圧が1,000V以下の放電灯を屋内に施設する場合に適用(屋側・屋外も準用)
  • 電路の対地電圧は150V以下とする
  • ただし住宅以外の場所で、放電灯に接触防護措置を施し、安定器を屋内配線と直接接続する場合は300V以下とできる
  • 3605節(配線設計)に規定する分岐回路により使用する
  • 1組(1個のタンブラスイッチで点滅できるもの)の合計容量は、スイッチの定格電流の80%以下とする
ペン太ペン太
がいし引きのとき、支持点の間隔はどこまで広げられますか?
ハリタハリタ
電圧により2m以下または1m以下です。電線と造営材は2.5cm以上、湿度の高い場所は4.5cm以上離します。

2. がいし引き配線(3220-2表)

  • 電線相互間の距離は6cm以下とする
  • 電線と造営材との距離は2.5cm以上(湿気の多い場所では4.5cm以上)とする
  • 管灯回路の電圧が300Vを超え600V以下の場合、電線支持点間の距離は2m以下とする
  • 管灯回路の電圧が600Vを超え1,000V以下の場合、電線支持点間の距離は1m以下とする
  • 安定器は原則として照明器具内に収め、外部に施設する場合は造営材の下面又は側面に取り付ける

3. 安定器・灯具の接地

  • 管灯回路が高圧で、放電灯用変圧器の定格二次短絡電流又は回路の動作電流が1Aを超える場合はA種接地工事
  • 管灯回路が300Vを超える低圧で、同電流が1Aを超える場合はC種接地工事
  • その他の場合はD種接地工事
  • 対地電圧150V以下を乾燥した場所に施設する場合などは接地工事を省略できる
  • 可搬型で移動電線を用いる場合は3心コード又は3心キャブタイヤケーブルの1心を接地用とし、接地極付コンセント・プラグで接地
たとえ話
放電灯の配線は「電線同士・壁との間にきちんと隙間をあける整列乗車」のようなもの。電圧が高いほど離隔や支持の間隔が厳しくなり、電圧が上がるほど支持点を密に(2m→1m)して、たるみや接触による事故を防ぎます。
見習いペン太
見習いペン太
放電灯って蛍光灯のことだよね。配線で気をつけることは?
はりた
はりた
がいし引き配線では電線相互を6cm以下、電線と造営材を2.5cm以上あけるんだ。湿気の多い場所なら4.5cm以上だよ。
見習いペン太
見習いペン太
電圧が高いと支持の間隔も変わるの?
はりた
はりた
そう。300V超600V以下なら2m以下、600V超1,000V以下なら1m以下。電圧が高いほど支持点を密にするんだ。
1000V以下の放電灯におけるがいし引き配線の離隔距離と支持点間を示した図
図|がいし引き配線の離隔と支持点間(3220-2表)。電線相互間は6cm以下、造営材とは2.5cm以上、湿気の多い場所では4.5cm以上。支持点間は管灯回路の電圧が300V超600V以下で2m以下、600V超1,000V以下で1m以下。

よくある質問(FAQ)

Q. この節が対象とする放電灯は?
A. 管灯回路の使用電圧が1,000V以下の放電灯(蛍光灯・水銀灯・ナトリウム灯など)を屋内に施設する場合です。
Q. 放電灯の対地電圧の上限は?
A. 原則150V以下です。住宅以外で接触防護措置を施し、安定器を屋内配線と直接接続する場合は300V以下とできます。
Q. がいし引き配線の離隔距離は?
A. 電線相互間は6cm以下、電線と造営材との距離は2.5cm以上(湿気の多い場所は4.5cm以上)です。
Q. 電線支持点間の距離は?
A. 管灯回路300V超600V以下で2m以下、600V超1,000V以下で1m以下です。
Q. 安定器・灯具の接地工事の種類は?
A. 高圧かつ1A超でA種、300V超の低圧かつ1A超でC種、その他はD種接地工事です。一定条件で省略できます。

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ペン太ペン太
接地はどの種別を選べばいいですか?
ハリタハリタ
A種・C種・D種を条件に応じて使い分けます。安定器・灯具まで含めて確認していきましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。