内線規程の解釈と解説【069】|電熱器
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
電気ヒーターや乾燥機などの電熱器は、消費電流が大きく発熱もともなうため、分岐回路の取り方や手元開閉器、可燃物との離隔まで内線規程で細かくルールが定められています。この記事では、電熱器を安全に使うための施設ルールを整理して解説します。

1個の容量が12Aを超える電熱器は専用の分岐回路で使用します。電熱器の配線には原則として手元開閉器を施設しますが、1.5kW以下の電熱器をコンセント等から使用する場合などは省略できます。固定電熱器は可燃性物質と十分に離隔し、金属製外箱は接地工事を施します。
✔ ① 分岐回路のルール
✔ ② 手元開閉器のルール
✔ ③ 可燃性物質との距離と接地
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 専用の分岐回路が必要になるのは、1個の容量が何Aを超えるときですか。
- 手元開閉器を省略できるのは、どんな場合ですか。
- 固定電熱器で、可燃性物質と離隔できないときはどうしますか。
① 分岐回路のルール
- 1個の容量が12Aを超える電熱器は、専用の分岐回路で使用します。
- 1個の容量が12A以下の電熱器は、15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路で他の負荷と共用できます。
- 大容量電熱器(容量20A以上)の分岐回路から小容量電熱器を分岐使用する場合は、小容量側の合計電流が大容量の半分以下かつ15A以下で、分岐回路は30A・40A・50A以上の容量とし、分岐点に過電流遮断器を設けます。
- 差込プラグは原則使用できますが、住宅の屋内に設置する対地電圧150Vを超える電熱器は除きます。
ペン太
ハリタ| 1個の容量 | 使える分岐回路 |
|---|---|
| 12Aを超える | 専用の分岐回路で使用する |
| 12A以下 | 15A分岐回路、又は20A配線用遮断器分岐回路で他の負荷と共用できる |
- 1個の容量が12Aを超える電熱器は、専用の分岐回路で使用する。
- 12A以下は、15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路で他の負荷と共用できる。
- 大容量電熱器の回路から小容量を分岐するときは、合計電流が大容量の半分以下かつ15A以下とし、分岐点に過電流遮断器を設ける。
- 差込プラグは原則使用できる(住宅の屋内に設置する対地電圧150V超の電熱器を除く)。
② 手元開閉器のルール
- 電熱器の配線には、原則として手元開閉器を施設します。
- ただし、開閉器を備えた電熱器をコンセントから使用するとき、1.5kW以下の電熱器をコンセント又はコードコネクタから使用するとき、分岐開閉器が手元開閉器を兼ねるときは省略できます。
- 電熱器に附属する差込プラグの定格は所定の表により(例:定格電流20A超30A以下→30A、30A超50A以下→50A)、最大負荷電流に適合するものを使用します。
| 手元開閉器 | 扱い |
|---|---|
| 原則 | 電熱器の配線に施設する |
| 開閉器を備えた電熱器をコンセントから使用するとき | 省略できる |
| 1.5kW以下の電熱器をコンセント又はコードコネクタから使用するとき | 省略できる |
| 分岐開閉器が手元開閉器を兼ねるとき | 省略できる |
- 電熱器の配線には、原則として手元開閉器を施設する。
- コンセント使用や1.5kW以下、分岐開閉器が兼ねる場合は省略できる。
- 附属する差込プラグは、所定の表により最大負荷電流に適合する定格のものを使う。
③ 可燃性物質との距離と接地
- 固定電熱器は、周囲の造営材の可燃性物質や熱で変色・変形するおそれのあるものと十分な距離を離隔するか、耐熱装置を施します。
- 電熱器の金属製外箱は、機械器具の金属製外箱などの接地の規定に準じて接地工事を施します。
電熱器の専用回路は、大食いの人に専用のお皿を用意するようなものです。みんなと同じ大皿から取り分けると料理がすぐ足りなくなるように、消費電流の大きい電熱器を他の機器と共用すると回路の容量がすぐ不足してしまいます。だから容量の大きいものは専用回路にするのです。
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 電熱器はすべて専用回路にする | 専用の分岐回路が必要なのは1個の容量が12Aを超えるもの。12A以下は共用できる |
| 手元開閉器はどんな場合でも必要 | コンセント使用や分岐開閉器が兼ねる場合など、省略できる条件がある |
| 差込プラグは使えない | 原則として使用できる。住宅の屋内に設置する対地電圧150Vを超える電熱器は除く |
| プラグは電熱器に付いていれば定格は問わない | 所定の表により、最大負荷電流に適合する定格のものを使う |
| 可燃物から離せない場合は施設をあきらめる | 十分な距離を離隔するか、耐熱装置を施す |
- 固定電熱器は、造営材の可燃性物質や熱で変色・変形するおそれのあるものと十分な距離を離隔する。
- 離隔できない場合は、耐熱装置を施す。
- 金属製外箱は、機械器具の金属製外箱などの接地の規定に準じて接地工事を施す。
よくある質問(FAQ)
まとめ|「12A」「手元開閉器」「離隔と接地」で押さえる
電熱器の施設は、1個12Aを超えるかで回路を分け、手元開閉器の要否を判断し、可燃物との離隔と接地を確保するという流れで整理できます。
| 確認する項目 | 規程が示す内容 |
|---|---|
| 専用分岐回路が必要な容量 | 1個の容量が12Aを超えるもの |
| 共用できる分岐回路 | 15A分岐回路、又は20A配線用遮断器分岐回路(1個12A以下) |
| 大容量回路からの分岐 | 合計電流が大容量の半分以下かつ15A以下、分岐回路は30A・40A・50A以上、分岐点に過電流遮断器 |
| 差込プラグ | 原則使用可(住宅の屋内の対地電圧150V超は除く) |
| プラグの定格 | 所定の表により、最大負荷電流に適合するもの(例:20A超30A以下→30A、30A超50A以下→50A) |
| 手元開閉器 | 原則施設。コンセント使用・1.5kW以下・分岐開閉器が兼ねる場合は省略可 |
| 可燃性物質との関係 | 十分な距離を離隔するか、耐熱装置を施す |
| 金属製外箱 | 機械器具の金属製外箱などの接地の規定に準じて接地工事 |
回路の設計で押さえること
- 1個の容量が12Aを超えるかどうか。
- 共用する場合の分岐回路の種類。
- 大容量回路から分岐する場合の条件と過電流遮断器。
開閉器とプラグで押さえること
- 手元開閉器を省略できる条件に当てはまるか。
- 差込プラグを使える機器かどうか。
- プラグの定格が最大負荷電流に適合しているか。
設置と保安で押さえること
- 可燃性物質、変色・変形のおそれがあるものとの距離。
- 離隔できない場合の耐熱装置。
- 金属製外箱の接地工事。
電熱器は消費電流が大きく、しかも熱を出し続ける機器です。回路の容量だけを見て決めるのではなく、開閉器・プラグ・離隔・接地まで一続きで確認しておくと、施工後の手戻りや不具合を防ぎやすくなります。
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