内線規程の解釈と解説【114】|予備電源施設
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
停電時に活躍する予備電源は、非常時の命綱です。ここでは内線規程にもとづき、自家発電機や蓄電池、切替開閉器などからなる予備電源施設を安全に設置するための要点を整理します。

この記事の結論
予備電源施設は常用電源と電気的に接続しないことが基本です。発電機・蓄電池ともに開閉器と過電流遮断器を設け、鉄台・金属外箱は1350-2にもとづき接地します。負荷が共通な場合は切替開閉器を電源側に設け、予備電源の逆流を防ぎます。
✔ 発電機の設置ルール
✔ 蓄電池を予備電源にする場合
✔ 電源切替のルール
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 非常用予備電源を設置するときの、いちばんの大原則は何か
- 鉛蓄電池とアルカリ蓄電池では、1セルあたり何Vで計算するか
- 常時電源と予備電源で負荷が共通のとき、切替開閉器はどちら側に置くか
発電機の設置ルール
- 非常用予備電源は常用電源と電気的に接続しないように設置する(需要場所以外からの常用供給と切り離す)
- 低圧発電機には開閉器・過電流遮断器を設け、電圧計・電流計は発電機の近くで開閉しやすい場所に設置する
- 高圧発電機では各極に開閉器+過電流遮断器を設け、電圧計は各相、電流計は中性線を除く各極を読めるようにする
- 鉄台・金属外箱・鉄枠などは1350-2の規定により接地する
ペン太
ハリタ| 区分 | 開閉器・過電流遮断器 | 計器の要件 |
|---|---|---|
| 低圧発電機 | 開閉器と過電流遮断器を設ける | 電圧計・電流計を発電機の近くで開閉しやすい場所に設置 |
| 高圧発電機 | 各極に開閉器+過電流遮断器 | 電圧計は各相、電流計は中性線を除く各極を読めるように |
| 蓄電池 | 開閉器と過電流遮断器(開閉機能付きなら単独可) | — |
- 非常用予備電源は、常用電源と電気的に接続しないように設置する
- 需要場所以外からの常用供給とは切り離す
- 低圧発電機には開閉器・過電流遮断器を設け、電圧計・電流計は発電機の近くで開閉しやすい場所に置く
- 高圧発電機では各極に開閉器+過電流遮断器を設ける
- 高圧では電圧計は各相、電流計は中性線を除く各極を読めるようにする
- 鉄台・金属外箱・鉄枠などは1350-2の規定により接地する
蓄電池を予備電源にする場合
- 開閉器と過電流遮断器を設ける(過電流遮断器に開閉機能があれば単独でもよい)
- 開放形蓄電池は磁器・ガラスなどのがいしで支持し、腐食に強い絶縁台に設置する(16V以下の蓄電池は除外)
- 電圧の算出は、鉛蓄電池は2V/セル、アルカリ蓄電池は1.2V/セルで計算する
- 開閉器と過電流遮断器を設ける(過電流遮断器に開閉機能があれば単独でもよい)
- 開放形蓄電池は磁器・ガラスなどのがいしで支持し、腐食に強い絶縁台に設置する
- 16V以下の蓄電池はこの支持の規定から除外される
- 電圧の算出は、鉛蓄電池が2V/セル、アルカリ蓄電池が1.2V/セル
電源切替のルール
- 常時電源と予備電源で負荷が共通な場合は、切替開閉器を電源側に設置する
- 予備電源が常時線路に逆流しないように構成するのが原則
- 直流と交流が切り替わるような場合は、特に注意して構成する
たとえ話でイメージ
予備電源は、停電という非常事態にだけ開く「もう一つの蛇口」です。普段の蛇口(常用電源)と直接つなげてしまうと水が混ざって事故のもと。だから切替開閉器という栓で、どちらか一方だけが流れるようにしておくわけです。

| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 予備電源は常用電源とつないでおくと切り替えが早い | 電気的に接続しない。切替開閉器で一方だけを流す |
| 蓄電池の電圧はセル数×2Vで計算すればよい | 鉛は2V/セル、アルカリは1.2V/セル |
| 切替開閉器は負荷側に置いてもよい | 負荷が共通な場合は電源側に設置する |
| どんな蓄電池もがいしで支持する | 16V以下の蓄電池は除外される |
| 低圧も高圧も計器の要件は同じ | 高圧は各相の電圧計と各極の電流計が必要 |
- 常時電源と予備電源で負荷が共通な場合は、切替開閉器を電源側に設置する
- 予備電源が常時線路に逆流しないように構成するのが原則
- 直流と交流が切り替わるような場合は、特に注意して構成する
よくある質問(FAQ)
まとめ|つながないこと、逆流させないこと
予備電源施設の要点は「常用電源と電気的に接続しない」「予備電源を常時線路に逆流させない」の2点に集約されます。そのうえで、発電機か蓄電池かによって開閉器・計器・支持の要件を当てはめていきます。
| 確認する順番 | 見るところ | 決まること |
|---|---|---|
| Step1 | 常用電源との関係 | 電気的に分離できているか |
| Step2 | 予備電源の種類 | 発電機(低圧・高圧)か、蓄電池か |
| Step3 | 開閉器と過電流遮断器 | 極ごとの要件を満たしているか |
| Step4 | 計器の配置 | 低圧は近くで開閉しやすい場所、高圧は各相・各極 |
| Step5 | 切替と接地 | 切替開閉器は電源側か、鉄台等は1350-2で接地しているか |
予備電源は普段動かさない設備だからこそ、つなぎ方の誤りが表に出るのは非常時になります。切替の構成と接地は、竣工時に図面と現物を突き合わせて確認しておくと安心です。
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内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。
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