この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【120】高圧電動機
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

高圧電動機は工場やビル設備で使われる大型の動力設備で、感電や火災のリスクもあるため施設に厳格なルールが定められています。ここでは内線規程3815節をもとに、操作用配電盤・過負荷保護進相コンデンサの要点を整理します。

高圧電動機の施設の3つのポイントを示す図解
結論
高圧電動機は安全第一と効率運転がカギです。操作用配電盤は関係者以外が操作できない場所に置き、環境に応じて防爆・防じん・防湿形を選定。過負荷保護装置は必須で、電線は3815-1表に準拠します。進相コンデンサは操作用開閉器の負荷側に限流ヒューズとともに設置し、可燃性油封入タイプは壁・天井から1m以上離します。
この記事でわかること
✔ 操作用配電盤の設置基準
✔ 過負荷保護とケーブルサイズ
✔ 高圧進相用コンデンサの設置ルール
ペン太ペン太
高圧電動機の配電盤って、操作しやすいように誰でも触れる場所が良いですよね?
ハリタハリタ
逆です。関係者以外が容易に操作できない場所に設置するのが基準です。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 高圧電動機の操作用配電盤は、どんな場所に設置するか
  • 高圧進相用コンデンサは、開閉器のどちら側に接続するか
  • 可燃性油を封入したコンデンサは、壁・天井から何m以上離すか
この記事でわかること
内線規程3815節の要点を、現場で確認する順に並べています。

操作用配電盤の設置基準

トピック1:操作用配電盤の設置基準
  • 関係者以外が簡単に操作できない場所に設置する。
  • ガス・粉じん・湿気が多い場所では、防爆・防じん・防湿形の配電盤を選定する。
  • 電動機ごとに専用配電盤とするのが望ましい。
  • 過電流保護(遮断器)を必ず設置する。
設置場所の条件選定する配電盤
ガスが多い場所防爆形
粉じんが多い場所防じん形
湿気が多い場所防湿形
上記に当てはまらない場所一般形(関係者以外が操作できない位置に設ける)
ここまでのポイント
  • 関係者以外が簡単に操作できない場所に設置する
  • ガス・粉じん・湿気が多い場所では、防爆・防じん・防湿形を選定する
  • 電動機ごとに専用配電盤とするのが望ましい
  • 過電流保護(遮断器)を必ず設置する

過負荷保護とケーブルサイズ

トピック2:過負荷保護とケーブルサイズ
  • 電動機には過負荷保護装置が必須(温度検知タイプも可)。
  • 電線の太さと容量は3815-1表に準拠する(関連情報は資料3-8-1)。
ペン太ペン太
進相コンデンサ、配線の途中に入れるだけじゃダメなんですか!
ハリタハリタ
負荷の操作用開閉器の負荷側に、限流ヒューズとともに設置します。位置が重要です。
ここまでのポイント
  • 電動機には過負荷保護装置が必須(温度検知タイプも可)
  • 電線の太さと容量は3815-1表に準拠する(関連情報は資料3-8-1)

高圧進相用コンデンサの設置ルール

トピック3:高圧進相用コンデンサ
  • 容量は負荷の無効分を超えないようにする。
  • 接続位置は、負荷の操作用開閉器の負荷側とする。
  • 保護として限流ヒューズを設置する(他のヒューズで代用可)。
  • 本線より細い配線は禁止。
  • 可燃性油封入タイプは、壁・天井から1m以上離す。
たとえ話でイメージ
高圧電動機の設計は、大型の機械を安全に動かす工場のラインづくりに似ています。むやみに触れない場所に操作盤を置き(配電盤の配置)、止めるべきときに確実に止める仕組み(過負荷保護)を備え、ムダな力を減らす工夫(進相コンデンサによる力率改善)をする、というイメージです。
見習いペン太
見習いペン太
配電盤って、どこにでも置いていいの?
はりた
はりた
ダメだよ。関係者以外が簡単に操作できない場所に置くのが基本なんだ。ガスや粉じん、湿気が多い場所では防爆・防湿形を選ばなきゃいけないよ。
見習いペン太
見習いペン太
進相コンデンサって何のためにつけるの?
はりた
はりた
力率を改善して電力損失を減らすためだよ。操作用開閉器の負荷側に、限流ヒューズと一緒に設置するのが基本なんだ。
高圧電動機の図解。操作用配電盤の設置基準、高圧進相用コンデンサの接続位置、過負荷保護と電線サイズ
高圧電動機の施設ルール(内線規程3815節)を1枚に整理した図です。①操作用配電盤は関係者以外が簡単に操作できない場所に設置し、ガス・粉じん・湿気が多い場所では防爆・防じん・防湿形を選定します。電動機ごとに専用配電盤とするのが望ましく、過電流保護(遮断器)は必ず設置します。②単線結線図のとおり、高圧進相用コンデンサは負荷の操作用開閉器の負荷側に接続し、限流ヒューズ(他のヒューズで代用可)とともに設置します。コンデンサは力率を改善して電力損失を減らすための機器です。③電動機には過負荷保護装置が必須で、温度検知タイプも認められます。電線の太さと容量は3815-1表に準拠します。コンデンサの容量は負荷の無効分を超えないようにし、本線より細い配線は禁止です。可燃性油を封入したコンデンサは、壁・天井から1m以上離して設置します。
取り違えやすいところ正しくは
進相コンデンサは配線の途中に入れればよい負荷の操作用開閉器の負荷側に設置する
コンデンサの保護は不要限流ヒューズを設置する(他のヒューズで代用可)
コンデンサ容量は大きいほど力率が良くなる負荷の無効分を超えないようにする
コンデンサへの配線は細くてもよい本線より細い配線は禁止
配電盤は1面にまとめたほうが効率的電動機ごとに専用配電盤とするのが望ましい
ここまでのポイント
  • 容量は負荷の無効分を超えないようにする
  • 接続位置は、負荷の操作用開閉器の負荷側とする
  • 保護として限流ヒューズを設置する(他のヒューズで代用可)
  • 本線より細い配線は禁止
  • 可燃性油封入タイプは、壁・天井から1m以上離す

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問
Q. 高圧電動機の操作用配電盤はどこに設置しますか?
A. 関係者以外が簡単に操作できない場所に設置します。ガス・粉じん・湿気が多い場所では防爆・防じん・防湿形を選定し、電動機ごとに専用配電盤とするのが望ましいです。
Q. 高圧進相用コンデンサの設置位置と保護は?
A. 負荷の操作用開閉器の負荷側に設置し、限流ヒューズで保護します(他のヒューズで代用可)。容量は負荷の無効分を超えないようにし、本線より細い配線は禁止です。
Q. 可燃性油封入のコンデンサはどのくらい離しますか?
A. 可燃性油を封入したタイプのコンデンサは、壁・天井から1m以上離して設置します。

まとめ|置く場所・守る仕組み・つなぐ位置

高圧電動機まわりのルールは、「操作用配電盤をどこに置くか」「過負荷をどう守るか」「進相コンデンサをどこにつなぐか」の3つに整理できます。いずれも位置と組み合わせが要点で、数値そのものは多くありません。

確認する順番見るところ決まること
Step1設置場所の環境防爆・防じん・防湿形のいずれを選ぶか
Step2配電盤の位置と単位関係者以外が操作できないか、電動機ごとに分けられているか
Step3過負荷保護保護装置を備えているか(温度検知タイプも可)
Step4電線の太さと容量3815-1表に準拠しているか
Step5進相コンデンサ操作用開閉器の負荷側か、限流ヒューズがあるか

コンデンサの接続位置は図面上では小さな違いに見えますが、開閉器の電源側に入れてしまうと保護も力率改善も意図どおりに働きません。位置と保護をセットで確認しておくのが確実です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
可燃性油封入タイプを使うときは?
ハリタハリタ
壁や天井から1m以上離して設置を。容量は負荷の無効分を超えない管理も忘れずに。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。