【新人講座 第11回】負荷容量と需要率・不等率 ― 「全部同時には使わない」から計算は始まる
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📚 この記事は連載「図解&会話で学ぶ 電気設備設計の基礎」の1本です。→ 全カリキュラム(目次)はこちら

こんにちは、HARITAの設計室です。今回から第4部「設計計算の基礎」——いよいよ“手を動かす”設計の世界へ。初回は容量計算の第一歩、需要率と不等率です。難しい式は出てきません。核心はたったひとつ、「全部同時には使わない」。
先輩、第10回で作った負荷表、合計90kWでした。じゃあトランスも主幹も90kW分用意すればいいんですよね?
そう思うよね。でも実際の建物で、照明もコンセントも空調も全部が同時にフル稼働する瞬間って、あると思う? 1日の電気の使われ方を見てみよう。
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1日の負荷カーブ ― 合計とピークは全然違う

ほんとだ…深夜はほぼゼロで、ピークでも合計の6割。じゃあ90kW分の設備を用意したら作りすぎなんですね。
その「実際に使う割合」を係数にしたのが需要率=最大需要電力÷設備容量。図の例なら60÷100=0.6。設備は合計じゃなく実際のピークに合わせて選ぶ——これが容量設計の出発点。過大設計はお金の無駄、過小設計は危険。需要率はそのバランスを取る道具なんだ。
需要率で圧縮し、不等率で調整する

コンセントの需要率0.4って低いですね。なんで負荷によって違うんですか?
負荷の“性格”が違うから。照明は営業中ほぼ全灯つくから高め、コンセントは口数のわりに同時に使う機器が限られるから低め、空調は真夏のピークにほぼ全開になるから高め。負荷の使われ方を想像して係数を選ぶのが設計者の仕事で、標準値は設計資料に用途別でまとまってるよ。
「不等率」っていうのは…needs率と何が違うんですか?あ、需要率と、です(笑)
(笑)いい質問。需要率は1つのグループの中の話。不等率はグループ同士のピークがずれることを表す係数だ。1階の盤は昼がピーク、レストランのある2階は夜がピーク——全体のピークは「各盤ピークの合計」より小さくなる。だから上位の幹線やトランスは単純合計より細く・小さくできる。需要率で圧縮して、不等率で調整——2段階の“現実補正”なんだ。
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⚠️ 新人がやりがちな注意ポイント
- 設備容量の合計で機器を選ばない:合計はスタート地点。需要率・不等率で現実の値に補正してから選定。
- 係数の根拠を残さない:計算書に「需要率0.6(○○資料の事務所ビル標準値)」のように出典と判断を書く。
- 専用回路・特殊負荷を一括りにしない:大型機器・医療機器など「必ず動く負荷」は需要率1.0で見るなど個別判断を。
まとめ ― 今日の1枚
- 核心は「全部同時には使わない」。設備は合計でなく実際のピークに合わせる。
- 需要率=最大需要÷設備容量。負荷の性格で値が変わる(照明高め・コンセント低め・空調高め)。
- 不等率=グループ同士のピークのズレ。上位設備は単純合計より小さくできる。
- 係数には根拠を。出典と判断を計算書に残すのがプロ。
次回・第12回は、決まった容量を安全に流すために——幹線・ケーブルサイズの選び方(許容電流)。「電流→サイズ」の決定フローを図解します。お楽しみに!
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