【新人講座 第10回】電灯と動力のちがい ― 建物の電気は「L」と「P」の2つの家系
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📚 この記事は連載「図解&会話で学ぶ 電気設備設計の基礎」の1本です。→ 全カリキュラム(目次)はこちら

こんにちは、HARITAの設計室です。第3部もいよいよ締めくくり。前回(第9回)で分電盤の「木」を読めるようになったので、今回はその根っこの話——建物の負荷を電灯と動力の2つの“家系”に分ける考え方です。
実は、第8回で見た「キュービクルに変圧器が2台ある理由」も、盤の名前が「L-1」「P-1」になっている理由も、ぜんぶ今日の話でつながります。
先輩、盤リストを見てたら「L-1」と「P-1」って盤があるんですけど、このLとPって何の暗号ですか?
お、いいところに気づいた。L=Light(電灯)、P=Power(動力)。建物の電気は電灯系と動力系の2つの家系に分かれてるんだ。まずは対比で見てみよう。
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電灯と動力 ― 2つの“家系”を対比で覚える

照明もエアコンも同じ「電気」なのに、どうしてわざわざ2つに分けるんですか?
理由は第2回でやった単相と三相にある。三相はモーターを回すのが得意で、同じ容量なら電流も小さくて済む。だから空調やポンプみたいな“機械”は三相の動力系へ。一方、人が直接触れる照明やコンセントは、シンプルで安全な単相の電灯系へ。適材適所の役割分担なんだ。
あ、第8回の「変圧器が2台ある」って、電灯用と動力用だったんですね!
その通り!キュービクルの中で電灯用トランスと動力用トランスに分かれて、そこから電灯幹線と動力幹線が別々に建物中を走る。第7回の「電気の流れ1枚図」が、実は2本立てだったってことだね。
負荷分類ツリー ― 建物の電気をぜんぶ2つに振り分ける
設計の最初の仕事は、建物にある電気機器を洗い出して、この2つの家系にもれなく・正しく振り分けること。ツリーで見ると整理しやすくなります。

ルームエアコンは「小型機器」で電灯側なんですか?エアコンなのに動力じゃないんですね。
いいツッコミ!家庭用のルームエアコンは単相100Vや200Vだから電灯系。同じ“エアコン”でも、ビルのパッケージ空調は三相210Vだから動力系。名前じゃなくて電源の種類で決まるんだ。だから迷ったら仕様書の「電源」欄を見るのが正解。
もし振り分けを間違えたら、どうなるんですか…?
けっこう大ごとだよ。電灯負荷と動力負荷の合計は、それぞれ電灯変圧器・動力変圧器の容量に直結してる。分類ミス=変圧器・幹線・盤の容量がぜんぶ狂うということ。逆に言えば、正しく分類できた時点で設計の土台は完成に近いんだ。
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🐣 いまさら聞けない素朴なギモン
🔎 深掘りQ&A ― 会話だから、もっと分かる
⚠️ 新人がやりがちな注意ポイント
- 機器名で判断しない:「エアコン=動力」ではありません。必ず仕様書・機器表の電源欄(単相か三相か)で確認。
- 単相200Vを動力と呼ばない:動力=三相。打合せの言葉の行き違いは事故のもと。
- 将来の動力負荷を聞き漏らさない:あとから厨房やEVが増えると動力変圧器から見直しに。用途変更の可能性は最初にヒアリング。
まとめ ― 今日の1枚
- 建物の電気は電灯系(L・単相)と動力系(P・三相)の2家系。盤も幹線も変圧器も2本立て。
- 振り分けの合言葉は「それ、モーターで動く?」「三相200Vが要る?」。決め手は機器の電源欄。
- ルームエアコンは単相→電灯系、パッケージ空調は三相→動力系。名前でなく電源で判断。
- 負荷の分類は、変圧器容量・幹線サイズ・盤構成すべての入力データ。設計は分類から始まる。
これで第3部「建物に電気が届くまで」完結! 引込→受変電→幹線→分電盤→末端の流れと、電灯・動力の2系統が頭に入りました。次回からは第4部「設計計算の基礎」。第11回は、分類した負荷から容量を決める最初の計算——需要率・負荷率を扱います。いよいよ“手を動かす”設計です。お楽しみに!
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