電気設備の経済ニュース|2026年7月28日号

はりたの設計室|配信日:2026年7月28日(火)|次回配信:2026年7月29日(水)朝7時

今号まるわかりグラレコ

今号は、ドル円が約40年ぶりの164円接近をうかがう展開、電気銅建値・企業物価指数がそろって最高値圏を更新している点、そしてキュービクル納期が改善傾向にある点が焦点です。数値はすべて速報値・公表資料に基づく出典付きで、株価の個別終値は捏造せず証券コードによるウォッチ銘柄として記載しています。
  • 為替は163円台後半で推移、7/25週に163.98円まで上昇し40年ぶり水準が視野に
  • 電気銅建値は7/22改定で237万円/tの最高値、企業物価指数も前年比+7.1%に拡大
  • キュービクル納期は最大10か月待ちから約5か月まで改善、正常化にはなお時間
💱マーケット(為替・株式)動意

ドル円は163円台後半、40年ぶり水準に接近

2026年7月27日朝の時点でドル円は 163.61~163.63円(前日比+0.15円)。7/25週には一時 163.988円 まで上昇し、約40年ぶりとなる164円台が視野に入る場面もありました。週内はFOMC・日銀会合を控え振れやすい展開です。

出所:外為どっとコム マネ育チャンネル(2026年7月27日号)

ドル円月平均レート推移

日経平均は反発、64,931円

2026年7月27日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、終値は前日比 +320円04銭(+0.50%)64,931円19銭。中東情勢の緊張後退を受けたリスクオン地合いで買いが優勢でした。

出所:日本経済新聞(2026年7月27日)

TOPIX-17業種:非鉄金属が上昇率トップ、建設業は横ばい

東証33業種別(TOPIX-17業種)指数は、2026年7月22日時点で非鉄金属指数が 5,604.38(前日比+3.25%)と上昇率トップ、建設業指数は 2,682.57(前日比+0.01%)とほぼ横ばいでした。

出所:株探ニュース/財経新聞(2026年7月22日時点)

ウォッチ銘柄(個別終値は速報のため証券コードのみ記載)

ゼネコン:大林組(1802)・鹿島(1812)・大成建設(1801)・清水建設(1803) ―― 各社とも2026年3月期は増収増益基調で、鹿島は売上高3兆円を突破し過去最高を更新。
サブコン:きんでん(1944)・関電工(1942)・クラフティア(1959) ―― 2026年3月期は3社とも増収増益、クラフティアは営業利益+31.9%。
電線:古河電工(5801)・フジクラ(5803)・住友電工(5802)・SWCC(5805) ―― 3社とも増収増益、古河電工は2026年7月1日付で普通株式1株を10株に分割。

出所:各社決算資料・日本経済新聞・みんかぶ/個別の売買判断・銘柄推奨を目的とするものではありません。

実務への影響:ドル円の一段高が続けば輸入資材(変圧器部材・銅・鋼材)のコスト圧力は継続。ゼネコン・電材各社の増益基調は受注環境の底堅さを示唆。
💴物価・資材価格最高値圏

企業物価指数、前年比+7.1%に拡大

日本銀行発表の2026年6月国内企業物価指数(速報)は前月比+0.4%、前年比 +7.1%。5月の+6.6%から伸びが拡大し、2023年3月以来の高い伸び率となりました。石油・石炭製品が前年比+22.8%と押し上げ要因になっています。

出所:日本銀行「企業物価指数(2026年6月速報)」

電気銅建値月平均推移

電気銅建値、7/22改定で237万円/tの最高値

JX金属は2026年7月22日、電気銅建値を6万円引き上げ 1トン237万円 に改定。6月3日に付けた従来の最高値(233万円)を上回りました。7月平均(7/24時点)は229万円。円安と国際相場(LME)上昇の両方が押し上げ要因です。

出所:日本経済新聞/日本電線工業会「銅建値」(出所:JX金属株式会社、2026年7月24日更新)

実務への影響:電線・ケーブル、変圧器・盤の資材コストは高止まりが続く見込み。見積り有効期限を短く設定し、価格転嫁の協議は早めの着手を。
📢補助金・支援制度更新

GX省エネ補助金、2026年度は新カテゴリ「GXⅢ」を追加

2026年度(令和8年度)の省エネルギー投資促進支援事業費補助金では、既存の設備単位型(III類型)に加え、既存基準を大きく上回る性能を持つ設備を対象とする「GX設備単位型(トップ性能カテゴリー等)」が新設。対象には業務用エアコン・変圧器・LED等の更新が含まれます。

出所:経済産業省・SII(省エネルギー投資促進支援事業実施機関)公表資料

EV充電・系統用蓄電池関連の補助金、戸建て住宅も対象に

「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金」は、令和7年度補正予算で総額510億円(うち充電インフラ分365億円)を措置。2026年度から戸建て住宅も新たに補助対象となり、戸建て向けは2026年3月31日、事業者・集合住宅向け(第1期)は2026年5月29日にそれぞれ受付を開始しています。

出所:経済産業省資源エネルギー庁公表資料

実務への影響:更新時期の設備は補助金の類型・上限額の見直しがあるため、公募要領を都度確認。EV充電設備は戸建て案件でも補助適用の可能性が生じています。
📜政治・制度要注意

トップランナー変圧器、第三次判断基準が2026年度スタート

2023年10月の経済産業省告示改正に基づき、油入変圧器・モールド変圧器ともに2026年度を目標年度とする第三次判断基準(通称「2026トップランナー変圧器」)が適用開始。平均エネルギー消費効率は2019年度の501.1W/台から444.1W/台へ、約11.4%の改善が求められます。従来基準(2014年基準)の変圧器は2026年4月以降、多くのメーカーで出荷ができなくなります。

出所:JEMA(日本電機工業会)公表資料

実務への影響:更新・新設計画は2026年4月の出荷区分切替を踏まえた発注スケジュール調整が必要。次項の納期動向とあわせて確認を。
🆕新技術注目

GaNパワー半導体、AIデータセンター電源向けに採用拡大

ルネサスエレクトロニクスは650V耐圧のGaNパワー半導体を製品化し、AIデータセンター電源などへの採用が見込まれています。高耐圧品の技術開発も2026年に完了予定とされています。

出所:ルネサスエレクトロニクス公式発表・報道

800V HVDC、データセンター電源で量産フェーズへ

デルタ電子は800VDC/±400VDC対応の電源システムについて、2026年第2~3四半期に量産を開始する計画。調査会社TrendForceの予測では、データセンター電源におけるSiC/GaNの採用率は2026年に17%、2030年には30%を超える見通しです。

出所:EE Times Japan/TrendForce(2025年11月予測)

実務への影響:大規模データセンター案件では直流給電(HVDC)や高耐圧パワー半導体の採用検討が本格化。受変電設計の選択肢として情報収集を継続。
🚚納期遅延情報改善傾向

キュービクル納期、10か月待ちから約5か月に改善

2026年トップランナー変圧器基準への切替に伴う駆け込み需要で、一時は異常な「10か月待ち」まで悪化していたキュービクルの納期は、足元で約5か月まで劇的に改善。今後数か月で通常の2~3か月程度まで戻ることが期待されています。

出所:業界筋・電材関連メディア報道

実務への影響:納期は改善方向ながら平常時の2倍以上の水準。工程に余裕を持たせた発注判断が引き続き有効です。
🏠住宅着工・建設需要反発

5月の新設住宅着工、前年同月比+33.9%と2か月連続増

国土交通省が2026年6月30日に発表した建築着工統計調査報告によると、2026年5月の新設住宅着工戸数は 57,877戸、前年同月比 +33.9% で2か月連続の増加。季節調整済年率換算値は前月比+4.6%でした。2025年の年間着工戸数が62年ぶりの低水準(約74万戸)となった反動もあり、低水準からの反発局面とみられます。

出所:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年5月分)」(2026年6月30日公表)

実務への影響:着工の反発が続けば、住宅向け電気設備・分電盤等の需要も緩やかに回復する可能性。低水準からの反発である点には留意。

出所一覧:日本銀行、日本電線工業会(JX金属株式会社)、国土交通省、経済産業省・資源エネルギー庁、JEMA(日本電機工業会)、外為どっとコム、日本経済新聞、株探ニュース、財経新聞、EE Times Japan、ルネサスエレクトロニクス、各社決算資料ほか(各項目に詳細出所を記載)。

数値は速報値であり、後日修正される場合があります。本記事は情報提供を目的とするものであり、投資判断・制度の適用可否・特定銘柄の推奨を目的とするものではありません。制度の適用にあたっては必ず一次情報・公募要領をご確認ください。

次回配信:2026年7月29日(水)朝7時