受変電設備の盤に付く電圧計電流計。「容量はいくつを選べばいいの?」と迷うことはないでしょうか。電流計変圧器二次側に流れる定格電流を計算し、その値を超える機器を選定します。

本記事では、電流計の計算式と選定手順電圧計の選定を、容量別の選定早見表つきで分かりやすく解説します。

 

計器は計算で求められる

 

今回の疑問

 

変圧器二次側電圧計電流計ってどうやって選定するの?

 

変圧器 2次側 計算 電流 電圧

あにまるさん
あにまるさん
キュービクルについてる電流計ってメモリが違うな

はりた
はりた
取り付けている変圧器ごとに選定する必要があるね!

あにまるさん
あにまるさん
どうやって選定したらいいんだ?

はりた
はりた
変圧器の容量によって選定することができるから手順を解説していこう!

※「キュービクル」とは、変圧器や遮断器、計器などの高圧受電設備一式を金属製の箱に収めたコンパクトな受変電設備のことです。工場やビルの屋外・屋上でよく見かける金属製の箱がこれにあたります。

⚡ 先に結論だけ言うと

 

電流計の選定方法は下記条件にて可能となります。

  • トランスの二次側電圧
  • トランスの容量
  • トランスの仕様(単相・三相)

電流値の計算式は次になり計算結果によって選定を行います。

三相の場合:定格電流値[A] = トランス容量[kVA] ÷ 0.21 ÷ √3
単相の場合:定格電流値[A] = トランス容量[kVA] ÷ 0.21

※「0.21」は変圧器二次側電圧210Vをkv(キロボルト)換算した値です。二次側電圧が異なる場合は、その電圧をkVに換算した数値に置き換えて計算してください。

電圧計は次表により選定を行います。

対象回路の二次側電圧を確認してみましょう。

一次側電圧[v] 2次側電圧[v] 電圧計[v]
6,600 210 300
6,600 210ー105 300
6,600 440 500

 

本記事のおすすめの方
  • 受変電設備を計画されている方
  • 変成器容量を検討されている方
  • 変流器容量を検討されている方など
本記事でわかること
  1. 変圧器2次側電流値の求め方
  2. 変圧器2次側電圧値の求め方
  3. 電流計の選定方法
  4. 電圧計の選定方法
電流計の選定手順と計算式
▲ 電流計の選定手順と計算式
ペン太ペン太
変圧器二次側の電流計って、容量から計算した値ぴったりの製品を探せばいいんですよね?
ハリタハリタ
計算値を超える直近の規格品を選びます。三相なら容量÷0.21÷√3で電流を出しますよ。

クイックトピックス

変圧器二次側電流値の計算式は?

変圧器二次側電流値の計算式

定格電流値[A] = 変圧器容量[kVA] ÷ 二次側電圧[V] ÷ √3

3相変圧器の電流計は?

210Vの場合

容量[kVA] 定格電流[A] 電流計[A] 将来性を考慮した場合
20 55 75 100
30 83 100 200
50 138 200 300
75 206 300 400
100 275 400 500
150 412 500 750
200 550 600 900
300 825 1000 1500
単相変圧器の電流計は?
容量[kVA] 定格電流[A] 電流計[A] 将来性を考慮した場合
20 96 150 200
30 143 200 300
50 238 300 400
75 350 500 600
100 476 600 800
150 715 1000 1200
200 953 1200 1500
300 1430 2000 2000
変圧器二次側電圧計は?
一次側電圧[V] 2次側電圧[V] 電圧計[V]
6,600 210 300
6,600 210ー105 300
6,600 440 500

電流計の選定手順

あにまるさん
あにまるさん
電流計の選定ってどうやってやるんだ?

はりた
はりた
電流計を選定するには流れる電流の大きさを計算すれば可能だよ!

あにまるさん
あにまるさん
電流ってどうやって計算するんだい?

はりた
はりた
それじゃあ計算に必要な条件をまとめてみよう!

トランスの2次側電流に必要な条件

はりた
はりた
電流計は変圧器容量から変圧器2次側の電流値を計算し機器仕様の選定を行います。変圧器2次側定格電流を算出する場合次の項目を確認しましょう。
トランスの2次側電流に必要な条件
トランスの二次側電圧
トランスの容量
モーター トランスの仕様(単相・三相)

あにまるさん
あにまるさん
この三つならトランスの仕様で判断できるな!

はりた
はりた
そうだね!トランスの仕様を確認して条件を調べてみよう!

トランス2次側電流の計算例

トランス2次側電流の計算例
  1. トランスの二次側電圧 :210[v]
  2. トランスの容量    :300[kVA]
  3. トランスの仕様    :三相

A=300[kVA]÷0.21÷√3≒825[A]

上記計算により、トランスの2次側定格電流値は825[A]流れることになりこの値を超える機器を選定する必要があります。

※三相の式にだけ「÷√3」が入るのは、三相交流は電圧の位相が120度ずつずれた3本の電線で構成されており、線間電圧と相電流の関係にルート3(√3≒1.732)の係数が生じるためです。単相にはこの関係がないため√3は不要です。
また、電流計は計算値ぴったりの製品を探すのではなく、75A・100A・150A…といった規格化された目盛りの中から、計算値を上回る直近の規格品を選定します。

あにまるさん
あにまるさん
意外と簡単だったな!

はりた
はりた
トランスの仕様さえ読み取れれば流れる最大電流を求めるは難しくないよ!

あにまるさん
あにまるさん
もっと簡単に確認する方法はないのかな~

はりた
はりた
それじゃあ変圧器容量別の電流計の選定一覧を載せるね!


電流計の選定表

3相トランスの場合

三相トランスの場合 ※210Vで計算
容量[kVA] 定格電流[A] 電流計[A] 将来性を考慮した場合
20 55 75 100
30 83 100 200
50 138 200 300
75 206 300 400
100 275 400 500
150 412 500 750
200 550 600 900
300 825 1000 1500
  • 変圧器二次側電流値の計算式

定格電流値[A] = 変圧器容量[kVA] ÷ 二次側電圧[Ⅴ] ÷ √3

単相トランスの場合

単相トランスの場合 ※210Vで計算
容量[kVA] 定格電流[A] 電流計[A] 将来性を考慮した場合
20 96 150 200
30 143 200 300
50 238 300 400
75 350 500 600
100 476 600 800
150 715 1000 1200
200 953 1200 1500
300 1430 2000 2000

変圧器二次側電流値の計算式(単相の場合)

定格電流値[A] = 変圧器容量[kVA] ÷ 二次側電圧[Ⅴ]

あにまるさん
あにまるさん
将来性ってのは何なんだ?

はりた
はりた
現状のトランス容量を基に計算すると変圧器容量が大きくなった時に取り換えが必要になるよね!

あにまるさん
あにまるさん
そうか!大きめのサイズを見込んで交換しなくてもよくするんだな!

はりた
はりた
そうゆうこと!大きすぎるとメモリの単位が大きくなってしまってわからなくなるから計算値の1.2~1.5倍を目安に選定するといいよ!

工場や福祉施設など改修や増築によるトランス容量の変更により計器の取り換えを行わないで済むよう設計時は建物用途や将来性を考慮して必要な場合1.2~1.5倍の電流値を想定して選定するようにしましょう。

※なお、大電流回路の実際の受変電盤では、電流計は変流器(CT)を介して二次側の小さな電流値を読み取り、それを一次側の実電流に換算して表示する方式が一般的です。CTの容量選定については別記事で解説予定です。

ペン太ペン太
電圧計は二次側が210Vなら、210V目盛のものを選べばいいんですか?
ハリタハリタ
6,600V一次・210V二次なら300V電圧計が目安です。二次側電圧に応じて選びますよ。


電圧計の選定方法

主に使用される変圧比

トランス2次側の電圧計は電圧値により選定するためトランスの2次側の電圧を確認することで選定することができます。

一次側電圧[V] 2次側電圧[V] 電圧計[V]
6,600 210 300
6,600 210ー105 300
6,600 440 500

 

※電圧計は実際の二次側電圧(210Vなど)ぴったりの目盛りではなく、一回り大きい規格(300Vや500V)を選びます。これは電圧変動時にも針が振り切れないよう余裕を持たせるためです。電流計の選定と同じ「計算値・実測値より一段大きい規格品を選ぶ」という考え方です。

はりた
はりた
変圧器2次側の電圧を確認すれば簡単に選定できるね!

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この記事のカテゴリー

電流計・電圧計の選定早見表
▲ 電流計・電圧計の選定早見表

よくある質問(FAQ)

Q. 二次側電流の計算に必要な情報は?

A. ①トランスの二次側電圧②トランスの容量③トランスの仕様(単相・三相)の3つです。いずれもトランス仕様で確認できます。

Q. 計算例を教えてください。

A. 二次側210V・300kVA・三相の場合、300÷0.21÷√3825Aです。約825A流れるため、これを超える電流計(例:1000A)を選定します。

Q. 電圧計はどう選びますか?

A. 二次側電圧に応じて選びます。一次6,600V・二次210V(または210-105V)なら電圧計300V、二次440Vなら電圧計500Vが目安です。

ペン太ペン太
将来の増設が見えているときは、どう選べばいいですか?
ハリタハリタ
計算値の1.2~1.5倍を目安に選定しておくと、容量増加にも対応できますよ。


まとめ

変圧器二次側の電圧計及び電流計の選定方法

電流計の選定方法に必要な条件

  1. トランスの二次側電圧
  2. トランスの容量
  3. トランスの仕様(単相・三相)

電流値の計算式

  1. 三相の場合:定格電流値[A] = 300[kVA] ÷ 0.21 ÷ √3
  2. 単相の場合:定格電流値[A] = 300[kVA] ÷ 0.21

電圧計の選定方法

トランスの2次側電圧値により選定する

一次側電圧[v] 2次側電圧[v] 電圧計[v]
6,600 210 300
6,600 210ー105 300
6,600 440 500

 

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。