【プロット図の見方⑮】敷設方法で変わる拾い方 ― ころがし・露出・管・ラック・地中で、ケーブルと一緒に拾う材料が変わる
第14回では、配線を区間に分けて拾う方法を見ました。第15回は、そのケーブルをどうやって通すか(敷設方法)で拾い方がどう変わるかです。同じ荷物でも、手で持つか、台車に載せるか、トラックで運ぶかで、用意する道具が変わりますよね。ケーブルも同じで、ころがし・露出・管・ラック・地中のどれで通すかによって、一緒に拾う材料と長さの足し方が変わります。
結論
敷設方法は線種と傍記で見分け、方法ごとにケーブル+αを拾います。ころがしはケーブルだけ、露出はサドル、管とラックは管・ラックは1本、ケーブルは長さ×条数、地中は深さの上下も足します。
- 1本の管に複数のケーブル:管は1本、ケーブルは条数分
- 露出のサドルは長さ÷支持間隔+1が目安
- ラックから器具への分岐は、その先の方法で拾う
- 方法が変わるところで区間を分ける
敷設方法で「一緒に拾う材料」が変わる
敷設方法は、プロット図の線種と傍記で見分けます(第5回・第6回)。見分けたら、方法ごとに拾う材料を決めます。
| 敷設方法 | 図面での見分け方 | 一緒に拾う材料 | ケーブルの長さ |
|---|---|---|---|
| ころがし(天井の中) | 実線。管のカッコなし | なし | 区間の長さ+立下り |
| 露出(サドル・ステープル止め) | 細かい破線 | サドル・ステープル | 表面に沿った長さ |
| 線ぴ(モール)に入れる | 2本線や線ぴの傍記 | 線ぴ・付属品 | 線ぴの長さ |
| 管に入れる | (PF16)(E19)などのカッコ | 管・コネクタなど | 管の長さ×入る条数 |
| ケーブルラック | CR の傍記・はしごの形 | ラック・結束材 | ラックの長さ×条数 |
| 地中 | 長短の破線 | 管路・ハンドホールなど | 深さの上下も足す |
- 線種と傍記で方法を見分ける
- 方法ごとにケーブル+αを拾う
- 凡例と特記を先に確かめる
ころがしと露出 ― 長さの測り方と支持の数
ころがしは、天井の中にケーブルを置いていく方法です。支持材がいらないので、拾うのはケーブルの長さだけ。ただし天井の中では梁やダクトをよけるので、図面の直線より長くなりがちです。その分の見込み方は割増や会社の基準に合わせます。
露出は、壁や天井の表面にケーブルを這わせて、サドルやステープルで止める方法です。長さは表面に沿って測り、角で曲がる分も入れます。支持の数は次のように数えます。
| 長さ | 支持の間隔 | 区間の数 | サドルの数 |
|---|---|---|---|
| 6m | 2m以下 | 3 | 4個 |
| 10m | 2m以下 | 5 | 6個 |
| 7m | 2m以下 | 4(端数は切り上げ) | 5個 |
- ころがしはケーブルの長さだけ
- 露出は表面に沿って測る
- サドルは長さ÷間隔+1が目安
管とケーブルラック ― 管は1本、ケーブルは長さ×条数
管に入れるときは、管は1本、ケーブルは入っている条数分を拾います。1本の管に2条入っていれば、管は8mでもケーブルは8m×2条=16mです。管とコネクタ・カップリングなどの付属品は、管1本分を拾います(第13回)。
⚠️ 管は1本、ケーブルは複数
- 管の長さ=ケーブルの長さと思い込まない:1本の管に複数のケーブルを収めるときは、管の長さ×条数がケーブルの長さです。
- 管を条数分拾わない:管は1本なので、管の長さは1回だけ。ケーブルだけを条数分拾います。
- 管の中の条数は傍記で読む:1本の管の区間に複数のケーブルの傍記(例:VVF1.6-2C×2)がないか確かめます。
- 収める本数で管の太さが変わる:本数が多い区間は管が太くなります。太さごとに分けて集計します。
ケーブルラックは、多くのケーブルを1本の道にまとめて通す方法です。道路(ラック)の長さを測り、そこを走る車(ケーブル)の台数を掛ける、と考えるとわかりやすくなります。管に複数のケーブルを収めるときも考え方は同じで、道は1本、車は台数分です。
| 拾うもの | 拾い方 | 例 |
|---|---|---|
| ラック | ラックの長さ(幅・種類ごと) | 10m |
| ケーブル | ラック上の長さ×通る条数 | 10m×3条=30m |
| 分岐 | ラックから器具へ下りる長さを足す | その先の敷設方法で拾う |
| 付属品 | 曲がり・分岐の部材、支持金具、結束材 | 図面と基準で数える |
- 管は1本、ケーブルは条数分
- ラックも長さ×条数
- ラックからの分岐は別に足す
地中 ― 下りる・横に進む・上がるを全部足す
地中の配線は、プロット図では横に進む長さしか見えません。建物から地中へ下りる長さと、地中から外灯や屋外の盤へ上がる長さを忘れずに足します。
| 部分 | 足す長さ | 確かめるところ |
|---|---|---|
| 建物から地中へ | 建物の中の立下り+埋設深さ | 図面の断面・特記 |
| 地中を横に進む | 平面の長さ | 長短の破線の区間 |
| 地中から地上へ | 埋設深さ+器具・盤の高さ | 器具の取付高さ |
| ハンドホール | 中での余長 | 積算基準・会社の決まり |
- 地中は深さの分を上下に足す
- 地上の器具の高さまで入れる
- ハンドホールの余長は基準で
途中で方法が変わるときは区間を分ける
実際の建物では、1本のケーブルがラック → 天井のころがし → 露出のように、途中で方法を変えることがよくあります。方法が変わるところで区間を分け、ケーブルは合計、材料は区間ごとに拾います。
| 区間 | 敷設方法 | ケーブル | 一緒に拾う材料 |
|---|---|---|---|
| 分電盤 → 廊下 | ケーブルラック | 12m | ラック(ほかのケーブルと共用) |
| 廊下 → 部屋の天井 | ころがし | 6m | なし |
| 天井 → 壁のスイッチ | 露出 | 2m | サドル2個 |
| 合計 | 20m |
⚠️ 読み違えやすいところ
- 露出の破線を天井隠ぺいと読む:サドルの拾い漏れになります。
- 管やラックのケーブルを1本分しか拾わない:管が1本でもケーブルは条数を掛けます。
- ラックの長さでケーブルを終わらせる:分岐して器具まで行く長さを足します。
- 地中の上下を忘れる:プロット図には深さが描かれていません。
- 方法の切り替わりで区間を分けない:材料の拾い漏れ・二重拾いの元です。
- 方法が変わったら区間を分ける
- ケーブルは合計、材料は区間ごと
- ラックの条数と地中の上下に注意
よくある質問
敷設方法は図面のどこで見分けますか?
線種と傍記で見分けます。天井隠ぺいは実線、露出は細かい破線、地中は長短の破線です。線にカッコで(PF16)などがあれば管に入れる配線、CR やはしごの形はケーブルラックです。
ころがし配線の拾い方は?
天井の中にケーブルを置くだけなので、拾うのはケーブルの長さだけです。天井の中では障害物をよけて図面の直線より長くなりやすいので、割増や拾い方は基準に合わせます。
露出配線のサドルはいくつ拾いますか?
長さを支持の間隔で割って1を足した数が目安です。ケーブルを造営材の下面や側面に沿って取り付けるときの支持点間は2m以下が基本なので、6mなら区間3つでサドル4個になります。
1本の管に複数のケーブルを収めるときは?
管は1本分(管の長さ1回)、ケーブルは管の長さ×条数で拾います。管8mに2条なら、管8m・ケーブル16mです。収める本数が多いと管が太くなるので、太さも確かめます。
ケーブルラックのケーブルはどう拾いますか?
ラック上の区間の長さに、そこを通るケーブルの条数を掛けます。ラック自体はラックの材料として別に拾い、ラックから器具へ分かれる区間は、その先の敷設方法で拾います。
地中配線で忘れやすい長さは?
建物から地中へ下りる長さと、地中から地上へ上がる長さです。埋設深さの分を上下で足します。ハンドホールの中での余長の扱いも基準で確かめます。
1本のケーブルで敷設方法が変わるときは?
方法が変わるところで区間を分けます。ケーブルは全区間の合計で拾い、ラック・管・サドルなどの材料は区間ごとに拾います。
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