【プロット図の見方⑥】線種を細かく ― 天井・床・露出・地中、増設と撤去、バスダクトやラックの帯まで線の形で読む
図面の線は、同じ「つなぐ線」でも形がいろいろです。実線、破線、細かい破線、長短の破線、太線と細線、×の付いた線、そして帯のような四角。線の形そのものが「どこを通るか」「今あるか、これからか」「何で配線するか」を表しています。第6回は第5回で触れた線種だけを1本まるごと、細かく読み分けます。
結論
線の形で通る場所(実線=天井の中、破線=床の中、細かい破線=露出、長短の破線=地中)を読み、改修図では太線=増設・細線(点線)=既設・×=撤去を読み分けます。
- 破線と細かい破線は「線の長さとすき間」で見分ける。迷ったら凡例
- 既設の点線と露出の細かい破線は取り違えやすい。線の太さと凡例で確認
- バスダクト・ケーブルラック・線ぴ・ダクトは線ではなく「帯」で描く
線の形で「通る場所」が変わる
配線の線は、通る場所ごとに形を変えます。地下鉄の路線図で地上区間と地下区間の線を描き分けるのと同じで、見えない天井の中、床の中、見えている壁の表面、地面の下、空中を、線の形で区別します。
| 図記号 | 名前 | 通る場所 |
|---|---|---|
| 天井隠ぺい配線 | 天井の中(天井ふところ)。屋内の図面でいちばん多い | |
| 床隠ぺい配線 | 床の中(スラブ内・床下) | |
| 露出配線 | 天井や壁の表面など、見える所 | |
| 地中配線 | 地面の下。屋外の配置図に出てくる | |
| 架空配線 | 電柱の間など空中。屋外の配置図に出てくる |
- 実線=天井隠ぺい、破線=床隠ぺい、細かい破線=露出
- 長短の破線=地中、実線(屋外)=架空
- 天井ふところ・二重床は凡例で確認
破線と細かい破線は「長さとすき間」で見分ける
いちばん迷うのが、床隠ぺいの破線と露出の細かい破線です。どちらも「とぎれた線」ですが、1本1本の長さが違います。モールス信号の「ツー」と「トン」のように、長い線か短い線かを見ます。
| 線種 | 見た目 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| 実線 | とぎれない | |
| 破線 | 長い線とすき間。1本の線がすき間より明らかに長い | |
| 細かい破線 | 短い線が細かく並ぶ。遠目には点線に見える | |
| 長短の破線 | 長い線と短い線をくり返す |
見分けがつかないときは、線の先にある器具も手がかりになります。床のコンセントへ向かう線なら床隠ぺい、天井の照明へ向かう線なら天井隠ぺい、というように、器具の付く場所と線の形が合っているかを確かめます(照明は第3回、スイッチは第1回)。
- 破線は長い線、細かい破線は短い線
- 同じ図面の中で見比べる
- 線の先の器具の場所と合っているか確かめる
改修図は「太線=増設・細線=既設・×=撤去」
既存の建物を直す改修工事の図面では、今あるものとこれから付けるもの、取り外すものが1枚に描かれます。規格では、同じ図面で増設と既設を表すときは増設を太線、既設を細線または点線にし、撤去には×を付けます。
| 図記号 | 意味 | 工事で何をするか |
|---|---|---|
| 増設(太線) | 新しく配線する | |
| 既設(細線) | 今あるもの。基本はそのまま | |
| 既設(点線) | 今あるもの。細線の代わりに点線で描く図面もある | |
| 撤去(×) | 取り外す。器具にも×を付ける |
⚠️ 点線はどっち?
既設を点線で描く図面では、既設の点線と露出配線の細かい破線がよく似ます。改修図ではまず凡例を開き、既設が細線なのか点線なのか、露出配線をどう描いているのかを確かめてから読み始めます。
- 増設=太線、既設=細線または点線
- 撤去は線や器具に×
- 既設の点線と露出の細かい破線を取り違えない
線ではなく「帯」で描くもの
電線を1本ずつ通すのではなく、大きな入れ物で配線するものは、線ではなく帯(四角い枠)で描きます。道路で言えば、1車線の道ではなく幅のある大通りのイメージです。
| 図記号 | 名前 | 読み方 |
|---|---|---|
| バスダクト | 四角い帯。FBD(フィーダ)・PBD(プラグイン)などの種類や、定格電流を傍記。電流によって帯の幅を変えてもよい | |
| ケーブルラック | CR と書いた帯。大きさは傍記 | |
| ケーブルラック(はしご形) | はしごの形で描く書き方 | |
| 金属ダクト | MD と書いた帯 | |
| 合成樹脂線ぴ | 2本線。PR と書いた破線でもよい | |
| 金属線ぴ | 破線に MM1・MM2 を傍記 | |
| フロアダクト | 床に埋めるダクト。(F7)などを傍記 | |
| ライティングダクト | □(フィードインボックス)から破線。LD を傍記 |
帯の記号の中を通る電線やケーブルは、第5回の斜線や「1.6-3C」で読みます。上下の階へ続くバスダクトやラックは、第4回の立上り・引下げと同じ考え方です。
- 大きな入れ物は帯で描く
- バスダクトは種類と定格電流を傍記
- ラックは CR かはしご形
読み違えやすいところ
⚠️ よくある読み違い
- 破線を「予定」や「隠れ線」と思う:電気の配線図の破線は床隠ぺい配線です。建築図の「見えない線(隠れ線)」とは意味が違います。
- 破線と細かい破線を取り違える:長い線か短い線かで見分け、線の先の器具の場所と合っているかを確かめます。
- 既設の点線を露出配線と読む:改修図は凡例で既設の描き方を先に確認します。
- 地中配線を床隠ぺいと読む:長い線と短い線をくり返していたら地中配線。屋外の配置図に出てきます。
- 帯の記号を壁や家具と思う:四角い帯に FBD・CR・MD などの文字があれば、バスダクトやラックです。
- 電気の破線は床隠ぺい(隠れ線ではない)
- 改修図は凡例から読む
- 帯の中の文字で種類を読む
よくある質問
配線の線種にはどんな種類がありますか?
JIS C 0303 では、天井隠ぺい配線が実線、床隠ぺい配線が破線、露出配線が細かい破線です。屋外では架空配線が実線、地中配線が長い線と短い線をくり返す破線です。天井ふところ内の配線や、床面の露出配線・二重床内の配線を区別したいときは、別の破線を使ってもよいことになっています。
破線と細かい破線はどう見分けますか?
線の長さとすき間の長さを見比べます。床隠ぺいの破線は1本1本が長く、露出の細かい破線は短い線が細かく並びます。印刷や縮小で見分けにくいときは、図面の凡例と、その線がつながる器具の位置(天井か床か壁か)で判断します。
改修の図面で既設と増設はどう描き分けますか?
同じ図面で増設と既設を表すときは、増設を太線、既設を細線または点線にします。色分けしてもよいことになっています。撤去するものには×を付けます。
既設の点線と露出配線の細かい破線はどう区別しますか?
どちらも細かい線に見えるので、まず凡例を確認します。改修図では、既設は細く薄い線、露出配線はほかの配線と同じ太さで描かれることが多く、線の太さも手がかりになります。
バスダクトやケーブルラックはどう描かれますか?
線ではなく帯(四角い枠)で描きます。バスダクトは四角い帯で、FBD(フィーダ)・PBD(プラグイン)などの種類を傍記します。ケーブルラックは CR と書いた帯か、はしご形で描き、大きさは傍記します。
地中配線の線はどう読みますか?
長い線と短い線をくり返す破線が地中配線です。屋外の配置図に出てきて、ケーブルの種類・太さ・心数や、保護管などが傍記されます。
あわせて読みたい
30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?
タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。
ご回答ありがとうございます!
よければ、あと3つだけ教えてください(任意・答えなくてもOK)
ありがとうございました。いただいた声は記事の改善に使わせていただきます。
