【単線結線図の見方④】DS・LA ― 刃の先の縦線で断路器を読み、遮断器が先・DSはあとの順番と、雷を大地へ逃がす避雷器の接地まで
ガスコンロを掃除するとき、火を消すのはつまみ、そのあとで元栓を閉めて「確かに閉まっている」のを目で確かめますよね。キュービクルにも同じ役目の機器があります。目で見て切り離すDS(断路器)です。そしてそのすぐ近くで、雷から設備を守っているのがLA(避雷器)です。第4回は、VCTの下に続くこの2つの読み方を見ていきます。
結論
DSは電流を切らずに、目に見える形で切り離す機器で、切るときは遮断器が先、DSはあとです。LAは雷の高い電圧を大地へ逃がす機器で、効きめは接地で決まります。
- DSの記号は刃の先に縦の線
- 送電するときはDSを入れてから遮断器
- LAは受電の入口近く、A種接地で太く短く
- DSを省いた図面もある
DSは「目で見て切り離す」
キュービクルの点検では、中の機器に電気が来ていないことを確かめてから作業します。そのとき、回路を目に見える形で切り離すのがDS(断路器)です。フック棒で1本ずつ刃を開き、開いているのを目で確かめます。
| 機器 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| DS(断路器) | 電気が流れていない回路を切り離す。開いているのが見える | 負荷電流や事故電流を切ること |
| LBS(負荷開閉器) | ふだんの負荷電流を入り切りする | 大きな事故電流を切ること(ヒューズと組み合わせる) |
| VCB(遮断器) | 負荷電流も事故電流も切る | (切るのが仕事) |
- DSは目に見える形で離す
- 電流は切れない
- 点検する人を守る
記号は「刃の先に縦の線」、順番は「遮断器が先」
単線結線図では、VCTの下にDSがあります。開閉器の刃の先に縦の線を描いたものがDSの記号で、文字記号も「DS」です。
| 操作 | 順番 |
|---|---|
| 停電するとき | ① 遮断器(VCB)を切る ② DSを開く |
| 送電するとき | ① DSを入れる ② 遮断器(VCB)を入れる |
| インタロック | 遮断器が入っているあいだはDSを操作できないようにする仕組み |
- 刃の先に縦の線
- 停電は遮断器が先
- 送電はDSが先
LAは「雷の電圧の頭を押さえる」
電線に雷が落ちたり近くに落ちたりすると、ふだんの何倍もの高い電圧が一瞬入ってきます。LA(避雷器)は、ふだんは電気を通さず、高い電圧のときだけ電流を大地へ流して、機器にかかる電圧を下げます。
| とき | LAのようす |
|---|---|
| ふだん | 電気を通さない(絶縁物のようにふるまう) |
| 雷の電圧が来たとき | 一気に電流を通して大地へ逃がし、電圧を下げる |
| 雷が去ったあと | 自動でもとの電気を通さない状態に戻る |
たとえるなら、ダムのあふれ口です。水位がふつうのときは何もしませんが、大雨で水位が上がると水を逃がして、ダムを越えないようにします。LAも電圧をゼロにするのではなく、機器が耐えられる大きさまで頭を切り落とします。
- ふだんは電気を通さない
- 高い電圧だけ大地へ逃がす
- 電圧の頭を切り落とす
効きめは接地で決まる
LAが雷の電流を大地へ流すとき、接地線や接地極の抵抗が大きいと、そのぶん電圧が上乗せされます。だからLAの接地はA種接地で、太く短くが原則です。
| 図面の表記 | 読み方 |
|---|---|
| LAの記号から大地への線と「EA」 | A種接地につながっている |
| 接地線の太さ(例 14mm²) | 太いほどよい。できるだけ短く、ほかの接地と分ける |
| PASの「LA内蔵」 | 引込口のPASにもLAが入っている。キュービクル内にもLAを置くことが多い |
| 受電用のDSがない | PAS・UGSやLBSで切り離す構成。切り離す手段があるかを確かめる |
- LAの接地はA種
- 太く短く、ほかと分ける
- LA内蔵とDSの省略も読む
間違えやすいところ
よくある読み違い
- DSで電気を切れると思う:DSは電流を切れません。電流を切るのは遮断器です。
- 操作の順番を逆に覚える:停電は遮断器が先、送電はDSが先です。
- DSの記号を遮断器と読む:刃の先の縦の線がDS、×印が遮断器です。
- LAの接地線を細く長くする:接地の抵抗やインピーダンスがそのまま電圧に上乗せされます。
- DSがない図面を誤りと思う:PAS・UGSやLBSで切り離す構成もあります。
次回は、受電部の中心になる主遮断装置(CB形とPF・S形)の読み方です。前回のVCTと電力量計もあわせてどうぞ。
- DSは電流を切れない
- 順番は遮断器とDSで逆
- LAは接地が命
よくある質問
DS(断路器)とは何ですか?
点検のときに、回路を目に見える形で切り離すための開閉器です。刃が開いているのを目で確かめられるので、作業する人の安全を守ります。電流を切る力はないので、電気が流れていない状態でだけ操作します。
DSで電気を切ってはいけないのはなぜですか?
DSにはアークを消す仕組みがないからです。電流が流れたまま開くと、接点の間にアークが出て機器が傷み、最悪の場合は短絡事故になります。電流を切るのは遮断器(VCBなど)の役目です。
操作の順番はどうなりますか?
停電するときは、遮断器を切ってからDSを開きます。送電するときは、DSを入れてから遮断器を入れます。この順番を守らせるため、遮断器が入っているとDSが操作できないインタロックを設けることがあります。
LA(避雷器)は何をしていますか?
ふだんは電気を通さず、雷などの高い電圧が入ってきたときだけ電流を大地へ流して、機器にかかる電圧を下げます。電圧をゼロにするのではなく、機器が耐えられる大きさまで頭を切り落とすイメージです。
LAはどこに付けますか?
雷は入ってきたところで逃がすのが基本なので、受電の入口近く(主遮断装置の電源側)に付けます。PASに内蔵されたLAと、キュービクルの中のLAの両方を設けることも多いです。高圧の架空電線路から受電する受電電力500kW以上の需要場所の引込口には、施設が義務付けられています(電技解釈第37条)。
図面にDSがないのですが、間違いですか?
間違いとは限りません。PAS・UGSで確実に開放でき、キュービクルの中はLBSで区切れるため、受電用のDSを省く構成もあります。点検のときに切り離す手段がきちんとあるかを、図面でたどって確かめます。
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