技術図書館B種接地工事を7枚のスライドで読む高低圧の混触保護という役割、接地点の電位の上限、容量と電圧で選ぶ接地線サイズを図解つきで確認できます。スライドを見る資料一覧を見る
B種接地工事の目的と設置場所、接地線サイズの一覧をまとめました。接地点の電位の考え方など、よくある疑問への回答つき。
この記事は、連載「接地・雷保護の設計マニュアル」第1回 接地は何のためにあるか の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
B種接地工事の基準と接地線サイズの全体像

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ペン太ペン太
B種接地って変圧器に付けるやつですよね。どうして必要なのかがピンと来てません…
ハリタハリタ
高圧と低圧が混触したとき、低圧側の絶縁破壊を防ぐためです。役割から見ていきましょう。

この3つ、すぐ答えられますか

  • B種接地工事は、何のために施設するのか
  • 接地線のサイズは、何をもとに選定するのか
  • 接地点の電位は何Vを超えないようにするのか
この記事でわかること
目的→接地線サイズ→電位の上限、の順に押さえると全体がつながります。

設置場所

トピック1:B種接地工事の設置場所
B種接地工事 変圧器(一次二次の混触事故時の危険防止)
ペン太ペン太
B種の接地線サイズって、何を基準に選べばいいんですか?A種と同じ考え方ですか?
ハリタハリタ
B種は変圧器一相あたりの容量と電圧で選定します。ここがA種との大きな違いですよ。
ここまでのポイント
  • B種接地工事は変圧器に施す
  • 一次・二次の混触事故時の危険防止が目的

接地線サイズ一覧表

トピック2:接地線サイズ一覧表
B種接地工事

変圧器一相あたりの容量 接地線
100V 200V 400V
kVA以下 10 kVA以下 20 kVA以下 5.5
10 kVA以下 20 kVA以下 40 kVA以下 8 
20 kVA以下 30 kVA以下 75 kVA以下 14 
40 kVA以下 75 kVA以下 150 kVA以下 22 
60 kVA以下 125 kVA以下 250 kVA以下 38 
75 kVA以下 150 kVA以下 300 kVA以下 60 
100 kVA以下 200 kVA以下 400 kVA以下 60 
175 kVA以下 300 kVA以下 700 kVA以下 100 
B種接地工事の役割(高低圧の混触保護)
高圧側6.6kV変圧器一次/二次低圧側100/200VB種接地混触時の電位上昇を抑え低圧機器を保護
ここまでのポイント
  • 接地線のサイズは変圧器一相あたりの容量と電圧で選定する
  • 電圧は100V/200V/400Vの区分で分かれる
  • A種のように対象機器だけでは決まらない点に注意する

文献による内容

トピック3:文献による内容
  • 電技解釈第17条第2項
B種接地工事は、高圧又は特別高圧が低圧と混触する恐れがある場合に、低圧電路の保護のために施設されるものである。混触の際に、接地線に高圧または特別高圧電路の短絡電流がながれた場合の電位上昇による低圧機器の絶縁破壊を防止するため、設置店の電位が150V(一次側が高圧または35kV以下の特別高圧電路であって、150Vを超えたときに1秒を超え2秒以内に自動的に遮断する場合は300V、一秒以内に遮断する場合は600V)を超えないようにしたもの。
  • 機械的強度
引張り強さ2.46kN以上の金属線または直径4.0mm以上の軟銅線 (高圧電路または使用電圧が15000V以下の特別高圧架空電線路の電路と低圧電路とを変圧器により結合する場合は引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線)

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取り違えやすいところ正しくは
B種もA種と同じ考え方で接地線を選ぶB種は変圧器一相あたりの容量と電圧で選定する
接地点の電位は常に150Vが上限遮断時間の条件により300V・600Vまで許容される
機械的強度はどの接地工事も同じB種は引張り強さ2.46kN以上または直径4.0㎜以上が原則
B種は機器の外箱に施す変圧器の低圧側・中性点などに施し、低圧電路を保護する
ここまでのポイント
  • 根拠は電技解釈第17条第2項
  • 高圧又は特別高圧が低圧と混触する恐れがある場合に、低圧電路の保護のために施設する
  • 接地点の電位が150Vを超えないようにする(遮断時間により300V・600Vまで緩和)
  • 機械的強度は引張り強さ2.46kN以上の金属線、または直径4.0㎜以上の軟銅線
  • 高圧電路または使用電圧15000V以下の特別高圧架空電線路と結合する場合は1.04kN以上、または2.6㎜以上

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)

Q. B種接地工事は何のために施設しますか?

高圧又は特別高圧が低圧と混触するおそれがある場合に、低圧電路を保護するために施設します。変圧器の一次・二次の混触事故時の危険防止が目的です。

Q. 接地線のサイズはどのように選定しますか?

変圧器一相あたりの容量と電圧(100V/200V/400V)に応じて、本文の接地線サイズ一覧表から選定します。

Q. 接地点の電位は何Vを超えないようにしますか?

原則150Vを超えないようにします。150Vを超えたときに1秒を超え2秒以内に自動遮断する場合は300V、1秒以内に遮断する場合は600Vまで許容されます(電技解釈第17条第2項)。

Q. 接地線に必要な機械的強度の基準は?

引張り強さ2.46kN以上の金属線、または直径4.0mm以上の軟銅線とします(15000V以下の特別高圧架空電線路と結合する場合は引張り強さ1.04kN以上または直径2.6mm以上の軟銅線)。

ペン太ペン太
B種の考え方は分かりました。この後は何を押さえるべきですか?
ハリタハリタ
接地点の電位150V以下という原則も含め、C種・D種と比較しながら整理しましょう。

まとめ

B種接地工事は、高低圧の混触から低圧電路を守るための接地です。

遮断の条件接地点の電位の上限
原則150V
一次側が高圧または35kV以下の特別高圧電路で、150Vを超えたときに1秒を超え2秒以内に自動遮断する場合300V
同じく、1秒以内に遮断する場合600V

目的で押さえること

  • 高圧又は特別高圧が低圧と混触する恐れがある場合に施設する
  • 混触時に接地線へ短絡電流が流れた際の電位上昇を抑える
  • 低圧機器の絶縁破壊を防止することがねらい

数値で押さえること

  • 接地線のサイズは変圧器一相あたりの容量と電圧(100V/200V/400V)で選定する
  • 機械的強度は引張り強さ2.46kN以上の金属線、または直径4.0㎜以上の軟銅線
  • 高圧電路または15000V以下の特別高圧架空電線路と結合する場合は1.04kN以上、または2.6㎜以上
  • 根拠は電技解釈第17条第2項

「接地点の電位を150V以下に抑える」という原則を軸に、遮断時間による緩和条件をセットで覚えておきましょう。

📘 体系的に学びたい方へ
このテーマは、連載「高圧受変電設備の設計マニュアル(全14回+資料編)」で、単線結線図の読み方・書き方とあわせて基礎から解説しています。
関連する回:⑫ 接地 ― A種〜D種の目的

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。