この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【065】電飾アドバルン
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

広告やイベントで使われる電飾アドバルン(電飾を施した風船)について、対地電圧分岐回路・配線・電飾施設・開閉器のルールを内線規程にもとづいて整理します。

電飾アドバルンの施設ルールを示す図解。対地電圧<span style=150V以下で15A・20A分岐回路、0.75mm2以上の電線で文字網は60cm以下ごとに支持、文字網は3m以上下方に取付けガス位置から10m以上の3つのポイント。” style=”max-width:100%;height:auto;”>
結論:電飾アドバルンは電路の対地電圧を150V以下15A・20A分岐回路で使用します。配線は0.75mm2以上の電線で文字網は60cm以下ごとに支持し、文字網はアドバルンの3m以上下方に取り付け、開閉器・自動点滅装置はガス充填位置から10m以上離します。
この記事でわかること
✔ 対地電圧・分岐回路・配線
✔ 電飾施設と開閉器・点滅装置
ペン太ペン太
アドバルンにまで内線規程のルールがあるんですね…!
ハリタハリタ
電飾を施した風船だからです。対地電圧150V以下で、15A・20A分岐回路と0.75mm2以上の電線を使います。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 電飾アドバルンの電路の対地電圧は、何V以下ですか。
  • 文字網とアドバルンの間隔は、何m以上必要ですか。
  • 専用の開閉器や自動点滅装置は、ガス充填位置からどれだけ離しますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、電飾アドバルンの施設ルールを3つの視点で整理します。

対地電圧・分岐回路・配線

トピック1:対地電圧・分岐回路・配線
  • 電路の対地電圧は150V以下。分岐回路は15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路で使用します。
  • 電源から専用開閉器までの電線は断面積0.75mm2以上の一種キャブタイヤケーブル及び耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブル以外のキャブタイヤケーブルを使用します。
  • 専用開閉器から文字網までの電線は0.75mm2以上のビニルコードなど。引上げ部分は力網に1m以下ごとに確実に取り付けます。
  • 文字網の配線は0.75mm2以上のビニルコードなど。文字網にビニルテープ等で60cm以下ごとに支持し、分岐点には支持点を設けて張力がかからないようにします。接続部はスリーブ等やろう付けで接続し絶縁処理します。
ペン太ペン太
文字網を60cm以下ごとに支持するのは、なぜですか?
ハリタハリタ
風で揺れて電線に張力がかかるのを防ぐためです。文字網とアドバルンの間隔も3m以上必要です。
区間使用する電線
電源から専用開閉器まで断面積0.75mm2以上のキャブタイヤケーブル(一種キャブタイヤケーブル及び耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブルを除く)
専用開閉器から文字網まで0.75mm2以上のビニルコードなど
文字網の配線0.75mm2以上のビニルコードなど
ここまでのポイント
  • 電路の対地電圧は150V以下、15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路で使用する。
  • 電源から専用開閉器までは0.75mm2以上のキャブタイヤケーブル(一種および耐燃性ポリオレフィンを除く)。
  • 専用開閉器から文字網まで、および文字網の配線は0.75mm2以上のビニルコードなど。
  • 引上げ部分は力網に1m以下ごと、文字網はビニルテープ等で60cm以下ごとに支持する。
  • 分岐点には支持点を設けて張力がかからないようにし、接続部はスリーブ等やろう付けで接続して絶縁処理する。

電飾施設と開閉器・点滅装置

トピック2:電飾施設と開閉器・点滅装置
  • 電球は充電部を露出しないよう絶縁し、文字網はビニルテープその他の絶縁性のもので確実に取り付けます。
  • 文字網はアドバルンの下方に取り付け、文字網とアドバルンの間隔は3m以上離します。
  • 自動点滅装置は専用開閉器に隣接した負荷側に設置し、ガス充填位置より10m以上離すか保安上安全な場所に設置します。
  • 専用の開閉器及び過電流遮断器を各極にけい留点の近くに設け(過電流遮断器が開閉機能を持つ場合は過電流遮断器のみ)、ガス充填位置より10m以上離すか保安上安全な場所に設置します。
たとえ話:アドバルンは空に浮かぶガス入りの風船。引火すれば大事故なので、スイッチや点滅装置はガス充填位置から10m以上離します。電線も文字網に60cm間隔でしっかり留め、風で揺れても張力がかからないようにするイメージです。
見習いペン太
見習いペン太
風船に電飾って、ガスに引火しないか心配です。
はりた
はりた
いいところに気づいたね。だから自動点滅装置や専用の開閉器・過電流遮断器は、ガス充填位置より10m以上離すか、保安上安全な場所に設置するんだ。
見習いペン太
見習いペン太
配線の電線はどんなものを使うんですか?
はりた
はりた
断面積0.75mm2以上の電線を使うよ。文字網の配線はビニルコードなどを60cm以下ごとに支持して、分岐点にも支持点を設けて張力がかからないようにするんだ。
電飾アドバルンの文字網の取付けと開閉器の位置を示した図
電飾アドバルンは電路の対地電圧150V以下、15A分岐回路または20A配線用遮断器分岐回路で使用し、電線は断面積0.75mm²以上。文字網はアドバルンの下方に取り付け、間隔は3m以上。文字網の配線はビニルテープ等で60cm以下ごとに支持し、引上げ部分は力網に1m以下ごとに取り付ける。専用の開閉器・過電流遮断器はけい留点の近くに各極へ設け、自動点滅装置とともにガス充填位置から10m以上離すか保安上安全な場所に設置する。
取り違えやすいところ正しくは
電線はどの区間も同じものでよい電源から専用開閉器までと、それ以降とで使う電線が分かれている
一種キャブタイヤケーブルでもよい一種キャブタイヤケーブル及び耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブルは除かれる
支持間隔はどこも同じ引上げ部分は力網に1m以下ごと、文字網は60cm以下ごとに支持する
分岐点は特別な配慮がいらない分岐点には支持点を設けて、電線に張力がかからないようにする
文字網はアドバルンの近くでもよいアドバルンの下方に取り付け、間隔は3m以上離す
開閉器はけい留点の近くならどこでもよいけい留点の近くに設けたうえで、ガス充填位置より10m以上離すか保安上安全な場所に設置する
ここまでのポイント
  • 電球は充電部を露出しないよう絶縁し、文字網はビニルテープその他の絶縁性のもので確実に取り付ける。
  • 文字網はアドバルンの下方に取り付け、間隔は3m以上離す。
  • 自動点滅装置は専用開閉器に隣接した負荷側に設置する。
  • 専用の開閉器及び過電流遮断器は各極にけい留点の近くに設ける(過電流遮断器が開閉機能を持つ場合は過電流遮断器のみ)。
  • 開閉器・自動点滅装置は、ガス充填位置より10m以上離すか保安上安全な場所に設置する。

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)
Q. 電飾アドバルンの配線に使う電線は?
A. 電源から専用開閉器までは断面積0.75mm2以上のキャブタイヤケーブル(一種キャブタイヤケーブル及び耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブルを除く)、専用開閉器から文字網・文字網の配線は0.75mm2以上のビニルコードなどを使用します。
Q. 文字網とアドバルンの間隔はどれくらい必要ですか?
A. 文字網はアドバルンの下方に取り付け、文字網とアドバルンの間隔は3m以上離します。
Q. 開閉器や自動点滅装置はどこに設置しますか?
A. 専用の開閉器及び過電流遮断器はけい留点の近くに各極に設け、ガス充填位置より10m以上離すか保安上安全な場所に設置します。自動点滅装置も専用開閉器に隣接した負荷側で、同様にガス充填位置より10m以上離します。

まとめ|電圧・支持・離隔の3点で電飾アドバルンを押さえる

電飾アドバルンは、対地電圧150V以下で使い、電線を細かく支持し、ガス充填位置から開閉器類を離すことが基本です。

確認する項目規程が示す数値・条件
電路の対地電圧150V以下
分岐回路15A分岐回路、又は20A配線用遮断器分岐回路
電源から専用開閉器までの電線0.75mm2以上のキャブタイヤケーブル(一種・耐燃性ポリオレフィンを除く)
専用開閉器から文字網・文字網の配線0.75mm2以上のビニルコードなど
引上げ部分の支持力網に1m以下ごと
文字網の配線の支持ビニルテープ等で60cm以下ごと
分岐点支持点を設けて張力がかからないようにする
接続部スリーブ等やろう付けで接続し、絶縁処理する
文字網とアドバルンの間隔3m以上(文字網はアドバルンの下方)
自動点滅装置の位置専用開閉器に隣接した負荷側
開閉器・過電流遮断器各極にけい留点の近く(過電流遮断器が開閉機能を持つ場合は過電流遮断器のみ)
ガス充填位置からの離隔10m以上、又は保安上安全な場所

電路と電線で押さえること

  • 対地電圧150V以下、15A・20A分岐回路であること。
  • 区間ごとの電線の種類と断面積0.75mm2以上。
  • 接続部の処理。

取付けで押さえること

  • 引上げ部分1m以下ごと、文字網60cm以下ごとの支持。
  • 分岐点の支持点と張力対策。
  • 電球の充電部を露出させないこと。

ガスまわりで押さえること

  • 文字網とアドバルンの間隔3m以上。
  • 開閉器・過電流遮断器の位置。
  • 自動点滅装置を含むガス充填位置からの10m以上の離隔。

電飾アドバルンは、電気の設備でありながら可燃性ガスの容器と一体で扱う、めずらしい施設です。上の表を「電路→電線→取付け→ガスからの離隔」の順に確認していくと、電気側とガス側の両方の条件を落とさずに計画できます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
開閉器や自動点滅装置の置き場所の注意は?
ハリタハリタ
ガス充填位置から10m以上離すか、保安上安全な場所に設置します。ここまで押さえれば安心です。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。