技術図書館触れない、濡らさない、確実に接地する高電圧を扱う装置なので守り方は3つ。人が触れない構造、湿気からの隔離、そして原則A種の接地この資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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工場の排ガスからほこりを取る電気集じん装置や、塗料を静電気で吸い付ける静電塗装装置。どちらも特別高圧の直流で電極を帯電させる装置です。高い電圧を扱うので、置き場所・配線・接地と安全装置に決まりがあります。この記事では、電技解釈第191条と内線規程の考え方を、3つの質問と動く図で整理します。

①電気集じん応用装置と特別高圧の電気設備は、取扱者以外が立ち入れない場所の屋内に施設するのが原則です。特別高圧の電気集じん装置は、条件を満たせば屋外にも施設できます。②変圧器から整流器、整流器から装置までの電線はケーブルとし、損傷のおそれがあれば防護装置に収めます。③防護装置の金属部分やケーブルの金属被覆はA種接地(接触防護措置を施せばD種)です。変圧器の一次側に開閉器を付け、残留電荷のおそれがあれば放電装置を設けます。
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。

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先に言葉をそろえる

言葉 ひとことで言うと
電気集じん応用装置 集じん・静電塗装・電気脱水・電気選別などの特別高圧の装置
整流器 交流を直流に変える装置
残留電荷 電源を切ったあとも装置に残る電気
接触防護措置 人が触れないよう、高さや囲いで守ること
電技解釈第191条の用語です。

質問① どこに置く?

装置と、これに特別高圧の電気を送る設備は屋内に施設するのが原則です。特別高圧の電気集じん装置は、充電部分に接触防護措置を施し、整流器から装置までの電線を屋側・屋外の規定どおりに施設すれば、屋外にも施設できます。
ひっかけ注意
「高電圧から装置までの配線は屋外が原則」ではありません。
電技解釈は、装置と特別高圧の電気設備を屋内に施設することを原則にしています。屋外に出せるのは、特別高圧の電気集じん装置で、充電部分の接触防護などの条件を満たす場合だけです。
たとえるなら
電気集じん装置は、「下じきをこすってほこりを吸い寄せる」しくみの大型版です。
静電気の力は強いぶん、電圧はとても高くなります。だから触れられない場所に置き、電線も丈夫なケーブルで運びます。
ここまでのポイント
  • 取扱者以外が立ち入れない場所
  • 屋内が原則
  • 特別高圧の集じん装置は条件つきで屋外可

質問② 配線はどうする?

変圧器の一次側には、変圧器に近く容易に開閉できる箇所に開閉器を付けます。変圧器は第16条に適合するものとし、変圧器から整流器、整流器から装置までの電線はケーブルです。損傷のおそれがある場所では防護装置に収めます。取扱者以外が立ち入れない場所に施設するなら、ケーブルでなくてもかまいません。

移動電線は、充電部分に人が触れても危険がない装置に付属するものだけに使えます。

ここまでのポイント
  • 電線はケーブル
  • 損傷のおそれがあれば防護装置
  • 移動電線は安全な装置だけ


質問③ 接地と安全装置は?

ケーブルを収める防護装置の金属部分と、防食ケーブル以外のケーブルの金属被覆にはA種接地工事を施します。接触防護措置を施す場合はD種接地工事でもかまいません。静電塗装装置を可燃性ガスなどのある場所に施設するときは、着火する火花やアーク、高温を出さないようにします。
ひっかけ注意
「接地はD種でそろえてよい」ではありません。
防護装置の金属部分やケーブルの金属被覆はA種接地が原則です。D種にできるのは接触防護措置を施した場合だけです。内線規程では、電源装置の金属製外箱や遮へい板、被塗装物をつるす金属わくなども同じ考え方で接地するとしています。

石油精製で燃料油の不純物を高電圧で取り除く装置は、危険場所(第176条)に施設する場合、金属部分と外箱にA種接地を施し、充電部分が槽内の液相から出ないようにし、変圧器の一次側に専用の過電流遮断器を付けます。

ここまでのポイント
  • 防護装置の金属部分はA種
  • 接触防護ならD種
  • 残留電荷の放電装置
ひとことで言うと:「電気集じん装置は、取扱者以外が立ち入れない屋内が原則。電線はケーブル、防護装置の金属部分はA種接地(接触防護でD種)、一次側に開閉器、二次側に残留電荷の放電装置」。

よくある質問

電気集じん装置は屋外に置けますか?

原則は屋内です。特別高圧の電気集じん装置で、充電部分に接触防護措置を施し、電線を屋側・屋外の規定どおりに施設する場合は屋外にも施設できます。

変圧器から装置までの電線は?

ケーブルを使い、損傷のおそれがある場所では防護装置に収めます。取扱者以外が立ち入れない場所ならこの限りではありません。

接地工事の種類は?

ケーブルを収める防護装置の金属部分やケーブルの金属被覆にA種接地工事を施します。接触防護措置を施す場合はD種でもかまいません。

残留電荷の対策は?

人に危険を及ぼすおそれがある場合は、変圧器の二次側に残留電荷を放電する装置を設けます。


まとめ ― 取り違えやすいところ

取り違えやすいところ 正しくは
配線は屋外が原則 装置と設備は屋内が原則
接地はD種でよい A種。接触防護措置でD種
移動電線はどれでも可 触れても安全な装置だけ
電源を切れば安全 残留電荷の放電装置を設ける
「場所 → 電線 → 接地 → 安全装置」の順で確かめます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

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ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。引込・高圧受変電・幹線・接地を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。