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受変電の設計|限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)の基礎と選定ポイント

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限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)の基礎と選定ポイント


✅ 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)とは?

 

項目 内容
名称 Load-break Switch (LBS)
主な役割 通電状態での負荷開閉操作+短絡時の限流保護
使用場所 高圧受電設備

✅ 1. 選定基準

  • 負荷開閉器に挿入する限流ヒューズは、

    • 変圧器磁励突入電流

    • 電動機始動電流

    • コンデンサ突入電流

    を考慮して選定します。

✏️ ポイント:

  • 定格電流の1.1~1.3倍程度の負荷電流まで見込み、10~20%程度の余裕を持たせる

  • 一般定格電流以外に、【変圧器用】【電動機用】【コンデンサ用】の種類がある


✅ 2. 特徴・開閉操作

  • LBS本体にはヒューズが挿入されており、短絡事故時に保護

  • 通電中の開閉が可能(短絡遮断機能は限流ヒューズ頼り)

  • 通常の開閉操作はトリップレバーを使う


✅ 3. アーク消弧(アーク消し)

  • 開放時に発生するアークは、アークシュートの冷却効果で消弧

  • 細部形状と冷却設計で安全にアークを処理する


✅ 4. ストライカの役割

  • 短絡や過負荷時に限流ヒューズが溶断すると、内部のストライカ(ばね付ピン)が飛び出す

  • この力を使ってLBS本体を強制開放(トリップ)

📘ストライカの動きでトリップレバーが作動する仕組み。


✅ 5. 絶縁バリア

  • LBSに取り付けられる樹脂製の絶縁板

  • 相間の短絡防止アーク防護のため必須

📘→ 全面カバー型または三相個別バリア型に分かれる

 

項目 内容
目的 – アーク(電弧)の保護
– 小動物侵入による相間短絡防止
対象 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)の相間
材質 絶縁体(樹脂製パネルなど)

✅ 絶縁バリアの設置が義務づけられるケース

  • 高圧受電設備でPF・S方式を採用する場合

  • 特に受電LBSに対しては必須!

→ 電気設備技術基準やJIS規格(JIS C4620:2023)でも明記されています。


✅ JIS C4620:2023の具体規定

 

条文・条件 内容
PF・S方式の主遮断装置を使用する場合 LBS部に絶縁バリアを設置することが義務
高圧充電露出部がある場合 – 全面に透明な隔壁を設置
– 赤字で危険表示
– 相間および側面に絶縁バリアを追加

✅ まとめ:絶縁バリアの役割はここ!

 

ポイント 内容
アーク防護 アークショート時の飛び火防止
小動物侵入防止 ネズミ、ヘビ、カエルなどによる短絡事故を防止
人身災害防止 誤って接触しないように物理的遮断

✅ まとめ:LBS選定と使用上のポイント

 

項目 ポイント
定格電流の選定 負荷電流+10~20%の余裕を持たせる
ヒューズ選定 突入電流・起動電流を考慮(特に変圧器・電動機用途)
安全開閉機構 ストライカ+アークシュートによる保護付き
絶縁対策 絶縁バリアを必ず装着(高圧配線間ショート防止)