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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
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電気設備の基本知識 #018【分岐回路の設計】

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分岐回路の設計

分岐回路の設計

学習進捗0%

この章でわかること

🦔

ハリタ先生

今回は分岐回路の設計について学びます。過電流遮断器の設置ルールや、ブレーカ容量と電線太さの関係など、重要なポイントをしっかり押さえましょう!

ペン太

はい、分岐回路ですね。覚える数字が多いけど、頑張ります!

🐧

基本の解説

分岐回路とは、幹線から分岐して、照明器具やコンセントなどの電気機器(負荷)に至る配線のことです。安全に電気を使用するため、分岐回路には過電流遮断器(ブレーカなど)を設置し、使用する電線も適切な太さを選ぶ必要があります。ここでは、①ブレーカ容量に応じた電線やコンセントのルールと、②過電流遮断器を設置する場所のルール、という2つの重要なポイントを学びます。

① ブレーカ容量と電線・コンセントのルール

電灯やコンセントなどに使われる分岐回路では、過電流遮断器の定格電流によって、使用できる電線の太さコンセントの容量が細かく定められています。特に20Aの分岐回路は、遮断器が「配線用遮断器」か「ヒューズ」かによって電線の太さが変わる点に注意が必要です。

分岐回路の種類 過電流遮断器の
定格電流
コンセントの
定格電流
電線太さ(軟銅線)
15Aの分岐回路 15A以下 15A以下 直径 1.6mm 以上
20Aの
配線用遮断器
分岐回路
15A超、20A以下
の配線用遮断器
20A以下 直径 1.6mm 以上
20Aの
ヒューズ
分岐回路
15A超、20A以下
のヒューズ
20A 直径 2.0mm 以上
30Aの分岐回路 20A超、30A以下 20A以上 30A以下 直径 2.6mm 以上
(断面積 5.5mm² 以上)
40Aの分岐回路 30A超、40A以下 30A以上 40A以下 断面積 8mm² 以上
50Aの分岐回路 40A超、50A以下 40A以上 50A以下 断面積 14mm² 以上

選定シミュレーション

電線の太さ

コンセント容量

② 遮断器の設置場所ルール

原則

3m以内

条件なし

例外 ①

8m以内

許容電流がIBの
35%以上

例外 ②

制限なし

許容電流がIBの
55%以上

【なぜ?】遮断器の設置場所ルールの理由

ペン太

先生、どうして分岐する電線が太いと、ブレーカーを遠くに置いても良くなるんですか?

🐧
🦔

ハリタ先生

良い質問ですね。それは「安全性」と「実用性」のバランスを取るためです。万が一ショートした時、電線は大きな電流に耐えなければなりません。電線が太いほど多くの電流に耐えられる(許容電流が大きい)ので、少し離れた場所のブレーカーが作動するまでの時間、安全を保てるのです。

細い電線だとすぐに危険な温度になってしまうので、原則通り分岐点から近い3m以内にブレーカーを置いて、素早く保護する必要がある、というわけです。一般的な設計では、分岐側のケーブルの長さに応じて必要な許容電流以上のケーブルサイズを選定し、この3mの制約を回避する(=例外ルールを適用する)ケースが多いですよ。

図解で覚える!ポイント

重要ポイントまとめ

計算シミュレーション

重要用語フラッシュカード

カードをクリックして、用語と意味を確認し、記憶を定着させましょう。

理解度チェックテスト

テスト履歴

実施日時 スコア 正答率
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