◀ 防火対象物別 非常電源まとめ 消防法施行令別表第一 (1)項ロ(公会堂・集会場)に必要な消防用設備等について、非常電源として使用できる種類を早見表で解説します。まず下の早見表で「どの消防用設備に、どの非常電源が使えるか」をご確認ください。

公会堂・集会場に必要な非常電源の早見表

消防用設備等 自家発電設備 蓄電池設備 非常電源専用受電設備
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
水噴霧消火設備
泡消火設備
屋外消火栓設備
排煙設備
連結送水管
非常コンセント設備
不活性ガス消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
自動火災報知設備
非常警報設備
ガス漏れ火災警報設備
誘導灯設備
火災通報装置
非常電話
無線通信補助設備
適用できる
延べ面積1,000㎡未満に限り適用できる
該当しない

=適用できる / 延べ面積1,000㎡未満に限り適用できる(1,000㎡以上は不可) / —=該当しない

※ 動力を要する消火設備・排煙設備などは自家発電設備・蓄電池設備を非常電源とし、延べ面積1,000㎡未満に限り非常電源専用受電設備も使用できます。自動火災報知設備・誘導灯・非常警報設備などは機器内蔵の蓄電池(内部予備電源)を非常電源とします。詳細は建築消防advice等でご確認ください。

公会堂・集会場に必要な消防用設備等の設置基準

消防法施行令別表第一(1)項ロ(公会堂,集会場等)に義務付けられる消防用設備等を「消火設備等」「警報設備等」「避難設備・誘導灯」の3グループに分けて早見表でまとめます。延べ面積や階数などの具体的な数値は建物ごとに異なるため、実際の設計・改修時は必ず所轄消防署にご確認ください。

集会室・客席部
🧯🚪
消火器具・避難口誘導灯
壇上・舞台部
🚨💧
自動火災報知設備・スプリンクラー等
ロビー・共用部
🚪🔔
避難口誘導灯・非常警報設備
🔋 非常電源(自家発電設備・蓄電池設備)は機械室等に設置し、上記すべての設備を支えます

公会堂・集会場の設備配置イメージ(概念図/実際の配置・機種は建物ごとに異なります)

① 建物用途区分の確認 → 消防法施行令 別表第一 (1)項ロに該当
延べ面積150㎡以上
→ 消火器具の設置義務が発生
延べ面積150㎡未満
→ 消火器具は他の要件(火気設備等)に該当しなければ緩和
② 収容人員50人以上か確認 → 警報設備・避難設備の要否ラインに影響
③ 主要構造部(耐火構造/準耐火構造/その他)を確認 → 各設備の基準面積が変動
④ 下記の設備別セクションの早見表で個別にご確認ください
🧯消火設備等
🚨警報設備等
🚪避難設備・誘導灯
POINT床面積150㎡(消火器具)と500㎡前後(屋内消火栓)が主な分岐ライン。劇場・映画館(イ)と異なり消火器具も面積要件で判定される点に注意。
消火器具床面積150㎡以上で設置。このほか地階・無窓階・3階以上の階で床50㎡以上、または少量危険物以上・指定数量以上の指定可燃物を貯蔵取扱う場合も対象。
屋内消火栓設備主要構造部・内装制限により基準床面積が変動(耐火構造+内装制限ありで床500㎡以上等、令11条)。750倍以上の指定可燃物取扱い部分にも設置義務。パッケージ型消火設備(Ⅰ型/Ⅱ型)での代替可。
スプリンクラー設備地階を除く階数11以上、または床面積合計6,000㎡以上(平屋建て除く)。舞台部は地階・無窓階・4階以上で床300㎡以上、その他の階では500㎡以上、地階・無窓階で床1,000㎡以上、4〜10階で床1,500㎡以上等。
屋外消火栓設備1・2階の床面積合計(地階除く)が、耐火建築物9,000㎡以上/準耐火建築物6,000㎡以上/その他の建築物3,000㎡以上
水噴霧消火設備等
(水噴霧・泡・不活性ガス・ハロゲン化物・粉末)
変電・発電設備室、駐車の用に供する部分、通信機器室(床500㎡以上)、指定可燃物1,000倍以上取扱い部分等。
連結散水設備地階の床面積合計が700㎡以上
非常コンセント設備地階を除く階数11以上、または地階4階以下で床面積合計1,000㎡以上の地階部分。
排煙設備舞台部がある場合、その床面積500㎡以上。防煙区画・直接外気開放条件等による除外規定あり。
🚨

警報設備等

火災の発生をいち早く知らせる設備。収容人員・床面積が基準になります。

POINT床面積300㎡と収容人員50人が代表的なライン。地階・無窓階は基準が厳しくなります。
🏛️用途区分(1)項ロ
📐延べ面積300㎡・収容人員50人で判定
🚨警報設備の要否が決定
自動火災報知設備延べ面積300㎡以上、避難階以外の階から避難階・地上に通じる直通階段が2(特別避難階段等)以上設けられていない場合、階数11以上の階、駐車用途部分で床200㎡以上の階等。
ガス漏れ火災警報設備地階の床面積合計1,000㎡以上の地階部分、温泉採取施設等(LPガス使用場所は火災予防条例で別途対応)。
漏電火災警報器契約電流容量が50Aを超え、かつ鉄網入りの壁・床・天井等の構造を有するもの(不燃材料仕様等は設置緩和あり)。
消防機関へ通報する火災報知設備延べ面積500㎡以上。消防機関から著しく離れている、または常時通報できる電話がある場合等は除外規定あり(実態はほとんど設置されていません)。
非常警報器具・非常警報設備収容人員50人以上、または地階・無窓階で収容人員20人以上で非常ベル・自動式サイレン・非常放送設備のいずれか。収容人員300人以上、階数11以上、地階3階以上等では非常放送設備が必要。
🚪

避難設備・誘導灯

逃げ道を確保・案内する設備。階数と収容人員の組み合わせで判断します。

POINT収容人員50人が主な分岐ライン。誘導灯は床面積1,000㎡を境に設置区分(A級・B級・C級)が変わります。
🏛️用途区分(1)項ロ
👥収容人員50人・誘導灯は床面積1,000㎡で判定
🚪避難設備・誘導灯の要否区分が決定
避難器具2階以上の階(主要構造部が耐火構造の2階を除く)または地階で収容人員50人以上、直通階段が1ヶ所のみで3階以上かつ収容人員10人以上の階等(自治体の火災予防条例により、6階以上で収容人員30人以上の階が対象となる場合あり)。
避難口・通路誘導灯階ごとに床面積(1,000㎡以上/未満)と誘導灯の種別(A級・B級・C級)に応じて設置区分が変動。一定要件を満たす場合は長時間定格型誘導灯の設置や、無人時等の誘導灯消灯が認められる場合あり。
客席誘導灯原則として全部設置
誘導標識避難口誘導灯・通路誘導灯の有効範囲内の部分については設置しないことができる。

よくある質問(FAQ)

Q.この記事の対象となる防火対象物は何ですか?

消防法施行令別表第一の(1)項ロに該当する「公会堂又は集会場」で、特定防火対象物に分類されます。

Q.非常電源にはどのような種類がありますか?

「自家発電設備又は燃料電池設備」「蓄電池設備」「非常電源専用受電設備」の3種類について、設備項目ごとの可否を掲載しています。

Q.非常電源専用受電設備はどのような場合に適用できますか?

延べ面積が1,000㎡未満の場合に適用可能です。1,000㎡以上では適用できません。

Q.蓄電池設備の「内部予備電源」とは何ですか?

自動火災報知設備や誘導灯設備などに内蔵されたバッテリー(内蔵バッテリー)も蓄電池設備に含まれます。 📋 全用途の一覧(防火対象物別の早見表)を見る

根拠:消防法施行令 別表第一および消防法施行令・施行規則の規定をもとに作成。実際の適用は所轄消防本部の指導により異なる場合があります。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。