電気設備の基本知識 #004【合成樹脂管工事】
合成樹脂管は、さびない電線の家です。軽くて切りやすく、水気の多い場所や屋外でも使いやすいので、住宅から大きなビルまで広く使われています。ただし、金属管とはつなぎ方も曲げ方もまったく違います。この記事では、合成樹脂管工事で使う管と部品の種類、差込み深さ、曲げ加工、支持のしかた、守るルールを、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
合成樹脂管は曲がるPF・CDとかたいVEの2グループ。つなぐときは外径の1.2倍以上差し込む(接着剤なら0.8倍)、留めるときは1.5m以下ごとが基本です。
- PF管・CD管は手で曲がる蛇腹管、VE管は1本4mのかたい直管
- 部品は管の種類ごとの専用品(PF用・CD用・VE用)
- VE管は熱で曲げ、曲げの内側の半径は内径の6倍以上
- 入れる電線はOWを除く絶縁電線。管の中で接続しない
※本欄はアフィリエイト広告(PR)を含みます
📚 第二種電気工事士 対策の定番テキスト
管の種類 ― 曲がるPF・CD、かたいVE
合成樹脂管は、たとえるならホースとストローです。ホースのように手で自由に曲がるのがPF管・CD管、ストローのようにまっすぐでかたいのがVE管です。
| 種類 | 形 | 長さ | 特徴 |
|---|---|---|---|
| PF管 | 蛇腹(手で曲がる) | 巻き物(30〜100m程度) | 耐燃性(自己消火性)あり。露出・隠ぺい・埋設 |
| CD管 | 蛇腹(手で曲がる) | 巻き物 | 耐燃性なし。オレンジ色。コンクリート埋設専用 |
| VE管 | 直管(かたい) | 1本4m | さびない。熱で曲げ、接着剤でつなぐ |
管の種類全体の比較は「電気設備の基本知識 #003【配管の種類と特徴】」で解説しています。
- PF・CDはホースのように曲がる、VEはストローのようにかたい
- PFは耐燃性あり、CDはコンクリート埋設専用
- VEは1本4mの直管
つなぐ部品 ― 管と管、管とボックス
合成樹脂管をつなぐ場面は、大きく管と管、管とボックスの2つです。管の種類ごとに専用の部品があり、PF用とCD用は外径が違うので部品も別です。
| 部品 | 使う管 | 役割 |
|---|---|---|
| カップリング | PF・CD(それぞれ専用) | 管と管をつなぐ |
| ボックスコネクタ | PF・CD(それぞれ専用) | 管とボックスをつなぐ |
| TSカップリング | VE | 接着剤を塗って管と管をつなぐ |
| 2号ボックスコネクタ | VE | 管とボックスをつなぐ |
| コンビネーションカップリング | PF⇔VE など | 種類の違う管どうしをつなぐ |
- つなぐ場面は「管と管」「管とボックス」
- PF用・CD用・VE用は別の部品
- 種類の違う管はコンビネーションカップリングで
差込み深さ ― 外径の1.2倍、接着剤なら0.8倍
合成樹脂管は、金属管のようにねじで締めるわけではありません。しっかり差し込むことが抜けにくさを決めます。管と管、管とボックスをつなぐときの差込み深さは、管の外径の1.2倍以上。接着剤を使うなら0.8倍以上でよいとされています。
たとえるなら、ペンのキャップです。深くはめるほど抜けにくく、のりで留めれば浅くても外れません。
- 差込み深さは外径の1.2倍以上
- 接着剤を使えば0.8倍以上
- 深さの基準は管の外径
VE管の曲げ ― 熱でやわらかくして、ゆるやかに
VE管はかたいので、手では曲がりません。ガストーチなどで温めてやわらかくしてから曲げます。焦がさないよう、管を回しながらまんべんなく温めるのがコツです。曲げたら、濡れた布などで冷やして形を固めます。
曲げの内側の半径は、管の内径の6倍以上とします。急に曲げると、あとで電線を通すときに引っかかり、被覆を傷めてしまいます。曲げが多くなる場所では、ノーマルベンドなどの曲げ部品を使う方法もあります。
- VE管はガストーチで温めて曲げる
- 曲げの内側の半径は内径の6倍以上
- 曲げたら冷やして形を固める
支持のしかた ― 1.5m以下ごとに留める
合成樹脂管は、サドルなどで天井や壁(造営材)に留めます。支持点間の距離は1.5m以下です。合成樹脂は熱で伸び縮みしやすく、やわらかいPF管はたるみやすいので、留め方がゆるいと見た目も悪くなり、管が傷む原因にもなります。
- サドルで造営材に留める
- 支持点間の距離は1.5m以下
- PF管はたるまないよう短めの間隔で
守るルール ― 電線・接続・接地・場所
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 入れる電線 | 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線OWを除く)。単線は直径3.2mm以下(太い場合はより線) |
| 接続 | 管の中では接続しない。接続はボックスの中で |
| 差込み深さ | 管の外径の1.2倍以上(接着剤を使えば0.8倍以上) |
| 支持と曲げ | 支持点間1.5m以下。曲げの内側の半径は内径の6倍以上 |
| 金属製ボックスの接地 | 使用電圧300V以下はD種接地工事、300Vを超える場合はC種接地工事(条件により省略・緩和あり) |
| CD管 | コンクリートに埋め込む場所で使う |
| 使えない場所 | 爆燃性粉じんや可燃性ガスのある場所 |
合成樹脂管工事の規定は「電気設備の基本知識 #024【合成樹脂管工事】」でさらにくわしく解説しています。金属管との違いは「電気設備の基本知識 #005【金属管工事】」とあわせて読むとわかりやすくなります。
- OWを除く絶縁電線を入れ、管の中で接続しない
- 金属製ボックスは300V以下でD種接地
- CD管はコンクリート埋設、危険な粉じん・ガスの場所には使わない
よくある質問
合成樹脂管工事で使う管にはどんな種類がありますか?
手で曲げられる合成樹脂製可とう電線管(PF管・CD管)と、かたい硬質塩化ビニル電線管(VE管)の2つのグループがあります。PF管は耐燃性があり露出・隠ぺい・埋設に使え、CD管は耐燃性がないためコンクリート埋設専用です。VE管は1本4mの直管で、熱で曲げ、接着剤でつなぎます。
合成樹脂管の差込み深さはどれくらい必要ですか?
管どうし、または管とボックスをつなぐときの差込み深さは、管の外径の1.2倍以上です。接着剤を使う場合は0.8倍以上でよいとされています。
合成樹脂管の支持点間の距離は?
合成樹脂管をサドルなどで造営材に留めるときの支持点間の距離は1.5m以下です。やわらかいPF管は、たるまないようにもっと短い間隔で留めることが多いです。
VE管はどうやって曲げますか?
ガストーチなどでまんべんなく温めてやわらかくし、ゆっくり曲げてから冷やして形を固めます。曲げの内側の半径は管の内径の6倍以上とします。急に曲げると、あとで電線を通しにくくなり、被覆を傷めるおそれがあります。
30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?
タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。
ご回答ありがとうございます!
よければ、あと3つだけ教えてください(任意・答えなくてもOK)
ありがとうございました。いただいた声は記事の改善に使わせていただきます。


