第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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駐車場の照明、門柱のインターホン、離れの倉庫。建物の外へ電気を送るとき、電線を地中に埋めることがあります。見えないからこそ、深さと守り方が大切です。この記事では、地中電線路の3つの方式、埋設深さ、防護のしかた、管路式とハンドホール、埋設表示を、図とたとえで1つずつ解説します。

結論

地中配線はケーブルを使い、直接埋設式なら車などの重量物の圧力を受ける所は1.2m以上、その他は0.6m以上に埋めます。重量物がある所はトラフ、ない所は板・といで守ります。

  • 方式は直接埋設式・管路式・暗きょ式の3つ
  • 管路式は重量物の圧力に耐える管を使う
  • 地中の通信線とは0.3m以上離す(低圧・高圧)
  • 埋設表示シートで掘削事故を防ぐ
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
地中電線路の3つの方式として、トラフなどに入れて土に直接埋める直接埋設式、埋めた管の中にケーブルを通す管路式、人が入れるトンネルにケーブルを並べる暗きょ式を並べた図
地中電線路には3つの方式があります。

3つの方式 ― 直接埋設・管路・暗きょ

地中に電線を通す方法は、大きく3つです。どの方式でも、地中の電線にはケーブルを使います。絶縁電線をそのまま埋めることはできません。

方式 しくみ 主な使われ方
直接埋設式 ケーブルをトラフなどに入れて、土に直接埋める 住宅の外構、構内の短い距離
管路式 管を埋めて、その中にケーブルを通す 構内・道路の下。あとから引き替えやすい
暗きょ式 人が入れるトンネル(洞道・共同溝)にケーブルを並べる 大きな工場・都市部の幹線
一般的な傾向
ペン太ペン太
地中に埋めるなら、とにかく深くすれば安全ですよね?
ハリタハリタ
深ければ守られますが、掘る手間も費用も増えます。だから、上を車が通るかどうかで、必要な深さが決められているんですよ。
ここまでのポイント
  • 地中の電線はケーブルを使う
  • 直接埋設式・管路式・暗きょ式の3つ
  • 管路式はあとから引き替えやすい

埋設深さ ― 車が通るかどうか

直接埋設式の埋設深さとして、車が通る所(重量物の圧力を受けるおそれがある場所)は1.2m以上でトラフに入れ、車が通らない所は0.6m以上で上を板やといで覆うことを示した動く図解
動く図解:車が通る所は、深く埋めます。
場所 埋設深さ(直接埋設式)
車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所 1.2m以上
その他の場所 0.6m以上
電気設備技術基準の解釈(地中電線路の施設)をもとに作成

車が上を通ると、その重さが地面を通してケーブルに伝わります。深く埋めるほど、圧力は分散されて弱まります。

ここまでのポイント
  • 重量物の圧力を受けるおそれがある場所は1.2m以上
  • その他の場所は0.6m以上
  • 深いほど上からの圧力が分散される

防護 ― トラフか、板・といか

直接埋設式の防護として、重量物の圧力を受けるおそれがある場所では堅ろうなトラフなどに収め、おそれがない場所では上部を堅ろうな板やといで覆うことを比べた図
重いものが乗る所は、箱ごと守ります。

直接埋設式では、ケーブルを土にそのまま置くのではなく、守りながら埋めます。たとえるなら弁当箱とふたです。重いものが乗る所はトラフ(コンクリートなどの箱)に入れて箱ごと守り、重いものが乗らない所は、上を堅ろうな板やといで覆います(低圧・高圧の場合)。

ここまでのポイント
  • 重量物の圧力を受ける所はトラフに収める
  • 受けない所は上部を板・といで覆う
  • がい装ケーブルなどの例外は条文で確認


管路式 ― 管に通し、ハンドホールで引き入れる

管路式の地中電線路として、地中に埋めた管の中にケーブルを通し、両端のハンドホールから引き入れる様子を示した図
管路式は、あとからケーブルを引き替えやすい方式です。

管路式は、地中に管を埋めておき、その中にケーブルを通す方式です。管は、車などの重量物の圧力に耐えるものを使います。途中や端にはハンドホール(点検・引き入れ用の箱)を設けて、そこからケーブルを引き入れます。

管の中を通すので、ケーブルが傷んだときの引き替えや、あとからの増設がしやすいのが強みです。地中に使う管の種類は「電気設備の基本知識 #003【配管の種類と特徴】」でも触れています。

ここまでのポイント
  • 管を埋めて、中にケーブルを通す
  • 管は重量物の圧力に耐えるものを使う
  • ハンドホールから引き入れ・点検する

埋設表示 ― 掘る人に知らせる

地中のケーブルの上に埋設表示シートを敷いておくと、掘削中にケーブルより先にシートが見つかり、掘るのをやめて事故を防げることを示した動く図解
動く図解:シートが先に見つかれば、ケーブルを傷つけずに済みます。

地中のケーブルは見えないので、あとで別の工事をする人が、知らずに掘り当ててしまうおそれがあります。そこで、ケーブルの上の浅い位置に埋設表示シートを敷いておくのが一般的です。掘っていてシートが出てきたら、「この下に電線がある」とわかります。

📘 高圧・特別高圧の表示

高圧・特別高圧の地中電線路には、物件の名称・管理者名・電圧を表示することが求められています(需要場所内で短いものなどを除く)。

ここまでのポイント
  • 埋設表示シートを浅い位置に敷く
  • 掘削するとき、ケーブルより先に見つかる
  • 高圧以上は物件名・管理者名・電圧の表示が必要

押さえる要点 ― ケーブル・深さ・守り方

地中配線で押さえる要点として、ケーブルを使う、重量物ありは1.2m以上でトラフ、重量物なしは0.6m以上で板・とい、管路式は重量物の圧力に耐える管、地中の通信線とは0.3m以上、埋設表示シートを並べた図
地中配線で押さえる要点のまとめ。

低圧・高圧の地中電線と地中弱電流電線(通信線など)は、0.3m以上離すのが基本です。近くなる場合は、耐火性の隔壁を設けるなどの方法があります。ケーブル工事の決まりは「電気設備の基本知識 #022【ケーブル工事】」で解説しています。

ここまでのポイント
  • 地中はケーブル。重量物ありは1.2m、なしは0.6m
  • トラフ、または板・といで守る
  • 通信線とは0.3m以上離す


よくある質問

地中に埋める電線には何を使いますか?

ケーブルを使います。絶縁電線をそのまま地中に埋めることはできません。

地中電線路にはどんな方式がありますか?

ケーブルをトラフなどに入れて土に直接埋める直接埋設式、埋めた管の中にケーブルを通す管路式、人が入れるトンネル(洞道・共同溝)にケーブルを並べる暗きょ式の3つがあります。

直接埋設式の埋設深さは?

車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所では1.2m以上、それ以外の場所では0.6m以上です。

直接埋設式ではどうやってケーブルを守りますか?

重量物の圧力を受けるおそれがある場所では、堅ろうなトラフなどに収めます。低圧・高圧の地中電線で、重量物の圧力を受けるおそれがない場所では、上部を堅ろうな板やといで覆う方法もあります。がい装ケーブルを使う場合などの例外は、条文で確認します。

地中の電線と通信線はどれくらい離しますか?

低圧・高圧の地中電線と地中弱電流電線(通信線など)は、0.3m以上離すのが基本です。近くなる場合は、耐火性の隔壁を設けるなどの方法があります。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。