電気設備の基本知識 #023【地中配線】
駐車場の照明、門柱のインターホン、離れの倉庫。建物の外へ電気を送るとき、電線を地中に埋めることがあります。見えないからこそ、深さと守り方が大切です。この記事では、地中電線路の3つの方式、埋設深さ、防護のしかた、管路式とハンドホール、埋設表示を、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
地中配線はケーブルを使い、直接埋設式なら車などの重量物の圧力を受ける所は1.2m以上、その他は0.6m以上に埋めます。重量物がある所はトラフ、ない所は板・といで守ります。
- 方式は直接埋設式・管路式・暗きょ式の3つ
- 管路式は重量物の圧力に耐える管を使う
- 地中の通信線とは0.3m以上離す(低圧・高圧)
- 埋設表示シートで掘削事故を防ぐ
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3つの方式 ― 直接埋設・管路・暗きょ
地中に電線を通す方法は、大きく3つです。どの方式でも、地中の電線にはケーブルを使います。絶縁電線をそのまま埋めることはできません。
| 方式 | しくみ | 主な使われ方 |
|---|---|---|
| 直接埋設式 | ケーブルをトラフなどに入れて、土に直接埋める | 住宅の外構、構内の短い距離 |
| 管路式 | 管を埋めて、その中にケーブルを通す | 構内・道路の下。あとから引き替えやすい |
| 暗きょ式 | 人が入れるトンネル(洞道・共同溝)にケーブルを並べる | 大きな工場・都市部の幹線 |
ペン太
ハリタ- 地中の電線はケーブルを使う
- 直接埋設式・管路式・暗きょ式の3つ
- 管路式はあとから引き替えやすい
埋設深さ ― 車が通るかどうか
| 場所 | 埋設深さ(直接埋設式) |
|---|---|
| 車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所 | 1.2m以上 |
| その他の場所 | 0.6m以上 |
車が上を通ると、その重さが地面を通してケーブルに伝わります。深く埋めるほど、圧力は分散されて弱まります。
- 重量物の圧力を受けるおそれがある場所は1.2m以上
- その他の場所は0.6m以上
- 深いほど上からの圧力が分散される
防護 ― トラフか、板・といか
直接埋設式では、ケーブルを土にそのまま置くのではなく、守りながら埋めます。たとえるなら弁当箱とふたです。重いものが乗る所はトラフ(コンクリートなどの箱)に入れて箱ごと守り、重いものが乗らない所は、上を堅ろうな板やといで覆います(低圧・高圧の場合)。
- 重量物の圧力を受ける所はトラフに収める
- 受けない所は上部を板・といで覆う
- がい装ケーブルなどの例外は条文で確認
管路式 ― 管に通し、ハンドホールで引き入れる
管路式は、地中に管を埋めておき、その中にケーブルを通す方式です。管は、車などの重量物の圧力に耐えるものを使います。途中や端にはハンドホール(点検・引き入れ用の箱)を設けて、そこからケーブルを引き入れます。
管の中を通すので、ケーブルが傷んだときの引き替えや、あとからの増設がしやすいのが強みです。地中に使う管の種類は「電気設備の基本知識 #003【配管の種類と特徴】」でも触れています。
- 管を埋めて、中にケーブルを通す
- 管は重量物の圧力に耐えるものを使う
- ハンドホールから引き入れ・点検する
埋設表示 ― 掘る人に知らせる
地中のケーブルは見えないので、あとで別の工事をする人が、知らずに掘り当ててしまうおそれがあります。そこで、ケーブルの上の浅い位置に埋設表示シートを敷いておくのが一般的です。掘っていてシートが出てきたら、「この下に電線がある」とわかります。
📘 高圧・特別高圧の表示
高圧・特別高圧の地中電線路には、物件の名称・管理者名・電圧を表示することが求められています(需要場所内で短いものなどを除く)。
- 埋設表示シートを浅い位置に敷く
- 掘削するとき、ケーブルより先に見つかる
- 高圧以上は物件名・管理者名・電圧の表示が必要
押さえる要点 ― ケーブル・深さ・守り方
低圧・高圧の地中電線と地中弱電流電線(通信線など)は、0.3m以上離すのが基本です。近くなる場合は、耐火性の隔壁を設けるなどの方法があります。ケーブル工事の決まりは「電気設備の基本知識 #022【ケーブル工事】」で解説しています。
- 地中はケーブル。重量物ありは1.2m、なしは0.6m
- トラフ、または板・といで守る
- 通信線とは0.3m以上離す
よくある質問
地中に埋める電線には何を使いますか?
ケーブルを使います。絶縁電線をそのまま地中に埋めることはできません。
地中電線路にはどんな方式がありますか?
ケーブルをトラフなどに入れて土に直接埋める直接埋設式、埋めた管の中にケーブルを通す管路式、人が入れるトンネル(洞道・共同溝)にケーブルを並べる暗きょ式の3つがあります。
直接埋設式の埋設深さは?
車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所では1.2m以上、それ以外の場所では0.6m以上です。
直接埋設式ではどうやってケーブルを守りますか?
重量物の圧力を受けるおそれがある場所では、堅ろうなトラフなどに収めます。低圧・高圧の地中電線で、重量物の圧力を受けるおそれがない場所では、上部を堅ろうな板やといで覆う方法もあります。がい装ケーブルを使う場合などの例外は、条文で確認します。
地中の電線と通信線はどれくらい離しますか?
低圧・高圧の地中電線と地中弱電流電線(通信線など)は、0.3m以上離すのが基本です。近くなる場合は、耐火性の隔壁を設けるなどの方法があります。
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