全体像:分岐回路の設計と幹線分岐のルール

分電盤から各部屋へ電気を分けていく「分岐回路」。設計でカギになるのが、過電流遮断器ブレーカー)の定格・使えるコンセント・電線の太さの組み合わせです。

「20Aのブレーカーに、どの太さの電線?」「30Aのコンセントは何A回路に付けられる?」——この3つはセットで決まっています。まずは下の早見表で全体像をつかみましょう。

分岐回路の早見表(遮断器×コンセント×電線太さ)
🐧 見習いペン太:「ブレーカー・コンセント・電線、別々に覚えるんですか?」
🦔 はりた:「いや、3つはセットで決まるんだ。遮断器の定格を見れば、使えるコンセントと必要な電線の太さが芋づる式に決まる。表で“横の組み合わせ”を覚えるのがコツだよ」
🐧 見習いペン太:「横一列でワンセット、ですね」
⚡ 先に結論だけ言うと
  • 15A … 15A以下/直径1.6mm以上
  • 20A(配線用遮断器) … 20A以下/直径1.6mm以上
  • 20A(ヒューズ … 20A/直径2.0mm以上
  • 30A … 20〜30A/断面積5.5mm²以上
  • 40A … 30〜40A/断面積8mm²以上
  • 50A … 40〜50A/断面積14mm²以上

ブレーカーが大きいほど、太い電線・大きいコンセント

この記事でわかること
✔ 1. 分岐回路の早見表(3つの組み合わせ)
✔ 2. 幹線から分岐するときのルール(3m・8m・制限なし)
ペン太ペン太
遮断器とコンセントと電線の太さって、それぞれ別々に選んでいいんですよね?
ハリタハリタ
実はセットで決まるんです。遮断器の定格に合わせて電線太さもコンセントも決まります。早見表で整理しますよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 同じ20Aでも、電線の太さが変わるのはどんなときか
  • 分岐点から3mを超えて遮断器を置けるのは、どんな条件か
  • その長さを決めているのは、電線の何か
この記事の道案内
数字だけ確認したい方は、早見表から読んでください。

1. 分岐回路の早見表(3つの組み合わせ)

トピック1:1. 分岐回路の早見表(3つの組み合わせ)

過電流遮断器の定格ごとに、使えるコンセントと電線の最小太さが決まっています。

過電流遮断器の定格使えるコンセント電線太さ(軟銅線)
15A15A以下直径1.6mm以上
20A(配線用遮断器)20A以下直径1.6mm以上
20A(ヒューズ)20A直径2.0mm以上
30A20〜30A断面積5.5mm²以上
40A30〜40A断面積8mm²以上
50A40〜50A断面積14mm²以上
ここがポイント
よく問われるのが20A回路の2種類。配線用遮断器の20A回路は直径1.6mm以上でOKですが、ヒューズの20A回路は直径2.0mm以上が必要です。「ヒューズの20Aは太め(2.0mm)」と区別して覚えましょう。
🐧 見習いペン太:「同じ20Aなのに、電線の太さが違うんですね」
🦔 はりた:「そう。配線用遮断器なら1.6mm、ヒューズなら2.0mm。ここは引っかけで出やすいから、セットで押さえておこう」
🐧 見習いペン太:「ヒューズ20Aは2.0mm、覚えました!」
ペン太ペン太
幹線から分岐したら、遮断器は好きな位置に付けてもいいと思ってました。
ハリタハリタ
原則は分岐点から3m以下です。許容電流が35%以上なら8m以下、55%以上なら制限なしと緩和されます。
20A回路の種類使えるコンセント電線太さ(軟銅線)覚え方
配線用遮断器の20A20A以下直径1.6mm以上15A回路と同じ太さでよい
ヒューズの20A20A直径2.0mm以上ヒューズの20Aは太め
ここまでのポイント
  • 過電流遮断器の定格ごとに、使えるコンセントと電線の最小太さが決まっている
  • よく問われるのは20A回路の2種類。配線用遮断器は直径1.6mm以上
  • ヒューズの20A回路は直径2.0mm以上。「ヒューズの20Aは太め」と覚える

2. 幹線から分岐するときのルール(3m・8m・制限なし)

トピック2:2. 幹線から分岐するときのルール(3m・8m・制限なし)

幹線から分岐して、その先に過電流遮断器を施設するとき、分岐点から遮断器までの長さには決まりがあります。長さは、分岐電線の許容電流で決まります。

幹線から分岐するときの3m・8m・制限なしルールの図
  • 3m以下 … 条件なしで施設できる(許容電流の大小に関係なし)
  • 分岐電線の許容電流が幹線の35%以上8m以下に施設できる
  • 分岐電線の許容電流が幹線の55%以上長さ制限なし
ここがポイント
「3m・8m・制限なし」と、対応する「無条件・35%以上・55%以上」をセットで覚えるのが鉄則。数字が2セット出てくるので、図で“ペア”として記憶すると忘れません。
取り違えやすいところ正しくは
20Aの回路はすべて1.6mmでよいヒューズの20A回路は直径2.0mm以上
3mを超えたら必ず35%以上が要る3m以下なら許容電流の大小に関係なく施設できる
55%以上でも8mまで55%以上なら長さの制限はない
長さは電線の太さで決まる長さを決めるのは分岐電線の許容電流
ここまでのポイント
  • 3m以下なら、許容電流の大小に関係なく施設できる
  • 分岐電線の許容電流が幹線の35%以上なら8m以下
  • 55%以上なら長さの制限はない

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)

Q. 分岐回路の過電流遮断器・コンセント・電線太さの関係は?

A. 遮断器の定格でセットが決まります。15Aは電線直径1.6mm以上でコンセント15A以下、20A配線用遮断器は1.6mm以上で20A以下、30Aは断面積5.5mm²以上で20〜30A、40Aは8mm²以上で30〜40A、50Aは14mm²以上で40〜50Aです。

Q. 20A分岐回路の電線の太さは何mm以上ですか?

A. 配線用遮断器の20A分岐回路は直径1.6mm以上、ヒューズの20A分岐回路は直径2.0mm以上です。同じ20Aでも遮断器の種類で必要な太さが異なります。

Q. 幹線から分岐した電線の遮断器はどこまで離せますか?

A. 分岐点から3m以下なら無条件で施設できます。分岐電線の許容電流が幹線の過電流遮断器定格の35%以上なら8m以下、55%以上なら長さ制限なしで施設できます。

Q. なぜ遮断器が大きいほど電線を太くするのですか?

A. 大きな電流を流すため、許容電流の大きい太い電線が必要になるためです。遮断器・コンセント・電線太さは過電流による発熱・火災を防ぐためにセットで決められています。

ペン太ペン太
20Aの回路は電線1.6mmでいい、と覚えれば大丈夫ですか?
ハリタハリタ
配線用遮断器ならOK。ただし20Aヒューズは2.0mm以上です。この違いを押さえて早見表を復習しましょう。

まとめ

結論です。分岐回路は、過電流遮断器の定格・使えるコンセント・電線の太さが3つセットで決まります。そして幹線から分岐したあとの遮断器の位置は、分岐電線の許容電流が幹線の何%にあたるかで3m・8m・制限なしに分かれます。数字が2組あるので、対応関係で覚えるのが確実です。

問われること答え
分岐回路を決める3要素過電流遮断器の定格、使えるコンセント、電線の太さ
配線用遮断器20Aの電線直径1.6mm以上
ヒューズ20Aの電線直径2.0mm以上
3m以下に置ける条件条件なし。許容電流の大小に関係しない
8m以下に置ける条件分岐電線の許容電流が幹線の35%以上
長さ制限がなくなる条件分岐電線の許容電流が幹線の55%以上
長さを決めているもの分岐電線の許容電流

この記事の要点

  • 分岐回路は過電流遮断器の定格・コンセント・電線太さの3つがセットで決まる。
  • 15A→1.6mm/20A配線用遮断器→1.6mm/20Aヒューズ→2.0mm/30A→5.5mm²/40A→8mm²/50A→14mm²。
  • 幹線からの分岐は、3m以下=無条件35%以上=8m以下55%以上=制限なし

ペアで覚えると崩れにくいところ

  • 3m ↔ 無条件
  • 8m ↔ 35%以上
  • 制限なし ↔ 55%以上
  • 20A ↔ 配線用遮断器1.6mm/ヒューズ2.0mm

分岐回路は、数字そのものより「どれとどれが対応するか」で覚えるほうが崩れにくい項目です。長さと割合を必ずペアで思い出し、20Aだけは遮断器の種類まで確認する。この2つの癖をつけておけば、引っかけの選択肢に引きずられることがなくなります。

「ブレーカーの定格から横一列で組み合わせを決める」「分岐の長さは3m・8m・制限なしの3段階」——この2つを押さえれば、分岐回路の設計はしっかり整理できます。

🛠 技能試験の準備はお済みですか?|工具と練習部材は直前に品薄になります。定番のHOZANセットと買い方の優先順位はこちら → 技能試験の工具セットおすすめ【2026年】

📎 関連するおすすめアイテム

第二種電気工事士の学習・実技対策には、定番テキストや工具を早めにそろえておくと安心です。

30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?

タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。

この記事に関連する無料ツール

次に読むならこれ第二種電気工事士 技能試験の工具、何をどう揃える?|圧着工具・定番セットの選び方第2種電気工事士
ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。