全体像:金属線ぴ工事|1種・2種と接地D種

金属線ぴ工事は、配線を収める「とい(樋)」状の金属部材を使う工事です。1種(メタルモール)と2種(レースウェー)があり、スイッチ配線や照明器具配線でよく見かけます。

ルールは金属管工事とほとんど同じですが、屋外・屋側には施設できないという違いがあります。図解で要点を整理しましょう。

🐧 見習いペン太:「線ぴって、金属管と何が違うんですか?」
🦔 はりた:「線ぴは“とい”の形をした配線材だよ。ふたを開けて配線を収めるイメージ。ルールは金属管とほぼ同じ」
🐧 見習いペン太:「じゃあ覚えることは少なめですね」
🦔 はりた:「そう。違いは“屋外・屋側はダメ”“300V以下・乾燥した場所”くらい。ここだけ押さえよう」
⚡ 先に結論だけ言うと
  • 使用できる電線は OW線を除く絶縁電線
  • 線ぴ相互・線ぴとボックスは 堅ろうかつ電気的に完全に接続
  • 使用電圧 300V以下D種接地(乾燥した場所)
  • 線ぴの長さが 4m以下ならD種接地を省略可
  • 屋外・屋側部分には施設できない

金属線ぴ工事の要点早見表

この記事でわかること
✔ 金属線ぴ工事とは?種類(1種・2種)
✔ 接続・接地のルール
✔ D種接地を省略できる条件
ペン太ペン太
金属線ぴって金属管と何が違うんですか?樋みたいな形って聞きましたけど。
ハリタハリタ
配線を収める樋状の部材で、幅4cm未満の1種と4〜5cmの2種があります。使えるのは300V以下ですよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 1種と2種の金属線ぴは、幅と用途がどう違うか
  • 金属線ぴ工事を施設できない場所はどこか
  • D種接地を省略できるのは、どんな条件のときか
この記事の道案内
数字だけ確認したい方は、接地の省略条件から読んでください。

金属線ぴ工事とは?種類(1種・2種)

トピック1:金属線ぴ工事とは?種類(1種・2種)

金属製線ぴ(線樋)は、配線を収める「とい(樋)」のことです。1種金属製線ぴ(メタルモール)は幅4cm未満で主にスイッチ配線などに、2種金属製線ぴ(レースウェー)は幅4cm〜5cmで照明器具配線などに使われます。

使用電圧 300V以下 の配線に使い、乾燥した場所で、展開した場所や点検できる隠ぺい場所に施設できます。配線には OW線を除く絶縁電線 を使います。

金属線ぴの種類(1種メタルモール・2種レースウェー)

ここがポイント
「1種=メタルモール(幅4cm未満)」「2種=レースウェー(幅4〜5cm)」。名称・幅・用途をセットで覚えましょう。
場所 施設 補足
乾燥した場所(展開した場所) できる 使用電圧300V以下が前提
乾燥した場所(点検できる隠ぺい場所) できる 同じく300V以下が前提
湿気・水気のある場所 できない 乾燥した場所であることが条件
屋外・屋側 できない 金属管工事と異なる点
ここまでのポイント
  • 1種金属製線ぴ(メタルモール)は幅4cm未満で、主にスイッチ配線などに使う
  • 2種金属製線ぴ(レースウェー)は幅4cm〜5cmで、主に照明器具配線などに使う
  • 使用電圧300V以下、乾燥した場所で、展開した場所や点検できる隠ぺい場所に施設する

接続・接地のルール

トピック2:接続・接地のルール

線ぴ相互、および線ぴとボックスは、堅ろうかつ電気的に完全に接続します。使用電圧300V以下のため接地は D種接地工事 です。

施工に関するポイントは金属管工事とほとんど同じですが、屋外や屋側部分には施設できない点が異なります。また、2種金属製線ぴは容易に点検できれば線ぴ内に接続点を設けられますが、その場合は必ず線ぴに接地工事を施します

ここがポイント
金属管と同じ規定でも「屋外・屋側はNG」が線ぴ特有の注意点。ひっかけで狙われます。
ペン太ペン太
線ぴのD種接地って、短ければ全部省略していいんでしたっけ?
ハリタハリタ
条件があります。乾燥した場所で4m以下、または対地電圧150V以下で8m以下。数字の組み合わせに注意です。
項目 ルール
線ぴ相互の接続 堅ろうかつ電気的に完全に接続する
線ぴとボックスの接続 同じく堅ろうかつ電気的に完全に接続する
接地の種類 使用電圧300V以下のためD種接地工事
2種線ぴ内の接続点 容易に点検できれば設けられる。ただし必ず線ぴに接地工事を施す
ここまでのポイント
  • 線ぴ相互、および線ぴとボックスは、堅ろうかつ電気的に完全に接続する
  • 使用電圧300V以下のため、接地はD種接地工事
  • 2種線ぴは容易に点検できれば内部に接続点を設けられるが、必ず線ぴに接地工事が要る


D種接地を省略できる条件

トピック3:D種接地を省略できる条件

D種接地工事は、次の条件で省略できます。①線ぴの長さが4m以下を乾燥した場所に施設するとき、②対地電圧150V以下で線ぴの長さが8m以下を、簡易接触防護措置を施すか乾燥した場所に施設するとき、です。

金属線ぴ工事まとめとD種接地の省略条件(4m・8m)

ここがポイント
接地省略「乾燥+4m以下」「対地150V以下+8m以下」。金属管と同じ数字なので、まとめて覚えると効率的です。
図解:金属線ぴ工事の要点(1種・2種と接地)
1種(メタルモール)
4cm未満。主にスイッチ配線などに使用
2種(レースウェー)
4cm〜5cm。主に照明器具配線などに使用
共通ルールと注意点
使用電圧 300V以下・乾燥した場所 → D種接地屋外・屋側は施設不可。接地省略は 4m以下(対地150V以下なら8m以下)
取り違えやすいところ 正しくは
短ければ常に接地を省略できる 乾燥した場所で4m以下、または対地150V以下で8m以下
8m以下ならいつでも省略できる 対地電圧150V以下であることが前提
1種と2種の幅の境目があいまい 1種は4cm未満、2種は4cm〜5cm
屋側なら施設できる 屋外・屋側とも施設できない
どんな絶縁電線でも使える OW線を除く絶縁電線を使う
ここまでのポイント
  • 乾燥した場所で、線ぴの長さが4m以下なら省略できる
  • 対地電圧150V以下で長さ8m以下なら、簡易接触防護措置または乾燥した場所で省略できる
  • 数字は金属管工事と同じなので、まとめて覚えると効率がよい

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)

Q. 金属線ぴ工事はどんな場所に施設できますか?

A. 使用電圧300V以下の配線に使い、乾燥した場所で、展開した場所や点検できる隠ぺい場所に施設できます。屋外や屋側部分には施設できません。

Q. 金属線ぴで使用できる電線は?

A. OW線(屋外用ビニル絶縁電線)を除く絶縁電線を使います。

Q. 1種と2種の金属製線ぴの違いは?

A. 1種金属製線ぴ(メタルモール)は幅4cm未満、2種金属製線ぴ(レースウェー)は幅4cm〜5cmです。2種は容易に点検できれば線ぴ内に接続点を設けられますが、その場合は必ず線ぴに接地工事を施します。

Q. D種接地を省略できる条件は?

A. ①線ぴの長さが4m以下を乾燥した場所に施設するとき、②対地電圧150V以下で線ぴの長さが8m以下を、簡易接触防護措置を施すか乾燥した場所に施設するとき、に省略できます。

ペン太ペン太
金属管とルールが似ていて混ざりそうです。注意点は?
ハリタハリタ
線ぴは屋外・屋側に施設できない点が独特です。共通ルールと違う点を表にして整理しましょう。


まとめ

金属線ぴ工事の要点:

結論です。1種は幅4cm未満のメタルモール、2種は幅4〜5cmのレースウェー。どちらも使用電圧300V以下・乾燥した場所でD種接地です。そして屋外・屋側には施設できません。施工の要領は金属管工事とほとんど同じですが、この一点だけが違います。

確認すること 押さえる内容
1種の呼び名と幅 メタルモール、幅4cm未満。主にスイッチ配線
2種の呼び名と幅 レースウェー、幅4cm〜5cm。主に照明器具配線
使用電圧 300V以下
使用できる電線 OW線を除く絶縁電線
施設できる場所 乾燥した場所。展開した場所、点検できる隠ぺい場所
施設できない場所 屋外・屋側
接地 D種接地工事
接地の省略 乾燥した場所で4m以下、または対地150V以下で8m以下

この記事の要点

  • 用途:配線を収める「とい」。1種メタルモール(幅4cm未満)2種レースウェー(幅4〜5cm)
  • 使用できる電線:OW線を除く絶縁電線
  • 使用電圧 300V以下D種接地(乾燥した場所)
  • 線ぴ相互・ボックスは堅ろうかつ電気的に完全に接続
  • 屋外・屋側はNG/D種省略は4m以下・対地150V以下8m以下

金属管工事とあわせて覚えるところ

  • 接地省略の数字(4m以下、対地150V以下で8m以下)は金属管工事と同じ
  • 施工の要領もほとんど同じ
  • 違うのは、線ぴは屋外・屋側に施設できないこと

金属線ぴ工事は、金属管工事とルールが重なる部分が多い項目です。だからこそ、共通する数字はまとめて覚え、違う一点だけを別に立てておくのが効率的です。屋外・屋側に使えないこと、ここだけは切り離して記憶してください。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。