第2種電気工事士|法令4法(電気事業法・電気工事士法・電気工事業法・電気用品安全法)の要点
学科試験の法令は、毎回3問前後。計算がなく、覚える数字も少ないのでいちばんコスパのよい得点源です。ただし4つの法律が混ざりやすいのが落とし穴。「その法律は何を取り締まっているのか」で分けて覚えると、選択肢の引っかけに強くなります。
結論
法令は設備=電気事業法、人=電気工事士法、会社=電気工事業法、製品=電気用品安全法の4つに分けて覚えます。頻出は「第二種が工事できる範囲」「資格のいらない軽微な工事」「免状の手続き先」「PSEマークの2種類」です。
- 一般用電気工作物は 600V 以下で受電するもの
- 第二種は一般用と小規模事業用の工事ができる
- 免状の書換え・再交付は、交付した都道府県知事へ
- ◇PSE は特定電気用品、○PSE はそれ以外
4つの法律の分け方 ― 主語で見分ける
4つの法律はどれも「電気の事故を防ぐ」ためのものですが、取り締まる相手が違います。車にたとえると、道路運送車両法(車そのもの)、運転免許(運転する人)、運送業の許可(会社)、部品の安全基準(部品)が別々の法律になっているのと同じです。
| 法律 | 取り締まる相手 | 試験でよく出ること |
|---|---|---|
| 電気事業法 | 設備(電気工作物) | 一般用・小規模事業用・自家用の区分 |
| 電気工事士法 | 工事をする人 | 資格の範囲、軽微な工事、免状、義務 |
| 電気工事業法 | 工事をする会社(営業所) | 登録、主任電気工事士、器具、帳簿 |
| 電気用品安全法 | 電線・器具などの製品 | 特定電気用品とPSEマーク |
- 設備・人・会社・製品で分ける
- 問題文の主語を見て法律を決める
- 迷ったら「誰に義務があるか」を考える
電気事業法 ― 電気工作物の区分
電気事業法は、発電所から家庭の配線まで、電気を使うための設備(電気工作物)を区分します。第二種電気工事士の試験で押さえるのは、どこまでが一般用電気工作物かです。
| 区分 | 主なもの | ポイント |
|---|---|---|
| 一般用電気工作物 | 600V 以下で受電する住宅・小規模な店舗、小出力発電設備 | 受電電圧 600V 以下。高圧で受電していれば一般用ではない |
| 小規模事業用電気工作物 | 太陽電池 10kW 以上 50kW 未満、風力 20kW 未満 | 2023年3月の改正で新設。保安の届出が必要 |
| 自家用電気工作物 | 高圧・特別高圧で受電するビル・工場など | 電気主任技術者の選任などが必要 |
- 2023年3月より前の過去問では「太陽電池 50kW 未満は一般用」として出題されている
- 改正後は、太陽電池 10kW 以上 50kW 未満は「小規模事業用電気工作物」
- テキストと過去問は、改正後の版を使う
電圧の区分(低圧・高圧・特別高圧)は電気設備技術基準で決まっています。低圧は交流 600V 以下・直流 750V 以下、高圧はそれを超えて 7,000V 以下、特別高圧は 7,000V 超です。
- 一般用は 600V 以下で受電するもの
- 太陽電池 10kW 未満は一般用、10〜50kW 未満は小規模事業用
- 低圧は交流 600V 以下・直流 750V 以下
電気工事士法 ― 資格の範囲と義務
工事できる範囲
| 資格 | 工事できる範囲 |
|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物(一般用電気工作物等) |
| 第一種電気工事士 | 上に加えて、最大電力 500kW 未満の自家用電気工作物 |
| 認定電気工事従事者 | 自家用電気工作物のうち 600V 以下の部分(簡易電気工事) |
| 特種電気工事資格者 | ネオン工事、非常用予備発電装置工事(特殊電気工事) |
資格がなくてもできる「軽微な工事」
すべての電気の作業に資格が要るわけではありません。コンセントにプラグを差す延長のような作業は、資格がなくてもできます。代表例は次のとおりです。
反対に、電線どうしの接続、電線管の曲げ・ねじ切り、ボックスの取り付け、配線器具を造営材に固定して電線をつなぐ、接地線をつなぐといった作業は、補助であっても資格が必要です。試験では「資格がなくてもできるものはどれか」「電気工事士でなければできないものはどれか」の両方の聞き方で出ます。
電気工事士の義務
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| 技術基準を守る | 電気設備技術基準に適合するように工事する |
| 免状の携帯 | 電気工事の作業に従事するときは免状を携帯する |
| 電気用品の使用 | 電気用品安全法の表示(PSE)が付いた電気用品を使う |
| 報告 | 都道府県知事から工事の業務について報告を求められたら報告する |
免状の手続き先はすべて「免状を交付した都道府県知事」です。住んでいる県が変わっても、交付した知事に申請します。住所は免状の記載事項ではないので、引っ越しでは手続きは要りません。
- 第二種は一般用+小規模事業用、第一種は500kW未満の自家用まで
- コードの接続やヒューズ交換は軽微な工事で資格不要
- 書換え・再交付は交付した都道府県知事へ
電気工事業法 ― 工事会社のルール
電気工事を仕事として請け負う会社(電気工事業者)のルールです。個人で請け負う場合も同じです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録 | 営業所が1つの都道府県だけ → 都道府県知事、2つ以上の都道府県 → 経済産業大臣。有効期間は5年 |
| 主任電気工事士 | 一般用の工事を行う営業所ごとに置く。第一種電気工事士、または第二種電気工事士で3年以上の実務経験がある人 |
| 備える器具(一般用) | 絶縁抵抗計、接地抵抗計、抵抗と交流電圧を測れる回路計 |
| 帳簿 | 営業所ごとに備え、注文者・工事の内容・施工年月日・作業者・検査結果などを記載して5年間保存 |
| 標識 | 営業所と施工場所ごとに、登録番号などを書いた標識を掲げる |
| 電気用品 | 表示(PSE)のない電気用品を電気工事に使ってはならない |
- 登録は知事か経済産業大臣、有効期間5年
- 主任電気工事士は第一種、または第二種+実務3年
- 帳簿は5年保存、器具は絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計
電気用品安全法 ― PSEマーク
電線やスイッチ、ブレーカーなど、電気工事で使う製品の安全を守る法律です。製造・輸入する事業者は、基準に合っていることを確かめてPSEマークを付けます。危険が大きい製品ほど厳しい検査が必要で、マークの形が変わります。
| 区分 | マーク | 代表例 |
|---|---|---|
| 特定電気用品 | ひし形の PSE | 電線(VVF・IVなど)、ヒューズ、配線用遮断器、漏電遮断器、点滅器(スイッチ)・接続器(コンセント)などの配線器具、小形単相変圧器 |
| 特定電気用品以外 | 丸形の PSE | 電線管とその付属品、ケーブル配線用スイッチボックス、換気扇、照明器具 |
試験では「特定電気用品はどれか」が定番です。電気が直接流れて、壊れると火災や感電に直結するもの(電線・遮断器・スイッチ・コンセント)が特定、と考えると判断しやすくなります。電線管やボックスは電気を通さない容れ物なので、特定以外です。
- ◇PSE=特定電気用品、○PSE=それ以外
- 電線・遮断器・配線器具は特定
- 電線管・ボックス・換気扇・照明器具は特定以外
よくある質問
第二種電気工事士で、ビルのコンセント工事はできますか?
免状を持っていないときに作業するとどうなりますか?
法令の問題は何問出ますか?
PSEマークの形は、どう覚えればいいですか?
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