内線規程の解釈と解説【030】|その他の電線路
電線路はいつも電柱や地中とはかぎりません。トンネルの中、池の上や川底、橋、がけ――ふつうとは違う場所を通すこともあります。場所ごとに危ないことが違うので、電技解釈は場所ごとに別の条文で施設方法を決めています。この記事では、電技解釈 第126条・第127条・第129条・第131条をもとに、内線規程の「その他の電線路」を3つの質問と動く図で整理します。
先に言葉をそろえる
| 言葉 | ひとことで言うと |
|---|---|
| トンネル内電線路 | トンネルの中に施設する電線路。人が常時通るかどうかで条件が変わる |
| 水上電線路 | 浮き台などで水面に浮かべて施設する電線路 |
| 水底電線路 | 川や海の底に施設する電線路 |
| がい装 | ケーブルの外側を鉄線などでよろい、外からの力に強くしたもの |
| 二層橋 | 上段と下段に通路がある橋。上段の下面に電線を施設することがある |
質問① トンネル内は?
| トンネル | 低圧 | 高圧 |
|---|---|---|
| 人が常時通る・鉄道等の専用 | がいし引き(2.6mm以上、路面上2.5m以上)・合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブル | 第111条第2項に準じる(専用トンネルのがいし引きは4mm以上・3m以上) |
| 上記以外 | ケーブル工事だけ | 第111条第2項に準じる |
- 人が常時通るトンネルの低圧は5つの工事
- がいし引きは2.6mm以上・路面上2.5m以上
- それ以外のトンネルの低圧はケーブル工事だけ
質問② 水上・水底は?
| 電線路 | おもな決まり |
|---|---|
| 水上 | 低圧・高圧だけ。低圧は3種・4種キャブタイヤケーブル、高圧は高圧用キャブタイヤケーブル。浮き台(鎖等で強固に連結)で支え、被覆を傷めない |
| 水上の接続点 | 水が入らないように。高さは陸上 低圧4m・高圧5m、道路上5m、水面上 低圧4m・高圧5m以上 |
| 水上の電源側 | 専用の開閉器と過電流遮断器を各極に。高圧は地絡遮断装置も |
| 水底 | 損傷のおそれがない場所に。鉄線がい装の水底ケーブル、堅ろうな管に収めたケーブルなど |
- 水上は低圧・高圧だけ、キャブタイヤを浮き台で
- 接続点は水面上 低圧4m・高圧5m以上
- 水底は損傷のおそれがない場所に、がい装ケーブルなど
質問③ 橋・がけは?
| 場所 | おもな決まり |
|---|---|
| 橋の上面 | 路面上5m以上。低圧がいし支持は2.6mm以上・造営材から0.3m以上、架空ケーブルは低圧0.15m・高圧0.3m以上 |
| 橋の側面・下面 | 側面は上面の方法か屋側電線路(第110条)に準じる。下面は合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・ケーブル工事(低圧) |
| がけ(施設できる場合) | 技術上やむを得ない場合だけ。建造物の上、道路・鉄道・架空電線などとの交差、3m未満の接近は不可 |
| がけ(施設方法) | 支持点間15m以下、がいしは金属製腕金類に、接触防護措置。低圧と高圧を並べるなら高圧を上に、0.5m以上 |
- 橋の上面は路面上5m以上
- がけは技術上やむを得ない場合だけ
- がけは支持点間15m以下・接触防護・高圧を上
よくある質問
トンネル内の低圧電線路はどう施設しますか?
人が常時通るトンネルや鉄道等の専用トンネルでは、がいし引き(2.6mm以上・路面上2.5m以上)、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブル工事で施設します。それ以外のトンネルはケーブル工事だけです。
水上電線路の条件は?
使用電圧は低圧か高圧で、キャブタイヤケーブルを鎖等で強固に連結した浮き台で支えます。架空電線との接続点は水面上で低圧4m・高圧5m以上とし、電源側に専用の開閉器と過電流遮断器(高圧は地絡遮断装置も)を施設します。
水底電線路にはどんな電線を使いますか?
損傷のおそれがない場所に、鉄線でがい装した水底ケーブルや、堅ろうな管に収めたケーブルなどを使います。
がけに電線路を施設できますか?
技術上やむを得ない場合に限り、建造物の上や道路・鉄道・架空電線などとの交差を避けて施設できます。支持点間は15m以下とし、接触防護措置を施します。
まとめ ― 取り違えやすいところ
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| トンネルの工事はどこも同じ | 人が通らないトンネルの低圧はケーブルだけ |
| 水上は特別高圧でもよい | 水上電線路は低圧・高圧だけ |
| 水底は沈めればよい | 損傷のおそれがない場所に、がい装ケーブルなど |
| がけはいつでも施設できる | 技術上やむを得ない場合だけ |
📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】
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