技術図書館施設場所・埋込み・支持点間重量物の場所は管に収める、床・壁への直接埋込みは禁止、支持点間2m以下と接続箇所0.3mこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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出典:電気設備の技術基準の解釈 第164条(ケーブル工事)・第9条・第156条

ここでいうケーブルとはビニル外装・クロロプレン外装・ポリエチレン外装ケーブルなどで、屋内配線に広く使われます。使える電線・コンクリートへの埋め込み・支持点間の距離と接地が要点です。電気設備の技術基準の解釈 第164条にそって、3つに整理します。

電線は、164-1表から ケーブルとキャブタイヤ。
重量物・衝撃には、防護装置 第164条第1項第二号。
支持点間は、ケーブル2m以下 キャブタイヤは1m以下。
金属の防護装置は、接地する 300V以下はD種。
ペン太ペン太
ビニル外装ケーブルって丈夫そうだから、重量物が載る場所でもそのままでいいですよね?
ハリタハリタ
重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所では、適当な防護装置を設けます。

この記事で押さえる3つのこと

  • 電線は164-1表から。重量物・衝撃の箇所は防護装置。
  • コンクリート直埋はMI・直埋用ケーブル等、接続点なし。
  • 支持点間はケーブル2m・キャブタイヤ1m。金属部分は接地。
この記事の道案内
電気設備の技術基準の解釈 第164条にそって、ビニル外装ケーブル配線などのルールを4つの視点で整理します。
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1. ケーブルの種類と施設場所

ケーブルは、どの場合も使える ビニル外装ケーブルなど。
3種・4種のキャブタイヤも○ クロロプレンなども同じ。
2種・ビニルは、限られる 300V以下の展開・点検できる隠ぺい。
場所の区分は、156-1表 ケーブル工事は全区分で使える。
  • ここでいうケーブルは、ビニル外装ケーブル・クロロプレン外装ケーブル・ポリエチレン外装ケーブルなどの低圧ケーブル(解釈第9条)
  • ケーブル工事は、156-1表のすべての施設場所の区分で使える工事
  • 使える電線は164-1表のとおり。ケーブルと、3種・4種のキャブタイヤケーブルはどの場合も使える。2種キャブタイヤケーブルやビニルキャブタイヤケーブルなどは、300V以下で展開した場所か点検できる隠ぺい場所だけ(第164条第1項第一号)
  • 重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所に施設する電線には、適当な防護装置を設ける(第二号)
ペン太ペン太
キャブタイヤケーブルも、ケーブルと同じように使えますか?
ハリタハリタ
種類によります。2種やビニルキャブタイヤケーブルなどは、300V以下で展開した場所か点検できる隠ぺい場所だけです。
電線の種類 使える場合(164-1表)
ケーブル どの場合も ○
3種・4種キャブタイヤ どの場合も ○(クロロプレン等も同じ)
3種耐燃性エチレンゴム どの場合も ○
2種キャブタイヤ 300V以下で、展開した場所か点検できる隠ぺい場所だけ
ビニルキャブタイヤ 300V以下で、展開した場所か点検できる隠ぺい場所だけ
耐燃性ポリオレフィン 300V以下で、展開した場所か点検できる隠ぺい場所だけ
たとえるなら
ケーブルは、外装という鎧を着た電線
絶縁した電線の上を外装で包んでいるので、ケーブルは多くの場所で使えます。それでも重量物に押されたり、強くぶつけられたりする箇所では、防護装置という盾を足します。
ここに注意!
「キャブタイヤケーブルは、どこでも使える」ではありません。
2種キャブタイヤケーブルやビニルキャブタイヤケーブルなどは、使用電圧300V以下で、展開した場所か点検できる隠ぺい場所に施設する場合だけ使えます(164-1表)。
ここに注意!
「防護管の太さの数値が、解釈で決まっている」ではありません。
解釈が求めるのは、重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所に、適当な防護装置を設けることです(第164条第1項第二号)。防護管の内径の数値は、第164条には書かれていません。
ここまでのポイント
  • ビニル外装・クロロプレン外装・ポリエチレン外装ケーブルなど(第9条)。
  • ケーブル工事は、156-1表のすべての場所区分で使える。
  • 電線は164-1表。2種・ビニルキャブタイヤ等は場所が限られる。
  • 重量物の圧力・著しい機械的衝撃のおそれがある箇所は、防護装置を設ける。


2. 埋め込みの制限

埋め込めるのは、3種類 MI・直埋用・がい装ケーブル。
コンクリート内に、接続点なし 同等以上の絶縁・保護は例外。
ボックスは、安全法の品など 黄銅・銅で堅ろうなものも。
引き込み口は、水が入りにくく ブッシングなどを使う。
  • 電線を直接コンクリートに埋め込んで施設する低圧屋内配線は、第164条第2項による
  • 電線は、MIケーブル、コンクリート直埋用ケーブル、第120条第6項の性能を満たすがい装を有するケーブル(第2項第一号)
  • コンクリート内では、電線に接続点を設けない。接続部をケーブルと同等以上の絶縁性能・機械的保護機能をもつように施設するときは例外(第二号)
  • ボックスは、電気用品安全法の適用を受ける金属製・合成樹脂製のもの、又は黄銅・銅で堅ろうに製作したもの(第三号)
  • ボックス・プルボックスに引き込むときは、水が入りにくい構造のブッシングなどを使う(第四号)
  • 金属部分の接地は、第1項第四号・第五号に準じる(第五号)
たとえるなら
コンクリート直埋は、専用の潜水服
コンクリートの中は、あとから手が出せない世界です。潜れるのは専用の装備をもつケーブルだけで、中ではつなぎ目をつくりません。
ここに注意!
「どのケーブルも、コンクリートに直接埋め込める」ではありません。
直接コンクリートに埋め込めるのは、MIケーブル、コンクリート直埋用ケーブル、第120条第6項の性能を満たすがい装を有するケーブルです(解釈第164条第2項第一号)。
ここに注意!
「コンクリートの中で、接続してよい」ではありません。
コンクリート内では、電線に接続点を設けません。接続部をケーブルと同等以上の絶縁性能と機械的保護機能をもつように施設する場合だけ例外です(第164条第2項第二号)。
ペン太ペン太
コンクリートに直接埋めるときは、使えるケーブルが決まっているんですね。
ハリタハリタ
そう。MIケーブルやコンクリート直埋用ケーブルなどで、コンクリートの中には接続点を設けないよ。
ここまでのポイント
  • 直接コンクリートに埋め込むときは、第164条第2項による。
  • 電線は、MI・コンクリート直埋用・所定のがい装のケーブル。
  • コンクリート内に接続点を設けない(同等以上の絶縁・保護なら例外)。
  • ボックスは安全法の金属製・合成樹脂製など。
  • 引き込み口は、水が入りにくいブッシングなどを使う。


3. ケーブルの支持と支持点間の距離

ケーブルは、2m以下 造営材の下面・側面。
接触防護+垂直は、6m以下 かっこ書きの例外。
キャブタイヤは、1m以下 ケーブルより短い間隔。
被覆を損傷しないように 第164条第1項第三号。
  • 造営材の下面又は側面に沿って取り付ける場合、支持点間はケーブル2m以下(接触防護措置を施した場所で垂直に取り付けるときは6m以下)、キャブタイヤケーブル1m以下(第164条第1項第三号)
  • 被覆を損傷しないように取り付ける(第三号)
300V以下は、D種接地 第164条第1項第四号。
4m以下+乾燥は、省略できる 防護装置の金属製部分。
150V以下・8m以下も、条件で省略 簡易接触防護か乾燥した場所。
300V超は、C種接地 接触防護措置でD種も可。
  • 使用電圧300V以下では、管その他の防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、電線の被覆に使う金属体にD種接地工事(第四号)
  • 防護装置の金属製部分は、長さ4m以下を乾燥した場所に施設するとき、又は直流300V・交流対地電圧150V以下で長さ8m以下のものに簡易接触防護措置を施すか乾燥した場所に施設するときは、接地を省略できる(第四号イ・ロ)
  • 使用電圧300V超ではC種接地工事。接触防護措置を施すときはD種接地工事でよい(第五号)
  • パイプシャフト内に垂直につり下げる配線は、第164条第3項の電線・安全率などによる
思いこみ 正しくは
どのキャブタイヤも可 2種・ビニル等は300V以下の展開・点検できる隠ぺい場所だけ
内径の数値が解釈に 解釈は適当な防護装置。数値は第164条にない
どれでも直接埋込み可 MI・直埋用・所定のがい装のケーブル
コンクリート内で接続 接続点を設けない(同等以上の絶縁・保護なら例外)
支持点間はどれも2m キャブタイヤは1m、垂直+接触防護のケーブルは6m
防護管の接地は不要 300V以下はD種、300V超はC種(短い管などは例外)
たとえるなら
支持点は、物干しの洗濯ばさみ
洗濯ばさみの間隔が広いと、ロープがたるみます。ケーブルは2m以下、キャブタイヤケーブルは1m以下の間隔で留めます。
ここに注意!
「支持点間は、どの電線も2m」ではありません。
造営材の下面・側面に沿って取り付ける場合、ケーブルは2m以下ですが、キャブタイヤケーブルは1m以下です。接触防護措置を施した場所で垂直に取り付けるケーブルは6m以下です(第164条第1項第三号)。
ここに注意!
「防護に使った金属管は、接地しなくてよい」ではありません。
使用電圧300V以下では、管その他の防護装置の金属製部分にD種接地工事を施します。長さ4m以下を乾燥した場所に施設する場合などは省略できます。300Vを超えるとC種接地工事です(第164条第1項第四号・第五号)。
ここまでのポイント
  • 支持点間は、ケーブル2m以下(下面・側面に沿うとき)。
  • 接触防護措置の場所で垂直に取り付けるケーブルは6m以下。
  • キャブタイヤケーブルは1m以下。被覆を損傷しないように。
  • 300V以下は、防護装置の金属製部分などにD種接地。
  • 短い防護装置は、長さと場所の条件で接地を省略できる。
  • 300V超はC種接地(接触防護措置でD種)。


よくある質問(FAQ)

Q1. どこに施設できない? 全区分で使える。重量物は防護。
Q2. コンクリートに埋め込める? MI・直埋用ケーブル等なら。
Q3. 支持点間の距離は? 2m以下・キャブタイヤ1m。
Q4. 防護管の接地は? D種かC種。
Q. ここでいう「ケーブル」とは?
A. ビニル外装ケーブル・クロロプレン外装ケーブル・ポリエチレン外装ケーブルなどの低圧ケーブルです(解釈第9条)。ケーブル工事では、164-1表のとおり、キャブタイヤケーブルも種類と場所に応じて使えます。
Q. どんな場所には施設できない?
A. ケーブル工事は、156-1表のすべての施設場所の区分で使える工事です。ただし、重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所では、適当な防護装置を設けます(解釈第164条第1項第二号)。
Q. コンクリートに直接埋め込める?
A. MIケーブル、コンクリート直埋用ケーブル、第120条第6項の性能を満たすがい装を有するケーブルなら施設できます。コンクリート内では接続点を設けません(解釈第164条第2項)。
Q. 支持点間の距離は?
A. 造営材の下面又は側面に沿って取り付ける場合、ケーブルは2m以下(接触防護措置を施した場所で垂直に取り付ける場合は6m以下)、キャブタイヤケーブルは1m以下です(解釈第164条第1項第三号)。
Q. ケーブルを収める金属管に接地は必要?
A. 使用電圧300V以下ではD種接地工事、300Vを超える場合はC種接地工事です(接触防護措置を施せばD種)。300V以下で長さ4m以下を乾燥した場所に施設する場合などは、防護装置の金属製部分の接地を省略できます(解釈第164条第1項第四号・第五号)。

まとめ|置ける場所・埋められる場所・留める間隔

ビニル外装ケーブルなどの配線は、164-1表で電線を選び、重量物や衝撃のおそれがある箇所は防護し、支持点間と金属部分の接地を条件ごとに確かめることが基本です。

確認する項目 決まり(解釈第164条)
対象 ビニル外装・クロロプレン外装・ポリエチレン外装ケーブルなど(第9条)
使える電線 164-1表。2種・ビニルキャブタイヤ等は300V以下の展開・点検できる隠ぺい場所だけ
施設場所 156-1表のすべての区分で使える
重量物・衝撃 適当な防護装置を設ける
直接埋込み MI・直埋用・所定のがい装のケーブル
埋込み部の接続 接続点を設けない(同等以上の絶縁・保護なら例外)
ボックス 安全法の金属製・合成樹脂製など。引き込みは水が入りにくいブッシング
支持点間 ケーブル2m以下(接触防護措置の場所で垂直は6m以下)
キャブタイヤ 支持点間1m以下
接地 300V以下 防護装置の金属製部分・金属製の接続箱・被覆の金属体にD種
接地の省略 4m以下を乾燥した場所、150V以下で8m以下に簡易接触防護か乾燥
接地 300V超 C種(接触防護措置でD種)
パイプシャフト 垂直につり下げるときは第164条第3項

ルートを決めるときに押さえること

  • 重量物の圧力や機械的衝撃のおそれがある箇所か。
  • 電線の種類と、使える場所の組み合わせ(164-1表)。
  • 防護装置の金属製部分の接地。

埋め込みで押さえること

  • コンクリートに直接埋め込むケーブルの種類。
  • コンクリート内に接続点を設けていないか。
  • ボックスの材料と、水が入りにくいブッシング。

支持で押さえること

  • ケーブル2m以下、キャブタイヤケーブル1m以下。
  • 接触防護措置の場所で垂直なら6m以下。
  • 被覆を損傷しない取り付け。

ビニル外装ケーブルは最も使用量の多い配線材だけに、支持点間の条件を押さえておくと、現場での判断がすばやくなります。「ケーブルは2m、キャブタイヤケーブルは1m、接触防護措置の場所で垂直なら6m」の3つです。

ペン太ペン太
支持の間隔は、次にどう決めればいいですか?
ハリタハリタ
造営材の下面・側面に沿う部分は、ケーブルなら2m以下、キャブタイヤケーブルなら1m以下で支持します。数値で押さえておきましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。