この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
出典:電気設備の技術基準の解釈 第200条第1項・第45条・第143条第1項第四号・第221条・第226条・第227条・第29条
系統連系型小出力燃料電池発電設備および蓄電池設備は、燃料電池や蓄電池で得た電力をパワーコンディショナを介して電力会社の配電系統に接続し、自家消費と余剰電力の売電を行う設備です。本記事では、電気設備の技術基準の解釈(第200条第1項・第143条など)をもとに、対地電圧・配線・保護装置の要点を図解とFAQで整理します。
燃料電池は、第200条第1項 第45条に準じる。
屋内配線は、第143条 第1項第四号。
系統連系は、第8章 第221条〜第227条。
電気室の検知装置は、内線規程 内線規程で確かめる。

ペン太
家庭用の燃料電池や蓄電池も、対地電圧は普通に300Vまでいけるんですよね?

ハリタ
住宅の屋内は原則150V以下です。燃料電池や蓄電池の負荷側の屋内配線は、条件つきで直流450V以下にできますよ。
この記事で押さえる3つのこと
- 住宅の屋内は原則150V、負荷側は条件で直流450V。
- 直流幹線に過電流遮断器。例外は耐える電路と1の筐体。
- 異常や地絡のときは、電路と燃料ガスを自動で遮断。
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ガス設備としての安全対策は、3つ目の項にまとめています。
1. 適用範囲と対地電圧
住宅の屋内電路は、原則150V以下 第143条第1項。
負荷側の屋内配線は、直流450V以下 第四号ハ。
個々の出力は、10kW未満 第四号イ・ロ。
原則は、地絡遮断装置 第四号ニ。
- 解釈では、小規模発電設備である燃料電池発電設備は第200条第1項で、燃料電池発電所の決まり(第45条)に準じて施設します。系統に連系するときは、第8章(第220条〜)の決まりもかかります
- 住宅の屋内電路の対地電圧は、原則150V以下です(第143条第1項)
- 燃料電池発電設備や常用電源の蓄電池に接続する負荷側の屋内配線は、個々の出力がそれぞれ10kW未満なら、対地電圧を直流450V以下にできます。原則として地絡遮断装置を施設し、直流電路が非接地で、逆変換装置の交流側に絶縁変圧器があれば除かれます(第143条第1項第四号)
- 「引込口装置に至るまで」という適用範囲の書き方や「3501-1表」は内線規程の書き方です。内線規程で確かめます
| 対象 |
解釈のよりどころ |
| 燃料電池発電設備 |
第200条第1項 |
| 屋内配線の対地電圧 |
第143条第1項 |
| 系統連系 |
第221条〜第227条 |
| 外箱の接地 |
第29条 |
| 3501-1表などの番号 |
内線規程で確認 |
たとえるなら
150Vと450Vは、一般道と専用道路
一般道は決まった速さまでですが、条件を満たした専用道路ならもっと速く走れます。住宅の屋内は原則150V以下で、燃料電池や蓄電池の負荷側の屋内配線は、条件をそろえれば直流450V以下にできます。
ここに注意!
「対地電圧は、いつも150V以下」ではありません。
住宅の屋内電路は原則150V以下ですが、燃料電池や常用の蓄電池の負荷側の屋内配線は、条件を満たせば直流450V以下にできます(解釈第143条第1項第四号)。
ここに注意!
「450Vは、出力に関係なく使える」ではありません。
個々の燃料電池発電設備や蓄電池の出力がそれぞれ10kW未満であることが条件です。原則として地絡遮断装置も施設します(第四号イ〜ニ)。

ペン太
直流側の過電流遮断器って全部の燃料電池に必須だと思ってました!

ハリタ
電路が短絡電流に耐える場合や、燃料電池とパワコンが1の筐体に入った構造なら除かれます。原則と例外を分けて覚えましょう。
ここまでのポイント
- 燃料電池は第200条第1項(第45条に準じる)
- 住宅の屋内電路は原則150V以下
- 負荷側の屋内配線は条件つきで直流450V以下(第143条)
2. 配線方法と保護
隠ぺい場所か、接触防護 第143条第1項第四号ホ。
直流幹線に、過電流遮断器 第45条第三号。
耐える電路や、1の筐体は除く 第三号イ・ロ。
中性線のおそれで、3極に素子 第226条第1項。
- 負荷側の屋内配線は、人が触れるおそれのない隠ぺい場所に合成樹脂管・金属管・ケーブル工事で施設するか、ケーブル工事で電線に接触防護措置を施します(第143条第1項第四号ホ)
- 直流幹線部分の電路に短絡を生じたとき電路を守る過電流遮断器を施設します。電路が短絡電流に耐える場合や、燃料電池と電力変換装置が1の筐体に収められた構造なら除かれます(第45条第三号)
- 単相3線式の低圧系統に連系し、負荷の不平衡で中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは、並列点より系統側に3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設します(第226条第1項)
- 外箱の接地は第29条で見ます。小規模発電設備の燃料電池発電設備には、乾燥した場所などで接地を省ける決まりが使えません(第29条第2項)
- 「交流回路は専用回路で識別表示」「漏電遮断器の微弱電流対策」「資料3-6」は内線規程の書き方です。内線規程で確かめます
| 項目 |
解釈 |
| 直流幹線の短絡 |
過電流遮断器 |
| 耐える・1の筐体 |
遮断器を除ける |
| 中性線の過電流 |
3極に素子 |
| 外箱の接地 |
省略は使えない |
| 専用回路の表示 |
内線規程で確認 |
たとえるなら
耐える電路は、水圧に耐える太い水道管
水圧に十分耐える太い水道管なら、安全弁がなくても破れません。直流幹線の電路も、短絡電流に耐えるものなら過電流遮断器を省けます。
ここに注意!
「直流の過電流遮断器は、いつも必要」ではありません。
電路が短絡電流に耐える場合や、燃料電池と電力変換装置が1の筐体に収められた構造なら除かれます(第200条第1項で準用する第45条第三号)。
ここに注意!
「燃料電池も、乾燥した場所なら接地を省ける」ではありません。
外箱の接地を省ける場合の決まりは、小規模発電設備の燃料電池発電設備には使えません(解釈第29条第2項)。
ここまでのポイント
- 隠ぺい場所に管・ケーブル、またはケーブルで接触防護
- 直流幹線に過電流遮断器(耐える電路・1の筐体は除く)
- 単相3線で中性線の過電流のおそれなら3極に素子
- 燃料電池の外箱は接地の省略が使えない(第29条)
- 専用回路の表示や資料3-6は内線規程で確かめる
3. 燃料電池の保護装置
異常のときは、電路とガスを遮断 第45条第一号。
地絡のときも、燃料ガスを遮断 第200条第1項第二号。
充電部分を、出さない 第45条第二号。
電気室の検知装置は、内線規程 内線規程で確かめる。
- 燃料電池には、過電流、発電電圧の異常低下や燃料ガス濃度の著しい上昇、温度の著しい上昇のときに、燃料電池を電路から自動で遮断し、燃料ガスの供給を自動で遮断して、燃料電池内の燃料ガスを自動で排除する装置を施設します。構造によっては排除する装置を省けます(第45条第一号)
- 燃料電池発電設備に接続する電路に地絡を生じたときは、電路を自動で遮断し、燃料電池への燃料ガスの供給も自動で遮断する装置を施設します(第200条第1項第二号)
- 充電部分は露出させず、電線の接続はねじ止めなどで堅ろうに、張力が加わらないようにします(第45条第二号・第四号)
- 「燃料ガス漏えい検知装置」「警報装置」「電気室の異常気圧検知装置・異常温度上昇検知装置」は解釈には見当たりません。内線規程で確かめます
たとえるなら
地絡でガスも止めるのは、コンロの立ち消え安全装置
ガスコンロは火が消えると自動でガスを止めます。燃料電池発電設備も、電路に地絡が起きたら電路を遮断するだけでなく、燃料ガスの供給も自動で止めます。

ペン太
燃料電池や蓄電池の設備って、太陽光とはまた違うルールがあるんですか?

ハリタ
あるよ。燃料電池は解釈第200条第1項で、燃料電池発電所の決まりに準じて施設するんだ。地絡したら、電路も燃料ガスも自動で止める装置が要るよ。

ペン太
電気室には何か特別な装置がいるんですか?

ハリタ
異常気圧や異常温度上昇の検知装置は、解釈には見当たらないんだ。内線規程で確かめよう。解釈では、燃料電池の温度が著しく上がったら自動で遮断する装置を付けるよ。
直流を、交流にする パワコンで変換。
直流の流出を、防ぐ 第221条。
異常時は、自動で解列 第227条。
専用回路の表示は、内線規程 内線規程で確かめる。
| 思いこみ |
正しくは |
| いつも150V以下 |
条件で直流450V |
| 遮断器は必ず要る |
耐える・1筐体は除く |
| 地絡は電気だけ |
燃料ガスも止める |
| 電気室の検知は解釈 |
内線規程で確認 |
| 450Vは出力不問 |
個々に10kW未満 |
ここに注意!
「地絡のときは、電気だけ止めればよい」ではありません。
燃料電池発電設備では、電路を自動で遮断し、燃料電池への燃料ガスの供給も自動で遮断する装置を施設します(第200条第1項第二号)。
ここに注意!
「電気室の検知装置は、解釈の決まり」ではありません。
電気室の異常気圧検知装置や異常温度上昇検知装置は、解釈には見当たりません。内線規程で確かめます。
ここまでのポイント
- 異常のときは電路から自動遮断し、燃料ガスも止める(第45条)
- 地絡のときも電路と燃料ガスの供給を自動遮断(第200条)
- 充電部分を出さず、接続はねじ止めなどで堅ろうに
- ガス漏えい検知と警報は内線規程で確かめる
- 電気室の検知装置も内線規程で確かめる
よくある質問(FAQ)
Q1. 対地電圧は? 原則150V、条件で450V。
Q2. 直流の保護は? 直流幹線に遮断器。
Q3. 地絡したら? 電路と燃料ガスを遮断。
電気室の検知は? 内線規程で確かめる。
Q. 対地電圧の上限は?
A. 住宅の屋内電路は原則150V以下です。燃料電池や常用の蓄電池の負荷側の屋内配線は、個々の出力がそれぞれ10kW未満などの条件を満たせば、直流450V以下にできます(解釈第143条第1項第四号)。
Q. 直流側の保護はどうしますか?
A. 直流幹線部分の電路に短絡を生じたときに電路を守る過電流遮断器を施設します。電路が短絡電流に耐える場合や、燃料電池と電力変換装置が1の筐体に収められた構造なら除かれます(第200条第1項で準用する第45条第三号)。
Q. 燃料電池に必要な保護装置は?
A. 過電流、発電電圧の異常低下や燃料ガス濃度の上昇、温度の著しい上昇のときに、燃料電池を電路から自動で遮断し、燃料ガスの供給も遮断する装置です(第45条第一号)。地絡のときも電路と燃料ガスの供給を自動で遮断します(第200条第1項第二号)。
Q. 電気室に必要な安全装置は?
A. 異常気圧検知装置や異常温度上昇検知装置は、解釈には見当たりません。内線規程で確かめます。解釈では、燃料電池の温度が著しく上昇したときに自動で遮断する装置を施設します(第45条第一号ハ)。
Q. 単相3線式に連系するときの注意点は?
A. 負荷の不平衡で中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは、並列点より系統側に3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設します(第226条)。異常時は自動で解列します(第227条)。資料3-6は内線規程の番号です。
まとめ|電気の保護とガスの保護を両方そろえる
燃料電池発電設備は、電気の保護に加えて、異常や地絡のときに燃料ガスも自動で止める仕組みがそろって初めて安全になります。対地電圧、直流の短絡保護、系統連系の順で確認していきます。
| 確認する項目 |
解釈 |
| 燃料電池の施設 |
第200条第1項 |
| 住宅の屋内電路 |
原則150V以下 |
| 負荷側の屋内配線 |
条件で直流450V |
| 直流幹線の短絡 |
過電流遮断器 |
| 異常・地絡のとき |
電路と燃料ガス遮断 |
| 中性線の過電流 |
3極に素子 |
| 外箱の接地 |
第29条 |
電気側の要件だけを追っていると、燃料ガスの遮断が抜けがちです。設備の引き渡し前に、異常時や地絡時に電路と燃料ガスが実際に止まるかを確認しておくと安心です。

ペン太
電気室の安全対策は何から始めれば?

ハリタ
解釈では、異常や地絡のときに電路と燃料ガスを自動で止める装置が基本です。電気室の検知装置は内線規程で確かめましょう。
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