技術図書館設備不平衡率は台数か結線で散らす制限を受けない2条件、小容量分割と結線方式、逆V結線の注意と協議この資料をスライドで見る資料一覧を見る
①設備不平衡率は、各線間に接続される単相負荷設備容量の最大と最小の差を、総負荷設備容量の1/3で割って求めます。②高圧受電で100kVA以下の単相負荷の場合、又は単相負荷の最大と最小の差が100kVA以下の場合は制限を受けません。③超えたら小容量の変圧器に分けるか結線方式を工夫し、難しければ電力会社と協議します。
ペン太ペン太
設備不平衡率30%以下って、多少オーバーしても動けば問題ないですよね?
ハリタハリタ
偏りが続くと電圧が不安定になり、機器の異常加熱や系統への悪影響が出ます。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 設備不平衡率の制限を受けないのは、どんな条件を満たすときか
  • 30%以下にできないとき、まず検討する対策は何か
  • 設備不平衡率は、どんな式で求めるか
この記事でわかること
対策の選び方に迷ったら、解決方法の項からご覧ください。

❓ そもそも「設備不平衡率」とは?

変圧器にかかる電力負荷が、三相の各線間で極端に偏らないようにするための規定です。

不平衡な状態が続くと…
✔️ 電圧が不安定になる
✔️ 機器が異常加熱する
✔️ 系統全体に悪影響!


ここまでのポイント
  • 設備不平衡率は、変圧器の負荷が三相の各線間で極端に偏らないようにするための規定
  • 偏った状態が続くと電圧が不安定になる
  • 機器が異常加熱し、系統全体にも悪影響が及ぶ

設備不平衡率の求め方

三相3線式の設備不平衡率は、次の式で求めます。三相3線式では30%以下にするのが原則です。

設備不平衡率[%]=(各線間に接続される単相負荷設備容量の最大と最小の差)÷(総負荷設備容量×1/3)×100

総負荷設備容量には、三相負荷と単相負荷の両方を含めます。

AB 300kVA・BC 100kVA・CA 200kVAの単相負荷と、三相負荷600kVAの例では、単相の最大と最小の差が200kVA、総負荷設備容量1,200kVAの1/3が400kVAなので、設備不平衡率は50%です。30%を超え、差も100kVAを超えるので対策が必要です。
項目値
単相負荷(AB・BC・CA)300kVA・100kVA・200kVA
三相負荷600kVA
最大と最小の差300−100=200kVA
総負荷設備容量×1/3(600+600)×1/3=400kVA
設備不平衡率200÷400×100=50% → 30%を超えるので対策が必要

この例では、差が200kVAで100kVAを超えるため、制限を受けない条件にも当てはまりません。

✅ 制限を受けない条件(以下のいずれか)

  1. 単相変圧器容量が 100kVA以下

  2. 各線間の最大-最小の容量差が 100kVA以下


判定する項目制限を受けない条件
単相変圧器の容量100kVA以下
各線間の容量差最大-最小が100kVA以下
判定のしかたいずれか一方を満たせばよい
ひっかけ注意
「単相変圧器が100kVA以下なら、どんな受電でも対象外」ではありません。
内線規程(1305節)の書き方は「高圧受電において、100kVA以下の単相負荷の場合」と「高圧受電において、単相負荷容量の最大と最小の差が100kVA以下の場合」です。受電の種類と、変圧器ではなく単相負荷の容量で判定する点を押さえます。
ここまでのポイント
  • 単相変圧器容量が100kVA以下なら制限を受けない
  • 各線間の最大-最小の容量差が100kVA以下でも制限を受けない
  • どちらか一方を満たせばよい

🔧 解決方法は?

小容量の単相変圧器を複数台にして各線間へ均等に振り分ける方法と、スコット結線・逆V結線で単相負荷を三相に分散する方法があります。どうしても難しいときは、電力会社と事前に協議します。

方法①:容量の小さい変圧器を複数設置

  • 各相にできるだけ均等に分けて負荷を接続

  • バランスを保ちやすい!

方法②:スコット結線 or 逆V結線の採用

変圧器容量をバランスよく分散できない場合は…

方法 特徴
🔷 スコット結線 単相負荷を三相にバランス良く変換できる
🔶 逆V結線 変圧器2台で三相供給を実現できる

💡スコット結線や逆V結線を使うことで、設備不平衡率30%以下に抑えることが可能になる!


ペン太ペン太
逆V結線なら変圧器1台で三相供給できてお得だと思ってました!
ハリタハリタ
1台だけでは負荷が一部の線間に偏り、不平衡が大きくなります。必ず2台1組で使うのが条件です。
たとえるなら
設備不平衡率は、3人で担ぐ神輿(みこし)のようなものです。
1人だけに重さがかかると、その人はつぶれ、神輿も傾きます。単相負荷も、3つの線間のどれかに偏ると電圧がゆがみ、変圧器や系統に負担がかかります。台数や結線で、重さを3人に振り分けます。
ひっかけ注意
「逆V結線の変圧器1台で三相に供給できる」ではありません。
逆V結線は、2台1組で2つの線間に負荷を分けて初めてバランスがとれます。1台だけでは負荷が一部の線間に偏り、不平衡が大きくなります。
ここまでのポイント
  • 方法①は、容量の小さい変圧器を複数設置し、各相にできるだけ均等に負荷を接続する
  • 方法②は、スコット結線または逆V結線の採用
  • スコット結線は単相負荷を三相にバランスよく変換できる
  • 逆V結線は変圧器2台で三相供給を実現できる

⚠️ ただし注意!

逆V結線は必ず2台1組で使います。1台だけでは一部の線間にしか負荷がかからず、不平衡が大きくなります。2台の容量と負荷の配分をそろえます。
  • 逆V結線変圧器1台だけを使った場合は… → 負荷が一部の線間に偏り、不平衡が大きくなってしまう! → NG!必ず2台1組で使う必要あり!


🧱 スペースが足りないなど、対策が困難な場合は?

  • 不平衡状態が続くと、電力会社(一般送配電事業者)の配電系統全体に影響!

  • 他のユーザーにも悪影響を与えるおそれあり!

👉 そのため、

電力会社と事前に協議・確認する必要があります。

▼ 設備不平衡率を30%以下にする対策の選び方
設備不平衡率が30%を超える
①小容量変圧器を複数台
各相へ均等接続し不平衡を回避
②結線方式の工夫
スコット結線・逆V結線で分散
※逆Vは必ず2台1組
③電力会社と協議
対策が困難な場合は事前相談
取り違えやすいところ正しくは
逆V結線なら変圧器1台で三相供給できてお得1台だけでは負荷が一部の線間に偏り、不平衡が大きくなる。必ず2台1組で使う
不平衡率は自分の設備の中だけの問題電力会社の配電系統全体に影響し、他のユーザーにも及ぶ
30%を超えたら設備を組み直すしかない小容量分散や結線方式の工夫で収められることが多い
対策できないなら、そのまま設置して構わない電力会社と事前に協議・確認する必要がある
制限を受けない条件は両方満たす必要があるいずれか一方を満たせばよい
ここまでのポイント
  • 不平衡状態が続くと、電力会社(一般送配電事業者)の配電系統全体に影響する
  • 他のユーザーにも悪影響を与えるおそれがある
  • スペース不足などで対策が難しい場合は、電力会社と事前に協議・確認する

よくある質問(FAQ)

Q. 設備不平衡率とは何ですか?
A. 変圧器にかかる電力負荷が三相の各線間で極端に偏らないようにするための規定です。偏りが続くと電圧が不安定になり、機器の異常加熱や系統全体への悪影響が生じます。

Q. 制限を受けない条件は?
A. 単相変圧器容量が100kVA以下、または各線間の最大-最小の容量差が100kVA以下のいずれかを満たす場合です。

Q. 30%以下にできない場合の対策は?
A. 小容量の変圧器を複数台に分けて各相へ均等に接続する、スコット結線や逆V結線を採用するなどの方法があります。

Q. 逆V結線で注意すべき点は?
A. 逆V結線変圧器を1台だけで使うと負荷が一部の線間に偏り、不平衡が大きくなるため、必ず2台1組で使用する必要があります。

Q. 対策が困難な場合はどうすればよいですか?
A. 電力会社(一般送配電事業者)と事前に協議・確認する必要があります。

✅ まとめ:30%以下にするには?

方法 内容
小容量変圧器を複数台 各相に均等接続しやすく、不平衡を避けられる
結線方式を工夫 スコット・逆V結線なども選択肢
電力会社と協議 設置が困難な場合は事前相談を
ペン太ペン太
どうしても30%以下にできないときは?
ハリタハリタ
小容量変圧器の分散配置やスコット結線を検討し、困難なら電力会社と事前協議です。

設備不平衡率30%以下は、単相負荷をどれだけ三相に散らせるかという話です。変圧器の台数で散らすか、結線方式で散らすか。この2つで足りなければ、電力会社との協議に進みます。

確認する順番見るところ判断
Step1単相変圧器の容量100kVA以下なら制限を受けない
Step2各線間の容量差最大-最小が100kVA以下なら制限を受けない
Step3変圧器の台数と配分小容量を複数台にして各相へ均等に接続できるか
Step4結線方式スコット結線、または逆V結線(必ず2台1組)
Step5それでも困難な場合電力会社と事前に協議・確認する

単相負荷が大きい施設では、変圧器の選定より先に「どの相にどれだけ載るか」を並べてみると、必要な対策が見えてきます。スペースの制約で台数を増やせないときほど、結線方式の選択肢が効いてきます。

📘 体系的に学びたい方へ
このテーマは、連載「高圧受変電設備の設計マニュアル(全14回+資料編)」で、単線結線図の読み方・書き方とあわせて基礎から解説しています。
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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。