消防法施行令別表第一(8)項(図書館・博物館・美術館)の非常電源設置基準を早見表で解説。自家発電設備・蓄電池設備・非常電源専用受電設備の適用可否(★推奨/〇可/×不可)を消防用設備ごとに一覧で確認できます。
技術図書館消防用設備の早見表の使い方|用途区分から引いて非常電源まで別表第一の用途区分を入口に、延べ面積・階数・収容人員・構造で設備の要否が決まる流れと、非常電源の1,000㎡の境目を全7枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
◀ 防火対象物別 非常電源まとめ 消防法施行令別表第一 (8)項(図書館・博物館・美術館)に必要な消防用設備等について、非常電源として使用できる種類を早見表で解説します。まず下の早見表で「どの消防用設備に、どの非常電源が使えるか」をご確認ください。

図書館・博物館・美術館に必要な非常電源の早見表

消防用設備等 自家発電設備 蓄電池設備 非常電源専用受電設備
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
水噴霧消火設備
泡消火設備
屋外消火栓設備
排煙設備
連結送水管
非常コンセント設備
不活性ガス消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
自動火災報知設備
非常警報設備
ガス漏れ火災警報設備
誘導灯設備
火災通報装置
非常電話
無線通信補助設備

=適用できる / 延べ面積1,000㎡未満に限り適用できる(1,000㎡以上は不可) / —=該当しない

※ 動力を要する消火設備・排煙設備などは自家発電設備・蓄電池設備を非常電源とし、延べ面積1,000㎡未満に限り非常電源専用受電設備も使用できます。自動火災報知設備・誘導灯・非常警報設備などは機器内蔵の蓄電池(内部予備電源)を非常電源とします。詳細は建築消防advice等でご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. (8)項の防火対象物とは何ですか? A. 図書館、博物館、美術館その他これらに類するものが該当し、非特定防火対象物に区分されます。 Q. 非常電源にはどのような種類がありますか? A. 自家発電設備又は燃料電池設備蓄電池設備非常電源専用受電設備の3種類があります。 Q. 蓄電池設備には何が含まれますか? A. 機器に内蔵されたバッテリー(内部予備電源)も蓄電池設備に含まれます。 Q. 非常電源専用受電設備はどの消防設備に適用できますか? A. 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧・泡・屋外消火栓設備、排煙設備、連結送水管、非常コンセント設備などに、延べ面積(1,000㎡未満/以上)にかかわらず適用可能です。

図書館・博物館・美術館に必要な消防用設備等の設置基準

閲覧室・展示室部
🧯🚪
消火器具・避難口誘導灯
書庫・収蔵庫部
🚨💧
自動火災報知設備・スプリンクラー設備
共用部・廊下
🚪💡
通路誘導灯・非常照明
駐車場・機械室部
🧯🔥
大型消火器・水噴霧消火設備
① 建物用途区分の確認 → 消防法施行令 別表第一 (8)項に該当(図書館,博物館,美術館等・イ/ロの区分なし)
延べ面積300㎡以上
→ 消火器具の設置義務が発生
延べ面積300㎡未満
→ 指定可燃物等がなければ緩和されるケースあり
② 主要構造部(耐火構造/準耐火構造/その他)と内装制限の有無を確認 → 屋内消火栓設備の基準面積(700㎡~2,100㎡)が変動
③ 地階・無窓階・階数(3階以上等)と収容人員を確認 → 各設備の基準面積・設置階が変動
④ 下記の設備別セクションの早見表で個別にご確認ください
🧯消火設備等
🚨警報設備等
🚪避難設備・誘導灯
🧯

消火設備等

火を消す・抑える設備。延べ面積や主要構造部・内装制限の別で設置義務が変わります。

POINT延べ面積300㎡以上で消火器具、屋内消火栓設備は主要構造部により700㎡~2,100㎡以上が主な分岐ライン。
🏛️用途区分(8)項
📐面積・構造等で判定
🧯消火設備の要否が決定
消火器具延べ面積300㎡以上、または地階・無窓階若しくは3階以上の階で床面積50㎡以上、指定可燃物の数量の700倍以上を貯蔵・取り扱う場所に設置。
大型消火器指定可燃物を700倍以上貯蔵・取り扱う場所や、高圧受変電設備等がある場所に、歩行距離30m以下となるよう設置。
屋内消火栓設備主要構造部・内装制限の組み合わせにより床面積700㎡~2,100㎡以上(耐火構造・内装制限ありで2,100㎡以上等)。地階・無窓階・4階以上の階は150㎡~450㎡以上。指定可燃物750倍以上を貯蔵・取り扱う部分にも設置。
スプリンクラー設備地階を除く階数が11以上の階は全部設置。地階・無窓階で床面積2,000㎡以上、4階以上10階以下の階で床面積合計2,000㎡以上の階にも設置。
屋外消火栓設備1・2階の床面積合計(地階を除く)が、耐火建築物9,000㎡以上、準耐火建築物6,000㎡以上、その他の建築物3,000㎡以上で設置。
水噴霧消火設備等駐車場部分(駐車台数等により200㎡~500㎡以上)、発電機・変圧器等の電気設備がある部分200㎡以上、指定可燃物1,000倍以上を貯蔵・取り扱う部分などに設置。
消防用水(防火水槽等)敷地面積20,000㎡以上かつ2階建て以上で、延べ面積が耐火建築物15,000㎡以上・準耐火建築物10,000㎡以上・その他5,000㎡以上の場合に設置。
POINT自動火災報知設備は延べ面積500㎡以上、または地階・無窓階若しくは3階以上の階で床面積300㎡以上が主な分岐ライン。
🏛️用途区分(8)項
📐面積・階数で判定
🚨警報設備の要否が決定
自動火災報知設備延べ面積500㎡以上、地階・無窓階若しくは3階以上の階で床面積300㎡以上、11階以上の階、駐車の用に供する部分で床面積200㎡以上、指定可燃物500倍以上を貯蔵・取り扱う場所などに設置。
ガス漏れ火災警報設備温泉採取設備等がある場合や、液化石油ガスを使用する場所に面積に関係なく設置。
漏電火災警報器鉄網入りの壁・床・天井のいずれかがあり、延べ面積500㎡以上の場合に設置。壁・床・天井を準不燃材料とした場合は設置しないことができる。
消防機関へ通報する火災報知設備延べ面積1,000㎡以上で設置。ただし消防機関から著しく離れた場所にある場合や、常時通報できる電話等がある場合は設置しなくてもよい。
非常警報器具・非常警報設備収容人員50人以上(地階・無窓階のみの合計は20人以上)で非常警報器具等を設置。収容人員800人以上、地階を除く階数11以上、地階の階数3以上のいずれかに該当する場合は非常放送設備を設置。
🚪

避難設備・誘導灯

逃げ道を確保・案内する設備。階数と収容人員の組み合わせで判断します。

POINT避難器具は収容人員50人以上の階などが対象、誘導灯・誘導標識は避難口・通路ごとに階ごとで判断します。
🏛️用途区分(8)項
👥収容人員・階数で判定
🚪避難設備の要否が決定
避難器具2階以上の階(主要構造部を耐火構造とした2階を除く)又は地階で収容人員50人以上の階、直通階段が1つしかなく3階以上の階で収容人員10人以上の階に設置(地階、無窓階及び11階以上の階は原則除く)。
避難口誘導灯・通路誘導灯令28条により、避難口・廊下・階段等の該当部分ごとに階ごとで判断し設置。避難上有効な構造等の一定要件を満たす場合は設置を省略できる。
誘導標識避難口誘導灯又は通路誘導灯の有効範囲内の部分については設置しないことができる。
📋 全用途の一覧(防火対象物別の早見表)を見る

根拠:消防法施行令 別表第一および消防法施行令・施行規則の規定をもとに作成。実際の適用は所轄消防本部の指導により異なる場合があります。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。