◀ 防火対象物別 非常電源まとめ 消防法施行令別表第一 (11)項(神社・寺院・教会)に必要な消防用設備等について、非常電源として使用できる種類を早見表で解説します。まず下の早見表で「どの消防用設備に、どの非常電源が使えるか」をご確認ください。

神社・寺院・教会に必要な非常電源の早見表

消防用設備等 自家発電設備 蓄電池設備 非常電源専用受電設備
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
水噴霧消火設備
泡消火設備
屋外消火栓設備
排煙設備
連結送水管
非常コンセント設備
不活性ガス消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
自動火災報知設備
非常警報設備
ガス漏れ火災警報設備
誘導灯設備
火災通報装置
非常電話
無線通信補助設備

=適用できる / 延べ面積1,000㎡未満に限り適用できる(1,000㎡以上は不可) / —=該当しない

※ 動力を要する消火設備・排煙設備などは自家発電設備・蓄電池設備を非常電源とし、延べ面積1,000㎡未満に限り非常電源専用受電設備も使用できます。自動火災報知設備・誘導灯・非常警報設備などは機器内蔵の蓄電池(内部予備電源)を非常電源とします。詳細は建築消防advice等でご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. (11)項とは何ですか? A. 神社、寺院、教会その他これらに類するものを指します。 Q. 非常電源にはどのような種類がありますか? A. 自家発電設備又は燃料電池設備蓄電池設備非常電源専用受電設備の3種類です。 Q. 蓄電池設備に内蔵バッテリーは含まれますか? A. 含まれます。機器内蔵のバッテリーも蓄電池設備として扱われます。 Q. 表の記号(★〇×)の意味は? A. ★は推奨される設備、〇は設置可能な設備、×は適用できない設備を表します。


神社・寺院・教会に必要な消防用設備等の設置基準

消防法施行令別表第一(11)項(神社,寺院,教会その他これらに類するもの)に義務付けられる消防用設備等を「消火設備等」「警報設備等」「避難設備・誘導灯」の3グループに分けて早見表でまとめます。本項はイ・ロの区分がなく、延べ面積や階数などの具体的な数値は建物ごとに異なるため、実際の設計・改修時は必ず所轄消防署にご確認ください。

本堂・拝殿等
🧯🚨
消火器具・自動火災報知設備
社務所・庫裏
🚪🔔
避難口誘導灯・非常警報設備
機械室・電気室等
💧🚨
スプリンクラー設備・漏電火災警報器
境内・駐車場
🚒💦
屋外消火栓設備・動力消防ポンプ設備
🔋 非常電源(自家発電設備・蓄電池設備)は機械室等に設置し、上記すべての設備を支えます

神社・寺院・教会の設備配置イメージ(概念図/実際の配置・機種は建物ごとに異なります)

① 建物用途区分の確認 → 消防法施行令 別表第一 (11)項に該当(イ・ロの区分なし)
主要構造部が耐火構造・内装制限ありの場合
→ 屋内消火栓設備等の基準面積が緩和(床1,000㎡程度)
主要構造部がその他構造の場合
→ 基準面積が厳しくなる(床3,000㎡程度)
② 収容人員50人以上か確認 → 非常警報設備・避難器具の要否ラインに影響
③ 地階・無窓階・階数(11階以上等)を確認 → スプリンクラー設備・自動火災報知設備等の基準が変動
④ 下記の設備別セクションの早見表で個別にご確認ください
🧯消火設備等
🚨警報設備等
🚪避難設備・誘導灯
POINT床面積1,000㎡前後(構造により変動)と、指定可燃物1,000倍が主な分岐ライン。
🏛️用途区分(11)項
📐床面積・指定可燃物量で判定
🧯消火設備の要否が決定
消火器具 延べ面積300㎡以上、または地階・無窓階・3階以上の階で床面積50㎡以上、指定数量の1/5以上の指定可燃物を貯蔵・取扱う場合等に設置。
屋内消火栓設備 主要構造部・内装制限の組み合わせにより基準面積が変動(耐火構造+内装制限で床1,000㎡以上、その他構造は3,000㎡以上等)。750倍以上の指定可燃物取扱い部分にも設置義務(除外規定あり)。
スプリンクラー設備 地階を除く階数11階以上の階、または指定可燃物1,000倍以上を貯蔵・取扱う部分に設置。11階未満の部分はパッケージ型消火設備等での代替が認められる場合あり。
水噴霧消火設備等
(水噴霧・泡・不活性ガス・ハロゲン化物・粉末)
変電・発電設備室(床200㎡以上等)、駐車の用に供する部分(1階500㎡以上、地階又は2階以上は200㎡以上等)、通信機器室(床500㎡以上)、指定可燃物1,000倍以上取扱い部分等。
屋外消火栓設備 1階・2階の床面積合計(地階を除く)が構造区分別基準(耐火建築物9,000㎡以上、準耐火建築物6,000㎡以上、その他3,000㎡以上)を超える場合に設置。
動力消防ポンプ設備 耐火・準耐火建築物以外の建築物が同一敷地内に2以上あり、各棟の床面積合計が3,000㎡以上の場合に設置。
🚨

警報設備等

火災の発生をいち早く知らせる設備。床面積・収容人員が基準になります。

POINT床面積300㎡と収容人員50人が代表的なライン。地階・無窓階は基準が厳しくなります。
🏛️用途区分(11)項
📐延べ面積300㎡・収容人員50人で判定
🚨警報設備の要否が決定
自動火災報知設備 延べ面積300㎡以上、地階・無窓階又は3階以上の階で床面積300㎡以上、階数11以上の階、駐車用途部分で床面積200㎡以上の階、指定可燃物500倍以上取扱う場合等。
ガス漏れ火災警報設備 温泉採取施設等(1人以上のものに限る)、LPガス使用場所は面積を問わず設置。
漏電火災警報器 鉄網入りの壁・床・天井のいずれかがあり、延べ面積500㎡以上のもの(壁・床・天井を準不燃材料とした場合は設置しないことができる)。
消防機関へ通報する火災報知設備 延べ面積1,000㎡以上。消防機関から著しく離れた場所、または近距離(歩行距離500m以内)で常時通報できる電話がある場合等は設置しなくてもよい。
非常警報器具・非常警報設備 収容人員50人以上(地階・無窓階の合計収容人員20人以上)で器具を設置。地階を除く階数11以上、または地階の階数が3以上の場合は非常警報設備が必要。
🚪

避難設備・誘導灯

逃げ道を確保・案内する設備。階数と収容人員の組み合わせで判断します。

POINT収容人員50人が主な分岐ライン。誘導灯は建物構造や避難経路の状況により設置区分(A級・B級・C級)が変わります。
🏛️用途区分(11)項
👥収容人員50人・構造等で判定
🚪避難設備・誘導灯の要否/区分が決定
避難器具 2階以上(主要構造部を耐火構造とした2階を除く)または地階で収容人員50人以上、直通階段が1ヶ所のみで3階以上かつ収容人員10人以上の階等に設置。
避難器具(東京都火災予防条例) 6階以上の階で、収容人員30人以上の場合に設置(地方自治体条例による上乗せ規定の一例)。
避難口・通路誘導灯 階ごとに床面積等の条件と誘導灯の種別(A級・B級(BH形)又はB級(BL形)+点滅機能付)に応じて設置区分が変動。一定要件(延べ面積50,000㎡以上等)を満たす場合は長時間定格型誘導灯を主要避難経路に設置。
誘導標識 原則として全部設置(避難口誘導灯・通路誘導灯の有効範囲内の部分は省略可)。

出典:消防設備等の早見帳21年版(2022年8月版)3章 設置基準((十一)項 神社,寺院,教会等)。数値は代表的な基準を抜粋したもので、既存遡及の有無や自治体の火災予防条例等により異なる場合があります。詳細は必ず所轄消防署にご確認ください。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。