力率をコントロールしよう
- コンデンサを分割して設置した方
- 自動力率調整器を設置したい方
- 自動力率調整器とVMCについて知りたい方
- ⚡ コンデンサによる進み力率の注意点|夜間無負荷時に注意!
- 💡 力率改善と電力用コンデンサの働き
- 🌙 夜間や休日の無負荷時には「進みすぎる力率」に注意
- ⚠ 進み力率の影響とは?
- ✅ 対策方法|自動制御や手動切り離しを検討
- 📘 力率は良すぎてもダメ!コンデンサの制御が鍵
- ⚙ APFC(自動力率調整器)と VMC(高圧電磁接触器)の目的と役割
- 🔍 APFCとは?|自動で力率を監視・制御する装置
- ⚡ VMCとは?|コンデンサの投入・遮断を担う接触器
- 📝 導入のメリット
- 📘 力率制御の自動化が安定運用のカギ
- ⚙ VMC(高圧電磁接触器)の選定理由と耐久性能
- 🔍 VMCが選ばれる理由とは?
- ✅ 高頻度の開閉にはVMCを選定
- 関連記事
- まとめ
⚡ コンデンサによる進み力率の注意点|夜間無負荷時に注意!
高圧受変電設備では、電力会社との契約における基本料金の削減や、配電系統の効率化を目的として、
電力用コンデンサによる力率改善が行われています。
💡 力率改善と電力用コンデンサの働き
電力用コンデンサは、遅れ力率の原因となる**誘導性負荷(モーターや変圧器など)**に対して、
**容量性の電力(進み無効電力)**を供給することで、力率を改善します。
通常、改善後の力率が100%未満であれば問題なしですが、次のようなケースでは注意が必要です。
🌙 夜間や休日の無負荷時には「進みすぎる力率」に注意
工場や学校など、夜間や休日に機器の稼働がない施設では、負荷がほとんどゼロの状態になります。
しかし、電力用コンデンサはそのまま動作していることが多く、
このとき「力率が進みすぎる」状態が発生します。
⚠ 進み力率の影響とは?
-
電圧の異常上昇(過電圧)を招く
-
機器の誤動作や劣化の原因になる
-
系統電圧が不安定になる可能性

✅ 対策方法|自動制御や手動切り離しを検討
進みすぎた力率を防ぐには、夜間や休日など負荷が少ない時間帯に、コンデンサを切り離す対策が効果的です。
よく使われる方法:
-
自動制御(力率リレー等)によるON/OFF
-
タイマーやスケジュール制御
-
手動でコンデンサ回路を切り離す操作
📘 力率は良すぎてもダメ!コンデンサの制御が鍵
ポイント | 内容 |
---|---|
✅ コンデンサの目的 | 力率改善と電気料金削減 |
⚠ 問題になる場面 | 無負荷時に進み力率が発生 |
🛠 必要な対策 | 夜間や休日のコンデンサ制御(自動or手動) |
⚙ APFC(自動力率調整器)と VMC(高圧電磁接触器)の目的と役割
高圧受変電設備では、電力用コンデンサによる進み力率の抑制が重要な運用課題のひとつです。
このコンデンサを自動で切り離し・再投入する仕組みとして活用されているのが、APFCとVMCの組み合わせです。
🔍 APFCとは?|自動で力率を監視・制御する装置
**APFC(Automatic Power Factor Controller/自動力率調整器)**は、
高圧受変電設備の回路に取り付けられ、力率を常に監視しています。
力率が進みすぎたと判断した場合に、コンデンサの一次側に設置されたVMC(高圧電磁接触器)へ開閉信号を送ります。
APFCの主な機能は以下の通りです:
機能 |
---|
✅ 軽負荷を検出して、自動でコンデンサを遮断 |
✅ 外部タイマーの信号で、夜間などに遮断 |
✅ 高調波警報信号を受け、コンデンサを遮断(※リアクトルの焼損事故対策) |
⚡ VMCとは?|コンデンサの投入・遮断を担う接触器
**VMC(Vacuum Magnetic Contactor/高圧電磁接触器)**は、
電力用コンデンサの投入・遮断を行う開閉器です。
APFCからの制御信号を受けて動作することで、
コンデンサを自動的にON/OFF制御することができます。
📝 導入のメリット
-
進み力率の防止による設備の長寿命化
-
夜間や軽負荷時の自動遮断で効率的運用
-
高調波対策としての安全機能
📘 力率制御の自動化が安定運用のカギ
機器 | 役割 |
---|---|
APFC(自動力率調整器) | 力率を監視し、制御信号を送る |
VMC(高圧電磁接触器) | コンデンサの投入・遮断を実行する |
⚙ VMC(高圧電磁接触器)の選定理由と耐久性能
自動力率調整(APFC制御)においては、電力用コンデンサの開閉を高頻度で繰り返す必要があります。
そのため、**耐久性に優れたVMC(Vacuum Magnetic Contactor)**の採用が一般的です。
🔍 VMCが選ばれる理由とは?
電力用コンデンサの投入・遮断は、設備の負荷状況に応じて頻繁に開閉動作が発生します。
この開閉に対する高い耐久性能を備えている点が、VMCが選定される大きな理由です。
【VMCとLBSの耐久性能比較】
項目 | VMC(コンビネーションユニット) | LBS(負荷開閉器) |
---|---|---|
電気的開閉耐久性 | 約25万回 | 約200回 |
機械的開閉耐久性 | 約25万回 | 約3,000回 |
開閉頻度(回/時) | 最大600回 | ―(規定なし) |
頻繁にON・OFFするならこれ一択かも💡
✅ 高頻度の開閉にはVMCを選定
自動力率調整のように頻繁な開閉操作が求められる制御には、
**耐久性に優れたVMC(高圧電磁接触器)**の選定が最適です。
LBSと比較しても、VMCは開閉耐久性・頻度の面で圧倒的に優れており、
設備の信頼性向上やメンテナンス性の確保に貢献します。
関連記事
まとめ
今回の内容では、自動力率調整器とVMCの関係について記載しました。回路の力率改善に用いられるコンデンサは、負荷の使用状況(軽負荷)により進み力率になる場合があります。進み力率になると過電圧となり機器類に悪影響を与えるため対策が必要となります。
主な設置環境としては…
- コンデンサを分割して設置している場合
- 動力の使用比率が高く夜間の稼働ない建物(工場等)
動作のフロー
- 自動力率調整器による回路力率の測定
- 設定値を超える力率の検出
- 電磁接触器に開閉信号を伝送
- 電磁接触器の開閉により力率を調整する