◀ 防火対象物別 非常電源まとめ 消防法施行令別表第一 (13)項イ(自動車車庫・駐車場)に必要な消防用設備等について、非常電源として使用できる種類を早見表で解説します。まず下の早見表で「どの消防用設備に、どの非常電源が使えるか」をご確認ください。

自動車車庫・駐車場に必要な非常電源の早見表

消防用設備等 自家発電設備 蓄電池設備 非常電源専用受電設備
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
水噴霧消火設備
泡消火設備
屋外消火栓設備
排煙設備
連結送水管
非常コンセント設備
不活性ガス消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
自動火災報知設備
非常警報設備
ガス漏れ火災警報設備
誘導灯設備
火災通報装置
非常電話
無線通信補助設備

=適用できる / 延べ面積1,000㎡未満に限り適用できる(1,000㎡以上は不可) / —=該当しない

※ 動力を要する消火設備・排煙設備などは自家発電設備・蓄電池設備を非常電源とし、延べ面積1,000㎡未満に限り非常電源専用受電設備も使用できます。自動火災報知設備・誘導灯・非常警報設備などは機器内蔵の蓄電池(内部予備電源)を非常電源とします。詳細は建築消防advice等でご確認ください。

自動車車庫・駐車場に必要な消防用設備等の設置基準

消防法施行令別表第一(13)項イ(自動車車庫又は駐車場)に義務付けられる消防用設備等を「消火設備等」「警報設備等」「避難設備・誘導灯」の3グループに分けて早見表でまとめます。駐車場は車両・燃料に由来する火災リスクが高いため、水噴霧消火設備・泡消火設備等の特殊消火設備の基準が特徴的です。延べ面積や階数などの具体的な数値は建物ごとに異なるため、実際の設計・改修時は必ず所轄消防署にご確認ください。

駐車部分(1階)
🧯🚗
水噴霧消火設備等・自動火災報知設備
地階・2階以上の駐車部分
💧🚨
水噴霧・泡消火設備等・自動火災報知設備
機械式駐車装置部分
🧯⚙️
不活性ガス消火設備等(10台以上)
管理室・出入口
🚪💡
避難口誘導灯・非常警報設備
🔋 非常電源(自家発電設備・蓄電池設備)は機械室等に設置し、上記すべての設備を支えます

自動車車庫・駐車場の設備配置イメージ(概念図/実際の配置・機種は建物ごとに異なります)

① 建物用途区分の確認 → 消防法施行令 別表第一 (13)項イに該当(自動車車庫又は駐車場。事業所の従属的な部分とみなされる駐車場等は本項には該当しません)
駐車の用途に供する部分の床面積が1階500㎡以上・地階/2階以上200㎡以上・屋上300㎡以上
→ 水噴霧消火設備等の設置義務が発生
上記未満、かつ全車両が同時に屋外に出られる構造の階
→ 水噴霧消火設備等は緩和・対象外
② 昇降機等の機械式駐車装置で収容台数10台以上か確認 → 該当すれば特殊消火設備の設置義務が発生
③ 指定可燃物(750倍・1,000倍等)の貯蔵・取扱いの有無を確認 → 屋内消火栓設備・スプリンクラー設備の基準が変動
④ 下記の設備別セクションの早見表で個別にご確認ください
🧯消火設備等
🚨警報設備等
🚪避難設備・誘導灯
POINT駐車の用途に供する部分の床面積1階500㎡以上/地階・2階以上200㎡以上/屋上300㎡以上で水噴霧消火設備等が必要。
🏛️用途区分(13)項イ
📐駐車床面積・台数で判定
🧯特殊消火設備の要否が決定
消火器具 延べ面積150㎡以上、地階・無窓階・3階以上の階で床50㎡以上等の場合に全部設置。
屋内消火栓設備 指定可燃物750倍以上(可燃性液体類を除く)を貯蔵・取扱う部分に設置。スプリンクラー設備・水噴霧消火設備等・屋外消火栓設備・動力消防ポンプ設備を基準通り設置した有効範囲内は設置を省略できる。
スプリンクラー設備 11階以上の階、または指定可燃物1,000倍以上(可燃性液体類を除く)を貯蔵・取扱う部分に設置。水噴霧消火設備等を基準通り設置した有効範囲内は省略可。
水噴霧消火設備等
(水噴霧・泡・不活性ガス・ハロゲン化物・粉末のいずれか)
駐車の用途に供する部分の床面積が1階500㎡以上地階・2階以上200㎡以上屋上300㎡以上(全車両が同時に屋外に出られる構造の階を除く)、機械式駐車装置で収容台数10台以上、自動車修理・整備部分の床が1階500㎡以上・他の階200㎡以上等の場合に設置。用途・規模により消火剤の種別(水噴霧/泡/不活性ガス/ハロゲン化物/粉末)が定められています。
屋外消火栓設備 建築物の1・2階の床面積合計が耐火建築物9,000㎡以上/準耐火建築物6,000㎡以上/その他3,000㎡以上の場合に設置。
動力消防ポンプ設備 屋内消火栓設備の代替設置、または建築物が同一敷地内に2以上あり合計3,000㎡以上の場合に設置。
🚨

警報設備等

火災の発生をいち早く知らせる設備。駐車床面積・階数・指定可燃物の有無が基準になります。

POINT延べ面積500㎡以上、地階/無窓階/3階以上の階で床300㎡以上が主な分岐ライン。
🏛️用途区分(13)項イ
📐延べ面積・階数等で判定
🚨警報設備の要否が決定
自動火災報知設備 延べ面積500㎡以上、地階・無窓階・3階以上の階で床300㎡以上11階以上の階、地階が2階以上ある駐車部分(全車両同時屋外脱出可能な構造を除く)で床200㎡以上、指定可燃物500倍以上取扱う部分等に設置。※駐車場条例上の出庫警報設備等の規制にも留意。
消防機関へ通報する火災報知設備 延べ面積1,000㎡以上で設置。消防機関からの距離や常時通報できる電話設備の有無により設置を省略できる場合がある。
非常警報器具・非常警報設備 収容人員50人以上、地階・無窓階で収容人員20人以上で非常ベル等を設置。地階を除く階数11以上等は非常放送設備が必要。
🚪

避難設備・誘導灯

逃げ道を確保・案内する設備。直通階段の数と収容人員の組み合わせで判断します。

POINT直通階段が1ヶ所のみで3階以上・収容人員10人以上の階に避難器具が必要。
🏛️用途区分(13)項イ
👥直通階段の数・収容人員で判定
🚪避難設備・誘導灯の要否/区分が決定
避難器具 直通階段が1ヶ所しかなく、3階以上の階で収容人員10人以上(避難階・11階以上の階を除く)に設置。
避難口・通路誘導灯 地階、無窓階及び地上11階以上の階に設置。誘導灯の種別(A級・B級・C級)は階ごとに判断。
誘導標識 原則として全部設置(避難口誘導灯・通路誘導灯の有効範囲内の部分は省略可)。

出典:消防設備等の早見帳21年版(2022年8月版)3章 設置基準((十三)項イ 自動車車庫,駐車場等)。数値は代表的な基準を抜粋したもので、既存遡及の有無や自治体の火災予防条例等により異なる場合があります。詳細は必ず所轄消防署にご確認ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. (13)項イの防火対象物とは何ですか? A. 自動車車庫又は駐車場が該当し、非特定防火対象物に区分されます。 Q2. 非常電源にはどのような種類がありますか? A. 「自家発電設備又は燃料電池設備」「蓄電池設備」「非常電源専用受電設備」の3種類があります。 Q3. 蓄電池設備には内蔵バッテリーも含まれますか? A. はい。自動火災報知設備や誘導灯などの内部予備電源(内蔵バッテリー)も蓄電池設備に含まれます。 Q4. 屋内消火栓設備の非常電源は床面積で変わりますか? A. 自家発電設備・非常電源専用受電設備ともに、1,000㎡未満・1,000㎡以上いずれも適用可能です。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。