【プロット図の見方⑤】配線の線種 ― 実線・破線で通る場所、斜線の数で電線の本数、カッコで管を読む
スイッチやコンセントをつなぐ線。よく見ると実線だったり破線だったり、途中に小さな斜線や(E19)のような文字が付いています。線は「つながっている」だけでなく、どこを通るか・何本の電線が入るか・どの管に入れるかまで教えてくれます。第5回は配線の線種と傍記。線の種類、斜線と数字、ケーブルと管、接地線の順に読みます。
結論
線の種類で通る場所(実線=天井の中、破線=床の中、細かい破線=露出)、斜線の数で電線の本数、カッコの中で管の種類と太さを読みます。
- 斜線の下の数字は電線の太さ。1.6・2.0 は直径、2・5.5・8 は断面積
- ケーブルは「VVF 1.6-3C」のように種類・太さ・心数で書く
- E が付いたら接地線。同じ管に入れるときは並べて(PF22)のように書く
線の種類で「どこを通るか」を読む
配線の線は、線の種類で通る場所を表します。道路地図で高速道路と一般道の線が違うように、天井の中を通るのか、床の中を通るのか、見える所を通るのかで線の描き方を変えます。
| 図記号 | 名前 | 通る場所 |
|---|---|---|
| 天井隠ぺい配線 | 天井の中(天井ふところ)を通る。いちばん多い | |
| 床隠ぺい配線 | 床の中(スラブ内・床下)を通る | |
| 露出配線 | 天井や壁の表面など、見える所を通る |
同じ規格では、天井ふところ内の配線を区別したいときや、床面の露出配線・二重床内の配線を表したいときに、別の破線を使ってもよいとしています。事務所によって使い分けが違うので、図面の凡例で確かめます。
- 実線=天井隠ぺい(天井の中)
- 破線=床隠ぺい(床の中)
- 細かい破線=露出(見える所)
斜線の数=電線の本数、下の数字=太さ
線の途中を横切る短い斜線は、その区間に入る絶縁電線の本数です。斜線が3本(///)なら電線が3本。下の数字は電線の太さで、1.6・2.0 は直径(mm)、2・5.5・8 は断面積(mm²)を表します。
| 書き方 | 読み方 | よく出る場所 |
|---|---|---|
| 直径1.6mmの電線が2本 | 照明の回路(スイッチの手前など) | |
| 直径1.6mmの電線が3本 | 3路スイッチの間など | |
| 直径2.0mmの電線が3本 | コンセント回路の一部など | |
| 断面積8mm²の電線が3本 | 動力など容量の大きい回路 |
- 斜線の数が電線の本数
- 1.6・2.0 は直径、2・5.5・8 は断面積
- 本数は区間ごとに数え直す
ケーブルは「1.6-3C」、カッコの中は管
ケーブルは斜線ではなく、種類・太さ・心数で書きます。「VVF 1.6-3C」なら、VVF ケーブル(平形のビニルケーブル)で、1.6mm の導体が3本入った3心です。通信ケーブルでは「0.5-100P」のように対数(P)で書きます。
その横のカッコの中は管の種類と太さです。電線をストローに通すように、どのストローを使うかがカッコに書いてあります。
| 記号 | 管の種類 | 例 |
|---|---|---|
| E | ねじなし電線管(鋼製電線管) | (E19) |
| PF | 合成樹脂製可とう電線管(PF管) | (PF16) |
| CD | 合成樹脂製可とう電線管(CD管) | (CD22) |
| VE | 硬質塩化ビニル電線管 | (VE16) |
| F2 | 2種金属製可とう電線管 | (F217) |
電線を入れずに管だけを先に通す(空配管)ときは、線の端に印を付けて、カッコで管だけを書きます。
- ケーブルは種類・太さ・心数(例 VVF 1.6-3C)
- カッコの中は管の種類と太さ(例 E19)
- 空配管は端に印を付けて管だけを書く
E が付いたら接地線 ― 1本の線を読み切る
接地線は、太さの前に E を付けて「E2.0」のように書きます。電線と同じ管に入れるときは、電線の斜線と接地線を並べて、最後に管を書きます。
| 順番 | 見るところ | この例の読み |
|---|---|---|
| 1 | 線の種類 | 破線 → 床の中を通る(床隠ぺい) |
| 2 | 斜線と数字 | 斜線3本・2.0 → 直径2.0mmの電線が3本 |
| 3 | E の付いた斜線 | E2.0 → 接地線2.0mmが1本 |
| 4 | カッコ | (PF22)→ 全部を同じPF管22に入れる |
この順番で読めば、1本の線から施工の場所・電線・接地・管がすべて分かります。スイッチ・コンセント・照明の記号(第1回〜第3回)と、上下の階へのつながり(第4回)を合わせれば、プロット図の線はひと通り読めます。
- E が付いたら接地線
- 同じ管なら電線・接地線・管の順に並べて書く
- 線種→斜線→E→カッコの順で読み切る
読み違えやすいところ
⚠️ よくある読み違い
- 破線を「予定」や「撤去」と思う:JIS の破線は床隠ぺい配線です。増設・撤去は別に表すので、凡例で確かめます。
- 「2」と「2.0」を同じと思う:2.0 は直径2.0mm、2 は断面積2mm²。太さがまったく違います。
- 斜線を図面全体で1回だけ数える:本数は区間ごとに変わります。分岐のたびに数え直します。
- カッコの数字を電線の太さと思う:(E19)の19は管の太さです。電線の太さは斜線の下の数字です。
- E を見落とす:接地線を入れ忘れると、管の太さや電線の拾いがずれます。
- 破線は床隠ぺい(予定線ではない)
- 2.0(直径)と 2(断面積)は別物
- カッコの数字は管の太さ
よくある質問
配線の実線・破線・点線は何が違いますか?
JIS C 0303 では、実線が天井隠ぺい配線(天井の中を通る)、破線が床隠ぺい配線(床の中を通る)、細かい破線が露出配線(天井や壁の表面など見える所を通る)です。現場では細かい破線を「点線」と呼ぶこともあります。
線を横切る斜線は何を表していますか?
絶縁電線の本数です。斜線が3本(///)なら電線が3本です。斜線の下の数字は電線の太さで、1.6 や 2.0 は直径(mm)、2・5.5・8 などは断面積(mm²)を表します。
「1.6-3C」はどう読みますか?
ケーブルの太さと心数です。1.6mm の導体が3本入った3心ケーブルという意味で、前に VVF などケーブルの種類を書きます。通信ケーブルでは「0.5-100P」のように対数(P)で書きます。
カッコの中の「E19」「PF16」は何ですか?
電線を通す管の種類と太さです。E はねじなし電線管、PF は PF管(合成樹脂製可とう電線管)、CD は CD管、VE は硬質ビニル電線管で、数字は管の太さです。
「E2.0」と書いてあるのは何ですか?
接地線です。E を付けて太さを書きます。電線と同じ管に入れるときは「2.0(斜線3本)E2.0(PF22)」のように並べて書きます。接地線だと明らかな場合は E を省くこともあります。
斜線や太さが書いていない配線はどう読みますか?
仕様書や特記で電線の太さ・本数が決まっている場合は、図面に書かないことがあります。凡例・特記・仕様書で確認し、それでも分からなければ設計者に確認します。
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