【プロット図の見方④】立上り・引下げ・素通し ― 矢印の向きで上の階・下の階へのつながりを読む
図面の柱の近くに、小さな丸と斜めの矢印。これは配線が別の階へ続いているしるしです。現場では「立ち上げ」「引き下げ」とも呼びます。平面図は1枚で1つの階しか描けないので、上下の階へのつながりはこの記号で読みます。第4回は立上り・引下げ・素通し。矢印の向き、上下の階での対応、途中の階、横の文字の順に読みます。
結論
丸から出る矢印が右上なら立上り(上の階へ)、左下なら引下げ(下の階へ)、両方なら素通し(通り抜け)です。同じ配線は上下の階の同じ位置で対になるので、図面を重ねて読みます。
- 1階の「立上り」は、2階の図面では同じ位置の「引下げ」
- 途中の階を通り抜けるだけなら「素通し」。EPS(電気シャフト)で多い
- 横の文字はケーブルの種類・太さと行先。二重丸は防火区画の貫通部
記号は「小さな丸」と「矢印の向き」で読む
立上り・引下げ・素通しの記号は、どれも小さな丸と斜めの矢印でできています。丸はその階での配線の位置、矢印は配線が向かう方向です。エレベーターのボタンのように、上向きなら上の階、下向きなら下の階と覚えると迷いません。
| 記号 | 名前 | 意味 |
|---|---|---|
| 立上り | 丸から右上へ矢印。その階から上の階へ配線が続く | |
| 引下げ | 丸から左下へ矢印。その階から下の階へ配線が続く | |
| 素通し | 丸の両側に矢印。その階を通り抜ける(その階では分岐しない) |
- 記号は小さな丸と斜めの矢印
- 右上=立上り(上の階へ)、左下=引下げ(下の階へ)
- 両側に矢印=素通し(通り抜け)
上下の階の図面は「同じ位置」で対になる
同じ1本の配線でも、見ている階によって名前が変わります。1階の盤から2階の盤へ行く配線は、1階の図面では上へ行くので「立上り」、2階の図面では下から来るので「引下げ」として描かれます。2つの記号は、通り芯で見て同じ位置にあります。
読み方は第1回のスイッチ編の3路スイッチと似ています。3路の相方を探すように、立上りを見つけたら上の階の図面で同じ位置の引下げを探します。
| 見ている図面 | 同じ配線の描かれ方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1階の図面 | 立上り(右上へ矢印) | 2階の同じ位置に引下げがあるか |
| 2階の図面 | 引下げ(左下へ矢印) | 1階の同じ位置に立上りがあるか |
| 相方が見つからない | ― | 描き忘れ・位置ずれ。幹線系統図で行先を確認 |
- 同じ配線でも、下の階では立上り、上の階では引下げ
- 2つの記号は通り芯で同じ位置にある
- 相方がなければ描き忘れか位置ずれ
途中の階は「素通し」― EPSで多い
3階建て以上になると、配線が途中の階を通り抜けるだけのことがあります。たとえば1階の盤から3階の盤へ行く幹線は、1階で立上り、3階で引下げ、そして間の2階では「素通し」です。2階では盤につながず、電気シャフト(EPS)の中を通過します。
| 階 | 記号 | その階での配線 |
|---|---|---|
| 3階 | 引下げ。3階の盤につながる | |
| 2階 | 素通し。通り抜けるだけで分岐しない | |
| 1階 | 立上り。1階の盤から上へ |
幹線の太さや本数の決め方は屋内幹線の設計、EPS やスリーブの取り合いは取り合い図の読み方で扱っています。
- 途中の階を通り抜けるだけなら素通し
- EPS(電気シャフト)で多く出てくる
- 素通しの階では盤につながない
横の文字で「何が・どこへ」、二重丸は防火区画
記号の横には、必要に応じてケーブル・電線の種類と太さ、配管の種類と太さ、行先を書きます。「CV 14sq-3C(E39)→ 3階 電灯盤 L-3」とあれば、どのケーブルがどの管を通って、どの階のどの盤へ行くのかが分かります。書いていなければ、幹線系統図や配線図で確認します。
丸が二重丸になっていたら、その立上り・引下げ・素通しは防火区画を貫通しています。貫通部には防火区画の処理(耐火措置)が必要になるので、施工でも拾い(数量の積み上げ)でも見落とせない場所です。
| 書き方 | 読み取れること | 例 |
|---|---|---|
| ケーブル・電線の種類と太さ | 何が通るか | CV 14sq-3C、IV 5.5×3 |
| 配管の種類と太さ | どの管を通るか | (E39)、(PF28) |
| 行先 | 何階のどの盤へ行くか | → 3階 電灯盤 L-3 |
| 二重丸 | 防火区画を貫通する | 耐火措置が必要 |
- 横の文字は種類・太さ・行先
- 書いていなければ幹線系統図・配線図で確認
- 二重丸は防火区画の貫通部
読み違えやすいところ
⚠️ よくある読み違い
- 矢印の向きを逆に読む:右上=上の階へ(立上り)、左下=下の階へ(引下げ)。丸の位置ではなく矢印の向きで読みます。
- 立上りと引下げを別の配線と思う:上下の階の同じ位置にあれば、同じ1本の配線です。
- 素通しの階で分岐すると思う:素通しはその階では盤や器具につながりません。
- 二重丸を見落とす:防火区画の貫通部は、耐火措置の数量と施工に直結します。
- どの階から見た言い方か混ざる:打合せでは「1階から立上り」「2階へ引下げ」のように、どの階から見たかを添えます。
- 向きは矢印で読む
- 上下の同じ位置は同じ配線
- 二重丸=防火区画の貫通部
よくある質問
立上り・引下げ・素通しの記号はどう見分けますか?
小さな丸から出る矢印の向きで見分けます。右上へ出ていれば立上り(その階から上の階へ)、左下へ出ていれば引下げ(その階から下の階へ)、両方へ出ていれば素通し(その階を通り抜ける)です。JIS C 0303 の図記号です。
1階の図面で立上りになっている配線は、2階の図面ではどう描かれますか?
同じ位置に引下げとして描かれます。同じ配線でも、下の階から見れば上へ行くので立上り、上の階から見れば下へ行くので引下げです。通り芯などで位置を合わせて、上下の図面を突き合わせて読みます。
素通しはどんなところに出てきますか?
3階以上の建物で、配線が途中の階を通り抜けるところです。電気シャフト(EPS)の中を幹線が通り、途中の階の盤にはつながないときに、その階の図面に素通しが描かれます。
記号が二重丸になっているのは何ですか?
防火区画を貫通する部分です。立上り・引下げ・素通しのいずれも、丸を二重丸にして表します。貫通部には防火区画の処理(耐火措置)が必要になるので、施工や拾いで見落とさないようにします。
立上りの記号の横に何も書いていないときは?
ケーブルの種類や行先の傍記は、必要に応じて書くものです。書いていなければ、幹線系統図や配線図で、どの盤からどの盤へ行く配線かを確認します。
あわせて読みたい
30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?
タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。
ご回答ありがとうございます!
よければ、あと3つだけ教えてください(任意・答えなくてもOK)
ありがとうございました。いただいた声は記事の改善に使わせていただきます。


