1φ2W・1φ3W・3φ3W・3φ4Wの読み方と違いとは?線の本数と使える電圧、主幹ブレーカーの極数、単相と三相の計算式
分電盤の銘板や単線結線図に出てくる「1φ3W 100/200V」「3φ3W 200V」「3φ4W 415/240V」。記号の読み方が分かれば、線の本数と使える電圧がひと目で分かります。この記事は、記号の読み方、4つの方式の電圧、使い分けとブレーカーの極数、計算式の違いの4つにしぼって説明します。
ペン太
ハリタ結論
「1φ3W」は1(単相)・φ(相)・3(線の数)・W(線)で、単相3線式と読みます。1φ2Wは2本で100Vか200V、1φ3Wは3本で100Vと200V、3φ3Wは3本でどの2本も同じ電圧、3φ4Wは4本で電圧線どうしと電圧線–中性線の2つの電圧を使えます。
この記事に出てくる言葉
読む前に、意味をざっと押さえておくと分かりやすくなります。
| 言葉 | 読み方 | やさしい説明 |
|---|---|---|
| φ | ファイ | 「相」を表す記号。1φは単相、3φは三相。 |
| W | ワイヤー | 電線(Wire)の頭文字。前の数字が電線の本数。 |
| 中性線 | ちゅうせいせん | 単相3線式や三相4線式で、真ん中の電位になる線。ふつう接地される。 |
| 線間電圧 | せんかんでんあつ | 電圧線どうしの間の電圧。 |
| 3P2E | さんピーにイー | 3極(Pole)で、過電流を見張る素子(Element)が2つのブレーカー。 |
この3つを頭に入れておくと、残りがすっと読めます。
前の数字は「相」、後ろの数字は「線」
1φ3Wなら単相・3本、3φ4Wなら三相・4本です。
同じ3本でも、1φ3Wと3φ3Wは別もの
1φ3Wは100Vと200V、3φ3Wはどの2本も同じ電圧です。
方式が決まると、主幹の極数も決まる
1φ3Wは3P2E、3φ3Wは3P3E、3φ4Wは4P3Eなどを使います。
どう読む? ― 相の数・φ・線の数・W
記号は、相の数・φ・線の数・Wの順に並んでいます。φ(ファイ)は相、W(Wire)は電線を表すので、1φ3Wは「単相・3線式」、3φ4Wは「三相・4線式」と読みます。後ろに付く「100/200V」のような電圧は、取り出せる電圧の組み合わせです。
- φは相、Wは線(Wire)
- 前の数字が相の数、後ろの数字が電線の本数
- 後ろの電圧は、取り出せる電圧の組み合わせ
使える電圧はどう違う? ― 4つの方式を並べる
| 方式 | 線の本数 | 取り出せる電圧(低圧の例) | 対地電圧 |
|---|---|---|---|
| 1φ2W 単相2線式 | 2本 | 100V(または200V) | 100V(200Vの回路は条件による) |
| 1φ3W 単相3線式 | 3本 | 100V と 200V | 100V |
| 3φ3W 三相3線式 | 3本 | 200V(どの2本も同じ) | 200V |
| 3φ4W 三相4線式 | 4本 | 415V と 240V など | 240V |
同じ3本でも、1φ3Wと3φ3Wはまったく別の方式です。1φ3Wは真ん中の中性線を基準に100Vと200Vを取り出し、3φ3Wは位相が120度ずつずれた3本で、どの2本の間も同じ電圧になります。測る2本で電圧が変わる理由と対地電圧の考え方は使用電圧と対地電圧の違いで説明しています。
- 1φ3Wは100Vと200Vの2つを取り出せる
- 3φ3Wはどの2本も同じ電圧
- 3φ4Wは線間と対中性線の2つの電圧を使える
どこで使う? ― 方式ごとの用途とブレーカーの極数
住宅や事務所の電灯・コンセントは1φ3W 100/200Vで受け、分岐回路で100Vか200Vの1φ2Wに分けます。空調機やポンプなどの動力は3φ3W 200V、大きなビルや工場の幹線は電流を小さくできる3φ4W 415/240Vなどを使います。
方式が決まると、主幹ブレーカーの極数(P)と素子数(E)も決まります。1φ3Wの主幹は中性線欠相保護付きの3P2E、3φ3Wは3P3E、3φ4Wは中性線も開閉する4P3Eなどを選びます。分岐の100V回路は2P1E、200V回路は2P2Eです。遮断器の種類の考え方は過電流遮断器と配線用遮断器の違いで説明しています。
ペン太
ハリタ- 住宅・事務所は1φ3W、動力は3φ3W、大規模は3φ4W
- 主幹は1φ3W=3P2E、3φ3W=3P3E、3φ4W=4P3Eなど
- 2P1Eは「N」表示の極に中性線をつなぐ
計算式はどう違う? ― 単相はV×I、三相は√3×V×I
| 方式 | 電力の式 | 例(力率1) |
|---|---|---|
| 単相(1φ2W・1φ3Wの片側) | P=V×I×力率 | 100V・15A → 1.5kW |
| 単相200V(1φ3Wの両側) | P=V×I×力率 | 200V・15A → 3.0kW |
| 三相(3φ3W・3φ4W) | P=√3×V×I×力率 | 200V・15A → 約5.2kW |
同じ15Aでも、三相200Vなら単相200Vの約1.73倍(√3倍)の電力を送れます。だから大きな動力や幹線には三相が使われます。電流から使える電力の目安はブレーカー20Aで何ワットまで使える?も参考にしてください。
- 単相は P=V×I×力率
- 三相は P=√3×V×I×力率(Vは線間電圧)
- 同じ電流なら三相は約1.73倍の電力を送れる
まとめ
結論
「1φ3W」は相の数・φ・線の数・Wの順に読み、単相3線式です。方式によって取り出せる電圧と主幹ブレーカーの極数が決まり、電力の式は単相がV×I、三相が√3×V×Iです。
実務で迷わないための4つの確認
- 記号は 相の数・φ・線の数・W の順に読む
- 1φ3Wと3φ3Wは同じ3本でも別の方式
- 方式に合った主幹(3P2E・3P3E・4P3E)を選ぶ
- 電力の計算は、単相と三相で式を使い分ける
単相回路のしくみは単相回路とは?、直流と交流・単相と三相の基本は新人講座 第2回で説明しています。
よくある質問
φは何と読みますか?
「ファイ」と読みます。電気の図面では「相(そう)」を表す記号として使われ、1φは単相、3φは三相です。
1φ3Wと3φ3Wは、どちらも3本なのに何が違いますか?
1φ3Wは単相の電気を3本の線で送る方式で、真ん中が中性線です。100Vと200Vの両方を取り出せます。3φ3Wは三相の電気を3本で送る方式で、どの2本の間も同じ電圧(低圧なら200V)です。モーターを回す動力に使います。
3φ4Wの415/240Vは、どこで使いますか?
大きなビルや工場の幹線で使われます。電圧を上げて電流を小さくできるので、太い幹線を細くでき、照明などは電圧線と中性線の間の240Vで使います。
単相と三相で、電力の計算式はどう違いますか?
単相は P=V×I×力率、三相は P=√3×V×I×力率 です(Vは線間電圧)。三相は同じ電流でも約1.73倍の電力を送れます。
1φ3Wの主幹に3P2Eを使うのはなぜですか?
3極を同時に開閉し、過電流を見張る素子は電圧側の2極にだけ付いた形だからです。中性線だけが切れることがなく、中性線欠相保護付きなら中性線が外れたときの過電圧からも機器を守れます。
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