技術図書館消防用設備の早見表の使い方|用途区分から引いて非常電源まで別表第一の用途区分を入口に、延べ面積・階数・収容人員・構造で設備の要否が決まる流れと、非常電源の1,000㎡の境目を全7枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
◀ 防火対象物別 非常電源まとめ 消防法施行令別表第一 (4)項(百貨店・物品販売店舗・展示場)に必要な消防用設備等について、非常電源として使用できる種類と、設備ごとの設置基準を早見表で解説します。まず下の早見表で「どの消防用設備に、どの非常電源が使えるか」をご確認ください。

百貨店・物品販売店舗・展示場に必要な非常電源の早見表

消防用設備等 非常電源専用受電設備 自家発電設備 蓄電池設備 燃料電池設備 作動時間
屋内消火栓設備 △ ● ● ● 30分
スプリンクラー設備 △ ● ● ● 30分
水噴霧消火設備 △ ● ● ● 30分
泡消火設備 △ ● ● ● 30分
屋外消火栓設備 △ ● ● ● 30分
排煙設備 △ ● ● ● 30分
非常コンセント設備 △ ● ● ● 30分
連結送水管(加圧送水装置) △ ● ● ● 120分
不活性ガス消火設備 — ● ● ● 60分
ハロゲン化物消火設備 — ● ● ● 60分
粉末消火設備 — ● ● ● 60分
自動火災報知設備 △ — ●※ — 10分
非常警報設備 △ — ●※ — 10分
ガス漏れ火災警報設備 — ▲ ●※ ▲ 10分
誘導灯 — ▲ ●※ ▲ 20分(60分)
無線通信補助設備 △ — ●※ — 30分
●使える
△延べ面積1,000㎡未満に限り使える
▲条件つきで使える
—使えない

●※=直交変換装置を有しない蓄電池設備(鉛・リチウムイオン・アルカリなど)に限る / △=百貨店・物販店舗は特定防火対象物なので、延べ面積1,000㎡以上では使えない / ▲=ガス漏れ火災警報設備は1分間を蓄電池設備や予備電源で補える場合、誘導灯は60分が必要な場合の20分を超える部分に限る

※ 作動時間は、非常電源で設備を動かし続けられる時間の最低限です。誘導灯は内蔵の蓄電池を非常電源とし、自動火災報知設備は受信機の予備電源が非常電源の容量を満たせば、別に設けなくてよいとされています。火災通報装置・非常電話はこの表の対象外としました。根拠は消防法施行規則 第12条第1項第4号・第24条ほかです。実際の適用は所轄の消防本部の基準で確かめてください。

ポンプの設備は、自家発電も可 30分。
ガス系は、専用受電が不可 60分。
知らせる設備は、自家発電が不可 10分。
1,000㎡以上は、専用受電が不可 特定防火対象物のため。
たとえるなら
売り場の広さは、燃えるものの多さ
百貨店やスーパーには、たくさんの買い物客が集まり、燃えやすい商品も山のように並びます。そのため(4)項のスプリンクラーは、劇場や飲食店の6,000㎡より厳しい3,000㎡が線です。人と品物が多い店ほど、決まりも先回りして厳しくなっています。

百貨店・物販店舗に必要な消防用設備等の設置基準

面積で決まる 150・300・500㎡。
人数で決まる 20・50・300人。
全部に付ける 誘導灯・誘導標識。
SPは、床合計3,000㎡ 令第12条。
ここに注意!
「物販店は、消火器が全部に必要」ではありません。
(4)項の消火器は延べ面積150㎡以上で必要です。地階・無窓階・3階以上の階は床面積50㎡以上です。面積によらず全部なのは、(1)項イや(2)項などです(消防法施行令第10条)。
ここに注意!
「自火報は、地階1,000㎡から」ではありません。
(4)項の自動火災報知設備は延べ面積300㎡以上で必要です。地階・無窓階・3階以上の階は床面積300㎡以上です。地階の1,000㎡は、ガス漏れ火災警報設備の線です。
🧯

消火設備等

火を消す・抑える設備。床面積・階数・指定可燃物の貯蔵量で設置義務が変わります。

POINT床面積合計3,000㎡以上でスプリンクラー設備、700〜2,100㎡以上で屋内消火栓設備が主な分岐ライン。
🏛️用途区分(四)項
→
📐床面積・階数等で判定
→
🧯消火設備の要否が決定
消火器具延べ面積150㎡以上。地階・無窓階・3階以上の階は床面積50㎡以上。少量危険物や指定可燃物を扱う場合も対象。(令第10条)
屋内消火栓設備延べ面積700㎡以上(耐火構造、または準耐火構造で内装を難燃材料にしたものは2倍の1,400㎡、耐火構造で内装を難燃材料にしたものは3倍の2,100㎡)。地階・無窓階・4階以上の階は床面積150㎡以上(倍読みは同じ)。指定可燃物を750倍以上扱う部分も対象。パッケージ型消火設備で代えられる場合あり。(令第11条)
スプリンクラー設備平屋以外で床面積の合計3,000㎡以上、地階を除く階数11以上は全部。地階・無窓階・4〜10階で床面積1,000㎡以上の階、11階以上の階。指定可燃物を1,000倍以上扱うもの。(令第12条)
水噴霧消火設備等駐車の用に供する部分(地階・2階以上200㎡以上、1階500㎡以上、屋上300㎡以上)、発電機・変圧器などの電気設備室とボイラー室など200㎡以上、通信機器室500㎡以上、指定可燃物を1,000倍以上扱う部分。(令第13条)
屋外消火栓設備1・2階の床面積合計(地階除く)が耐火建築物9,000㎡以上、準耐火建築物6,000㎡以上、その他の建築物3,000㎡以上で設置義務。
動力消防ポンプ設備屋内・屋外消火栓設備の設置義務がある建物で、1・2階部分(地階不可)に限り代替設置が可能。
基本は、延べ700㎡ 地階等は150㎡。
耐火構造などは、2倍 1,400㎡。
耐火+難燃内装は、3倍 2,100㎡。
根拠は、令第11条第2項 倍読みの規定。
ここに注意!
「スプリンクラーは、6,000㎡から」ではありません。
(4)項は、平屋以外で床面積の合計3,000㎡以上で必要です。地階・無窓階・4〜10階は、床面積1,000㎡以上の階が対象です(消防法施行令第12条)。
🚨

警報設備等

火災の発生をいち早く知らせる設備。地階の床面積・収容人員・階数が基準になります。

POINT自動火災報知設備は延べ300㎡、非常警報は収容人員20人で器具、50人で非常ベルなどが主な分岐ライン。地階の1,000㎡はガス漏れ火災警報設備の線です。
🏛️用途区分(四)項
→
👥収容人員・床面積で判定
→
🚨警報設備の要否が決定
自動火災報知設備延べ面積300㎡以上。地階・無窓階・3階以上の階で床面積300㎡以上。避難階以外の階に(4)項の用途があり、直通階段が2以上ないものは面積によらず設置。11階以上の階、地階・2階以上の駐車部分200㎡以上、通信機器室500㎡以上。(令第21条)
ガス漏れ火災警報設備地階の床面積の合計が1,000㎡以上。温泉の採取のための設備があるもの。(令第21条の2)
漏電火災警報器延べ面積300㎡以上、または契約電流容量50A超。どちらも、間柱や下地が準不燃材料以外でできた鉄網入りの壁・床・天井をもつ建物が対象。(令第22条)
消防機関へ通報する火災報知設備延べ面積500㎡以上。消防機関から著しく離れた場所などにあるものと、消防機関へ常時通報できる電話を設けたものは、設置しないことができる。(令第23条)
非常警報器具・非常警報設備収容人員20人以上50人未満は非常警報器具。50人以上(地階・無窓階は20人以上)は非常ベル・自動式サイレン・放送設備のいずれか。収容人員300人以上、または地階を除く階数11以上・地階の階数3以上は、放送設備に非常ベルか自動式サイレンを加える。(令第24条)
POINT2階以上の階(耐火構造の2階除く)で収容人員50人以上、または直通階段が1のみで3階以上・収容人員10人以上の階に避難器具の設置義務。
🏛️用途区分(四)項
→
👥階数・収容人員で判定
→
🚪避難設備の要否が決定
避難器具2階以上の階・地階で収容人員50人以上(特定主要構造部を耐火構造とした建築物の2階を除く)。3階以上の階で直通階段が2以上ない階は10人以上。避難階と11階以上の階は対象外。(令第25条)
避難口・通路誘導灯原則すべての防火対象物部分に設置義務。ただし避難口誘導灯・通路誘導灯の有効範囲内の部分は設置を省略できる。
誘導標識誘導灯の有効範囲内の部分については設置を省略できる。
消防用水敷地面積20,000㎡以上かつ1・2階の床面積合計が耐火建築物15,000㎡以上・準耐火建築物10,000㎡以上・その他の建築物5,000㎡以上の建築物に設置義務。

よくある質問(FAQ)

Q.この記事の対象となる防火対象物は何ですか?

消防法施行令別表第一の(4)項に該当する「百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗又は展示場」で、特定防火対象物に分類されます。

Q.非常電源にはどのような種類がありますか?

非常電源専用受電設備・自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備の4種類です。設備ごとに使えるものと作動時間を早見表にまとめています。

Q.非常電源専用受電設備は延べ面積1,000㎡以上でも使えますか?

いいえ。(4)項は特定防火対象物なので、延べ面積1,000㎡以上では使えません。1,000㎡未満なら使えます。

Q.蓄電池設備の「内部予備電源」とは何ですか?

誘導灯や自動火災報知設備の受信機などに内蔵された蓄電池です。誘導灯は内蔵の蓄電池を非常電源とし、自動火災報知設備は予備電源が非常電源の容量を満たせば、別に設けなくてよいとされています。

Q.消火器は何㎡から必要ですか?

(4)項は延べ面積150㎡以上です。地階・無窓階・3階以上の階は床面積50㎡以上で必要です(消防法施行令第10条)。

Q.スプリンクラー設備は何㎡から必要ですか?

平屋以外で床面積の合計3,000㎡以上です。地階・無窓階・4〜10階は床面積1,000㎡以上の階、地階を除く階数11以上は全部が対象です(消防法施行令第12条)。

📋 全用途の一覧(防火対象物別の早見表)を見る

根拠:消防法施行令 第10条〜第29条の2(e-Gov 法令検索で確認)、消防法施行規則 第12条第1項第4号・第24条ほか(非常電源)。実際の適用は所轄の消防本部の指導で変わる場合があります。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。