建築消防|消防同意・着工届・設置届・消防検査|期限と対象を条文で確認
設備の設計が終わっても、そこからが手続きです。消防同意 → 着工届 → 工事 → 設置届 → 消防検査という流れは知られていますが、期限も届出者も対象範囲も、それぞれ違う条文に書かれています。とくに着工届と設置届は「届け出る人」が別人で、対象の決まり方も別の考え方です。
この記事では、消防法第7条・第17条の3の2・第17条の14・第4条・第5条・第5条の2・第5条の3・第17条の4、建築基準法第93条、令第35条・第36条の2、規則第31条の3・第33条の18を条文の文言のまま整理します。罰則がどの条にどう対応するかもあわせて確認します。
流れそのものを会話形式でざっと掴みたい場合は消防設備編⑥ 消防同意・検査の流れを先に読んでください。この記事はその条文版です。
消防同意|3日と7日
消防法第7条第1項です。
建築物の新築、増築、改築、移転、修繕、模様替、用途の変更若しくは使用について許可、認可若しくは確認をする権限を有する行政庁若しくはその委任を受けた者又は…指定確認検査機関は、…当該建築物の工事施工地又は所在地を管轄する消防長又は消防署長の同意を得なければ、当該許可、認可若しくは確認…をすることができない。ただし、確認…に係る建築物が…防火地域及び準防火地域以外の区域内における住宅(長屋、共同住宅その他政令で定める住宅を除く。)である場合…においては、この限りでない。
同意を求めるのは建築主事等または指定確認検査機関です。申請者(設計者や施主)が消防に同意を求めるのではありません。消防同意事務は行政内部の連絡調整事務で、同意・不同意そのものは申請者に対する処分ではない、という整理になっています。
期間は2通り
第7条第2項が期間を定めています。
| 場合 | 期間 |
|---|---|
| 建築基準法第6条第1項第3号に係る場合 | 同意を求められた日から3日以内 |
| その他の場合(第1号・第2号の建築物) | 同意を求められた日から7日以内 |
「消防同意は3日以内」と一律に覚えている資料がありますが、3日は小規模な第3号建築物の場合だけです。規模が大きい建築物ほど審査期間が長く取られています。
同じ内容が建築基準法第93条第2項にも書かれています。消防法と建築基準法の両方に同じ規定があるのは、手続きの両側から見ているためです。
あわせて第2項の後段が「消防長又は消防署長は、同意することができない事由があると認めるときは、これらの期限内に、その事由を…通知しなければならない」と定めています。同意できない場合も期限内に理由が返ってくる建て付けです。
同意が要らない場合でも「通知」は要る
第7条第1項ただし書と建築基準法第93条第1項ただし書は同じ文言で、防火地域及び準防火地域以外の区域内における住宅(長屋、共同住宅その他政令で定める住宅を除く。)を同意の対象から外しています。
注意点が2つあります。1つは「防火地域及び準防火地域以外」であること。「又は」と書いてある資料は誤りです。両方の区域外でなければ同意不要になりません。もう1つは、除かれるのが共同住宅だけではなく長屋も含むことです。
同意不要=消防が関与しない、ではない
建築基準法第93条第4項です。
建築主事等又は指定確認検査機関は、第一項ただし書の場合において第六条第一項の規定による確認申請書を受理したとき…においては、遅滞なく、これを…消防長又は消防署長に通知しなければならない。
同意が要らない住宅でも、確認申請を受理したことは消防に通知されます。消防が建物の存在を知らないまま完成する、ということにはなりません。
着工届|甲種消防設備士が10日前までに
消防法第17条の14です。条文は1項だけの短いものです。
甲種消防設備士は、第十七条の五の規定に基づく政令で定める工事をしようとするときは、その工事に着手しようとする日の十日前までに、総務省令で定めるところにより、工事整備対象設備等の種類、工事の場所その他必要な事項を消防長又は消防署長に届け出なければならない。
名宛人は甲種消防設備士本人です。施主でも元請でもありません。乙種消防設備士は工事ができないので、着工届の主体にもなりません。
期限は「工事に着手しようとする日の10日前まで」。着手後でも前日でもありません。
対象は令第36条の2第1項の14項目
「第17条の5の規定に基づく政令で定める工事」=令第36条の2第1項です。
| 号 | 設備 |
|---|---|
| 第1号 | 屋内消火栓設備 |
| 第2号 | スプリンクラー設備 |
| 第3号 | 水噴霧消火設備 |
| 第4号 | 泡消火設備 |
| 第5号 | 不活性ガス消火設備 |
| 第6号 | ハロゲン化物消火設備 |
| 第7号 | 粉末消火設備 |
| 第8号 | 屋外消火栓設備 |
| 第9号 | 自動火災報知設備 |
| 第9号の2 | ガス漏れ火災警報設備 |
| 第10号 | 消防機関へ通報する火災報知設備 |
| 第11号 | 金属製避難はしご(固定式のものに限る) |
| 第12号 | 救助袋 |
| 第13号 | 緩降機 |
電源の部分は消防設備士の工事から除かれる
令第36条の2第1項の柱書がこう書いています。「…次に掲げる消防用設備等(第一号から第三号まで及び第八号に掲げる消防用設備等については電源、水源及び配管の部分を除き、第四号から第七号まで及び第九号から第十号までに掲げる消防用設備等については電源の部分を除く。)…の設置に係る工事とする。」
自動火災報知設備(第9号)やガス漏れ火災警報設備(第9号の2)でも、電源の部分は消防設備士の独占業務から外れています。電気工事士の領分だからです。逆に言えば、受信機まわりの電源工事だけを切り出しても、それは着工届の対象にはなりません。この切り分けは消防用設備等の点検と報告でも触れています。
着工届の様式と添付書類は規則第33条の18です。様式第一号の七の工事整備対象設備等着工届出書に、消防用設備等の場合は「イ 平面図 ロ 配管及び配線の系統図 ハ 計算書」の写しを添えます。
設置届と消防検査|完了の日から4日以内
消防法第17条の3の2です。
第十七条第一項の防火対象物のうち特定防火対象物その他の政令で定めるものの関係者は、…設備等技術基準…に従つて設置しなければならない消防用設備等又は特殊消防用設備等(政令で定めるものを除く。)を設置したときは、総務省令で定めるところにより、その旨を消防長又は消防署長に届け出て、検査を受けなければならない。
よく「設置届は工事完了後4日以内」と説明されますが、この期限は法第17条の3の2には書かれていません。規則第31条の3第1項にあります。
法第十七条の三の二の規定による検査を受けようとする防火対象物の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等…の設置に係る工事が完了した場合において、その旨を工事が完了した日から四日以内に消防長又は消防署長に別記様式第一号の二の三の届出書に…書類を添えて届け出なければならない。
起算点は「工事が完了した日」であって、使用開始日ではありません。添付書類は平面図、配管及び配線の系統図、そして消防用設備等試験結果報告書です。着工届が「計算書」を求めるのに対し、設置届は「試験結果報告書」を求めます。
検査を受けなければならない防火対象物(令第35条第1項)
| 号 | 対象 | 面積要件 |
|---|---|---|
| 第1号 | イ (二)項ニ、(五)項イ、(六)項イ(1)〜(3)及びロ ロ (六)項ハ(利用者を入居させ、又は宿泊させるものに限る) ハ (十六)項イ、(十六の二)項、(十六の三)項でイ・ロの用途部分があるもの |
なし(該当すればすべて) |
| 第2号 | (一)項、(二)項イ〜ハ、(三)項、(四)項、(六)項イ(4)・ハ・ニ、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項、(十六の三)項 | 延べ面積300㎡以上 |
| 第3号 | (五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)〜(十五)項、(十六)項ロ、(十七)項、(十八)項 | 延べ面積300㎡以上のうち、消防長又は消防署長が火災予防上必要があると認めて指定するもの |
| 第4号 | 特定一階段等防火対象物 | なし |
「消防検査はすべての建物で必要」ではありません。とくに第3号は「消防長又は消防署長が指定するもの」に限られます。事務所ビルや倉庫は、指定がなければ設置届・検査の対象になりません。
逆に第1号は面積要件がなく全件対象です。カラオケボックス((二)項ニ)、旅館・ホテル((五)項イ)、自力避難困難者の入所施設((六)項イ(1)〜(3)・ロ)、入居・宿泊させる(六)項ハ。就寝を伴う用途と避難が難しい用途が並んでいます。
届出が要らない設備は令第35条第2項が定めていて、簡易消火用具及び非常警報器具の2つだけです。
検査と検査済証
規則第31条の3第2項は「消防長又は消防署長は、前項の規定による届出があつたときは、遅滞なく…検査しなければならない」と定めています。第4項が検査済証です。
消防長又は消防署長は、第二項の規定による検査をした場合において、当該消防用設備等…が設備等技術基準又は設備等設置維持計画に適合していると認めたときは、当該防火対象物の関係者に対して別記様式第一号の二の三の二による検査済証を交付するものとする。
着工届と設置届は範囲が一致しない
ここが実務でいちばん混乱するところです。
- 着工届は「設備の種類」で決まります。令第36条の2第1項の14項目の工事だけ。
- 設置届は「防火対象物」で決まります。令第35条第1項の建物に設置した消防用設備等(簡易消火用具・非常警報器具を除く)。
たとえば消火器を設置した場合、着工届は不要です(消火器は令第36条の2第2項の「整備」側で、第1項の工事に入っていない)。しかし令第35条の対象建物であれば設置届は必要です。逆に、指定を受けていない事務所ビルにスプリンクラー設備を設けた場合、着工届は必要ですが設置届は不要、ということも起こります。
立入検査と命令
消防法第4条第1項です。
消防長又は消防署長は、火災予防のために必要があるときは、関係者に対して資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、又は当該消防職員にあらゆる仕事場、工場若しくは公衆の出入する場所その他の関係のある場所に立ち入つて、消防対象物の位置、構造、設備及び管理の状況を検査させ、若しくは関係のある者に質問させることができる。ただし、個人の住居は、関係者の承諾を得た場合又は火災発生のおそれが著しく大であるため、特に緊急の必要がある場合でなければ、立ち入らせてはならない。
ただし書には「関係者の承諾を得た場合」と「特に緊急の必要がある場合」の2つが並んでいます。「緊急のときしか立ち入れない」と書いている資料は、承諾を得た場合を落としています。
| 第2項 | 消防職員は立ち入る場合、市町村長の定める証票を携帯し、関係のある者の請求があるときはこれを示さなければならない |
| 第3項 | 関係者の業務をみだりに妨害してはならない |
| 第4項 | 立ち入って検査又は質問を行った場合に知り得た関係者の秘密をみだりに他に漏らしてはならない |
証票を定めるのは市町村長で、消防長ではありません。また提示は「請求があるとき」で、常時提示する義務ではありません(携帯は常時義務)。
「消防対象物及び期日又は期間を指定して」という文言を第4条のものとして引用している資料がありますが、現行の第4条第1項にこの文言はありません。これは第4条の2第1項(消防団員に立入検査をさせる場合)の規定です。消防職員による立入検査には、対象物や期日の指定という要件はありません。
なお、事前通告義務や「日出から日没まで」という時間制限も、現行の第4条には書かれていません。平成14年の改正で撤廃されたと説明されており、深夜営業の店舗など日中以外に使われる施設が増えたことが理由とされています。ただし改正前の条文原文そのものは一次資料で確認できませんでした。
命令は4本立て
| 条 | 命令の主体 | 内容 |
|---|---|---|
| 第5条第1項 | 消防長又は消防署長 | 防火対象物の位置・構造・設備・管理の状況が火災予防上危険等の場合に、権原を有する関係者に対し改修・移転・除去・工事の停止又は中止その他の必要な措置を命ずる |
| 第5条の2第1項 | 消防長又は消防署長 | 上記の命令が履行されない等の場合に、使用の禁止、停止又は制限を命ずる |
| 第5条の3第1項 | 消防長、消防署長その他の消防吏員 | 火災予防に危険な行為者、危険な物件の所有者等に対し、法第3条第1項各号の措置を命ずる |
| 第17条の4第1項 | 消防長又は消防署長 | 消防用設備等が設備等技術基準に従って設置・維持されていないときに、関係者で権原を有するものに対し設置又は維持のため必要な措置を命ずる |
第5条の3だけ主体が広く、現場の消防吏員も命令できます。放置された可燃物などにその場で対処するための規定だからです。
命令をしたときは公示が必要です。第5条第3項が「標識の設置その他総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない」と定め、第4項が標識の設置を関係者が拒めないことを定めています。この2項は第5条の2(第2項)、第5条の3(第5項)、第17条の4(第3項)に準用されています。
防火管理者の選任命令には公示の準用がない
法第8条第3項(防火管理者の選任命令)と第4項(業務適正化命令)には、第5条第3項・第4項の準用規定が置かれていません。同じ「命令」でも、建物に標識が立つものと立たないものがあります。防火管理者の要否は防火管理者・統括防火管理者・防災管理者・自衛消防組織にまとめました。
罰則の対応
| 違反 | 罰則条 | 内容 |
|---|---|---|
| 第5条の2第1項(使用禁止等)の命令違反 | 第39条の2の2第1項 | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 |
| 第5条第1項の命令違反 | 第39条の3の2第1項 | 2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金 |
| 第5条の3第1項の命令違反 | 第41条第1項第1号 | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |
| 第17条の4の命令違反で設置しなかった者 | 第41条第1項第5号 | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |
| 第17条の4の命令違反で維持のため必要な措置をしなかった者 | 第44条第12号 | 30万円以下の罰金又は拘留 |
| 第8条第4項(業務適正化命令)違反 | 第41条第1項第2号 | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |
| 第8条第3項(選任命令)違反 | 第42条第1項第1号 | 6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
| 第17条の5違反(消防設備士でない者の工事・整備) | 第42条第1項第10号 | 6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
| 第4条第1項の立入検査の拒否・妨害・忌避、資料提出・報告の拒否 | 第44条第2号 | 30万円以下の罰金又は拘留 |
| 第17条の3の2の検査を拒み、妨げ、又は忌避 | 第44条第4号 | 30万円以下の罰金又は拘留 |
| 第17条の3の2(設置届)・第17条の14(着工届)の届出を怠った | 第44条第8号 | 30万円以下の罰金又は拘留 |
注目したいのが第17条の4の扱いです。同じ条の命令違反でも、「設置しなかった」場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、「維持のため必要な措置をしなかった」場合は30万円以下の罰金または拘留と、大きく差が付いています。
両罰規定(第45条)では、第5条第1項・第5条の2第1項の命令違反は法人に1億円以下の罰金、第17条の4の設置命令違反は3000万円以下の罰金です。一方、第44条第2号(立入検査拒否)・第4号(検査拒否)・第8号(届出懈怠)は両罰規定の対象に入っておらず、行為者だけが処罰されます。
よくある誤りを条文で確認する
| よく見かける記述 | 条文で確認すると |
|---|---|
| 消防同意は3日以内 | 建基法第6条第1項第3号に係る場合が3日、その他は7日(法第7条第2項) |
| 同意不要は「防火地域又は準防火地域以外の住宅」 | 条文は「防火地域及び準防火地域以外」。除かれるのは共同住宅だけでなく長屋も |
| 同意が要らないなら消防は関与しない | 建基法第93条第4項により、遅滞なく消防長又は消防署長に通知される |
| 設置届の「4日以内」は法第17条の3の2に書いてある | 法には期限がない。規則第31条の3第1項。起算点は「工事が完了した日」 |
| 着工届は施主または元請が出す | 法第17条の14の名宛人は甲種消防設備士本人。乙種は工事ができないので主体にならない |
| 着工届と設置届は同じ範囲 | 着工届は設備の種類(令第36条の2第1項)、設置届は防火対象物(令第35条第1項)で決まる。消火器は着工届不要・設置届必要 |
| 消防検査はすべての防火対象物で必要 | 令第35条第1項の4号に限る。第3号は消防長等の指定があるものだけ |
| 個人の住居は緊急のときしか立ち入れない | 「関係者の承諾を得た場合又は…特に緊急の必要がある場合」の2つ(法第4条第1項ただし書) |
| 立入検査は「消防対象物及び期日又は期間を指定して」行う | その文言は第4条の2第1項(消防団員による立入検査)。消防職員の第4条にはない |
| 立入検査の証票は消防長が定める | 市町村長の定める証票(法第4条第2項) |
| 第17条の4の命令違反はすべて同じ罰則 | 設置しなかった=第41条第1項第5号(1年/100万円)、維持しなかった=第44条第12号(30万円又は拘留) |
| 自動火災報知設備の工事はすべて消防設備士の独占業務 | 令第36条の2第1項の柱書により電源の部分は除かれる |
確認できなかったこととして書いておきます。平成14年改正前の消防法第4条の条文原文(事前通告義務や時間制限がどう書かれていたか)は、法令データベースが現行条文しか返さないため一次資料で確認できませんでした。改正の内容は二次資料によっています。また、法第7条第1項および建築基準法第93条第1項ただし書の「その他政令で定める住宅」の具体的な中身も、今回は条文を取得していません。
設計者として押さえておくところ
消防同意は建築確認のクリティカルパス
消防長又は消防署長の同意がなければ確認済証は交付されません。設備の内容が固まっていないと同意が下りず、確認申請そのものが止まります。消防用設備等の計画は、建築の基本設計が固まる段階までに整理しておく必要があります。とくに無窓階の判定や収容人員の算定は、設備の要否を左右するので早い段階で押さえておきたいところです(無窓階と収容人員)。
着工届の10日前は工程に効く
甲種消防設備士が着手の10日前までに届け出るので、消防設備業者の契約が遅れると着工そのものが遅れます。とくに改修工事で工期が短い場合、10日というリードタイムが工程の制約になります。設備業者の選定時期を工程表に落としておくと安全です。
設置届の4日以内は「完了日」起算
竣工検査や引き渡しの日ではなく、消防用設備等の設置に係る工事が完了した日から4日以内です。試験結果報告書の作成が間に合わないと届出も遅れるので、試験の日程を工事完了日から逆算しておく必要があります。
遡及適用がかかると命令の対象になる
既存の建物でも、法第17条の2の5の遡及がかかる設備は現行基準に適合させなければなりません。適合していなければ第17条の4の設置維持命令の対象になり、履行されなければ第5条の2の使用停止命令に進みます。どの設備が遡及するかは消防用設備等の遡及適用にまとめました。
まとめ
消防同意は3日と7日の2本立て。建築基準法第6条第1項第3号に係る場合が3日で、それ以外は7日です。同意を求めるのは建築主事等や指定確認検査機関で、申請者ではありません。同意が要らない住宅でも、建築基準法第93条第4項により消防への通知は行われます。
着工届は甲種消防設備士が着手の10日前までに、対象は令第36条の2第1項の14項目の工事。設置届は防火対象物の関係者が工事完了の日から4日以内に、対象は令第35条第1項の防火対象物。届け出る人も、対象の決まり方も違います。
立入検査は法第4条。個人の住居に立ち入れるのは「関係者の承諾を得た場合」と「特に緊急の必要がある場合」の2つです。「消防対象物及び期日又は期間を指定して」は第4条の2(消防団員)の文言で、第4条にはありません。
命令は第5条・第5条の2・第5条の3・第17条の4の4本立て。第5条の3だけ消防吏員も命令でき、第8条の防火管理者の命令だけ公示の準用がありません。そして第17条の4は、設置しなかった場合と維持しなかった場合で罰則が大きく違います。
参考条文
- 消防法 第4条(立入検査)、第4条の2(消防団員による立入検査)
- 消防法 第5条(措置命令)、第5条の2(使用禁止等)、第5条の3(火災予防上危険な行為者等への命令)
- 消防法 第7条(消防同意)、第8条第3項・第4項
- 消防法 第17条の3の2(設置届と検査)、第17条の4(設置維持命令)、第17条の5、第17条の14(着工届)
- 消防法 第39条の2の2、第39条の3の2、第41条、第42条、第44条、第45条(罰則・両罰規定)
- 消防法施行令 第35条(消防機関の検査を受けなければならない防火対象物等)、第36条の2(消防設備士でなければ行つてはならない工事又は整備)
- 消防法施行規則 第31条の3(消防用設備等又は特殊消防用設備等の届出及び検査)、第33条の18(工事整備対象設備等着工届)
- 建築基準法 第93条(許可又は確認に関する消防長等の同意等)




