技術図書館手元開閉器の設置基準を8枚のスライドで読む内線規程3302-1の設置基準と、免除できる3つの条件を図解つきで通して確認できます。
分電盤の手元開閉器の設置基準と免除(省略)方法を解説。設置に法的な拘束はありませんが、内線規程に設置・免除の規程があります。手元開閉器を省略できる3つの条件(機器側に相当開閉器・小容量でコンセント使用・専用分岐回路で自動操作)を図解付きで紹介します。

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分電盤の手元開閉器の設置基準と免除(省略)方法を解説。設置に法的な拘束はありませんが、内線規程に設置・免除の規程があります。手元開閉器を省略できる3つの条件(機器側に相当開閉器・小容量でコンセント使用・専用分岐回路で自動操作)を図解付きで紹介します。
この記事は、連載「幹線設備の設計マニュアル」第5回 保護と幹線分岐 の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
手元開閉器の設置基準と免除条件の全体像
室外機などの図面で見かける「手元開閉器」。省略されている図面も多く、「外してよいの?」と迷うポイントです。実は設置に法的な拘束はないものの、内線規程に設置・免除の規程があります。 本記事では、手元開閉器の役割と設置の目的、そして内線規程に基づく3つの免除(省略)条件を、図解付きで分かりやすく解説します。理由を理解したうえで省略を判断できるようになります。
 

手元開閉器勝手になくすな

 
今回の疑問
 

手元開閉器の設置基準と免除方法ってあるの

 
  室外機置場に手元開閉器を記載した場合の図面
あにまるさん
あにまるさん
室外機に手元開閉器が書いてる・・・外しちゃえ!
はりた
はりた
ちょっと待って!ほんとに外しても大丈夫かな!?
あにまるさん
あにまるさん
でもよく省略している図面を見るぜ?
はりた
はりた
法的な拘束はないけれど設置理由と規程を理解したうで省略しよう!
⚡ 先に結論だけ言うと

設置基準及び免除方法は内線規程に記載されています。

免除規程
  1. 電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
  2. 定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
  3. 専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
本記事のおすすめの方
  • 手元開閉器免除していいと言われたが理由を教えてもらえなかった方
  • そもそも免除して大丈夫なのか気になる方
  • 手元開閉器の設置基準にて知りたい方
参考にした書籍はこちらからチェック
  • 内線規程
 
室外機置場の施工写真室外機周り配管の写真
この記事のカテゴリー
手元開閉器とは?役割と設置の目的
▲ 手元開閉器の役割と設置の目的
ペン太ペン太
図面に手元開閉器が描かれていない電動機があるんですが、省略でいいってことですよね?
ハリタハリタ
記載漏れの可能性もあります。省略には内線規程3302節の免除規定を満たす必要がありますよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 手元開閉器の設置は、どの規程のどの条文に定められていますか
  • 省略(免除)できる3つの条件を挙げられますか
  • そもそも手元開閉器を設ける目的は何ですか

クイックトピックス

トピック1:クイックトピックス
手元開閉器の設置基準は?
「内線規程3302節3302-1手元開閉器(対応省令:第59条)」より抜粋 電動機、加熱装置又は電力装置には、操作しやすい位置に手元開閉器として箱開閉器、電磁開閉器、配線用遮断器、カバー付ナイフスイッチ又はこれらに相当する開閉器のうちから用途に適したものを選定して施設すること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。(解釈149)
手元開閉器の免除規定は?
「内線規程3302節3302-1手元開閉器(対応省令:第59条)」より抜粋
  1. 電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
  2. 定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
  3. 専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
ここまでのポイント
  • 手元開閉器の規定は内線規程3302節3302-1(対応省令:第59条)に記載されている
  • 設置が原則で、3つの免除規程のいずれかに該当する場合だけ省略できる

手元開閉器の設置基準

トピック2:手元開閉器の設置基準
あにまるさん
あにまるさん
そもそも手元開閉器ってつけないといけないのか?
はりた
はりた
設置基準に関しては内線規程に記載されているよ
手元開閉器の設置基準
 

内線規程3302節3302-1手元開閉器(対応省令:第59条)」より抜粋

電動機、加熱装置又は電力装置には、操作しやすい位置に手元開閉器として箱開閉器、電磁開閉器、配線用遮断器、カバー付ナイフスイッチ又はこれらに相当する開閉器のうちから用途に適したものを選定して施設すること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。(解釈149)  
はりた
はりた
電動機等には、取り付ける事が前提として記載されているね。
あにまるさん
あにまるさん
でも取り付けられていないところもたくさん見るぞ?
はりた
はりた
もちろん免除規程あるからそれを満たしていれば設置は不要になるよ!
ペン太ペン太
小さいモーターなら、どれでも手元開閉器を省略していいんでしたっけ?
ハリタハリタ
免除は定格出力0.2kW以下の電動機など条件付きです。機器側の遮断機能でも免除できますよ。
ここまでのポイント
  • 電動機・加熱装置・電力装置には、操作しやすい位置に手元開閉器を施設する
  • 箱開閉器、電磁開閉器、配線用遮断器、カバー付ナイフスイッチなどから用途に適したものを選ぶ

手元開閉器の免除方法

トピック3:手元開閉器の免除方法
はりた
はりた
内線規程の設置基準にはつづけて下記のように記載されています。
手元開閉器の免除方法

ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

  1. 電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
  2. 定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
  3. 専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
内線規程上は、手元開閉器の設置を義務づけていますが、上記各号のいずれかに該当する場合はこの限りではないとしています。
あにまるさん
あにまるさん
ん~よくわからないな!
はりた
はりた
それじゃあ一つずつ確認してみよう!

設置の免除方法①

設置の免除方法①
電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
はりた
はりた
電動機側に機能をもつ場合は設置しなくてもよいということだね!
 
分電盤 手元開閉器不要 電動機側に遮断機能あり
モーター
 

設置の免除方法②

設置の免除方法②
定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
  1. 定格出力0.2kW以下の電動機
  2. 定格入力1.5kVA以下の加熱装置
  3. 電力装置をコンセントから使用する場合
分電盤 手元開閉器不要 0.2kW以下
モーター
分電盤 手元開閉器不要 1.5kVA以下
ヒーター
分電盤 手元開閉器不要 コンセントにて接続
 
あにまるさん
あにまるさん
コンセントを設置すればいらないのか?
はりた
はりた
コンセントも回路の切り離しが可能だから間に設けていれば不要という解釈になるね!
容量の小さい負荷若しくはコンセントにて供給されている場合コンセントからプラグを抜くことで回路の遮断が可能となるため開閉器の設置が不要となります。

設置の免除方法③

設置の免除方法③
専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
分電盤 手元開閉器不要 スイッチにて遮断可能
はりた
はりた
電動機を別途制御にてON・OFFを行う場合は不要ということになるね!
 

設置免除のポイント

免除のポイント
  • 上記内容をまとめると手元開閉器とは別に負荷を遮断する機能を持つ機器や容量の小さいものであれば取り付けなくてもよい。
  • 基本的な回路構成(動力盤⇒手元開閉器⇒負荷)の場合では規定上外すことは難しい(満足していない場合が多い)ということになります。  
モーター
 
 
取り違えやすいところ正しくは
手元開閉器の設置は法令上の義務法的な拘束はなく、内線規程に設置と免除の規程がある
小さい電動機ならどれでも省略できる定格出力0.2kW以下の電動機などをコンセントから使用する場合に限られる
専用分岐回路なら常に省略できるフロート・圧力・タイムスイッチ等で自動操作され、技術的に不要と判断できる場合
分電盤に開閉器があるから手元は不要相当する開閉器が機器側に取り付けてあることが条件
省略しても安全性は変わらないメンテナンス時の誤投入による感電リスクが高くなる
ここまでのポイント
  • 免除は「機器側に相当する開閉器がある」「小容量をコンセントから使用する」「専用分岐回路で自動操作される」の3つ
  • 動力盤→手元開閉器→負荷という基本的な回路構成では、規定上外すことは難しい

手元開閉器設置の目的

トピック4:手元開閉器設置の目的
設置の目的を考えてみる
では、そもそも電動機の近くに手元開閉器を設ける目的は何なのでしょうか。手元開閉器は、機器のメンテナンス時に電路を容易に開放するとともに、誤って電源が投入されて感電するといった事故を防止するために設置されています。
室外機用動力盤の設置写真室外機用動力盤の設置写真
 
手元開閉器を設置していなかった場合・・・
  1. 作業員A、Bが空調機の取替作業にあたる
  2. 作業員Aが動力盤の開閉器を切り離す
  3. 作業員Aが空調機の取替作業を行う
  4. 別の空調機を取り換え終えた作業員Bが全ての空調機を更新完了と勘違いし動力盤の開閉器を投入する
  5. 作業員A “感電”
といった事故速報が流れないためにも負荷の見える範囲への手元開閉器設置は必要になります。安易に必要ないからと取り外さないよう検討を行うようにしましょう。
あにまるさん
あにまるさん
設置に基準があるって知らなかったぞ
はりた
はりた
事実図面上に記載していない場合が多いけど外すと危険だという認識を持つようにしておこう。
ここまでのポイント
  • 目的はメンテナンス時に電路を容易に開放し、誤って電源が投入される感電事故を防ぐこと
  • 負荷が見える範囲に設けることで、別の作業員による誤投入を防げる

図面への記載例

トピック5:図面への記載例
手元開閉器を設置した場合
室外機置場に手元開閉器を記載した場合の図面
はりた
はりた
室外機台数が1、2台と少ない場合は各負荷に対し手元開閉器を設置します。
動力盤を設置した場合
室外機置場に盤を作図した写真室外機置場に動力盤を記載した場合の図面① 室外機置場に設置した動力盤 室外機置場に動力盤を記載した場合の図面②
室外機などは屋外や屋上に置場が用意されておりそこに集約して配置されている場合が多いと思います。そこから目視可能な範囲に動力盤や手元開閉器を設置しそこから電源を供給するように記載します。
手元開閉器を設置していない図面
手元開閉器を設置していない例 手元開閉器を設置していない例①
手元開閉器を設置していない例手元開閉器を設置していない例②
地上や屋上の室外機置場に開閉器を設置していない場合、屋内からの供給が必要となりメンテナンスや機器の更新時に感電の恐れや供給元を探したりと非効率的な設計となってしまいます
あにまるさん
あにまるさん
なるほど、次からは図面にもちゃんと記載するようにするぞ!
はりた
はりた
そうだね!安全の確保のためにも設置することが最善だね!記載されていない図面が多いからと言ってそれが正しいと思いこまないように注意しよう!
ここまでのポイント
  • 室外機置場など、機器から目視できる範囲に動力盤や手元開閉器を記載する
  • 屋内からの供給だけにすると、更新時の感電の恐れや供給元探しで非効率な設計になる

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手元開閉器を省略できる3条件(内線規程の免除規程)
▲ 手元開閉器を省略できる3条件

よくある質問(FAQ)

トピック6:よくある質問(FAQ)

Q. 手元開閉器の設置は義務ですか?

A. 法的な拘束はありません。ただし内線規程に設置・免除の規程があるため、設置理由と規程を理解したうえで省略を判断します。

Q. 手元開閉器は何のために設置しますか?

A. 機器の点検・修理の際に、機器の手元で安全に電源を切れるようにするためです。操作の利便性や保守性、作業者の安全確保が目的です。

Q. 手元開閉器省略できる条件は?

A. 内線規程で次の3つが免除規程です。①電動機側に手元開閉器に相当する適当な開閉器がある場合②定格出力0.2kW以下の電動機または定格入力1.5kVA以下の加熱装置等をコンセントから使用する場合③専用分岐回路でフロート・圧力・タイムスイッチ等により自動操作される場合。

Q. 図面で省略されているのはなぜ?

A. 上記の免除規程に該当する場合、手元開閉器省略できるためです。技術的に不要と判断できる場合に省略されています。

ペン太ペン太
設計するとき、最後に何を確認すればいいですか?
ハリタハリタ
設置目的はメンテナンス時の安全確保です。免除理由を整理し図面の記載例に倣いましょう。

まとめ

手元開閉器は法的な拘束こそないものの、内線規程3302節が設置を原則としており、省略できるのは3つの免除規程に該当する場合だけです。

確認する場面見るポイント判断
機器側の構成相当する適当な開閉器が取り付けてあるかあれば免除の対象となる
機器の容量定格出力0.2kW以下/定格入力1.5kVA以下かコンセントから使用するなら免除の対象
回路の構成専用分岐回路で自動的に操作されるか技術的に不要と判断できれば免除の対象
基本的な回路構成動力盤→手元開閉器→負荷いずれにも該当せず、外すことは難しい
図面の記載機器から目視できる位置か見える範囲に動力盤や手元開閉器を記載する

省略を判断する前に確認したいこと

  • 免除規程のどれに該当するのかを、根拠とセットで説明できるか
  • 機器の取替や点検のとき、誰がどこで電路を切るのかが決まっているか
  • 図面上で、機器から手元開閉器が目視できる配置になっているか

以下に、内線規程の設置基準と免除の記述をあらためて整理します。

 
手元開閉器の設置と免除について
設置基準についての記述
  • 電動機加熱装置又は電力装置には、操作しやすい位置に手元開閉器として箱開閉器、電磁開閉器、配線用遮断器、カバー付ナイフスイッチ又はこれらに相当する開閉器のうちから用途に適したものを選定して施設すること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。(解釈149)
免除についての記述
  1. 電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
  2. 定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
  3. 専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
となっており室外機などの最寄りに取りつけている手元開閉器を免除したい場合はメンテナンス性、安全面に考慮して検討する必要があります。    
 

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この内容は、連載「動力設備の設計マニュアル」の 第4回 ブレーカーとケーブルの選定第5回 動力盤の構成 でも扱っています。
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出典:本記事の表・数値は内線規程(JEAC 8001)およびJIS規格をもとに作成しています。適用にあたっては最新版の原典をご確認ください。

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電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。