◀ 防火対象物別 非常電源まとめ 消防法施行令別表第一 (12)項イ(工場・作業場)に必要な消防用設備等について、非常電源として使用できる種類を早見表で解説します。まず下の早見表で「どの消防用設備に、どの非常電源が使えるか」をご確認ください。

工場・作業場に必要な非常電源の早見表

消防用設備等 自家発電設備 蓄電池設備 非常電源専用受電設備
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
水噴霧消火設備
泡消火設備
屋外消火栓設備
排煙設備
連結送水管
非常コンセント設備
不活性ガス消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
自動火災報知設備
非常警報設備
ガス漏れ火災警報設備
誘導灯設備
火災通報装置
非常電話
無線通信補助設備

=適用できる / 延べ面積1,000㎡未満に限り適用できる(1,000㎡以上は不可) / —=該当しない

※ 動力を要する消火設備・排煙設備などは自家発電設備・蓄電池設備を非常電源とし、延べ面積1,000㎡未満に限り非常電源専用受電設備も使用できます。自動火災報知設備・誘導灯・非常警報設備などは機器内蔵の蓄電池(内部予備電源)を非常電源とします。詳細は建築消防advice等でご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. (12)項イとは何ですか? A. 工場又は作業場を指します。 Q. 非常電源にはどのような種類がありますか? A. 自家発電設備又は燃料電池設備蓄電池設備非常電源専用受電設備の3種類です。 Q. 蓄電池設備に内蔵バッテリーは含まれますか? A. 含まれます。機器内蔵のバッテリーも蓄電池設備として扱われます。 Q. 表の記号(★〇×)の意味は? A. ★は推奨される設備、〇は設置可能な設備、×は適用できない設備を表します。

工場・作業場に必要な消防用設備等の設置基準

作業場・工場部分
🧯🚨
屋内消火栓設備・自動火災報知設備
指定可燃物の貯蔵・取扱部分
🚨💧
大型消火器・スプリンクラー設備
事務室・更衣室等
🧯🚪
消火器具・避難口誘導灯
共用部・廊下
🚪💡
通路誘導灯・非常照明
① 建物用途区分の確認 → 消防法施行令 別表第一 (十二)項イに該当(工場,作業場等)
延べ面積積・床面積が基準以上
→ 消火器具・自動火災報知設備等の設置義務が拡大
指定可燃物の取扱量が基準未満
→ 大型消火器等の追加設備は対象外
② 地階・無窓階・階数(3階以上/11階以上等)を確認 → 消火器具・自動火災報知設備・避難器具の要否ラインに影響
③ 指定可燃物(危険物の規制に関する政令 別表第4)の貯蔵・取扱量(倍数)を確認 → 大型消火器・屋内消火栓設備・スプリンクラー設備等の基準面積が変動
④ 下記の設備別セクションの早見表で個別にご確認ください
🧯消火設備等
🚨警報設備等
🚪避難設備・誘導灯
🧯

消火設備等

火を消す・抑える設備。床面積のほか、指定可燃物(危険物の規制に関する政令 別表第4)の貯蔵・取扱量(倍数)が設置義務の重要な分岐点になります。

POINT指定可燃物を500倍以上取り扱う部分は大型消火器、750倍以上は屋内消火栓設備、1,000倍以上はスプリンクラー設備等の設置対象になるなど、取扱量の倍数が工場特有の判定基準です。
🏛️用途区分(十二)項イ
📐床面積・指定可燃物量で判定
🧯消火設備の要否が決定
消火器具延べ面積150㎡以上、地階・無窓階又は3階以上の階で床面積50㎡以上、又は指定可燃物を危険物政令別表第4の数量以上貯蔵・取り扱う場合に設置。
大型消火器指定可燃物を500倍以上貯蔵・取り扱う部分(歩行距離30m以下となるよう設置)、又は出力合計1,000kW以上(低圧含む)の高圧変電設備等がある場所に設置。
屋内消火栓設備主要構造部・内装制限に応じ床面積700㎡~2,100㎡以上、又は指定可燃物750倍以上(可燃性液体類を除く)を貯蔵・取り扱う部分に設置。
スプリンクラー設備地階又は無窓階の床面積合計2,000㎡以上、地盤面から高さ31mを超える階、又は指定可燃物1,000倍以上(可燃性液体類を除く)を貯蔵・取り扱う部分に設置(水噴霧消火設備等を代替設置した場合は除外規定あり)。
屋外消火栓設備1・2階の床面積合計(地階を除く)が耐火建築物9,000㎡以上、準耐火建築物6,000㎡以上、その他の建築物3,000㎡以上で設置。
動力消防ポンプ設備屋内消火栓設備(1・2階部分、地階は不可)又は屋外消火栓設備の代替設備として設置できる。
水噴霧消火設備等指定可燃物1,000倍以上を貯蔵・取り扱う部分等に設置。泡消火設備・不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備も同様の扱い。
POINT延べ面積500㎡以上で自動火災報知設備の設置が必要(地階・無窓階・3階以上の階は床面積300㎡以上、指定可燃物500倍以上を貯蔵・取扱う場合も対象)。
🏛️用途区分(十二)項イ
📐床面積・指定可燃物量で判定
🚨警報設備の要否が決定
自動火災報知設備延べ面積500㎡以上、地階・無窓階又は3階以上の階で床面積300㎡以上、11階以上の階、又は指定可燃物500倍以上を貯蔵・取り扱う場合に設置。
ガス漏れ火災警報設備温泉採取施設等(可燃性ガスを1人以上取り扱うもの)、液化石油ガスを使用する場所は床面積に関係なくガス漏れ警報器を設置。
漏電火災警報器鉄網入りの壁・床・天井のいずれかがある建物で床面積300㎡以上(壁・床・天井を準不燃材料とした場合は設置不要)。
消防機関へ通報する火災報知設備延べ面積500㎡以上(消防機関から著しく離れた場所又は近距離の場合等は緩和規定あり)。
非常警報器具・非常警報設備収容人員20人以上(地階・無窓階)~50人以上で設置。地階を除く階数11以上又は地階の階数3以上は非常放送設備が必要。
🚪

避難設備・誘導灯

逃げ道を確保・案内する設備。階数と収容人員の組み合わせで判断します。

POINT3階以上の無窓階・地階で収容人員100人以上等の場合に避難器具が必要。地階、無窓階及び地上11階以上の階には誘導灯を設置。
🏛️用途区分(十二)項イ
👥収容人員・階数で判定
🚪避難設備の要否が決定
避難器具避難階及び11階以上の階を除き、3階以上の無窓階・地階で収容人員100人以上、3階以上の一般階で150人以上、又は直通階段が1ヶ所しかなく3階以上で収容人員10人以上の階に設置。
避難口・通路誘導灯地階、無窓階及び地上11階以上の階に設置。延べ面積50,000㎡以上等の大規模な工場は長時間(60分)定格型誘導灯を設置。
誘導標識全部に設置(避難口誘導灯又は通路誘導灯の有効範囲内の部分は設置しないことができる)。
適用できる
指定可燃物の貯蔵・取扱量等、一定の条件下でのみ適用できる
該当しない
📋 全用途の一覧(防火対象物別の早見表)を見る

根拠:消防法施行令 別表第一および消防法施行令・施行規則の規定をもとに作成。実際の適用は所轄消防本部の指導により異なる場合があります。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。