【新人講座 第14回】ブレーカー(遮断器)選定のきほん ― 守り神は2つの顔と3つの数字で選ぶ
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📚 この記事は連載「図解&会話で学ぶ 電気設備設計の基礎」の1本です。→ 全カリキュラム(目次)はこちら

こんにちは、HARITAの設計室です。第4部の4回目は、シリーズに何度も登場してきたブレーカー(遮断器)を、ついに“選ぶ側”の目線で。第9回で「守り神」と呼び、第12回で「ケーブルはブレーカーに守られる」とやった、その守り神の落ちる仕組みと選び方です。
先輩、第9回で「20Aブレーカーは20Aちょうどでは落ちない」って言ってましたよね。あれ、ずっと気になってたんです。なんで基準ぴったりで落ちないんですか?
お、ちゃんと覚えてたね。答えは今日の主役——ブレーカーが持つ2つの顔にある。図で見よう。
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落ちる仕組み ― 過負荷は「ゆっくり」、短絡は「瞬時」

なるほど…過負荷側は「温まってから落ちる」から、ちょっとの超過ならしばらく耐えるんだ。だから20Aぴったりでは落ちない!
そのとおり、第9回の答え合わせ完了(笑)。この「じわじわ特性」はモーターの起動電流みたいな一瞬の山をやり過ごすためでもある。エアコンの起動でいちいち落ちたら困るからね。一方、短絡(ショート)の大電流は1秒も待てないから、電磁力で瞬時にバチン。役割で落ち方を変えている——賢い守り神なんだ。
定格ラベルの読み方 ― AT・AF・kA

「100AT・225AF」…ATとAFで数字が違うのはどういうことですか?
AT(トリップ)は落ちる基準の設定値、AF(フレーム)は器械の箱の大きさ。同じ225AFの箱に、125AT・150AT・175AT…と中身違いのラインナップがあるイメージ。盤図に「225AF/100AT」とあれば「箱は225用、落ちる設定は100A」と読む。将来ATだけ上げたい時に箱ごと変えなくて済む、なんて使い方もあるよ。
3つ目の「遮断容量25kA」って、100Aのブレーカーなのに25,000A…?桁が違いすぎませんか?
それが短絡の世界。ショート時は定格の何百倍という電流が流れ得る。その大電流を安全に切り離せる体力が遮断容量kAだ。体力不足のブレーカーで短絡を切ろうとすると、切れずにアークで壊れる——守り神が最初の犠牲者になってしまう。だからその地点の短絡電流より大きいkAを選ぶ。これが選定3条件の③だよ。
💼 実務でこう生きる
🐣 いまさら聞けない素朴なギモン
🔎 深掘りQ&A ― 会話だから、もっと分かる
⚠️ 新人がやりがちな注意ポイント
- ATとケーブルの整合を忘れない:AT>ケーブル許容電流は「守れない組合せ」。第12回とセットで必ず確認。
- kAを「どこでも同じ」と思わない:短絡電流は場所で違う。受電近くは大きく、末端は小さい。
- 落ちたブレーカーを原因調査なしに入れ直さない:第7回の鉄則再掲。過負荷か短絡か漏電か、見当をつけてから復旧。
まとめ ― 今日の1枚
- ブレーカーは過負荷(じわじわ→ゆっくり)と短絡(ドカン→瞬時)の2つの顔で守る。
- ラベルはAT=落ちる基準/AF=箱の大きさ/kA=切れる体力。
- 選定3条件:設計電流≦AT≦ケーブル許容電流、kA≧その地点の短絡電流。
- 漏電ブレーカー(30mA)は人を守る仲間。配置は設計判断。
次回・第15回は第4部の締めくくり——接地(アース)のきほんと接地線サイズ。施工実務編④で埋めた接地極の“設計側の物語”です。お楽しみに!
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