結論

内定者の期間に必要な準備は、「用語」と「図面の読み方」だけです。資格の勉強もCADの独学も、入社後に会社の流れに乗ったほうが早く身につきます。このページでは、HARITAの新人講座(全51回)から入社までに読んでおく10本を選び、その理由と「やらなくていいこと」を整理しました。1本5〜6分、合計1時間ほどです。読んだ回はブラウザに記録されるので、入社後は続きから進められます。

  • 10本は「仕事の全体像 → 電気の基本量 → 図面と記号 → 現場と建築の用語」の順
  • 資格(第二種電気工事士など)の勉強は入社後で間に合う。配属先の方針を聞いてから決める
  • 余裕があれば施工実務編①と第7回。逆に電験テキストの先取りやCADの独学は不要
この記事でわかること
✔ 内定者が入社までに読む10本とその理由
✔ 余裕があるときの+2本と、やらなくていいこと
✔ 入社前にそろえるもの・入社後の12週間の見通し

なぜ「10本だけ」でいいのか

電気設備の仕事は、入社後の最初の3か月に覚えることが集中します。内定者のうちに詰め込んでも、現場や図面という「実物」がないまま覚えた知識は定着しにくく、4月にもう一度やり直すことになります。逆に、言葉と図面の読み方だけは先に入れておくと、配属初日から先輩の説明が「日本語として」分かります。ここに差がつきます。

💡 ここがポイント

先取りの目的は「知っている状態」ではなく「説明が聞ける状態」を作ること。単位・記号・用語の3つを先に入れる。

入社までに読む10本

上から順に読むのがおすすめです。各回の末尾に「振り返りチェック」があるので、答えられなかった項目だけメモしておくと、入社後の質問リストになります。

仕事の全体像を先に持つ。「設計は図面を描く仕事」ではなく「建物に電気を通す段取りの仕事」だと分かると、入社後の説明が全部つながる
電圧・電流・抵抗。高校物理の復習だが、身近な例で「感覚」に直しておくと、現場の会話で数字が怖くなくなる
直流と交流、単相と三相。図面に出る「1φ2W」「3φ3W」が読めるだけで、初日の図面が文字化けに見えなくなる
kW・kVA・kvar・力率。新人が最初につまずく単位。ビールジョッキの図で一度つかんでおく
配置図単線結線図幹線系統図の役割。図面の「種類」が分かると、渡された図面のどこを見ればよいか判断できる
電気図記号の読み方。頻出8記号と添字。これだけで配置図が文章として読める
単線結線図の読み方。「川の流れ」で上から下へ。入社後、先輩が最初に見せる図面はほぼこれ
現場の施工用語。「コロガシ」「スミダシ」など、聞き返しにくい言葉を先に知っておく
電気屋のための建築用語。「躯体」「通り芯」「FL+300」。建築図面と会話が読めるようになる
コンセントの種類と読み方。穴の形が電圧×電流の暗号だと分かると、住まいの中の観察が勉強になる


余裕があれば、あと2本

施工実務編① 現場の1日と安全のきほんは、現場に出る前に「朝の30分で安全が決まる」感覚を持てる回です。第7回 受電から末端までは、受電から末端まで電気の流れを1枚の図で持つ回で、ここまで読めると入社後の設計・施工どちらの配属でも全体像がぶれません。

やらなくていいこと

内定者の期間に手を出さなくてよいもの
  • 電験三種・第一種電気工事士のテキスト:範囲が広く、実物を見ないまま進めても定着しにくい。第二種電気工事士は配属先の方針(会社が受験させるか、上期・下期のどちらか)を聞いてから決める。
  • CADの独学:会社ごとにソフトと作図標準が違う。入社後に会社のテンプレートで覚えるのが最短。
  • 内線規程・高圧受電設備規程の購入:会社に置いてあることが多い。必要になったら先輩に借りるか、会社の方針で買う。
  • 工具一式の購入:現場配属かどうか、会社支給かどうかで変わる。内定者の段階で買うのは筆記用具と三角スケール程度で十分。

入社前にそろえるもの

最低限は、書ける・測れる・読めるの3つです。新人が最初に揃える道具リストに基本装備をまとめていますが、内定者の段階では三角スケール・シャープペン・小さなメモ帳があれば足ります。本を1冊だけ選ぶなら、新入社員・初心者におすすめの書籍の中から図解入りの入門書を1冊。読み切らなくて構いません。

入社後の見通し:12週間で全51回

配属後は、新人講座の残り41本を12週間で読み切るのが目安です(週3〜6本、1回5〜6分)。会社に教育担当者がいる場合は、担当者向けの新人教育担当者のための新人講座 活用ガイドに12週間のシラバスがあります。一人で進める場合も、マイページの「新人講座の進捗」で読了数と「つづきから読む」が表示され、全部読み終えると修了証を発行できます。配属から1年の全体像は電気設備の新人が読む順番|配属から1年の教育ロードマップを参考にしてください。


よくある質問

内定者のうちに第二種電気工事士を取っておくべきですか?

会社によって方針が違います。受験を会社が支援する場合や、上期(春)・下期(秋)のどちらで受けるかが決まっている場合があるので、内定先に確認してから決めるのが無駄がありません。取る場合は学科の勉強を入社の2〜3か月前から始めれば十分です。

文系・電気以外の学科出身でも大丈夫ですか?

大丈夫です。新人講座は業界未経験の新卒を前提に、身近な例と図解で進めています。この10本は電気の専門知識を前提にしていません。

読んだ記録はどこに残りますか?

読んでいるブラウザの中(localStorage)に保存されます。入社後も同じ端末・同じブラウザで読めば続きから進められます。会社のPCで続ける場合は、記録が引き継がれない点だけ知っておいてください。

10本を読む順番は変えてもいいですか?

構いません。ただし第0回(仕事の全体像)だけは最初に読むことをおすすめします。残りは興味のある回から読んでも、全体像があれば位置づけが分かります。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。