出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

アンモニアや塩素などの腐食性ガス、酸・アルカリなどの溶液がある場所では、電線被覆や金属部が腐食し、絶縁低下・感電・火災を招きます。内線規程では配線方法・防食対策・接地について基準が定められています。本記事では要点を図解で整理します。

腐食性ガスのある場所の電気設備の3つのポイント(配線方法・防食対策・機器と接地)を示した図解

結論

腐食性ガスのある場所では、①ガス・溶液の種類に応じがいし引き・金属管・合成樹脂管・二種金属製可とう・ケーブル・キャブタイヤケーブルのいずれかで配線し、②電線管や附属品に防食塗料を施し合成樹脂管は接合部を気密にし、③機器は腐食性ガスが入らない構造とし規定に準じて接地工事を施します。

配線方法とがいし引き配線

  • 腐食性ガスや溶液がある場所の配線は、がいし引き配線・金属管配線・合成樹脂管配線(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く)・金属製可とう電線管配線(二種金属製可とう電線管に限る)・ケーブル配線・キャブタイヤケーブル配線のいずれかで行います。
  • がいし引き配線は、簡易接触防護措置を施し、露出場所に限って施設します。電線は絶縁電線(DV電線及びDE電線を除く)または同等以上の絶縁効力のあるものを使用します。
  • 電線の絶縁物が害される場所では裸電線を使用でき、その場合は床上2.5m以上に施設するか、さくを設けるなどして取扱者以外が立ち入れないようにします。裸電線を使用する場合は造営材との距離を4.5cm以上離します。

配管・ケーブルの防食対策

  • 金属管配線・金属製可とう電線管配線では、電線管・二種金属製可とう電線管及びその附属品に防食塗料を施し、内部に腐食性ガスや溶液が浸入しないように施設します。
  • 合成樹脂管配線では、管相互または管と附属品との接合部を気密とし、内部に腐食性ガスや溶液が浸入しないように施設します。
  • ケーブル配線・キャブタイヤケーブル配線では、腐食性ガスや溶液によって外装が侵されないよう予防方法を施し、その種類に応じて外装が侵されないものを選びます。

機器と接地工事

  • 開閉器・コンセント・過電流遮断器などは、原則として腐食性環境への露出を避けます。やむを得ない場合は防水ソケットも有効で、器具の金属部分には防食塗料を塗布します。
  • 電動機その他の電力装置は、内部に腐食性ガスや溶液が浸入しない構造の製品を選び、表面に防食塗料を塗布するなどの腐食対策を行います。
  • 機械器具の鉄台・金属製外箱・鉄わくなどには、規定に準じて接地工事を施します。

たとえ話で理解しよう

腐食性ガスのある場所は、潮風がいつも吹きつける海辺のようなもの。金属も電線の被覆も少しずつ傷んでいきます。だから「腐食に強い材料を選び、防食塗料で守る」ことが欠かせないのです。

見習いペン太
見習いペン太
先生、腐食性ガスのある場所では何に気をつけますか?
はりた
はりた
ガスや溶液の種類に合った配線方法を選び、電線管や附属品には防食塗料を施すんだ。合成樹脂管なら接合部を気密にするよ。
見習いペン太
見習いペン太
機器はどう選べばいいですか?
はりた
はりた
腐食性ガスが内部に入らない構造のものを選び、表面に防食塗料を塗る。鉄台や金属外箱には規定に準じて接地工事を施すんだよ。

よくある質問(FAQ)

Q. 腐食性ガスや溶液がある場所ではどんな配線方法が使えますか?
A. がいし引き配線、金属管配線、合成樹脂管配線(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く)、金属製可とう電線管配線(二種金属製可とう電線管に限る)、ケーブル配線、キャブタイヤケーブル配線のいずれかを、腐食性ガスや溶液の種類に応じて選びます。
Q. がいし引き配線で裸電線を使うときの条件は?
A. 電線の絶縁物が害される場所では裸電線を使用できます。その場合は床上2.5m以上の高さに施設するか、さくを設けるなど取扱者以外が立ち入れないようにし、電線と造営材との距離を4.5cm以上離します。
Q. 配管や機器の防食はどうすればよいですか?
A. 金属管や金属製可とう電線管及びその附属品には防食塗料を施し、合成樹脂管は接合部を気密にして腐食性ガスや溶液の浸入を防ぎます。機器は内部に腐食性ガスが浸入しない構造のものを選び、表面に防食塗料を塗布し、鉄台等には規定に準じて接地工事を施します。