【プロット図の見方㉒】非常コンセント ― 四角で囲んだ記号を読み、階段室の保護箱・専用回路・非常電源まで押さえる
高いビルの階段室で、赤いランプの付いた鉄の箱を見たことはありませんか。中にあるのが非常コンセントです。ふだんは誰も使いませんが、火事で停電したとき、消防隊が投光器や工具をつなぐための「消防隊専用の電源」です。第22回は、プロット図での記号と、置き場所・電源の決まりを見ていきます。
非常コンセントは「消防隊の電源」
火事で停電すると、ビルの中は真っ暗になります。はしご車が届かない高さでは、消防隊は階段を上がって消火します。そのとき投光器や電動工具を使うための電源が、非常コンセントです。いわば消防隊のための「専用の電源タップ」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 決めている法律 | 消防法(非常コンセント設備) |
| 必要な建物 | 地階を除く階数が11以上の建物の11階以上の階、延べ面積1,000m²以上の地下街 |
| 使う人 | 消防隊(ふだんは使わない) |
| 目印 | 保護箱の「非常コンセント」の表示と上部の赤い灯火 |
- 消防隊が使う電源
- 11階以上の階・大きな地下街
- 赤い灯火が目印
記号は「四角で囲んだコンセント」
プロット図では、ふつうのコンセントとは違う形で描きます。JIS C 0303では、非常用コンセント(消防法によるもの)として決められています。
| 名前 | 記号 | 読み方 |
|---|---|---|
| ふつうのコンセント | 壁側を塗った円に2本の線(第2回) | ふだん使う電源 |
| 非常用コンセント(消防法) | 四角で囲んだコンセント(四角の中に丸と2つの点でもよい) | 消防隊のための電源 |
| 発電機回路のコンセント | 図面ごとに決める(色・傍記など) | 停電時に一般の機器を動かす電源。凡例で確かめる |
- 四角で囲む
- 丸と2つの点の書き方もある
- 発電機回路のコンセントと区別
置き場所は「階段室などに、50m以内」
消防隊は階段や非常用エレベーターで上がってきます。そのため非常コンセントは、上がってきてすぐ使える場所に置きます。
| 決まり | 内容 |
|---|---|
| 置く場所 | 階段室、非常用エレベーターの乗降ロビーなど |
| 数の決め方 | 階のどこからでも、水平距離50m以内に1つあるように |
| 高さ | 床から1m以上1.5m以下 |
| 保護箱 | 鋼板製(厚さ1.6mm以上)、表面に「非常コンセント」、上部に赤い灯火 |
- 階段室・乗降ロビー
- 水平距離50m以内
- 高さ1m以上1.5m以下
電源は「専用回路・耐火配線・非常電源」
消火の途中で電気が切れては困ります。そのため電源と配線にも決まりがあります。
| 決まり | 内容 |
|---|---|
| 電圧と容量 | 単相交流100Vで15A以上を送れること |
| コンセント | 接地形2極(15A125V) |
| 回路 | 1回路に10個まで。各階で2回路以上(1個だけの階は1回路) |
| 配線 | 主配電盤からの専用回路を耐火配線で |
| 電源 | 非常電源につなぐ(停電しても送電) |
| 漏電遮断器 | 付けない(消火中に切れないように) |
- 単相100V・15A以上
- 1回路10個・各階2回路以上
- 耐火配線で非常電源へ
間違えやすいところ
⚠️ よくある読み違い
- ふつうのコンセントと同じに拾う:保護箱・表示灯付きの器具として別に拾います。
- 発電機回路のコンセントと混同する:記号と凡例で消防法のものか確かめます。
- 一般のケーブルで配線する:耐火配線が必要です。
- 漏電遮断器の回路につなぐ:非常コンセントの回路には付けません。
- 10階以下の階にも付けると思い込む:必要なのは11階以上の階です(地下街は別の決まり)。
複合コンセントの読み方は第21回、コンセントの基本の記号は第2回で扱っています。
- 保護箱付きの器具として拾う
- 凡例で区別する
- 耐火配線・漏電遮断器なし
よくある質問
非常コンセントとは何ですか?
消防法で決められた、消防隊が消火活動に使うための電源です。高いビルの上の階や大きな地下街で、投光器や電動工具などをつなぎます。非常電源につながっているので、火事で停電しても使えます。
どんな建物に必要ですか?
地階を除く階数が11以上の建物の11階以上の階と、延べ面積1,000m²以上の地下街です。はしご車が届きにくい高さや場所で、消防隊が電源を確保できるようにするためです。
図面ではどんな記号ですか?
JIS C 0303では、四角で囲んだコンセントの記号です。四角の中に丸と2つの点を描く書き方も使えます。壁側を塗ったふつうのコンセントとは形が違います。
非常用発電機につながったコンセントとは違いますか?
違います。停電時に一般の機器を動かすための発電機回路のコンセントは、消防法の非常コンセントではありません。記号や色は図面ごとに決めるので、凡例で確かめます。
どこに付けますか?
階段室や非常用エレベーターの乗降ロビーなど、消防隊が上がってきて使いやすい場所です。階のどこからでも水平距離50m以内に1つあるように配置し、高さは床から1m以上1.5m以下にします。
電源や配線の決まりは?
単相交流100Vで15A以上を送れること、1回路に10個まで、各階で2回路以上(1個だけの階は1回路)にすることなどが決められています。配線は耐火配線で、非常電源につなぎます。細かい基準は所轄の消防で確かめます。
あわせて読みたい
30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?
タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。
ご回答ありがとうございます!
よければ、あと3つだけ教えてください(任意・答えなくてもOK)
ありがとうございました。いただいた声は記事の改善に使わせていただきます。

