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プロット図の見方 第18回連載の一覧 ›

ケーブルや管が壁や床を通り抜けるところが貫通箇所です。中でも防火区画を通り抜けるところは、火や煙が隣へ広がらないように区画貫通処理(耐火処理)が必要です。防火扉が閉まっても、壁に穴が開いたままなら意味がありませんよね。拾い出しでは、長さではなく「箇所」で数えるので、ほかの材料と拾い方が大きく違います。第18回は、貫通箇所の見つけ方から、処理の種類、分け方、拾い出し表までを見ていきます。

結論

防火区画の線を重ねて交点を数え、何が・どんな壁や床を・どの工法で通るかで分けて、箇所で拾います。

  • 上下階への貫通は二重丸の記号。階数分を拾う
  • 外壁は止水、梁はスリーブも忘れずに
  • 工法の条件は特記と工法の資料で確かめる
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
防火区画の線を重ねて貫通箇所を探し、貫通する場所ごとの処理の種類、条件での分け方、箇所で数える拾い出し表を示す動く図解
約50秒でくり返します。区画の線とラック・ケーブル・管の交点を探すところから、拾い出し表までを見ます。

区画の線を重ねて、交わるところを数える

電気の図面には、防火区画の線が描かれていないこともあります。まず建築の防火区画図を用意して、区画の線を電気の図面に重ねます。そのうえで、ケーブル・管・ケーブルラックが区画の線と交わるところに印を付けていきます。

探すところ 見つけ方
横に抜ける貫通(壁) 区画の線と配線・ラックの交点
上下に抜ける貫通(床) 立上り・引下げ・素通しの記号が二重丸(第4回)
外壁の貫通 屋外へ出る配線と外壁の交点
梁の貫通 配線が梁の下を通れず、梁を抜けるところ
1本のルートでも、区画を何度も通り抜けることがあります。交点ごとに番号を付けると数え漏れを防げます。
ここまでのポイント
  • 防火区画図を重ねる
  • 交点に印と番号
  • 上下の貫通は二重丸

どこを通るかで、拾う処理が変わる

貫通する場所 拾う処理 ポイント
防火区画の壁 区画貫通処理 隙間を埋める材料や認定工法で、火と煙を止める
防火区画の床(EPS など) 床の貫通処理 竪穴になる場所は階ごとに拾う
外壁 止水処理・シーリング 防火区画でなくても、雨水を入れない処理を拾う
梁 スリーブ コンクリートを打つ前に入れる。位置と径は構造と調整
防火区画を貫通する部分の扱いは建築基準法施行令に決まりがあり、具体的な方法は図面の特記と工法の資料で確かめます。
ここまでのポイント
  • 防火区画は区画貫通処理
  • 外壁は止水、梁はスリーブ
  • 竪穴の床は階ごと

区画貫通処理は「何が・どんな壁を・どの工法で」

区画貫通処理は、同じ「1箇所」でも中身が違います。次の3つで条件が変わると、使える工法や材料の量が変わるので、行を分けて拾います。

分ける条件 例 変わるもの
貫通するもの ケーブルの束・管の種類と径・ラックの幅 開口の大きさ、処理材の量
壁・床の種類 RC壁・ALC・中空壁(間仕切り)・床 使える工法
工法 認定工法の種類とその条件 材料・手間
たとえば可燃性の管が区画を通るときは、管の種類や太さによって、区画の両側の一定範囲を不燃材料にする決まりや、工法ごとの条件があります。
読み方のコツ:ケーブルラックが区画を通るところは、ラックの幅ごとに分けます。ケーブルを管に入れて通すか、ケーブルのまま通すかでも工法が変わります。敷設方法の見分け方は第15回で扱っています。
ここまでのポイント
  • 貫通するもので分ける
  • 壁・床の種類で分ける
  • 工法の条件は資料で確かめる


拾い出し表 ― 単位は「箇所」、条件ごとにまとめる

図解の例を拾い出し表にすると、こうなります。

品名 条件 数量
区画貫通処理(壁) ケーブルラック W300・RC壁 1箇所
区画貫通処理(壁) ケーブル・中空壁 1箇所
区画貫通処理(壁) 金属管 E25・RC壁 2箇所
床の貫通処理(EPS) ケーブル・2〜5階 4箇所
外壁 止水処理 管 E25 1箇所
条件と数量は架空の例です。

✏️ まとめ方のコツ

  1. 交点の番号と行を対応させる:どの箇所がどの行か、あとから確かめられます。
  2. 竪の貫通は階数分:素通しの階も、床を通るたびに1箇所です。
  3. スリーブは別の行で:径と長さ(壁や梁の厚さ)ごとに本数で拾います。
ここまでのポイント
  • 単位は箇所
  • 条件ごとに行を分ける
  • 竪の貫通は階数分

見落としやすいところ

⚠️ よくある拾い漏れ

  1. 防火区画図を見ずに拾う:電気の図面に区画の線がないと、貫通箇所がまるごと抜けます。
  2. 素通しの階を数えない:二重丸の素通しは、通る階ごとに床を貫通します。
  3. ラックとケーブルを二重に拾う:ラックの中を通るケーブルは、ラックの貫通処理に含まれることが多いので、工法の範囲を確かめます。
  4. 外壁・梁を忘れる:防火区画でなくても、止水とスリーブは拾います。
  5. 条件をまとめすぎる:壁の種類や管の径が違えば、工法も違います。

立下りの管の拾い方は第17回、拾いミスのほかの事例は積算編③で紹介しています。

ここまでのポイント
  • 防火区画図は必ず重ねる
  • 素通しの階も1箇所ずつ
  • 外壁と梁も忘れない

よくある質問

貫通箇所はどうやって見つけますか?

建築の防火区画図の区画の線を電気の図面に重ね、ケーブル・管・ケーブルラックが区画の線と交わるところを数えます。上下の階へ抜ける貫通は、立上り・引下げ・素通しの記号が二重丸になっているところです。

区画貫通処理とは何ですか?

防火区画を配線が通り抜けるところで、隙間から火や煙が広がらないようにする処理です。隙間を埋める材料や、国の認定を受けた工法(認定工法)を使います。

区画貫通処理は何で分けて拾いますか?

貫通するもの(ケーブルの束、管の種類と径、ラックの幅)、壁や床の種類と厚さ、工法の種類で分けます。条件が変わると材料や工法が変わるからです。

単位は何ですか?

箇所です。長さではなく、貫通するところの数で拾います。条件ごとに行を分けて、箇所数をまとめます。

防火区画でない壁の貫通は拾いますか?

外壁は雨水を入れないための止水処理を、梁はスリーブを拾います。一般の間仕切り壁は、特記で処理が決まっていれば拾います。

可燃性の管が防火区画を通るときは?

管の種類や太さによっては、区画の両側の一定範囲を不燃材料にする決まりや、認定工法の条件があります。建築基準法施行令と工法の資料、図面の特記で確かめます。

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ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。