【プロット図の見方⑱】貫通箇所の拾い方 ― 防火区画の線を重ねて交点を数え、区画貫通処理は何が・どんな壁を・どの工法で通るかで分けて箇所で拾う
ケーブルや管が壁や床を通り抜けるところが貫通箇所です。中でも防火区画を通り抜けるところは、火や煙が隣へ広がらないように区画貫通処理(耐火処理)が必要です。防火扉が閉まっても、壁に穴が開いたままなら意味がありませんよね。拾い出しでは、長さではなく「箇所」で数えるので、ほかの材料と拾い方が大きく違います。第18回は、貫通箇所の見つけ方から、処理の種類、分け方、拾い出し表までを見ていきます。
結論
防火区画の線を重ねて交点を数え、何が・どんな壁や床を・どの工法で通るかで分けて、箇所で拾います。
- 上下階への貫通は二重丸の記号。階数分を拾う
- 外壁は止水、梁はスリーブも忘れずに
- 工法の条件は特記と工法の資料で確かめる
区画の線を重ねて、交わるところを数える
電気の図面には、防火区画の線が描かれていないこともあります。まず建築の防火区画図を用意して、区画の線を電気の図面に重ねます。そのうえで、ケーブル・管・ケーブルラックが区画の線と交わるところに印を付けていきます。
| 探すところ | 見つけ方 |
|---|---|
| 横に抜ける貫通(壁) | 区画の線と配線・ラックの交点 |
| 上下に抜ける貫通(床) | 立上り・引下げ・素通しの記号が二重丸(第4回) |
| 外壁の貫通 | 屋外へ出る配線と外壁の交点 |
| 梁の貫通 | 配線が梁の下を通れず、梁を抜けるところ |
- 防火区画図を重ねる
- 交点に印と番号
- 上下の貫通は二重丸
どこを通るかで、拾う処理が変わる
| 貫通する場所 | 拾う処理 | ポイント |
|---|---|---|
| 防火区画の壁 | 区画貫通処理 | 隙間を埋める材料や認定工法で、火と煙を止める |
| 防火区画の床(EPS など) | 床の貫通処理 | 竪穴になる場所は階ごとに拾う |
| 外壁 | 止水処理・シーリング | 防火区画でなくても、雨水を入れない処理を拾う |
| 梁 | スリーブ | コンクリートを打つ前に入れる。位置と径は構造と調整 |
- 防火区画は区画貫通処理
- 外壁は止水、梁はスリーブ
- 竪穴の床は階ごと
区画貫通処理は「何が・どんな壁を・どの工法で」
区画貫通処理は、同じ「1箇所」でも中身が違います。次の3つで条件が変わると、使える工法や材料の量が変わるので、行を分けて拾います。
| 分ける条件 | 例 | 変わるもの |
|---|---|---|
| 貫通するもの | ケーブルの束・管の種類と径・ラックの幅 | 開口の大きさ、処理材の量 |
| 壁・床の種類 | RC壁・ALC・中空壁(間仕切り)・床 | 使える工法 |
| 工法 | 認定工法の種類とその条件 | 材料・手間 |
- 貫通するもので分ける
- 壁・床の種類で分ける
- 工法の条件は資料で確かめる
拾い出し表 ― 単位は「箇所」、条件ごとにまとめる
図解の例を拾い出し表にすると、こうなります。
| 品名 | 条件 | 数量 |
|---|---|---|
| 区画貫通処理(壁) | ケーブルラック W300・RC壁 | 1箇所 |
| 区画貫通処理(壁) | ケーブル・中空壁 | 1箇所 |
| 区画貫通処理(壁) | 金属管 E25・RC壁 | 2箇所 |
| 床の貫通処理(EPS) | ケーブル・2〜5階 | 4箇所 |
| 外壁 止水処理 | 管 E25 | 1箇所 |
✏️ まとめ方のコツ
- 交点の番号と行を対応させる:どの箇所がどの行か、あとから確かめられます。
- 竪の貫通は階数分:素通しの階も、床を通るたびに1箇所です。
- スリーブは別の行で:径と長さ(壁や梁の厚さ)ごとに本数で拾います。
- 単位は箇所
- 条件ごとに行を分ける
- 竪の貫通は階数分
見落としやすいところ
⚠️ よくある拾い漏れ
- 防火区画図を見ずに拾う:電気の図面に区画の線がないと、貫通箇所がまるごと抜けます。
- 素通しの階を数えない:二重丸の素通しは、通る階ごとに床を貫通します。
- ラックとケーブルを二重に拾う:ラックの中を通るケーブルは、ラックの貫通処理に含まれることが多いので、工法の範囲を確かめます。
- 外壁・梁を忘れる:防火区画でなくても、止水とスリーブは拾います。
- 条件をまとめすぎる:壁の種類や管の径が違えば、工法も違います。
立下りの管の拾い方は第17回、拾いミスのほかの事例は積算編③で紹介しています。
- 防火区画図は必ず重ねる
- 素通しの階も1箇所ずつ
- 外壁と梁も忘れない
よくある質問
貫通箇所はどうやって見つけますか?
建築の防火区画図の区画の線を電気の図面に重ね、ケーブル・管・ケーブルラックが区画の線と交わるところを数えます。上下の階へ抜ける貫通は、立上り・引下げ・素通しの記号が二重丸になっているところです。
区画貫通処理とは何ですか?
防火区画を配線が通り抜けるところで、隙間から火や煙が広がらないようにする処理です。隙間を埋める材料や、国の認定を受けた工法(認定工法)を使います。
区画貫通処理は何で分けて拾いますか?
貫通するもの(ケーブルの束、管の種類と径、ラックの幅)、壁や床の種類と厚さ、工法の種類で分けます。条件が変わると材料や工法が変わるからです。
単位は何ですか?
箇所です。長さではなく、貫通するところの数で拾います。条件ごとに行を分けて、箇所数をまとめます。
防火区画でない壁の貫通は拾いますか?
外壁は雨水を入れないための止水処理を、梁はスリーブを拾います。一般の間仕切り壁は、特記で処理が決まっていれば拾います。
可燃性の管が防火区画を通るときは?
管の種類や太さによっては、区画の両側の一定範囲を不燃材料にする決まりや、認定工法の条件があります。建築基準法施行令と工法の資料、図面の特記で確かめます。
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