フロアダクト工事
この章でわかること
ハリタ先生
今回は**フロアダクト工事**について学びます。オフィスビルなどで使われる重要な配線方法ですよ。ポイントをしっかり押さえましょう!
ペン太
はい、**フロアダクト工事**ですね。床に配線を埋め込むんですね。頑張って覚えます!
基本の解説
ハリタ先生
ペン太くん、フロアダクト工事とは何か知っていますか?
ペン太
うーん、名前の通り、床(フロア)にダクトを設置する工事…ですか?
ハリタ先生
その通り!もう少し詳しく言うと、建物のコンクリート床スラブ内に、あらかじめ金属製の配線用ダクトを埋め込んでおく電気工事の一種です。この工事をしておくと、床の好きな場所から電源や通信線を取り出せるようになるんですよ。
ペン太
なるほど!オフィスやお店で、後から机の配置を変えたりする時に便利そうですね!
関連するダクト工事の種類
金属ダクト工事
主に工場やビルなどで、太い幹線をまとめて収めるのに使われます。
バスダクト工事
大電流を安全に流すためのもので、工場や変電室などで使用されます。
フロアダクト工事
オフィスビルや店舗の床に設置し、自由な位置から電源を取り出せます。
セルラダクト工事
システムフロア(OAフロア)と組み合わせて、床下全体に配線スペースを確保します。
ライティングダクト工事
店舗や美術館などで、照明器具を好きな位置に取り付けるためのレール状のダクトです。
ハリタ先生
これらのダクト工事は、それぞれ特徴があり、建物の種類や用途によって使い分けられます。今回はフロアダクトに焦点を当てていますが、他の工事についても知っておくと理解が深まりますよ。
図解で覚える!ポイント
フロアダクト
コンクリート床に埋め込んで配線するための主要な部材です。
ダクトサポート
フロアダクトを所定の位置に支持・固定するための部材です。
インサートキャップ
フロアダクトの床面の穴(取り出し口)をふさぐためのキャップです。
施工の諸条件
1. 使用できる電線
- 絶縁電線であること(屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除く)
- より線または直径3.2mm以下の単線であること
2. 使用電圧と接地
- 使用電圧は300V以下
- 接地は原則としてD種接地工事を施すこと
【例外】
同一のジャンクションボックス内に堅ろうな隔壁を設けて弱電流電線を収める場合は、C種接地工事が必要になります。
施工上の重要ポイント
- ✓
電線の接続
フロアダクト内での電線接続は原則禁止です。接続はジャンクションボックス内で行います。ただし、接続点を容易に点検できる場合に限り、例外としてダクト内での接続が認められます。
- ✓
終端部の処理
フロアダクトの終端部(端)は、ほこりや水分の侵入を防ぐため、必ず閉そく(ふさぐ)しなければなりません。
- ✓
D種接地工事の省略不可
フロアダクト工事では、D種接地工事を省略できる条件はありません。必ず接地工事が必要です。
ペン太の試験対策メモ
第二種電気工事士の学科試験で、「乾燥した場所に施設したのでD種接地工事を省略した。適切か?」のような問題が出ることがあります。フロアダクト工事では絶対に接地工事を省略できないと覚えておきましょう。
主な材料と記号
フロアダクト
記号例
(F7)
コンクリート床に埋め込む、断面が長方形の配線用ダクトです。器具の取り付けや電線の引き出し用に、円形の穴が設けられています。
ジャンクションボックス
記号
◎
フロアダクト同士を接続・分岐させるためのボックスです。4方向から2本ずつ、金属管も接続可能です。
ダクトカップリング
記号
–
フロアダクト同士を直線で接続するための部品です。両側からダクトを差し込み、ねじで固定します。
ダクトサポート
記号
–
フロアダクトをコンクリート打設前に正しい高さで支持・固定する金具です。高さ調整用の長ボルトが特徴です。
インサートキャップ
記号
–
使用しないフロアダクトの穴をふさぎ、コンクリートやゴミの侵入を防ぐ保護用のふたです。
インサートマーカ
記号
–
コンクリート打設後も床上に穴の位置がわかるように、目印のねじが付いたふたです。
重要用語フラッシュカード
カードをクリックして、用語と意味を確認し、記憶を定着させましょう。
理解度チェックテスト
テスト履歴
実施日時 | スコア | 正答率 |
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